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95132026 第3四半期プライムJGAAP

電源開発(9513) 2026年度第3四半期決算 減収・営業益23%減

2026年度第3四半期の売上高は8,646億円(前年同期比-9.8%)、営業利益は882.6億円(同-22.8%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電源開発株式会社

電気・ガス/電気・ガス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥8645.6億¥9589.6億−9.8%
営業利益¥882.6億¥1142.9億−22.8%
経常利益¥1314.8億¥1250.5億+5.1%
純利益¥944.0億¥896.9億+5.2%
ROE6.3%6.1%-

Executive Summary

当期は減収減益の営業段階に対し、海外事業と持分法投資利益の伸長が経常・純利益を押し上げる増益に転じた点が最大の特徴である。売上高は8,645.6億円(前年比-9.8%)、営業利益は882.6億円(同-22.8%)と主力の発電事業の落ち込みが響いた一方、経常利益は1,314.8億円(同+5.1%)、純利益は944.0億円(同+5.2%)となった。営業段階の減益を、営業外収益に計上される持分法投資利益(565.8億円)が補った構図であり、利益の質を評価する上では営業損益と経常損益の乖離に留意が必要である。

業績変動要因

【売上高】売上高は8,645.6億円で前年比-9.8%の減収となった。売上構成比72.1%を占める発電事業が-9.7%、海外事業が-9.8%、電力周辺関連事業が-19.3%と主要セグメントが軒並み減収し、全社の減収を主導した。送変電事業は-1.7%と相対的に減収幅が小さい。

【損益】営業利益は882.6億円(同-22.8%)で、営業利益率は10.2%へ低下した。発電事業のセグメント利益が398.3億円(同-37.3%、利益率6.5%)と大幅減益となり、営業段階の収益力低下の主因となっている。一方、経常利益は1,314.8億円(同+5.1%)と増益に転じており、これは持分法投資利益565.8億円(前年94.7億円から大幅増)を主因とする営業外収益769.1億円の拡大による。海外事業のセグメント利益は746.8億円(同+131.9%、利益率44.5%)と最大の利益源に成長した。純利益は944.0億円(同+5.2%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は840.5億円(同+5.4%)である。結論として、減収増益(営業減益・経常増益・純利益増益)の構図であり、増益の源泉は本業ではなく海外事業・持分法投資利益への依存が強まっている点に留意が必要である。

セグメント別分析

発電事業は売上615.6億円(同-9.7%)、セグメント利益398.3億円(同-37.3%、利益率6.5%)と収益性が大きく低下し、全社利益の重石となった。海外事業は売上167.8億円(同-9.8%)に対し、セグメント利益746.8億円(同+131.9%、利益率44.5%)と減収下での大幅増益であり、全社最大の利益源に転じた。送変電事業は売上367.5億円(同-1.7%)、利益67.0億円(同-16.8%、利益率18.2%)。電力周辺関連事業は売上338.0億円(同-19.3%)、利益96.2億円(同-54.8%、利益率28.4%)と減収以上の減益となった。セグメント利益は経常利益ベースで算出されており、連結営業利益とは定義が異なる点に留意する。売上構成比では発電事業が7割超を占める一方、利益構成では海外事業が主軸となっており、収益構造の転換が進んでいる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は10.2%で前年の11.9%から低下した一方、経常利益率は15.2%(前年13.0%)へ上昇し、営業段階と経常段階で方向性が乖離している。純利益率は10.9%である。【キャッシュ品質】営業外収益769.1億円は売上高の8.9%に相当し、うち持分法投資利益565.8億円が中心である。【投資効率】ROEは6.3%、EBIT88.3億円に対し税引前利益は1,314.8億円と、持分法投資利益を含む営業外収益の寄与が大きい。ROICは低水準にとどまり、資本集約型の資産構成に対する収益化余地が残る。【財務健全性】自己資本比率は40.8%(前年37.5%相当から上昇)で、純資産は1兆5,021.0億円へ増加した。有利子負債は長期借入金9,710.3億円と社債6,789.9億円が中心で、短期借入金依存は低い。

キャッシュフロー分析

本開示にはキャッシュフロー計算書の詳細項目は含まれていないが、貸借対照表の推移から資金動向を確認できる。現金及び預金は3,303.9億円で前年同期の3,089.9億円から増加しており、資金余力は拡大している。利益剰余金は8,691.1億円へ積み上がり、当期純利益の内部留保が継続している。一方、自己株式は3.5億円から163.9億円へ大きく増加しており、自己株式取得を通じた資金流出があったとみられる。長期借入金は9,710.3億円へ減少(前年9,981.3億円)しており、有利子負債の圧縮が進んでいる。全体として、内部留保の蓄積と現預金の積み増しを継続しつつ、資本政策として自己株式取得を実行した年であったと解釈できる。

収益の質

経常利益の増益は本業の稼得力によるものではなく、営業外収益に計上される持分法投資利益565.8億円の急増(前年94.7億円)に大きく依存しており、この点は収益の質を評価するうえで重要である。持分法投資利益は経常利益1,314.8億円の43.0%を占め、投資先の業績や為替、資源価格などの外部要因の影響を受けやすい非経常性の高い項目である。営業外収益769.1億円のうち、受取配当金は21.9億円にとどまり、大半が持分法損益で構成される。包括利益は857.5億円で、純利益944.0億円との間に乖離が生じている。この乖離は為替換算調整額-115.9億円や退職給付に係る調整額-54.7億円、持分法適用会社のOCI持分-59.4億円などの評価性項目が純利益に含まれない包括利益項目として作用しているためであり、海外資産・持分法投資に伴う為替・評価変動リスクが包括利益面に表れている。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想は据え置かれており(修正無)、売上高1兆2,120億円(前年比-7.9%)、営業利益920.0億円(同-33.5%)、経常利益1,190.0億円(同-15.1%)を見込む。第3四半期累計の進捗率は売上高71.3%、営業利益95.9%、経常利益110.5%となっており、営業利益・経常利益は既に高い進捗を示す一方、売上高はやや低めの進捗である。経常利益の進捗率が100%を超えていることから、第4四半期は累計実績対比で経常利益が減少する計画となっており、持分法投資利益を含む営業外収益の反動減を保守的に織り込んでいるとみられる。

株主還元

通期配当予想は1株100円(第2四半期配当実績50円)で、期中・期末とも修正はない。通期予想の親会社株主に帰属する純利益890.0億円を基準とすると、予想配当性向は約20.3%であり、利益水準に対する配当負担は大きくない。一方、自己株式は前年同期の3.5億円から163.9億円へ大きく増加しており、自己株式取得を通じた株主還元も実施されたとみられる。配当のみでみた配当性向は低水準にとどまるが、自己株式取得を含めた総還元性向は本データからは算定していない。

リスク要因

  1. 国内発電事業の収益性低下: 売上構成比72.1%を占める発電事業のセグメント利益が前年比-37.3%となり、利益率も6.5%まで低下した。燃料価格や電力需給、燃料費調整の反映時差が収益変動要因となる。

  2. 海外事業・持分法投資利益への依存拡大: 海外事業のセグメント利益率は44.5%と突出して高く、また経常利益の43.0%を持分法投資利益が占める。投資先の業績、為替、カントリーリスクの変動が連結利益全体に与える影響が大きい。

  3. 資本効率の低位: ROEは6.3%にとどまり、資本集約型の資産構成(固定資産2兆9,939.4億円)に対する収益創出力は限定的である。今後の設備投資・脱炭素関連投資の採算確保が課題となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率10.2%
純利益率10.9%

自社の収益性は業種内での比較データが限定的であり、絶対水準としては両指標とも10%超を確保している。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−9.8%

売上高は前年比マイナス成長であり、業種内での相対比較データは限定的である。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益が22.8%減少する一方、海外事業と持分法投資利益の拡大により親会社株主帰属純利益は5.4%増加しており、利益成長の源泉が本業から海外・持分法投資へシフトしている点が読み取れる。

  2. 海外事業は売上構成比19.7%にとどまるものの、セグメント利益では最大の稼ぎ頭となっており、収益ポートフォリオにおける重要性が急速に高まっている。

  3. 経常利益の通期進捗率は110.5%と高水準である一方、第4四半期は計画上、経常利益が累計実績から減少する構成となっており、持分法投資利益を含む営業外収益の変動が通期着地を左右する構造となっている。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)7,631円
base(基準)7,766円
bull(強気)7,900円
算出前提
1株純資産(BPS)8,474円
調整後予想EPS535.3円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向20.5%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.92倍 / 14.5倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 7,547円〜7,995円、ω±0.1で 7,741円〜7,782円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(94%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。