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96722025 通期プライムJGAAP

東京都競馬(9672) 2025年度通期決算 増収・営業益11%増

2025年度通期の売上高は417.6億円(前年同期比+3.3%)、営業利益は154.1億円(同+10.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥417.6億¥404.4億+3.3%
営業利益¥154.1億¥139.3億+10.7%
経常利益¥154.5億¥139.1億+11.0%
純利益¥92.7億¥87.6億+5.9%
ROE9.8%9.6%-

Executive Summary

2025年12月期通期決算は、売上高417.6億円(前年比+13.2億円 +3.3%)、営業利益154.1億円(同+14.8億円 +10.7%)、経常利益154.5億円(同+15.4億円 +11.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益92.7億円(同+5.1億円 +5.9%)となった。営業増益率が売上成長率を上回る増収増益で、収益性が改善基調にある。

業績変動要因

【売上高】前年比+3.3%の増収はRacingFacilities(公営競技事業)の売上増(286.7億円→296.9億円、+10.2億円)が主因で、全売上の71.1%を占める主力事業が牽引した。Ministorage(倉庫賃貸事業)も58.2億円→60.9億円と+4.6%増収で、物流施設賃貸需要が寄与した。AmusementPark(遊園地事業)は37.7億円→37.8億円とほぼ横ばい、CommercialServices(サービス事業)は21.9億円→23.7億円と+8.2%増となった。【損益】営業利益は前年比+10.7%増の154.1億円で、売上総利益が176.8億円(粗利率42.3%、前年41.7%から+0.6pt改善)、販管費は22.6億円(販管費率5.4%、前年5.2%から微増)と抑制された。営業利益率は36.9%(前年34.4%から+2.5pt改善)となり、高い収益性を維持した。経常利益154.5億円は営業外損益が+0.4億円のプラス寄与(受取利息・配当金1.0億円、支払利息0.7億円等)で営業利益とほぼ同水準となった。特別損益では減損損失4.7億円、災害損失0.5億円の特別損失があり、税引前利益は151.1億円となった。法人税等46.2億円計上後の純利益は92.7億円で前年比+5.9%増となったが、増益率が営業増益率(+10.7%)を下回った要因は、特別損失(減損4.7億円等)と有価証券評価差額金等の包括利益影響による。結論として、主力の公営競技事業の安定成長と利益率改善により、増収増益を達成した。

セグメント別分析

RacingFacilities(公営競技事業)は売上高296.9億円(構成比71.1%)、営業利益121.8億円(利益率41.0%)で、全社営業利益の78.4%を占める主力事業である。Ministorage(倉庫賃貸事業)は売上高60.9億円(構成比14.6%)、営業利益40.0億円(利益率65.6%)と最も高い利益率を示しており、物流施設賃貸の収益性の高さが確認できる。AmusementPark(遊園地事業)は売上高37.8億円(構成比9.1%)、営業利益4.8億円(利益率12.6%)、CommercialServices(サービス事業)は売上高23.7億円(構成比5.7%)、営業利益3.4億円(利益率14.5%)となっており、主力2事業に比べ利益率が低い。セグメント間の利益率差異は顕著で、Ministorageが65.6%と突出し、RacingFacilitiesが41.0%で続き、その他2事業は10%台にとどまる構造となっている。

主要財務指標

【収益性】ROE 9.8%(前年7.9%から+1.9pt改善)で、純利益の増加と自己株式取得による株主資本効率の向上が寄与した。営業利益率36.9%(前年34.4%から+2.5pt改善)は高水準を維持し、粗利益率42.3%(前年41.7%から+0.6pt改善)も改善基調にある。【キャッシュ品質】現金及び預金174.7億円、有価証券44.0億円で流動性資産は218.7億円、流動負債209.2億円に対する短期負債カバレッジは1.0倍と適正水準にある。営業CFは199.0億円で純利益92.7億円の2.1倍となり、利益の現金化は良好である。【投資効率】総資産回転率0.33倍、ROIC 11.5%で資産効率は安定している。【財務健全性】自己資本比率75.4%(前年74.5%から+0.9pt改善)で保守的な資本構成を維持し、流動比率129.9%、有利子負債は長期借入金57.5億円と社債100.0億円の計157.5億円で、Debt/EBITDA比率0.72倍と低水準である。負債資本倍率0.33倍で財務レバレッジは極めて低く、インタレストカバレッジは294.7倍と金利負担は軽微である。

キャッシュフロー分析

営業CFは199.0億円で純利益92.7億円の2.1倍となり、利益の現金裏付けは強固である。営業CF小計(運転資本変動前)は243.4億円で、売上債権増加2.6億円、仕入債務増加0.2億円と運転資本変動は軽微であった。法人税等の支払44.6億円を除いた実質的な営業キャッシュ創出力は高い。投資CFは-128.2億円で、設備投資62.5億円が主因であるが減価償却費64.8億円とほぼ同水準であり、資産維持投資の範囲内にある。FCFは70.8億円と潤沢な現金創出が確認できる。財務CFは-87.0億円で、自社株買い38.6億円と配当支払が主な資金使途であり、総還元(配当+自社株買い)による積極的な株主還元姿勢が示されている。現金及び預金残高は174.7億円と前年比+38.3億円増加し、短期流動性は十分に確保されている。

収益の質

経常利益154.5億円に対し営業利益154.1億円で、営業外損益の純増は+0.4億円と限定的である。営業外収益1.1億円の内訳は受取利息0.5億円、受取配当金0.5億円で、営業外費用は支払利息0.7億円が主体となっている。特別損益は減損損失4.7億円、災害損失0.5億円の特別損失5.2億円に対し固定資産売却益等の特別利益1.4億円があり、純額で-3.8億円の一時的マイナス要因となった。営業CFが純利益を大幅に上回る(2.1倍)ことから、アクルーアル品質は良好で収益の質は高い。営業外収益は売上高の0.3%と僅少であり、本業の収益力が利益の源泉となっている構造である。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対する進捗率は、売上高417.6億円/426.0億円で98.0%、営業利益154.1億円/158.3億円で97.3%と、ほぼ目標達成に近い実績となっている。実績が通期予想に近接していることから、予想の精度は高く、残余期間での大幅な変動は想定されていないと推察される。会社予想では次期(2026年12月期)は売上高426.0億円(前年比+2.0%)、営業利益158.3億円(同+2.7%)と緩やかな増収増益を見込んでおり、現在の業績トレンドが継続する想定である。

株主還元

年間配当は118円(前年90円から+28円 +31.1%)で、配当性向は31.4%(前年25.8%から+5.6pt上昇)と株主還元を強化した。配当118円の内訳は普通配当68円に加え、会社創立75周年記念配当5円が含まれる。自社株買いは38.6億円実施され、配当支払と合わせた総還元は約70億円規模となり、FCF 70.8億円に対する総還元性向はほぼ100%と高水準である。自己株式は前年末の85.0億円から当期末123.5億円へ+38.5億円増加しており、積極的な自社株買いが資本配分の中核となっている。次期配当予想は60円と示されているが、当期実績118円には記念配当5円が含まれるため、普通配当ベースでは前年比減配とはならない見通しである。

リスク要因

  1. 来場者数・投票金額の変動リスク:主力の公営競技事業(売上構成比71.1%)は大井競馬場および場外発売所の稼働に依存しており、景気後退やイベント中止、天候不順等により来場者や投票金額が減少するリスクがある。前年比で売上高は+3.3%増だが、外部環境の変化により減収転換の可能性は残る。
  2. 施設老朽化と大型改修費用リスク:有形固定資産884.6億円を保有する資産集約型ビジネスモデルにおいて、設備投資は減価償却費とほぼ同水準の62.5億円にとどまるが、将来的な大規模改修や更新需要が顕在化した場合、資本支出が急増し、FCFを圧迫するリスクがある。減損損失4.7億円の計上は一部資産の収益性低下を示唆している。
  3. 自社株買いによる資本効率への影響リスク:自己株式残高が123.5億円(前年比+45.3%増)と大幅に増加し、総還元性向がFCF対比ほぼ100%に達している。今後も高水準の株主還元を継続する場合、資本余力が制約され、将来の投資機会への対応や外部ショック時の財務バッファーが限定される可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 当社はレジャー施設運営・不動産賃貸複合事業を展開しており、業種特性として高い資産依存度と安定的なキャッシュフロー創出能力が求められる。収益性では、営業利益率36.9%は業種内でも極めて高水準にあり、公営競技施設の賃貸という特殊な事業モデルが高利益率を支えている。ROE 9.8%は業種平均的な水準を上回り、資本効率は良好である。財務健全性では、自己資本比率75.4%は業種内でも保守的な資本構成に位置し、有利子負債比率(Debt/EBITDA 0.72倍)は非常に低く、同業他社と比較しても財務余力は突出している。効率性では、総資産回転率0.33倍は資産集約型ビジネスとして標準的な水準にある。株主還元では、配当性向31.4%に加え自社株買いを実施し、総還元性向はほぼ100%と高く、同業比で積極的な還元姿勢が確認できる。業種特性として公営競技事業の規制環境や競合状況に左右される点はあるが、当社の財務基盤は業種内で相対的に強固であり、安定性と収益性を両立している。

決算上の注目ポイント

決算上の注目ポイントは以下3点である。第一に、営業利益率36.9%という高収益体質が維持されており、主力の公営競技事業(利益率41.0%)と倉庫賃貸事業(利益率65.6%)の収益性が全社の高利益率を支えている構造が確認できる。第二に、営業CFが純利益の2.1倍に達し、FCF 70.8億円を創出する強固なキャッシュ創出力があり、これが配当と自社株買いによる総還元(約70億円)を支えている点が特徴的である。第三に、自己株式残高の大幅増加(+38.5億円)と総還元性向ほぼ100%という積極的な資本配分姿勢が示されており、株主還元重視の経営方針が明確である一方、将来の成長投資や財務余力への影響を継続的にモニタリングする必要がある。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。