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96032026 第2四半期プライムJGAAP

株式会社エイチ・アイ・エス 2026年度 第2四半期 決算

株式会社エイチ・アイ・エスの2026年度第2四半期決算レポート

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1931.3億¥1813.1億+6.5%
営業利益¥64.5億¥67.2億−4.1%
経常利益¥62.0億¥68.8億−9.9%
純利益¥37.7億¥45.3億−16.7%
ROE(年換算)10.4%13.5%-

Executive Summary

当中間期は旅行需要の回復を背景に増収を確保したものの、主力事業の採算低下と営業外費用・税負担の増加により減益となった、増収減益の決算である。売上高は1931.3億円(前年比+6.5%)、営業利益は64.5億円(同-4.1%)、経常利益は62.0億円(同-9.9%)、親会社株主に帰属する中間純利益は30.0億円(同-21.0%)となった。粗利率は31.2%と前年の32.6%から低下し、増収が利益に結びつかない構造が確認できる。

業績変動要因

【売上高】売上高は1931.3億円で前年同期比+6.5%。連結売上の約82%を占める旅行事業が1588.8億円(+6.2%)と最大の増収要因となった。ホテル事業は138.6億円(+11.7%)、九州産交グループは136.4億円(+7.7%)とともに増収に寄与した。

【損益】営業利益は64.5億円(前年比-4.1%)、経常利益は62.0億円(-9.9%)と減益幅が拡大した。主因は旅行事業のセグメント利益が47.5億円(-15.3%)に縮小したことで、利益率は3.8%から3.0%へ低下した。一方でホテル事業は24.9億円(+29.6%、利益率17.9%)、九州産交グループは6.1億円(+19.3%)と増益を確保しており、事業ポートフォリオ内の明暗が分かれた。営業外では支払利息10.0億円、為替差損1.9億円が発生し、営業外費用合計17.9億円が経常利益を押し下げた。特別損失として減損損失1.2億円を計上したが、規模は小さい。純利益は法人税等25.1億円(実効税率約40%)の負担増もあり37.7億円(-16.7%)となった。全体として増収減益であり、旅行事業の採算低下が連結利益を押し下げた構図である。

セグメント別分析

旅行事業は売上1588.8億円(+6.2%)で連結売上の8割超を占める最大セグメントだが、セグメント利益は47.5億円(-15.3%)、利益率3.0%(前年3.8%)と採算が悪化した。ホテル事業は売上138.6億円(+11.7%)、利益24.9億円(+29.6%)、利益率17.9%と高採算で、増益に大きく貢献した。九州産交グループは売上136.4億円(+7.7%)、利益6.1億円(+19.3%)、利益率4.4%と堅調。その他事業は売上88.1億円(-0.1%)で利益は0.0億円の損失に転じた。全社的には旅行事業の規模の大きさが連結利益率を規定しており、ホテル事業の高採算がポートフォリオ全体の下支え役となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は3.3%(前年3.7%)、純利益率は約1.9%(前年2.5%)とともに低下し、粗利率も31.2%(前年32.6%)へ縮小した。【キャッシュ品質】営業CFは-34.3億円となり、純利益37.7億円との乖離が大きい。売上債権が104.0億円増加し仕入債務が44.3億円減少したことが主因で、利益の現金化は弱い。フリーCFは-95.7億円である。【投資効率】ROEは10.4%で、総資産4038.8億円に対する回転率は高くなく、財務レバレッジの効果が数値を押し上げている面がある。【財務健全性】自己資本比率は17.9%と低水準にあり、流動負債2407.8億円が流動資産1947.1億円を上回り運転資本は負である。長期借入金665.1億円、短期借入金495.5億円と有利子負債への依存度が高い。

キャッシュフロー分析

営業CFは-34.3億円と前年の+13.7億円から大きく悪化した。売上債権の104.0億円増加、仕入債務の44.3億円減少、その他負債の減少が運転資本を圧迫し、法人税等の支払18.0億円も加わって利益の現金化を妨げている。投資CFは-61.5億円で、有形固定資産等の取得50.8億円が中心である。この結果、フリーCF(営業CF+投資CF)は-95.7億円となり、設備投資を内部資金で完全に賄えていない。財務CFは+32.2億円で、長期借入金の調達(308.1億円)と返済(659.1億円)、短期借入金の増減を含む資金調達が投資・営業の資金不足を補っている。現金及び現金同等物は期中で46.5億円減少し、期末残高は1017.1億円となった。増収下でも営業キャッシュの創出力が弱く、資金調達への依存度が高まっている点が資金動向の特徴である。

収益の質

親会社株主に帰属する中間純利益30.0億円に対し、営業CFは-34.3億円と大幅に下回り、利益の質には留意が必要である。差異の主因は売上債権の104.0億円増加であり、増収に伴う回収サイトの長期化や取引条件の影響が考えられる。特別損失として減損損失1.2億円を計上しているが、規模は限定的で一時的要因としての影響は小さい。営業外収益15.4億円には受取配当金4.8億円が含まれ、営業外費用17.9億円には支払利息10.0億円と為替差損1.9億円が含まれる。包括利益は59.5億円と純利益37.7億円を上回り、為替換算調整額23.3億円がその主因である。これは海外関連資産・在外子会社の換算差によるもので、本業の収益力を直接示すものではない。総じて、当期の利益は現金創出力との乖離があり、キャッシュフローの回復動向が今後の収益品質を評価する鍵となる。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想は売上高3950.0億円(前年比+5.9%)、営業利益120.0億円(+3.2%)、経常利益115.0億円(+1.0%)である。当中間期の進捗率は売上高48.9%、営業利益53.7%、経常利益53.9%と、いずれも標準的な50%近傍かこれを上回るペースにある。一方で通期の1株当たり予想EPSは-13.38円であり、下期に親会社株主帰属の当期純損失を見込む内容となっている。当四半期において業績予想の修正が行われており、下期における特別損益や税負担の変動が通期損益の帰着に影響する可能性がある。配当予想については修正は行われていない。

株主還元

当中間期の配当は1株当たり0円であり、中間配当は実施されていない。通期の配当予想は1株当たり25円で、修正は行われていない。通期は親会社株主帰属の当期純損失を予想しているため、利益を分子とする配当性向は算定できない状況である。当中間期のフリーキャッシュフローが-95.7億円である点も踏まえると、通期配当の原資は当期の利益やキャッシュ創出よりも、手元現金(1088.8億円)や資金調達余力に依存する形となる可能性がある。自己株式の取得は確認されておらず、株主還元は配当のみで評価される。

リスク要因

  1. 旅行事業の採算低下: 旅行事業は売上高1588.8億円(+6.2%)に対しセグメント利益47.5億円(-15.3%)、利益率は3.8%から3.0%へ低下した。連結売上の8割超を占める同事業の採算動向が、全社利益率を左右する構造にある。

  2. 資金創出力とキャッシュポジション: 営業CFは-34.3億円、フリーCFは-95.7億円であり、純利益37.7億円との乖離が大きい。売上債権の104.0億円増加が主因であり、増収局面での資金回収状況が今後の焦点となる。

  3. 財務レバレッジと流動性構造: 自己資本比率17.9%、流動負債2407.8億円が流動資産1947.1億円を上回り運転資本は負である。短期・長期借入金は合計1160億円超に達し、有利子負債への依存度が前年から高まっている。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率3.3%17.3% (4.1%–24.5%)−14.0pt
純利益率2.0%13.0% (2.0%–16.2%)−11.0pt

自社の収益性指標は業種中央値を大きく下回り、IQR下限にも及ばない水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)6.5%22.5% (16.2%–26.8%)−16.0pt

売上高成長率も業種中央値を下回り、成長スピードの面でも業種内で低位に位置する。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 増収基調は継続しているが、粗利率・営業利益率とも前年から縮小しており、売上拡大が利益成長に直結しない構造変化がみられる。特に連結売上の中核である旅行事業の採算低下が、全社利益率の主たる制約要因となっている。

  2. ホテル事業は利益率17.9%、増益+29.6%と高採算セグメントとして寄与度を高めており、事業ポートフォリオ内での収益構造の変化が観察される。

  3. 営業CFの赤字とフリーCFの赤字が並行しており、純利益との乖離は売上債権の増加が主因である。通期の配当予想(25円)は当期純損失予想の下で利益によるカバーが見込めない状況にあり、資金動向のモニタリングが重要な観察点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)568円
base(基準)573円
bull(強気)577円
算出前提
1株純資産(BPS)801円
調整後予想EPS−9.6円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.000(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)

感応度: 株主資本コスト±1%で 557円〜589円、ω±0.1で 565円〜577円。

注記:

  • のれん償却 3.8円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。