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95092026 通期プライムJGAAP

北海道電力株式会社 2026年度 通期 決算

北海道電力株式会社の2026年度通期決算レポート

電気・ガス/電気・ガス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥8559.8億¥9020.5億−5.1%
営業利益¥732.4億¥758.4億−3.4%
経常利益¥613.5億¥640.5億−4.2%
純利益¥453.8億¥651.9億−42.6%
ROE9.6%16.0%-

Executive Summary

主力の北海道電力事業の減収が響き減収減益となったが、営業段階の採算はほぼ維持された決算である。売上高は8,559.8億円(前年比-5.1%)、営業利益は732.4億円(同-3.4%)、経常利益は613.5億円(同-4.2%)、純利益(親会社株主帰属)は440.0億円(同-31.5%)となった。純利益の減少幅が経常利益より大きいのは、前年計上された特別利益195.5億円が当期12.1億円へ縮小した反動によるもので、事業の基礎的収益力の悪化ではない点に留意が必要である。

業績変動要因

【売上高】売上高は8,559.8億円で前年比5.1%減少した。主因は連結売上の79.2%を占める北海道電力セグメントの外部売上高が6,775.9億円(同-7.2%)と落ち込んだことで、電気・ガス料金負担軽減支援に係る補助金収入の縮小(297.1億円、前年335.9億円)も減収に寄与した。一方、北海道電力ネットワーク(送配電)は1,405.2億円(同+7.2%)と増収を確保し、その他事業は378.7億円(同-7.0%)であった。

【損益】営業利益は732.4億円(同-3.4%)で、営業利益率は8.6%と前年8.4%からわずかに改善し、減収下でも費用対応により採算が維持された。経常利益は613.5億円(同-4.2%)にとどまったが、支払利息が147.9億円と前年比34.5%増加し圧迫要因となった。純利益は440.0億円(同-31.5%)で、前年の特別利益剥落が主因である。北海道電力セグメントの経常利益は446.2億円(同-16.9%)と主力事業の利益回復力が課題であり、送配電セグメントは経常利益25.2億円(同+126.0%)と増益ながら利益率1.8%にとどまる。結論として、減収減益である。

セグメント別分析

北海道電力セグメント(売上高6,775.9億円、構成比79.2%)は前年比7.2%減収、経常利益446.2億円で同16.9%減となり、連結業績の押し下げ要因となった。北海道電力ネットワーク(送配電、売上高1,405.2億円、構成比16.4%)は同7.2%増収、経常利益25.2億円で同126.0%増と大幅な改善を示したが、利益率は1.8%と低水準である。その他事業(売上高378.7億円)は経常利益190.6億円、利益率50.3%と高水準を維持している。セグメント利益は経常利益ベースであり、連結営業利益とは定義が異なる点に留意が必要である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は8.6%で前年8.4%から改善したが、純利益率は5.1%(前年7.1%)へ低下した。ROEは9.6%で、純利益率低下を財務レバレッジ(総資産/純資産)で補う構造にある。【キャッシュ品質】営業CFは1,145.5億円で純利益の2.6倍に相当し、利益の現金裏付けは良好である。減価償却費は720.0億円で、EBITDAに対する営業CF比率は約0.79倍にとどまる。【投資効率】固定資産取得支出は2,175.6億円で減価償却費の約3.0倍に達し、発電・送配電設備への投資拡大局面にある。総資産の82.3%を固定資産が占め、資産回転率は低い。【財務健全性】自己資本比率は19.2%(前年17.5%相当水準から改善)で、流動資産4,376.8億円に対し流動負債4,755.2億円と運転資本はマイナスである。社債残高は8,592.3億円で前年比1,358.3億円増加し、大型投資を長期性資金で賄う構成となっている。

キャッシュフロー分析

営業CFは1,145.5億円で前年比8.8%減少したが、純利益440.0億円の2.6倍にあたり利益の現金裏付けは良好である。投資CFはマイナス2,130.7億円で、固定資産取得支出2,175.6億円が減価償却費720.0億円の約3.0倍に達し、発電・送配電設備への大型投資が続いている。この結果フリーCFはマイナス985.2億円となり、営業活動だけでは投資資金を賄えていない。財務CFは1,268.1億円のプラスで、社債発行1,950.0億円・長期借入金調達1,020.0億円が投資超過分を補った。当期末の現金及び預金は282.8億円増加し1,846.1億円となったが、投資超過を継続的に外部調達で補う構造は今後の金利負担・レバレッジの動向を注視する必要がある。

収益の質

当期純利益の減少は、前年に計上された特別利益195.5億円が当期12.1億円へ大幅に縮小した反動が主因であり、経常段階の減益率4.2%に比べ純利益の減少率31.5%が大きいのはこの一時的要因による。営業外費用は193.1億円で、うち支払利息が147.9億円と前年比34.5%増加しており、金利負担の高まりが経常利益を圧迫している。営業外収益は74.2億円で、受取配当金13.6億円などが含まれる。包括利益は730.9億円で親会社株主帰属純利益440.0億円を大きく上回っており、退職給付に係る調整額151.4億円や有価証券評価差額金119.0億円といった評価性の増加項目が寄与している。営業CFは純利益の2.6倍に達し、アクルーアル(会計発生高)は小さく、利益の質は現金面から見て良好と評価できる。

業績予想・ガイダンス

会社公表の通期業績予想は、売上高9,700.0億円(前年比+13.3%)、営業利益480.0億円(同-34.5%)、経常利益300.0億円(同-51.1%)、EPS100.27円、年間配当33.00円である。当期実績(売上高8,559.8億円、営業利益732.4億円、経常利益613.5億円)に対し、予想は増収ながら大幅減益を見込んでおり、営業利益で当期実績を252.4億円、経常利益で313.5億円下回る水準に設定されている。燃料価格、卸電力価格、料金反映時期、政府支援策の動向が予想と実績の乖離要因となり得るため、今後の進捗確認が必要である。

株主還元

年間配当は1株あたり32円(中間15円、期末17円)で、配当総額65.8億円に対する配当性向は約15.4%と低水準である。自己株式取得は0.06億円と極めて小さく、資本還元は配当が中心である。営業CF1,145.5億円は配当総額の約17.4倍に相当し、配当単体の現金カバレッジは高い。一方でフリーCFはマイナス985.2億円であり、設備投資と配当の合計を営業CFのみで賄う構造ではない。会社は年間配当予想を33.00円とし、当期実績から1円の増配方針を示している。

リスク要因

  1. 主力事業への集中リスク: 北海道電力セグメントが連結売上高の79.2%を占め、同セグメントの経常利益は前年比16.9%減となった。燃料価格・卸電力価格・需要動向・料金反映時期の変動が連結業績へ直接波及する構造である。

  2. 財務レバレッジと金利上昇リスク: 負債資本倍率は約4.2倍と高水準で、支払利息は147.9億円と前年比34.5%増加した。社債残高も前年比1,358.3億円増加しており、今後の金利環境が経常利益に与える影響を注視する必要がある。

  3. 流動性・投資負担リスク: 流動資産4,376.8億円に対し流動負債4,755.2億円と運転資本はマイナスであり、フリーCFも985.2億円の赤字である。固定資産取得支出が減価償却費の約3.0倍に達しており、継続的な外部資金調達への依存度が高い。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(utilities)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率8.6%33.4% (13.3%–45.2%)−24.9pt
純利益率5.3%22.7% (9.1%–27.0%)−17.4pt

自社の収益性は業種中央値を大きく下回り、資本集約型の電力・送配電事業として利益率水準は業種内で低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−5.1%1.7% (-0.5%–24.4%)−6.8pt

売上高成長率も業種中央値を下回り、当期は業種内で減収局面にある企業として位置づけられる。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率8.6%は前年から約15bp改善し、減収局面でも営業段階の採算管理が機能したことを示す。一方、純利益の大幅減は前年特別利益の剥落が主因であり、経常利益ベースでの減益率4.2%との乖離を踏まえた評価が有用である。

  2. 固定資産取得支出が減価償却費の約3.0倍に達し、フリーCFが985.2億円の赤字となる中、社債発行1,950.0億円を含む長期性資金で投資超過を補っている。設備投資の継続と負債水準の推移は、今後の財務構造を左右する構造的な注目点である。

  3. 配当性向は15.4%と低水準で、営業CFによる配当カバレッジは高い。会社は年間配当33.00円への増配方針を示しており、利益変動下での配当政策の継続性が確認ポイントとなる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,759円
base(基準)1,786円
bull(強気)1,813円
算出前提
1株純資産(BPS)1,993円
調整後予想EPS110.2円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向32.9%
予想EPSの信頼度調整×1.099(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.90倍 / 16.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,736円〜1,837円、ω±0.1で 1,779円〜1,790円。

注記:

  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 46%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。