クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥982.5億 | ¥839.7億 | +17.0% |
| 営業利益 | ¥61.7億 | ¥16.6億 | +270.9% |
| 経常利益 | ¥63.5億 | −¥25.0億 | +105.3% |
| 純利益 | ¥52.5億 | −¥6.7億 | +887.7% |
| ROE | 4.8% | −0.7% | - |
Executive Summary
映像関連事業と演劇事業の採算改善を主因に、増収に加えて営業利益が大幅回復した。売上高は982.5億円(前年比+17.0%)、営業利益は61.7億円(同+270.9%、+45.1億円)、経常利益は63.5億円で前年の△25.0億円から黒字転換、純利益は52.5億円で前年の△6.7億円から回復した。売上成長率17.0%に対し販管費増加は3.5%にとどまり、固定費吸収による営業レバレッジが増益の主因である。
業績変動要因
【売上高】売上高は982.5億円(前年比+17.0%)。セグメント別では映像関連事業529.5億円(同+21.1%、構成比53.9%)、演劇事業272.8億円(同+14.6%、構成比27.8%)が牽引し、不動産事業146.2億円(同+4.8%)、その他34.0億円(同+37.5%)も増加した。映像・演劇の回復が全体成長を主導した形である。
【損益】営業利益は61.7億円(同+270.9%)。売上原価率は増加傾向にあるものの(粗利率42.4%、前年比△0.3pt)、販管費率が36.1%と抑制され、営業利益率は6.3%と前年2.0%から4.3pt改善した。経常利益は63.5億円で、営業外収益は受取配当金9.8億円を中心に15.0億円、営業外費用は支払利息9.2億円中心に13.2億円と概ね相殺している。特別損益は差引2.98億円のプラス(投資有価証券評価損3.8億円等の特別損失4.9億円に対し、特別利益7.9億円が上回る)で一時的要因として税引前利益を押し上げた。純利益は52.5億円で法人税等14.0億円控除後の水準。総じて増収増益であり、増益は売上拡大による固定費吸収が主因である。
セグメント別分析
不動産事業は営業利益51.5億円、利益率35.2%と最も高収益だが、前年比では利益11.3%減少している。映像関連事業は売上529.5億円(構成比53.9%)に対し営業利益25.2億円(同+479.1%)、利益率4.8%と低採算ながら大幅回復した。演劇事業は売上272.8億円、営業利益17.2億円(同+245.8%)で前年赤字から黒字転換し、利益率6.3%となった。その他事業は売上34.0億円、営業利益1.6億円(同+169.2%)。連結営業利益61.7億円は、報告セグメント利益合計95.6億円から全社費用等33.8億円を控除した水準であり、映像・演劇の急回復が連結増益の中心で、収益率の高い不動産事業の減益は今後の注視点である。
主要財務指標
【収益性】営業利益率は6.3%で前年2.0%から4.3pt改善し、純利益率は5.3%となった。粗利率は42.4%(前年42.7%)とわずかに低下しており、利益率改善は主に販管費率の低下による。【キャッシュ品質】営業CFは133.6億円で純利益52.5億円の約2.5倍にあたり、利益の現金裏付けは良好である。フリーCFは92.2億円と黒字を確保した。【投資効率】ROEは4.8%(前年△0.7%)で黒字転換したが、総資産回転率0.428倍・財務レバレッジ2.12倍を踏まえると資本効率は業種内で相対的に低位にある。設備投資20.2億円に対し減価償却48.7億円と投資水準は減価償却を下回る。【財務健全性】自己資本比率は47.2%で前年44.5%から改善し、現金及び預金186.9億円は短期借入金37.0億円を大きく上回る。一方、長期借入金は534.6億円で前年比+13.4%増加しており、負債構成の長期化が進んでいる。
キャッシュフロー分析
営業CFは133.6億円で前年の△5.9億円から大幅に改善し、純利益52.5億円の約2.5倍の水準で利益の現金化は良好である。運転資本面では売上債権が20.2億円、棚卸資産が16.4億円それぞれ資金を吸収した一方、仕入債務16.6億円増加が資金流入要因となり、全体として運転資本の影響は限定的にとどまった。投資CFは△41.4億円で、設備投資20.2億円が主な支出である。財務CFは△54.4億円で、長期借入金の返済57.2億円と配当支払い4.2億円が主因であり、自社株買いは0.1億円と小規模にとどまる。以上の結果、フリーCFは92.2億円の黒字となり、配当や維持投資を内部資金で賄う余力が確認できる。
収益の質
営業利益61.7億円に対し、営業外収益15.0億円は売上高の1.5%にとどまり、うち受取配当金9.8億円が主体である。営業外費用は支払利息9.2億円が中心で、両者は概ね相殺し、経常利益は営業利益をわずかに1.7億円上回る水準となった。特別利益7.9億円と特別損失4.9億円の差引2.98億円は税引前利益66.4億円の4.5%程度であり、当期利益回復の中心は特別損益ではなく本業・経常損益の改善にある。経常利益63.5億円から純利益52.5億円への乖離は主に法人税等14.0億円によるものである。包括利益は155.4億円と純利益を大きく上回るが、これは主に投資有価証券の評価差額金101.2億円の増加によるもので、事業損益とは性質の異なる評価性の変動である点に留意が必要である。
業績予想・ガイダンス
会社が公表する次期通期予想は、売上高1,000.0億円(当期比+1.8%)に対し、営業利益37.0億円(同△40.1%)、経常利益35.0億円(同△44.8%)、純利益11.0億円(同△65.7%)と減益計画である。当期実績が通期予想を上回る形となるため進捗率での評価は馴染まず、次期の減益計画として捉えるべきである。当期の映像・演劇事業における急回復を平準化し、コンテンツ・興行の案件ミックス変動を保守的に織り込んだ計画とみられる。
株主還元
年間配当は1株当たり40円で、普通配当30円と特別配当10円で構成される。配当性向は純利益52.5億円に対する配当総額約5.5億円から算出すると10.5%であり、負担は小さい。自社株買いは0.1億円にとどまり、配当と合わせた総還元性向は約10.8%である。フリーCF92.2億円に対する配当カバレッジは高く、支払余力は確保されている。次期会社予想の配当は30円であり、当期の特別配当10円は一時的な上乗せと位置づけられ、継続的な配当水準としては普通配当30円が基準となる。
リスク要因
-
事業集中リスク: 映像関連事業が連結売上高の53.9%を占め、利益率は4.8%と相対的に低い。作品のヒット動向や興行環境により業績が変動しやすい構造である。
-
資本効率・レバレッジ: ROE4.8%、ROIC水準は低位にあり、長期借入金534.6億円を含む有利子負債水準を踏まえると、収益性回復が資本コストに見合う水準まで至っているかは今後の観察点である。
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運転資本・棚卸資産構成: 棚卸資産15.7億円のうち仕掛品が97.3億円相当を占める構成(制作進行中コンテンツ)であり、売上債権119.7億円と合わせ、回収・完成タイミングの遅延は運転資金負担につながり得る。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
業種ベンチマーク(it_telecom)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 6.3% | 8.0% (3.6%–16.1%) | −1.7pt |
| 純利益率 | 5.3% | 5.9% (2.2%–11.7%) | −0.6pt |
自社の収益性は業種中央値をやや下回る水準にある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 17.0% | 10.1% (1.9%–20.2%) | +7.0pt |
売上成長率は業種中央値を上回り、成長面では相対的に優位にある。
※出所: 当社集計
決算上の注目ポイント
-
売上高成長率+17.0%に対し販管費増加は+3.5%にとどまり、営業利益率は前年2.0%から6.3%へ4.3pt改善した。増益の中心は本業の固定費吸収効果であり、特別損益や一過性要因への依存は限定的である。
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不動産事業は営業利益率35.2%で連結利益の過半を支える一方、前年比11.3%減益となった。連結増益は映像・演劇事業の急回復への依存度が高く、次期会社予想が営業利益△40.1%の減益計画である点は、当期の採算水準の持続性について会社自身も慎重な見方を示すものと解釈できる。
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営業CFは133.6億円、フリーCFは92.2億円と黒字を確保し、配当性向10.5%を含め株主還元の原資は確保されている。一方で設備投資20.2億円は減価償却48.7億円を下回っており、資産更新投資の水準は今後の推移を確認すべき点である。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 6,223円 |
| base(基準) | 6,252円 |
| bull(強気) | 6,288円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 7,873円 |
| 調整後予想EPS | 167.8円 |
| 株主資本コスト r | 9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 18.7% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.79倍 / 37.3倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 6,079円〜6,433円、ω±0.1で 6,199円〜6,287円。
注記:
- 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。