| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - |
| 営業利益 | ¥678.9億 | ¥646.8億 | +5.0% |
| 経常利益 | ¥701.4億 | ¥644.5億 | +8.8% |
| 純利益 | ¥395.4億 | ¥390.5億 | +1.3% |
| ROE | 7.4% | 7.9% | - |
2026年2月期決算は、売上高3606.6億円(前年比+15.2%)、営業利益678.9億円(同+32.1億円 +5.0%)、経常利益701.4億円(同+56.9億円 +8.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益517.7億円(同+84.1億円 +19.4%)と増収増益を達成。映画事業の大型ヒットが牽引し売上高は2桁成長、営業利益は増収効果で前年を上回った。特別利益91.1億円(主に投資有価証券売却益89.1億円)が純利益を押し上げたが、営業利益率は18.8%と前年20.7%から1.9pt低下し、販管費増(前年798.8億円→917.0億円)が収益性を圧迫。持分法損失21.1億円も経常利益の上値を抑制した。
【売上高】売上高3606.6億円(セグメント外部売上合計)は前年比+15.2%と2桁増収。映画事業が1826.2億円(+30.6%)で売上構成比50.6%を占め、大型興行タイトルの好調と海外配給の拡大が牽引した。IP・アニメ事業は752.6億円(+8.5%)でテレビアニメの利用・商品化権収入が堅調、不動産事業は791.8億円(-0.6%)と横ばい、演劇事業は223.1億円(-2.5%)と微減。映画事業への売上集中度が高まり、興行成否への依存度が上昇した。
【損益】営業利益678.9億円は前年比+5.0%増だが、売上成長率を下回る。営業利益率は18.8%で前年20.7%から1.9pt低下し、粗利率も44.3%(前年46.2%)と1.9pt縮小。販管費は917.0億円と前年比+14.8%増加し、特に広告宣伝費110.0億円(前年104.2億円)と退職給付費用13.3億円(前年9.0億円)が増加。セグメント別では映画が営業利益373.0億円(+30.3%)と大幅増益、不動産は190.3億円(+13.1%)と安定成長したが、IP・アニメは173.0億円(-22.2%)と前年比62.4億円減益し、制作費用の先行計上や収益化タイミングのずれが影響した。経常利益701.4億円(+8.8%)は営業外収益45.3億円(受取配当金20.2億円、受取利息6.1億円)が寄与したが、持分法損失21.1億円が差引で23.9億円の下押し要因となった。特別損益は投資有価証券売却益89.1億円を主因に純額57.6億円のプラス寄与で、税引前利益759.0億円(+14.9%)、当期純利益517.7億円(+19.4%)と増収増益を達成。一時的要因を除く営業ベースの収益力は映画の好調で増益を確保したが、販管費増とIP・アニメの利益減が営業レバレッジを鈍化させた。
映画事業は売上1826.2億円(+30.6%)、営業利益373.0億円(+30.3%、利益率20.4%)と大幅増収増益。大型興行タイトルの成功と海外配給の拡大が寄与し、利益率は前年並みの20%台を維持。IP・アニメ事業は売上752.6億円(+8.5%)、営業利益173.0億円(-22.2%、利益率23.0%)と増収減益。前年利益率29.3%から6.3pt低下し、制作投資の先行やタイトル収益化の遅れが収益性を圧迫。演劇事業は売上223.1億円(-2.5%)、営業利益34.6億円(-16.1%、利益率15.5%)と減収減益。公演回数の減少が影響し、利益率は前年17.8%から2.3pt低下。不動産事業は売上791.8億円(-0.6%)、営業利益190.3億円(+13.1%、利益率24.0%)と減収増益。賃料収入は横ばいながら、費用効率化と道路維持管理事業の採算改善で利益率は前年19.8%から4.2pt大幅改善。全社調整後の営業利益は678.9億円で、各セグメントに配分されない全社費用92.7億円が控除されている。
【収益性】営業利益率18.8%は前年20.7%から1.9pt低下し、販管費率25.4%(前年25.5%)の微増と粗利率1.9ptの縮小が影響。ROEは10.4%(前年9.3%、期首期末平均自己資本で算出)で、投資有価証券売却益の寄与で前年を上回ったが、ROAは7.3%(経常利益ベース、前年10.2%)と低下。総資産回転率0.53回(前年0.49回)は改善したが、純利益率の変動がROEを左右する構図。【キャッシュ品質】営業CF653.3億円は当期純利益517.7億円の1.26倍で品質は良好だが、EBITDA792.6億円(営業利益+減価償却138.7億円)に対するOCF比率は82.4%とやや低く、運転資本の増減や非現金調整の影響が示唆される。売上債権回転日数60日(前年65日)、棚卸資産回転日数21日(前年46日)と運転資本効率は改善。【投資効率】設備投資154.4億円は減価償却費138.7億円の1.11倍で成長投資を継続、FCF404.3億円(OCF−投資CF249.0億円)は配当156.6億円と自己株買い149.7億円の合計306.3億円を1.3倍上回り、株主還元余力は十分。【財務健全性】自己資本比率75.8%(前年75.8%)、有利子負債は短期借入金0.45億円+長期借入金12.8億円の計13.3億円でDebt/Equity比率0.03倍、Debt/EBITDA比率0.02倍と実質無借金。流動比率246%、当座比率224%と短期支払能力は極めて厚く、現預金509.7億円+短期有価証券614.4億円の合計1124.1億円で流動負債952.5億円を十分カバー。投資有価証券1642.0億円(総資産比23.4%)は市場変動リスクを内包するが、含み益を抱え資本政策の機動性を高める。
営業CFは653.3億円(前年516.2億円、+26.6%)で、営業CF小計873.8億円から法人税等支払245.2億円と運転資本増減を差引いた水準。売上債権増33.4億円、仕入債務減26.1億円が資金を圧迫したが、棚卸資産はほぼ横ばい(増1.2億円)で影響軽微。持分法損益の調整+21.1億円、のれん償却10.5億円、減損損失5.2億円が非現金費用としてCFを押上げ。投資CFは-249.0億円で、短期有価証券取得-728.3億円と有価証券売却+105.6億円の純額、有形・無形固定資産取得-154.4億円、子会社株式取得-106.9億円が主な内訳。財務CFは-313.3億円で、自己株式取得-149.7億円、配当金支払-156.6億円、短期借入金純増200.0億円、長期借入金返済-3.1億円が含まれる。FCFは404.3億円で、配当+自己株買い306.3億円を1.3倍上回り、還元後も約98億円の余剰CFを確保。現金同等物は期末866.8億円(期首766.1億円、+100.7億円)で、新規連結増8.3億円と為替変動+1.4億円を加味し、総じて手元流動性は厚い。
営業利益678.9億円に対し経常利益701.4億円は+22.5億円の上振れで、営業外収益45.3億円(受取配当金20.2億円、受取利息6.1億円、為替差益1.3億円等)から営業外費用22.8億円(持分法損失21.1億円含む)を差引いたプラス寄与。受取配当金と受取利息は保有有価証券と余資運用から継続的に期待できる経常的収益だが、持分法損失21.1億円は前年42.1億円の損失から改善したものの依然マイナス寄与で不安定要素。特別利益91.1億円(主に投資有価証券売却益89.1億円)は一時的要因で持続性は限定的、特別損失33.5億円(減損損失5.2億円、有価証券評価損0.6億円等)を差引き純額57.6億円が税引前利益を押上げた。包括利益687.0億円は当期純利益517.7億円を169.3億円上回り、その他有価証券評価差額金145.3億円、退職給付調整12.5億円、為替換算調整1.0億円が主な内訳で、市場環境の改善が純資産を押上げた。営業CFベースの利益品質は良好で、OCF653.3億円は当期純利益の1.26倍、EBITDA792.6億円の82.4%と高水準だが、売上債権・買掛金の期中変動がCF創出をやや抑制。アクルーアル(純利益−OCF)は-135.6億円とマイナスで、非現金費用の調整が利益を上回りCF品質は堅固。
2027年2月期予想は営業利益620.0億円(前年比-8.7%)、経常利益670.0億円(-4.5%)、当期純利益410.0億円(-20.8%)と減益見通し。売上高は非開示だが、営業利益減は大型ヒットタイトルの反動減とIP・アニメ事業の費用先行を織り込む。当期比で営業利益-58.9億円、経常利益-31.4億円、純利益-107.7億円の減益幅は、特別利益の剥落と映画ラインアップの保守的見積もりが主因。通期EPS予想48.85円(当期実績61.20円)は-20.1%減で、株式分割後の数値(1株→5株、2026年3月1日付)を前提。配当予想は1株11円(分割後)で年間換算55円相当、配当性向は約90%(予想純利益410億円、発行済株式8.8億株で試算)と高めだが、期中の業績上振れ余地を考慮すれば持続可能性は確保される。進捗率は営業利益109.5%(実績678.9億円/予想620.0億円)、経常利益104.7%と当期実績が通期予想を上回る水準で、会社側の保守的姿勢が窺える。
当期の配当は中間42.5円+期末67.5円の合計110円(分割前ベース)で、配当総額は156.6億円。配当性向は30.3%(配当総額156.6億円/親会社株主に帰属する当期純利益517.7億円、基本EPSベースでは179.7%と乖離するが、配当総額ベースが実態)と保守的水準。自己株式取得は149.7億円で、配当との合計306.3億円を総還元とすると総還元性向は59.2%(306.3億円/517.7億円)で、FCF404.3億円に対し75.8%と持続可能。前年の配当は1株35円(分割前)で配当総額144.6億円、当期は増配し配当総額で+12.0億円増。翌期予想配当は1株11円(分割後、年間換算55円相当)で、配当性向は予想純利益410億円に対し約30%と前年並みを維持する方針。自社株買いは機動的に実施し、当期の取得149.7億円は前年200.6億円を下回るが、株価水準と資本効率を勘案した調整と推察される。現預金509.7億円+短期有価証券614.4億円の合計1124.1億円で流動負債952.5億円を上回り、配当+自己株買いを継続する財務余力は十分。
映画事業への売上集中(50.6%)と興行成否依存: 映画事業が売上高1826.2億円(全体の50.6%)、営業利益373.0億円(調整前セグメント利益の48.4%)を占め、大型タイトルの興行成績が業績を左右する構造。当期は主力タイトルの好調で増収増益を達成したが、翌期予想は営業利益-8.7%と保守的で、ラインアップの不確実性が顕在化。配給・製作タイトルの偏りによる収益ボラティリティと、海外興行の為替・市場リスクが懸念される。
IP・アニメ事業の収益性低下(利益率-6.3pt): IP・アニメ事業の営業利益率は23.0%(前年29.3%)と6.3pt低下し、営業利益は173.0億円(-22.2%、-62.4億円)と大幅減益。制作投資の先行計上やタイトル収益化の遅れが主因だが、費用回収の長期化や市場競争激化で利益率改善が遅れるリスク。当セグメントは成長領域と位置付けられるが、短期的には全社営業利益率を1.9pt押下げる要因となっており、投資効率の検証が課題。
持分法投資の損失継続(-21.1億円)と投資有価証券の市場変動: 持分法損失は21.1億円(前年42.1億円)と改善したが依然マイナス寄与で、経常利益を圧迫。投資有価証券は1642.0億円(総資産比23.4%)で、時価変動が包括利益と純資産に直接影響。当期は有価証券評価差額金+145.3億円とプラス寄与だが、市場急変時には評価損や減損リスクが顕在化し、収益・自己資本を毀損する可能性。資産除去債務84.7億円(負債比5.0%)も将来キャッシュアウトの潜在リスクとして留意が必要。
業種ベンチマークデータなし
財務基盤の堅固さと高い株主還元余力: 自己資本比率75.8%、実質無借金(Debt/EBITDA 0.02倍)、流動比率246%と財務体質は極めて健全で、FCF404.3億円は配当+自己株買い306.3億円を1.3倍上回る。現預金+短期有価証券1124.1億円で流動負債952.5億円を十分カバーし、翌期予想配当性向約30%と保守的で増配余地は大きい。総還元性向59.2%も持続可能な水準で、今後の業績拡大局面では還元率引上げの余地がある。投資有価証券1642.0億円は機動的な資本配分(売却益の活用、M&A資金等)を可能にし、資産効率改善の選択肢を保有。
営業レバレッジの鈍化とIP・アニメ事業の収益性回復が鍵: 営業利益率は18.8%と前年比-1.9pt低下し、販管費の伸び(+14.8%)が売上成長(+15.2%)とほぼ並行で営業レバレッジが鈍化。IP・アニメ事業の利益率は前年29.3%→23.0%と-6.3pt低下し、全社マージンを圧迫。翌期ガイダンスは営業利益-8.7%と保守的で、IP・アニメの制作投資回収と映画ラインアップの成否が業績回復の分水嶺。四半期ごとの興行実績とIP・アニメの受注・タイトル別損益、販管費率の推移が重点モニタリング指標となる。不動産事業の利益率改善(前年19.8%→24.0%)は安定収益源として評価でき、事業ポートフォリオのバランス改善が中期的な収益性向上に寄与する。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。