クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1012.4億 | ¥933.3億 | +8.5% |
| 営業利益 | ¥53.2億 | ¥52.1億 | +2.2% |
| 経常利益 | ¥51.6億 | ¥52.7億 | −2.1% |
| 純利益 | ¥40.9億 | ¥41.3億 | −0.9% |
| ROE(年換算) | 22.5% | 24.6% | - |
Executive Summary
2026年度Q1は増収ながら利益率が低下した増収微増益決算であり、粗利率低下が収益性の主要な圧迫要因となった。売上高は1012.4億円(前年比+8.5%)、営業利益は53.2億円(同+2.2%)、経常利益は51.6億円(同-2.1%)、純利益(連結の当期純利益)は40.9億円(同-0.9%)となった。売上成長を上回る売上原価の増加(+10.8%)により粗利率が33.0%から31.6%へ低下し、営業外での支払利息増加・為替差損計上が経常減益につながった。
業績変動要因
【売上高】売上高は1012.4億円で前年比+8.5%増収となった。主力の旅行事業が836.8億円(同+8.2%)と最大の構成比を占め、ホテル事業は74.8億円(同+14.4%)、九州産交グループは71.3億円(同+9.0%)と続き、いずれも増収に寄与した。
【損益】営業利益は53.2億円(同+2.2%)にとどまり、増収率を大きく下回る増益率となった。売上原価が同+10.8%と売上高の伸びを上回ったことで粗利率が140bp低下し、販管費の増加率(+4.1%)が売上成長より抑制されたものの、これを相殺できなかった。セグメント別には旅行事業の営業利益が36.4億円(同-10.2%)と減益し、利益率も4.4%へ低下した一方、ホテル事業は17.7億円(同+42.4%、利益率23.7%)と大幅増益、九州産交グループも4.1億円(同+25.7%)と増益し、旅行事業の減益を補完した。経常利益は営業外費用(支払利息5.1億円、為替差損1.2億円)の増加により51.6億円(同-2.1%)となり、営業利益と経常利益の伸びに乖離が生じた。特別利益2.0億円を含む税引前利益は53.6億円だが、純利益は40.9億円(同-0.9%)と伸び悩んだ。結論として増収増益局面ではあるが、増収に対する増益率が極めて限定的な増収微増益と評価できる。
セグメント別分析
旅行事業は売上836.8億円(構成比82.7%、同+8.2%)で最大セグメントだが、営業利益は36.4億円(同-10.2%)と減益し、利益率は5.3%から4.4%へ低下した。ホテル事業は売上74.8億円(同+14.4%)、営業利益17.7億円(同+42.4%)と増収率を上回る増益を達成し、利益率は19.4%から23.7%へ改善した。九州産交グループは売上71.3億円(同+9.0%)、営業利益4.1億円(同+25.7%)と堅調である。その他事業は売上41.5億円(同+1.8%)に対し営業利益0.9億円(同-55.2%)と大幅減益し、全社利益の調整要因となった。最大セグメントである旅行事業の採算悪化が続く場合、他セグメントの増益では相殺しきれない可能性がある。
主要財務指標
【収益性】営業利益率は5.3%で前年同期5.6%から低下し、純利益率も3.8%から3.4%へ低下した。粗利率は31.6%で前年同期33.0%から約140bp悪化しており、売上原価の伸び(+10.8%)が収益性圧迫の主因である。【キャッシュ品質】現金及び預金は1095.5億円で前年同期比43.8億円減少した一方、売掛金は357.1億円(同+29.5%)と売上成長を上回って増加しており、資金化速度の低下が観察される。【投資効率】ROE(年換算)は22.5%だが、自己資本比率18.4%という高い財務レバレッジに支えられた水準であり、純利益率と資産回転率の寄与は限定的である。【財務健全性】自己資本比率18.4%(前年同期17.4%からは改善)に対し、長期借入金は696.5億円と前年同期比+47.4%増加、流動負債2231.4億円が流動資産1858.1億円を上回り、運転資本はマイナスとなっている。
キャッシュフロー分析
CF計算書の直接データは示されていないが、BS変動から資金動向をみると、現金及び預金は1095.5億円で前年同期比43.8億円減少した一方、長期借入金は696.5億円と224.1億円(+47.4%)増加しており、資金調達を借入に依存する構図がうかがえる。売掛金は357.1億円と前年同期比81.3億円(+29.5%)増加し、売上高の伸び(+8.5%)を上回るペースで拡大しており、営業活動から生じる資金の回収が遅れている可能性がある。純資産は726.6億円で前年同期比54.6億円増加し、利益剰余金の積み上がりと為替換算調整額の拡大が資本を支えた。総じて、投資・事業拡大に伴う資金需要を借入で補いつつ、現金水準はやや減少する構図が観察される。
収益の質
営業利益は前年同期比+2.2%の増益だが、経常利益は営業外費用の悪化により-2.1%の減益となっており、本業の増益効果が営業外要因で相殺されている。営業外収益は5.9億円、営業外費用は7.5億円で、支払利息5.1億円と為替差損1.2億円が費用側の主な構成要素である。特別利益2.0億円(減損損失等の特別損失はほぼゼロ)を含めた税引前利益は53.6億円で経常利益を上回っており、当期の特別利益が最終利益をわずかに押し上げる一時的要因となっている。売掛金が売上高の伸びを上回る+29.5%で増加していることは、アクルーアルの観点から利益の質にやや注意を要する点である。包括利益は59.4億円で純利益40.9億円を上回り、為替換算調整額+20.0億円が主因であるため、経常的な事業損益とは別に評価する必要がある。
業績予想・ガイダンス
通期計画は売上高4200.0億円(前年比+12.6%)、営業利益140.0億円(同+20.4%)、経常利益140.0億円(同+23.0%)であり、業績・配当予想に修正はない。Q1実績の通期進捗率は売上高24.1%、営業利益38.0%、経常利益36.9%であり、営業利益・経常利益の進捗は単純な四分の一(25%)水準を10ポイント以上上回っている。ただし通期計画達成には残り3四半期で86.8億円の営業利益確保が必要であり、Q1で減益となった旅行事業の採算回復が計画達成の鍵となる。
株主還元
通期の1株当たり配当予想は25.00円で、配当予想の修正はない。通期EPS予想120.42円に基づく配当のみの配当性向は約20.8%であり、期中平均株式数を基準とした年間配当総額は約18.7億円と、通期純利益予想90.0億円に対する負担は大きくない。自社株買いに関するデータは示されていないため、配当性向を基準とした評価となる。高い財務レバレッジと流動比率83%程度の状況を踏まえると、配当の持続性は今後の利益計画達成度と借入・運転資金管理の状況に左右される。
リスク要因
-
旅行事業の採算悪化: 主力の旅行事業は売上+8.2%増収にもかかわらず営業利益-10.2%減益となり、利益率は5.3%から4.4%へ低下した。原価構成や販売ミックスの悪化が構造的か一時的かの見極めが必要である。
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財務レバレッジと流動性: 長期借入金は696.5億円(前年同期比+47.4%)に増加し、流動負債2231.4億円が流動資産1858.1億円を上回り運転資本はマイナスとなっている。現金及び預金1095.5億円は短期借入金79.1億円を大きく上回るが、支払利息は5.1億円へ増加している。
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売掛金増加と為替影響: 売掛金は前年同期比+29.5%増加し売上成長率を上回るペースで拡大している。また為替差損1.2億円を計上しており、海外関連取引を含む事業における為替変動の影響を受けやすい。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 5.3% | 12.1% (6.7%–26.0%) | −6.9pt |
| 純利益率 | 4.0% | 9.9% (3.9%–17.0%) | −5.8pt |
営業利益率・純利益率とも業種中央値を下回り、収益性は業種内で相対的に低い水準にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 8.5% | 11.9% (3.6%–25.6%) | −3.4pt |
売上高成長率も業種中央値を下回り、増収ペースは業種内で中位以下の位置づけにある。
※出所: 当社調べ
決算上の注目ポイント
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増収に対して営業利益の伸びが+2.2%にとどまり、粗利率が約140bp低下したことは、旅行事業を中心とする原価・販売ミックスの変化が全社収益性に影響している可能性を示す。
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ホテル事業(営業利益+42.4%)と九州産交グループ(同+25.7%)の増益が、旅行事業(同-10.2%)の減益を補完する構図となっており、セグメント間の利益構造の変化が観察される。
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通期計画に対する営業利益進捗率は38.0%で標準的な25%を上回るが、長期借入金の増加(+47.4%)と流動負債が流動資産を上回る状況は、今後の資金構造の変化として注視される点である。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 920円 |
| base(基準) | 968円 |
| bull(強気) | 983円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 802円 |
| 調整後予想EPS | 132.5円 |
| 株主資本コスト r | 9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 20.8% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.21倍 / 7.3倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 940円〜997円、ω±0.1で 964円〜975円。
注記:
- 通期予想に対する純利益の進捗(38%)が標準(25%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
- 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。