| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥162.8億 | ¥145.4億 | +12.0% |
| 営業利益 | ¥18.1億 | ¥15.0億 | +20.9% |
| 経常利益 | ¥18.4億 | ¥15.9億 | +16.0% |
| 純利益 | ¥9.6億 | ¥12.2億 | -21.4% |
| ROE | 8.5% | 11.0% | - |
2026年3月期決算は、売上高162.8億円(前年比+17.4億円 +12.0%)、営業利益18.1億円(同+3.1億円 +20.9%)、経常利益18.4億円(同+2.5億円 +16.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益11.0億円(同+0.8億円 +8.2%)となった。コンサルティング需要の底堅さとM&A効果が売上拡大を牽引し、営業利益率は11.1%(前年比+0.8pt)へ改善した。営業外収益0.5億円、特別損益はほぼゼロと一時要因は限定的で、実質的に本業主導の増益基調。税引前利益18.4億円に対し法人税等5.3億円(実効税率28.9%)と非支配株主利益2.1億円が純利益段階の伸びを抑制し、純利益成長率は+8.2%に留まった。営業CFは14.1億円(前年比-3.2%)で純利益の1.3倍を確保し、FCFは3.2億円と限定的ながらプラスを維持。配当8.5億円と自社株買い4.5億円の総還元13.0億円はFCFを上回り、手元資金は11.7億円減少したが、現預金64.9億円の厚い流動性を背景に財務健全性は堅持された。
【売上高】売上高162.8億円(前年比+12.0%)は、コンサルティング単一事業における稼働率上昇と案件単価改善、M&Aによる外延拡大が複合的に寄与した。セグメント別開示はないが、のれん15.2億円(前年比+5.1億円 +50.9%)と無形固定資産19.3億円(同+7.5億円 +63.9%)の増加は、子会社株式取得2.2億円に示唆されるM&A活動の活発化を反映する。売上原価83.2億円に対し売上総利益79.6億円、粗利率48.9%(前年47.4%から+1.5pt)と収益性が改善。粗利改善の主因は、付加価値の高いコンサルティング案件比率の上昇と、稼働効率の向上による原価抑制にある。
【損益】売上総利益79.6億円から販管費61.5億円を控除し、営業利益18.1億円(+20.9%)を達成。販管費率は37.8%(前年35.2%から+2.6pt)とやや上昇したが、絶対額の増加+10.4億円は売上増に対し相対的に抑制され、スケール効果が発現した。営業外収益0.5億円は受取利息0.1億円と組合投資損益0.03億円が主体で、営業外費用0.2億円(支払利息0.1億円含む)を差し引き、経常利益18.4億円(+16.0%)。特別損益は固定資産除売却損0.02億円と新株予約権戻入益0.004億円で純額ほぼゼロ、税引前利益18.4億円に対し法人税等5.3億円(実効税率28.9%)を控除後、非支配株主利益2.1億円を除き親会社株主帰属利益11.0億円(+8.2%)。結論として、増収増益基調を維持しつつ、純利益段階では税負担と非支配株主持分の拡大が伸び率を相対的に抑制した。
【収益性】営業利益率11.1%(前年10.3%から+0.8pt)、純利益率6.8%(同7.0%から-0.2pt)、ROE8.5%(前年9.4%から-0.9pt)と推移。営業段階の収益性は改善したが、非支配株主利益2.1億円の拡大が親会社帰属純利益率を押し下げ、ROEも若干低下。粗利率48.9%は前年47.4%から+1.5pt改善し、付加価値の高い案件構成への転換が寄与した。【キャッシュ品質】営業CF14.1億円は純利益9.6億円の1.47倍で、アクルーアル品質は良好。ただし営業CF小計20.1億円に対し法人税支払6.0億円と運転資本変動(賞与引当+0.8億円、前受金-0.4億円、売上債権-0.5億円)がキャッシュ転換を抑制し、OCF/EBITDA比率は0.71倍(EBITDA=営業利益18.1億円+減価償却費1.8億円≒19.9億円)と改善余地がある。【投資効率】総資産回転率1.07回転、EPS33.92円(前年30.80円から+10.1%)、BPS328.77円(同326.05円から+0.8%)。EPSは二桁成長を達成し、自己株式取得による株式数減少も寄与した。【財務健全性】自己資本比率75.0%(前年73.7%から+1.3pt)、流動比率306.8%、現預金64.9億円と流動性は極めて厚い。有利子負債は長期借入金4.7億円のみで、D/E比率0.06倍、Debt/EBITDA 0.24倍、インタレストカバレッジ191倍(営業利益18.1億円÷支払利息0.1億円)と保守的なレバレッジを維持。のれん15.2億円は純資産113.7億円の13.4%、のれん/EBITDA 0.77倍と許容レンジにある。
営業CFは14.1億円(前年比-3.2%)で、営業CF小計20.1億円から法人税支払6.0億円を控除した後の水準。運転資本面では賞与引当+0.8億円、売上債権-0.5億円、前受金-0.4億円が資金流出要因となり、キャッシュ転換をやや圧迫した。投資CFは-10.9億円で、短期投資有価証券取得-10.0億円が最大要因、子会社株式取得-2.2億円、有形・無形固定資産投資-1.6億円が続く。FCFは3.2億円とプラスを確保したが、配当8.5億円と自社株買い4.5億円の総還元13.0億円には大幅に不足し、財務CFは-14.9億円の大幅マイナスとなった。結果、手元現預金は前年76.7億円から64.9億円へ11.7億円減少したが、依然として厚い流動性を維持し、短期的な資金繰りリスクは低い。
経常的収益が大半を占め、営業外収益0.5億円(売上高比0.3%)、特別損益は新株予約権戻入益0.004億円と固定資産除売却損0.02億円でほぼゼロと、一時的要因の影響は極めて限定的。営業利益18.1億円と経常利益18.4億円の差異は0.3億円のみで、金融損益の寄与はわずか。純利益段階では税引前利益18.4億円に対し法人税等5.3億円(実効税率28.9%)と非支配株主利益2.1億円が控除され、親会社株主帰属利益11.0億円に着地。包括利益13.9億円は純利益9.6億円を4.3億円上回り、内訳は退職給付調整額0.9億円と有価証券評価差額-0.1億円で、バランスシート上の含み損益調整が主因。営業CFが純利益を上回りアクルーアル品質は良好だが、OCF/EBITDA 0.71倍とキャッシュ転換効率には改善余地が残る。
2027年3月期通期予想は、売上高172.0億円(前年比+5.6%)、営業利益19.0億円(同+4.7%)、経常利益19.0億円(同+3.1%)、親会社株主帰属利益11.6億円(同+5.0%)。足元実績の売上+12.0%、営業利益+20.9%対比では伸び率を意図的に抑えた保守的設計で、採用・人件費上昇や投資費用増を織り込んだ前提とみられる。営業利益率は11.0%(当期11.1%から-0.1pt)とほぼ横ばいを想定し、販管費コントロールの継続が前提。EPS予想35.97円(当期33.92円から+6.0%)は純利益伸び率と整合し、配当予想年13円(分割後換算)は配当性向約36.1%と、当期の27円(分割後)から配当性向ベースでは低下するが、株式分割の影響を除けば実質据え置き。前受金やWIPの水準推移、稼働率維持が計画達成の鍵となる。
年間配当は27円(2025年4月株式分割後換算、分割前54円)で配当性向77.9%と高位。配当総額8.5億円に対し親会社株主帰属利益11.0億円で充足するが、自社株買い4.5億円を加えた総還元は13.0億円、総還元性向118.2%とFCF3.2億円を大幅に上回る。FCFカバレッジは0.25倍に留まり、当期の還元は内部創出キャッシュでは賄い切れていない。手元現預金64.9億円の厚い流動性を背景に短期的な持続性はあるが、中期的にはキャッシュ転換率の改善または還元ペースの調整が望ましい。2027年3月期配当予想年13円(分割後)は分割前換算で年58円となり、配当性向は前述の通り約36.1%と、総還元の見直しを示唆する。自己株式は期末1,890千株(前年比+0.3百万株)、取得総額4.5億円で資本効率の向上を志向するが、総還元性向>100%の資金配分は流動性依存度が高い。
プロジェクト集中リスク: 仕掛品0.4億円は前年0.4億円と横ばいだが、ワークインプロセス38.1百万円が棚卸資産37.2百万円の大半を占め、プロジェクト型ビジネス特有の検収タイミング依存が残る。売上計上の期ずれや前受金減少(-0.4億円)は、案件進捗の不確実性を示唆し、四半期業績の振れ要因となる。
M&A統合リスク: のれん15.2億円(前年比+5.1億円 +50.9%)と無形資産19.3億円(同+7.5億円 +63.9%)の増加は、子会社株式取得2.2億円に裏付けられる外延成長を反映する。のれん/純資産13.4%、のれん/EBITDA 0.77倍と現状は健全だが、統合シナジーの実現遅延や案件失注時には、減損リスクが顕在化する。JGAAPのれん償却1.6億円は営業利益に対し約9%の負担で、IFRS企業対比で純利益が抑制される構造的要因でもある。
キャッシュ配分の持続性: 総還元性向118.2%(配当+自社株買い13.0億円÷親会社株主帰属利益11.0億円)はFCF3.2億円を大幅に上回り、流動性の取り崩しで補填された。OCF/EBITDA 0.71倍とキャッシュ転換効率の鈍化が継続すれば、還元水準の調整または成長投資の制約リスクが高まる。手元現預金64.9億円の厚さが当面のクッションだが、中長期的には営業CFの改善またはバランスの見直しが必要。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 11.1% | 8.1% (3.6%–16.0%) | +3.0pt |
| 純利益率 | 5.9% | 5.8% (1.2%–11.6%) | +0.1pt |
営業利益率は業種中央値を+3.0pt上回り上位グループに位置し、コスト管理と付加価値案件比率の高さを反映。純利益率は中央値並みで、税負担・非支配株主損益が利益率を相対抑制する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 12.0% | 10.1% (1.7%–20.2%) | +1.9pt |
売上高成長率は中央値を+1.9pt上回り中位上の成長軌道にあり、M&A寄与と稼働率上昇が牽引する。
※出所: 当社集計
営業利益率11.1%への改善と二桁増収を両立した本決算は、コンサルティング需要の底堅さとスケール効果の発現を示す。M&Aによるのれん・無形資産の増加(前年比+12.7億円)は外延成長戦略の積極化を裏付けるが、のれん/純資産13.4%、のれん/EBITDA 0.77倍と健全レンジに収まり、減損耐性は確保されている。翌期ガイダンス(売上+5.6%、営業利益+4.7%)は足元勢いから保守的で、執行余地を残す。
総還元性向118.2%(配当+自社株買い)とFCFカバレッジ0.25倍のミスマッチは、決算上の注目ポイント。手元現預金64.9億円の厚い流動性が短期的クッションとなるが、OCF/EBITDA 0.71倍とキャッシュ転換効率には改善余地がある。運転資本管理(前受金・賞与引当の安定化)と税金支払の最適化により、営業CFの質向上が中期的な資金配分の持続性を左右する。
配当性向77.9%と高位還元を継続する一方、翌期予想配当性向約36.1%(分割後年13円、EPS35.97円)は株式分割の影響を除けば実質微調整にとどまる。分割を通じた流動性向上と株主還元のバランス最適化が進捗すれば、配当の持続性と成長投資の両立は維持される見通し。ROE8.5%は前年から低下したが、自己資本比率75.0%の強固な財務基盤と営業利益率の改善トレンドが、今後の資本効率回復を後押しする。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。