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95522025 通期プライムIFRS

クオンツ総研ホールディングス(9552) 2025年度通期決算

2025年度通期の売上高は166億円(前年同期比+0.3%)、営業利益は47.8億円(同-42.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥166.0億¥165.5億+0.3%
営業利益¥47.8億¥82.5億−42.1%
税引前利益¥47.7億¥82.5億−42.1%
純利益¥27.5億¥56.6億−51.4%
ROE53.8%63.5%-

Executive Summary

FY2025は増収減益であり、売上規模を維持しつつ収益性が大きく低下した決算である。売上収益は166.0億円(前年比+0.3%)とほぼ横ばいだったが、営業利益は47.8億円(同-42.1%)、親会社株主帰属純利益は27.5億円(同-51.4%)と大幅に縮小した。主因は主力M&A仲介事業の減収(-7.1%)と、新設のコンサルティング事業の赤字拡大に加え、人件費を中心とした固定費増加による営業レバレッジの悪化である。

業績変動要因

【売上高】連結売上高は166.0億円で前年比+0.3%とほぼ横ばい。内訳はM&A仲介151.5億円(構成比91.2%、前年比-7.1%)、コンサルティング14.5億円(構成比8.7%、前年比大幅増)であり、主力事業の減収を新興のコンサルティング事業の拡大が相殺した形である。

【損益】営業利益は47.8億円(前年比-42.1%)、純利益は27.5億円(同-51.4%)で減益となった。売上原価率は27.7%から39.6%へ、販管費率は22.3%から31.5%へそれぞれ上昇し、給与及び賞与が前年比+39.5%と売上成長を大幅に上回った。M&A仲介の営業利益率は38.0%(前年52.5%)に低下し、コンサルティングは営業損失7.9億円(前年2.5億円の損失)へ拡大した。特別損益はないが、コンサルティング事業で0.13億円の減損損失を計上している。税引前利益と純利益の乖離は実効税率42.4%によるもので、一時的要因ではなく通常の税負担増加が寄与した。結論として増収減益である。

セグメント別分析

M&A仲介は売上151.5億円(前年比-7.1%)、営業利益57.5億円(同-32.8%)、利益率38.0%(前年52.5%)で、依然として連結利益の中核を担うが収益性は正常化局面にある。コンサルティングは売上14.5億円(前年2.5億円から大幅拡大)に対し営業損失7.9億円(前年2.5億円の損失)と赤字が拡大しており、人件費先行と0.13億円の減損計上が要因である。売上構成の多角化は進むものの、利益の多角化には至っていない。

主要財務指標

【収益性】営業利益率28.8%(前年49.9%)、純利益率16.6%(前年34.2%)はいずれも大幅に低下したが、絶対水準は依然として高い。ROEは39.2%(期末残高ベースのデュポン計算では53.8%)で前年78.3%から大きく低下している。【キャッシュ品質】営業CFは13.0億円で純利益27.5億円に対する比率は0.47倍、OCF/EBITDA比率も0.25倍にとどまり、利益の現金化は弱い。売掛金が前年比+162.2%と急増したことが主因である。【投資効率】設備投資1.3億円に対し減価償却費5.2億円で、投資水準は減価償却を下回るが、資産軽量なサービス業の特性を反映したものである。【財務健全性】自己資本比率62.8%、有利子借入金は合計0.15億円と極めて低く、流動比率は234.1%である。一方、自己株式取得67.1億円を主因に現金及び現金同等物は101.7億円から41.2億円へ減少した。

キャッシュフロー分析

営業CFは13.0億円で前年比-77.2%と大幅に減少し、純利益27.5億円に対する転換率は0.47倍にとどまる。営業債権が6.1億円増加し、預け金など他の流動金融資産も約7.9億円増加したことに加え、法人税等の支払25.3億円が発生し、税引前の営業CF小計38.3億円から実現キャッシュを圧縮した。投資CFは-3.5億円で設備投資1.3億円のほか敷金の差入・回収を含む小規模な投資にとどまる。財務CFは-70.1億円で、自己株式取得67.1億円が支出の大宗を占めた。この結果フリーCFは9.5億円のプラスを維持したものの、現金及び現金同等物は101.7億円から41.2億円へ減少した。現金減少の主因は本業の悪化ではなく、積極的な資本還元によるものである。

収益の質

当期の損益は特別損益に依存しない経常的な事業損益が中心であり、営業外の金融収益0.2億円・金融費用0.2億円、その他収益0.2億円・その他費用0.5億円はいずれも小規模で、税引前利益への影響は限定的である。一方、コンサルティング事業で計上された0.13億円の減損損失は非経常的要素として区別できる。収益の質の観点では、営業CF/純利益が0.47倍、アクルーアル比率が17.8%と、利益に対して現金化が遅れている点が留意点である。売掛金が前年比+162.2%増加しており、期末近辺の成約・請求集中や回収サイトの長期化が発生主義利益と現金収支の乖離を広げている。包括利益は27.5億円で純利益とほぼ一致しており、その他の包括利益(為替換算差額0.03億円)は僅少であるため、包括利益と純利益の乖離という観点での追加リスクは小さい。

業績予想・ガイダンス

会社計画は売上221.8億円、営業利益59.9億円、純利益35.3億円であり、当期実績に対する進捗率は売上74.8%、営業利益79.7%、純利益77.8%である。利益進捗が売上進捗をやや上回っており、計画達成には第4四半期以降、売上の積み上げ以上に利益率の維持が重要となる。計画上の想定営業利益率は27.0%で、当期実績の28.8%をやや下回る保守的な設定であり、主力M&A仲介の案件成約動向とコンサルティング事業の損失縮小が達成のカギとなる。

株主還元

期末配当は1株5円(中間配当なし)で、配当性向は10.4%と利益に対して低水準にとどまり、配当総額約2.7億円はフリーCF9.5億円で3.5倍程度カバーされ、配当単独の持続性は高い。一方、自社株買い67.1億円を加えた総還元額は約69.8億円に達し、当期純利益27.5億円に対する総還元性向は約254%と、通常の利益・キャッシュ創出力を大きく上回る規模となった。この結果、現金及び現金同等物は101.7億円から41.2億円へ減少しており、同水準の株主還元を継続する場合には営業CFの回復が重要な前提となる。

リスク要因

  1. 主力事業への収益集中: M&A仲介が連結売上の91.2%を占め、当期は売上-7.1%、営業利益-32.8%と減収減益となった。案件成約時期や単価変動が連結業績に直接波及する構造にある。

  2. コンサルティング事業の投資回収遅延: 売上は14.5億円へ拡大したが営業損失は7.9億円に拡大し、0.13億円の減損損失も発生した。人件費先行が続けば連結マージンの回復を遅らせる可能性がある。

  3. 営業CFの利益追随不足: 営業CF/純利益は0.47倍、OCF/EBITDAは0.25倍にとどまる。売掛金の162.2%増加が主因であり、債権回収状況のモニタリングが必要である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
自己資本利益率39.2%8.0% (5.6%–14.6%)+31.2pt
営業利益率28.8%13.2% (10.7%–16.6%)+15.5pt
純利益率16.5%9.2% (8.1%–11.3%)+7.3pt

自社の収益性指標は業種中央値を大きく上回り、業種内でも高水準の収益力を維持している。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)0.3%9.6% (3.8%–20.8%)−9.3pt

売上高成長率は業種中央値を下回り、成長性では業種内で相対的に劣後している。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率28.8%、純利益率16.6%は業種中央値を上回る水準を維持しているが、前年からの大幅な利益率低下は、売上原価率・販管費率の同時上昇によるコスト構造の変化を反映している。

  2. 借入依存度は実質ゼロに近く財務基盤は健全だが、67.1億円の自己株式取得により現金残高は101.7億円から41.2億円へ大きく減少しており、資本配分の規律が今後の焦点となる。

  3. 会社計画に対する進捗率は営業利益79.7%・純利益77.8%と標準的な水準を上回っており、第4四半期における売上・利益率の維持状況が通期着地を左右する。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)273円
base(基準)273円
bull(強気)273円
算出前提
1株純資産(BPS)94円
調整後予想EPS47.2円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向0.0%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER2.89倍 / 5.8倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 264円〜282円、ω±0.1で 266円〜283円。

注記:

  • 予想ROEが高いため、算出上はROE 50%を上限として扱っています(シナリオ間の差が小さく表示される場合があります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。