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95082026 第3四半期プライムJGAAP

九州電力(9508) 2026年度第3四半期決算 減収・営業益45%増

2026年度第3四半期の売上高は1兆6,493億円(前年同期比-3.8%)、営業利益は2,163億円(同+45.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

九州電力株式会社

電気・ガス/電気・ガス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥16493.4億¥17153.5億−3.8%
営業利益¥2163.1億¥1489.6億+45.2%
経常利益¥2154.2億¥1537.2億+40.1%
純利益¥1614.0億¥1098.2億+47.0%
ROE13.9%10.6%-

Executive Summary

売上高が減少するなかで営業利益・純利益が大幅増益となっており、主力の発電・販売事業の採算改善が連結業績を牽引した点が今回決算の最重要ポイントである。売上高は1兆6,493億円(前年比-3.8%)、営業利益は2,163億円(同+45.2%)、経常利益は2,154億円(同+40.1%)、親会社株主帰属純利益は1,611億円(同+48.0%)となった。発電・販売事業では補助金収入が前年から減少したにもかかわらずセグメント利益が大きく伸びており、補助金依存によらない収益力改善が確認できる。

業績変動要因

【売上高】連結売上高は前年同期比3.8%減の1兆6,493億円。主力の発電・販売事業が7.3%減となった一方、送配電事業は+7.9%、その他エネルギーサービス事業は+10.7%、ICTサービス事業は+12.1%と増収した。国の料金負担軽減支援に係る補助金収入が連結で780億円から405億円へ縮小したことも減収の一因である。売上構成比では発電・販売事業が75.8%を占め、依然として連結業績への影響度が大きい。

【損益】営業利益は45.2%増の2,163億円、経常利益は40.1%増の2,154億円、純利益は47.0%増の1,614億円となった。増益の主因は発電・販売事業の利益率改善で、セグメント利益は74.5%増の1,488億円、利益率は6.3%から11.9%へ拡大した。一方、送配電事業は増収ながらセグメント利益が25.1%減少しており、設備維持コスト等の負担が示唆される。営業外損益は純額でほぼ均衡しており、経常利益と営業利益の乖離は小さい。減収増益であり、収益性主導での増益局面と評価できる。

セグメント別分析

発電・販売事業は売上高1兆2,509億円(前年比-7.3%)、経常利益ベースのセグメント利益1,488億円(同+74.5%)で、利益率は11.9%と全セグメント中最大の伸びを示した。送配電事業は売上高2,011億円(+7.9%)に対し利益215億円(-25.1%)と減益で、増収減益の構図にある。その他エネルギーサービス事業は売上1,069億円(+10.7%)、利益236億円(+9.2%)と安定成長。ICTサービス事業は売上736億円(+12.1%)、利益60億円(+43.8%)と増収増益。海外事業は売上27億円に対し利益119億円と極めて高い利益率を示すが、持分法利益等の性質上、変動性を伴いやすい点に留意が必要である。都市開発事業は売上110億円(-4.0%)、利益34億円(-1.0%)とほぼ横ばい。なお、セグメント利益は経常利益ベースであり、連結営業利益とは定義が異なる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は13.1%で前年同期の8.7%から443bp拡大し、純利益率は9.8%と前年同期の6.3%から342bp改善した。ROEは13.9%であり、純利益率9.8%、総資産回転率0.28倍、財務レバレッジ5.06倍への分解から、高いレバレッジが収益性を支える構造が確認できる。【キャッシュ品質】棚卸資産が前年同期比53.5%増の1,377億円となる一方、買掛金は27.7%減の1,147億円と、運転資本は資金流出方向に作用しており、利益成長との対比で運転資本の動向は注視点となる。【投資効率】総資産回転率は0.28倍と資産集約型の事業特性を反映した低水準である。海外事業のセグメント利益率は438.1%と突出して高いが、投資規模が小さいため連結業績への寄与度は限定的である。【財務健全性】自己資本比率は19.8%(前年17.3%相当から改善)、流動比率は84.3%、負債資本倍率は4.06倍であり、流動性・レバレッジの両面で電力事業特有の資本集約構造が表れている。長期借入金・社債はいずれも前年から減少しており、長期有利子負債の圧縮傾向がみられる。

キャッシュフロー分析

CF計算書の開示はないが、貸借対照表の推移から資金動向を読み取ると、利益剰余金が前年同期比26.5%増の6,277億円に積み上がり、内部留保を通じた資本蓄積が進んでいる。一方で棚卸資産が53.5%増加し、買掛金が27.7%減少しており、運転資本面では資金拘束の方向に作用している。現金及び預金は3,280億円と前年同期の3,626億円から減少しており、増益局面にもかかわらず手元流動性はやや縮小した。長期借入金は前年同期比640億円減、社債は207億円減となっており、利益成長を背景に長期有利子負債の圧縮を進めている様子がうかがえる。総じて、収益改善が進む一方で運転資本の悪化方向と手元資金の減少が併存しており、資金繰りの動向は今後の確認点となる。

収益の質

今期の増益は主として発電・販売事業における経常的な採算改善によるものであり、特別損益等の一時的要因の影響は限定的である。営業外収益331億円のうち受取配当金41億円、持分法投資利益130億円が主要構成要素であり、営業外費用340億円のうち支払利息が252億円を占め前年同期比14.4%増加している。営業外損益は純額でほぼ均衡しており、経常利益と営業利益の乖離は9億円にとどまるため、利益の質は営業段階での実質的な収益力改善に裏付けられていると評価できる。一方、国の料金負担軽減支援に係る補助金収入は前年から376億円減少しており、補助金という一時的な公的支援の縮小下でも増益を達成した点は、アクルーアルではなく実質的な収益力向上を示唆する。もっとも、棚卸資産の増加や買掛金の減少といった運転資本の悪化方向は、利益の現金化タイミングに影響し得る要素として留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高2兆2,500億円(前年比-4.5%)、営業利益2,100億円(同+5.2%)、経常利益1,900億円(同-2.4%)、親会社株主帰属純利益1,400億円である。第3四半期累計時点での進捗率は、売上高73.3%、営業利益103.0%、経常利益113.4%、純利益115.0%と、利益系指標はいずれも通期予想を上回って推移している。予想の修正は行われておらず、第4四半期にかけて燃料・卸電力価格や需要動向、補助金制度の変化等を織り込んだ保守的な前提が置かれている可能性がある。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり25.00円、通期会社予想の年間配当は50.00円で、配当予想の修正は行われていない。通期予想利益1,400億円に基づく予想配当性向は約16.9%であり、第3四半期累計の親会社株主帰属純利益1,611億円は既に通期予想を上回っているため、現行配当予想に対する利益カバーは厚い。利益剰余金は前年同期比26.5%増の6,277億円に積み上がっており、資本蓄積の面でも配当余力は改善方向にある。自社株買いに関するデータは確認されない。

リスク要因

  1. 主力事業への集中リスク: 発電・販売事業が外部売上高の75.8%を占め、燃料調達価格・卸電力価格・料金調整制度の変動が連結収益に大きく波及する構造にある。

  2. 流動性・レバレッジリスク: 流動比率84.3%、負債資本倍率4.06倍と、いずれも警戒水準にある。流動負債が流動資産を1,749億円上回り、支払利息は前年同期比14.4%増の252億円である。インタレストカバレッジは8.59倍と現時点では余力があるが、金利上昇局面での動向を注視する必要がある。

  3. 補助金縮小・送配電事業の採算リスク: 国の料金負担軽減支援に係る補助金収入が前年から376億円減少している。また送配電事業は増収ながらセグメント利益が25.1%減少しており、設備維持・系統強靱化コストの負担が課題となっている。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率13.1%
純利益率9.8%

業種中央値データが未整備のため直接比較は困難だが、両指標とも同業他社比較で「良好」水準とされる目安の上限に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−3.8%

売上高は減収基調だが、利益率の改善が同時に進んでおり、増収よりも採算改善が優先された局面と位置づけられる。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高が減少するなかで営業利益率が443bp拡大しており、発電・販売事業の採算改善が連結業績の質的な向上をもたらしている点が注目される。補助金収入の縮小下での増益であることから、一時的支援に依存しない収益構造への変化が読み取れる。

  2. 第3四半期累計時点で営業利益・経常利益・純利益がいずれも通期予想を上回って進捗しているにもかかわらず、予想は据え置かれている。第4四半期の費用・需給前提がどう織り込まれているか、今後の動向確認が有用である。

  3. 自己資本比率は改善傾向にあるものの、流動比率84.3%・負債資本倍率4.06倍は資産集約型事業特有の高レバレッジ構造を示している。棚卸資産増加・買掛金減少という運転資本の悪化方向も併せて、財務構造の推移は継続的な確認ポイントとなる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,619円
base(基準)2,708円
bull(強気)2,797円
算出前提
1株純資産(BPS)2,451円
調整後予想EPS312.4円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向17.6%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER1.10倍 / 8.7倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,630円〜2,789円、ω±0.1で 2,701円〜2,718円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(115%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。