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95072026 第3四半期プライムJGAAP

四国電力(9507) 2026年度第3四半期決算 減収9%

2026年度第3四半期の売上高は5,610億円(前年同期比-9.2%)、営業利益は653.4億円(同0.0%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

四国電力株式会社

電気・ガス/電気・ガス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥5610.3億¥6179.9億−9.2%
営業利益¥653.4億¥653.4億+0.0%
経常利益¥653.4億¥674.0億−3.0%
純利益¥483.7億¥497.0億−2.7%
ROE(年換算)13.7%15.0%-

Executive Summary

売上高が減少する中で営業利益を前年並みに維持しており、コスト効率と発電・販売事業の収支改善が減収の影響を吸収した点が今回の決算の最重要ポイントである。売上高は5,610.3億円(前年比-9.2%)、営業利益は653.4億円(同+0.0%)、経常利益は653.4億円(同-3.0%)、純利益は483.7億円(同-2.7%)となった。減収の主因は発電・販売事業における外部売上高の減少であり、一方で同事業のセグメント利益は燃料費調整等の収支改善により増加した。経常利益と営業利益の乖離は限定的だが、支払利息の増加が経常減益に影響している。

業績変動要因

【売上高】売上高は5,610.3億円で前年比-9.2%の減収となった。主因は発電・販売事業(売上高4,312.4億円、YoY-10.6%)と送配電事業(596.4億円、YoY-13.5%)の減収であり、両セグメントで連結売上の87.2%を占める。一方、情報通信事業(+5.0%)とその他事業(+43.7%)は増収となり、非電気分野が減収の一部を補完した。

【損益】営業利益は653.4億円で前年同期並み(YoY+0.0%)を確保し、営業利益率は11.6%と前年の10.6%から改善した。発電・販売事業のセグメント利益は378.2億円(YoY+25.7%)と大幅増益で、燃料調達コストや燃料費調整制度の反映が寄与したとみられる。一方、送配電事業の利益は95.8億円(YoY-53.7%)と大幅減益となり、託送料金制度や系統関連コストが影響した可能性がある。経常利益は653.4億円(YoY-3.0%)で、支払利息が54.3億円(前年46.6億円)に増加したことが営業外損益を悪化させた。純利益は483.7億円(YoY-2.7%)で、法人税等控除後も概ね経常利益の減少に対応した水準を維持している。総じて減収増益(営業利益ベース)、減収減益(経常・純利益ベース)の傾向であり、発電・販売事業の増益が減収の影響を吸収する構図となっている。

セグメント別分析

発電・販売事業は売上4,312.4億円(YoY-10.6%)に対しセグメント利益378.2億円(YoY+25.7%)と増収減収下での大幅増益となり、利益率は8.8%に達した。送配電事業は売上596.4億円(YoY-13.5%)、利益95.8億円(YoY-53.7%)と減収減益で、利益率は16.1%に低下した。情報通信事業は売上303.9億円(YoY+5.0%)、利益88.0億円(YoY+7.6%)で利益率29.0%と高収益セグメントを維持している。エネルギー事業は売上164.2億円(YoY-2.9%)、利益39.4億円(YoY+10.4%)と減収増益。建設・エンジニアリング事業は売上149.9億円(YoY-0.2%)、利益25.3億円(YoY-13.4%)とほぼ横ばいの売上ながら減益となった。セグメント構成では発電・販売事業が売上・利益ともに最大の柱であり、送配電事業の利益急減が連結利益の重要な監視点である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は11.6%で前年の10.6%から約1.0pt改善し、純利益率は8.6%で前年の約8.0%から改善した。年換算ROEは13.7%であり、純利益率8.6%、総資産回転率0.436倍、財務レバレッジ3.66倍への分解から、高い財務レバレッジが収益性を押し上げる構造にある。【キャッシュ品質】現金及び預金は952.4億円で前年同期比26.8%減少し、売掛金も767.5億円で同25.2%減少しており、資金回収の進展が現金減少を一部緩和している。【投資効率】総資産回転率は低位であり、送配電網・発電設備を多く保有する資本集約型事業の特性を反映している。【財務健全性】自己資本比率は27.3%で前年の26.0%から改善したものの、固定負債1兆409.7億円が総負債の大半を占め、長期借入金4,643.0億円、社債4,070.0億円と長期資金への依存度が高い。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の詳細開示は限定的だが、バランスシートの推移から資金動向を分析すると、現金及び預金は952.4億円で前年同期比349.5億円(-26.8%)減少している。一方で売掛金も767.5億円と前年から259.0億円減少しており、営業債権の回収進展が現金減少の一部を緩和する要因となっている。棚卸資産は506.9億円で前年比20.5%増加しており、燃料在庫等の増加が運転資金を拘束している可能性がある。利益剰余金は2,938.2億円で前年比389.4億円増加し、累計利益の内部留保が進んでいる一方、長期借入金・社債といった長期資金調達残高は前年から増加しており、設備投資や資金需要に対して負債による資金調達が継続している構図がうかがえる。

収益の質

営業利益653.4億円に対し経常利益は同水準の653.4億円であり、営業外収益61.4億円(受取配当金7.5億円、その他営業外収益11.3億円等)と営業外費用61.3億円(支払利息54.3億円が中心)がほぼ相殺している。支払利息は前年の46.6億円から54.3億円へ16.6%増加し、営業外損益の悪化要因となっているが、経常的な金融コストの範囲内であり一時的要因とは言えない。純利益483.7億円は経常利益653.4億円に対し法人税等169.7億円を控除した結果であり、実効税率は約26.0%で正常な範囲にある。包括利益は376.1億円で純利益483.7億円を下回り、その差異は退職給付に係る調整額-94.0億円、為替換算調整額-32.7億円等のその他包括利益のマイナスによるものである。この乖離は市場変動や年金再測定に起因する非経常的な要素であり、純利益そのものの質を損なうものではないが、純資産の変動要因として留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期予想(1月30日修正後)に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が72.9%(予想7,700.0億円)、営業利益が95.4%(予想685.0億円)、経常利益が96.1%(予想680.0億円)となっている。売上高進捗率は標準的な75%をやや下回るが、利益面の進捗率は標準を大きく上回っており、第4四半期は相対的に低い利益水準を前提とした予想となっている。通期営業利益予想685.0億円はYoY-23.1%、経常利益予想680.0億円はYoY-25.8%と、通期では前年を下回る見通しであり、累計時点までの利益率改善が第4四半期以降も同水準で継続するとは想定されていない。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり25円、通期配当予想は1株当たり50円で据え置かれている。通期予想EPS253円に対する予想配当性向は約19.8%であり、配当持続性の目安である60%を大きく下回る水準にある。第3四半期累計の親会社株主帰属利益482.3億円に対しても配当総額(予想ベース約102.8億円)は十分にカバーされている。自己株式取得に関する開示はないため、総還元性向ではなく配当性向として評価している。

リスク要因

  1. 燃料・電力市場変動リスク: 発電・販売事業は売上が10.6%減少する一方でセグメント利益が25.7%増加しており、燃料費調整制度の反映タイムラグや燃料・卸電力価格の変動が収支改善の持続性を左右する構造的リスクとなっている。

  2. 送配電事業の収益性低下: 送配電事業のセグメント利益は95.8億円で前年の111.1億円から53.7%減少し、利益率も16.1%に低下している。託送料金制度や系統増強投資が今後の収益性に影響する可能性がある。

  3. 財務レバレッジと金利感応度: D/E比率は2.66倍と高水準にあり、支払利息は前年比16.6%増の54.3億円となった。インタレストカバレッジは12.03倍と当面の利払い耐性は保たれているが、金利上昇局面では長期資金の借換えコスト増加が経常利益を圧迫する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

決算上の注目ポイント

  1. 売上高が9.2%減少する中で営業利益率が前年の10.6%から11.6%へ改善しており、発電・販売事業の収支改善が連結利益の維持に寄与している。この改善が燃料価格・制度要因による一時的なものか、構造的なコスト競争力向上かは今後の四半期で見極める材料となる。

  2. 通期予想に対する利益進捗率は営業利益95.4%、経常利益96.1%と高水準であり、第4四半期は相対的に低い利益水準が前提とされている。通期予想自体も前年比で営業利益-23.1%、経常利益-25.8%となっており、累計の好調さと通期見通しの間にギャップがある。

  3. D/E比率2.66倍という高いレバレッジと、棚卸資産が前年比20.5%増加している点は、資本集約型事業の特性を踏まえつつも、資金効率と在庫水準の推移が継続的な確認事項となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,403円
base(基準)2,480円
bull(強気)2,559円
算出前提
1株純資産(BPS)2,281円
調整後予想EPS278.3円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向19.8%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER1.09倍 / 8.9倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,409円〜2,555円、ω±0.1で 2,476円〜2,488円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(93%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。