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95032026 通期プライムJGAAP

関西電力(9503) 2026年度通期決算 減収・営業益7%減

2026年度通期の売上高は4兆566億円(前年同期比-6.5%)、営業利益は4,376億円(同-6.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

関西電力株式会社

電気・ガス/電気・ガス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥40566.4億¥43371.1億−6.5%
営業利益¥4375.6億¥4688.8億−6.7%
経常利益¥5185.3億¥5316.9億−2.5%
純利益¥3836.2億¥4511.4億−23.6%
ROE11.0%14.5%-

Executive Summary

2025年度は減収減益となったが、営業利益率10.8%を維持し収益性は前年並みを保った点が最大の特徴である。売上高は4兆566.4億円(前年比-6.5%)、営業利益は4,375.6億円(同-6.7%)、経常利益は5,185.3億円(同-2.5%)となった。純利益(親会社株主に帰属する当期純利益、380.1億円ではなく3,800.5億円)は前年比-9.6%で、前年に計上された子会社株式売却益(614.1億円)の反動が主因である。なお連結純利益(非支配株主分含む)は3,836.2億円、前年比-23.6%となっており、両者の乖離は非支配株主帰属損益の変動によるものである。

業績変動要因

【売上高】売上高は4兆566.4億円で前年比-6.5%となった。セグメント別ではエネルギー事業が外部売上高の80.4%(3兆2,613.9億円)を占め、連結売上の変動を主導する構造にある。送配電事業3,862.2億円、情報通信事業2,222.0億円、生活・ビジネスソリューション事業1,868.3億円が残る19.6%を構成し、収益分散に一定寄与している。

【損益】営業利益は4,375.6億円(同-6.7%)で、営業利益率は10.8%と前年と同水準を維持した。経常利益は5,185.3億円(同-2.5%)と、営業減益幅より縮小しており、為替差益436.9億円、持分法投資利益336.7億円、受取配当金253.5億円といった営業外収益が下支えした。純利益は前年の特別利益(子会社株式売却益614.1億円)の反動剥落により、経常利益の減少幅を上回る-9.6%(親会社株主帰属ベース)の減益となった。結論として減収減益である。

セグメント別分析

セグメント利益率は情報通信事業21.2%、生活・ビジネスソリューション事業20.9%と高く、送配電事業16.3%が続く一方、売上構成比の大きいエネルギー事業は11.6%にとどまる。エネルギー事業は外部売上高の80.4%を占めるため、連結利益率は同事業の収益性に強く連動する構造である。規制性の高い送配電事業と高収益の情報通信・生活ビジネス両事業が、エネルギー事業の変動を一定程度緩和する収益ポートフォリオとなっている。なお、セグメント利益は連結子会社・持分法適用会社からの受取配当金を除いた経常利益ベースであり、連結営業利益とは定義が異なる点に留意が必要である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率10.8%は前年同水準を維持し、経常利益率12.8%は営業外収益(為替差益・持分法投資利益・受取配当金)により営業利益率を上回る。ROEは11.0%で、資本集約的な電力・ガス事業として妥当な水準にある。【キャッシュ品質】営業CFは6,523.8億円で親会社株主帰属純利益の1.72倍に達し、利益の現金裏付けは良好である。【投資効率】有形・無形固定資産の投資額は5,806.8億円で減価償却費3,383.4億円の1.72倍に達し、設備投資が資金配分の中心となっている。【財務健全性】自己資本比率は35.5%(前年32.2%相当から改善)、純資産は3兆5,027.4億円で前年比+12.7%増加した。長期借入金2兆1,717.9億円、社債1兆3,480.4億円を中心とする長期資金調達構造であり、利益剰余金は2兆2,414.7億円と前年比+16.3%増加し自己資本拡充を主導した。

キャッシュフロー分析

営業CFは6,523.8億円で前年比+13.4%と増加し、親会社株主帰属純利益に対して1.72倍の水準にある。運転資本面では売掛金の減少が567.6億円のキャッシュ押し上げ要因となった一方、棚卸資産の増加463.7億円、仕入債務の減少218.6億円が資金流出要因となり、概ね相殺されている。投資CFは5,719.2億円の支出で、うち固定資産取得が5,604.6億円を占め、送配電網強化や電源対応など大規模投資が継続している。営業CFと投資CFの差引であるフリーCFは804.6億円の黒字を確保し、高水準の設備投資を営業キャッシュフローの範囲内で概ね賄った。財務CFは2,902.2億円の支出で、長期借入金の返済や社債償還など債務削減が中心であり、結果として現金及び現金同等物は前年比2,001.5億円減少した。

収益の質

経常利益は営業利益を上回る水準にあり、その差は為替差益436.9億円、持分法投資利益336.7億円、受取配当金253.5億円といった営業外収益によるものである。これらは売上高の4.0%に相当し、業績を下支えする一方、為替差益は市場環境次第で反転しうる非経常的性質を持つ点に留意が必要である。前年との比較では、前年に計上された子会社株式売却益614.1億円(特別利益)が当期は発生しておらず、純利益の減益幅が経常利益の減益幅を上回る要因となっている。営業CFは純利益の1.72倍に達し、アクルーアル(会計発生高)は総じてマイナス方向で推移しており、利益の現金裏付けという観点では質は良好と評価できる。

業績予想・ガイダンス

次年度会社予想は売上高4兆5,000億円(当期比+10.9%)と増収を見込む一方、営業利益2,500億円(同-42.9%)、経常利益2,900億円(同-44.1%)と大幅な減益を予想している。この増収・大幅減益の組み合わせは、燃料費・購入電力料などのコスト増や価格調整のタイムラグ、当期に寄与した為替差益・特別利益要因の剥落を織り込んだものと見られる。予想EPSは278.26円で当期実績341.14円を下回り、予想営業利益率は約5.6%と当期実績10.8%から大幅な低下を見込む点が特徴である。

株主還元

当期の年間配当は1株75円(中間30円、期末45円)で、配当性向は22.0%と保守的な水準にある。現金配当支払総額は668.6億円で、フリーキャッシュフロー804.6億円の範囲内に収まっている。自己株式取得は0.6億円と僅少であり、総還元性向は配当性向とほぼ同水準である。次年度は1株80円への増配を予想しており、予想EPS278.26円に基づく配当性向は約28.7%となる見込みで、利益水準の低下を見込みつつも株主還元の安定を志向している。

リスク要因

  1. エネルギー事業への収益集中: 外部売上高の80.4%をエネルギー事業が占め、燃料価格・卸電力価格・為替・燃料費調整のタイミングが連結業績を大きく左右する構造にある。

  2. 営業外収益への依存: 経常利益は為替差益436.9億円、持分法投資利益336.7億円、受取配当金253.5億円といった営業外収益に支えられており、市場環境の変化により減少しうる非経常的要素を含む。

  3. 次年度の大幅減益予想: 会社予想は増収の一方で営業利益-42.9%、経常利益-44.1%の減益を見込んでおり、当期の高収益水準からの利益正常化が示唆されている。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率10.8%33.4% (13.3%–45.2%)−22.7pt
純利益率9.5%22.7% (9.1%–27.0%)−13.2pt

自社の収益性は業種中央値を大きく下回り、公益セクター内でも低い水準に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−6.5%1.7% (-0.5%–24.4%)−8.2pt

売上高成長率も業種中央値を下回り、当期は同業他社と比較して減収幅が目立つ結果となった。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率10.8%は前年並みを維持し、売上減少局面でも収益性の急激な悪化は見られなかった。一方で業種中央値との比較では収益性は相対的に低い水準にある。

  2. 営業CFは純利益の1.72倍に達し、利益の現金裏付けは良好である。設備投資は減価償却費の1.72倍に達しており、送配電・電源関連への投資局面が継続している。

  3. 次年度会社予想は増収ながら営業利益・経常利益とも4割超の減益を見込んでおり、当期の営業外収益や特別要因を除いた実質的な収益力の変化を継続的に確認する必要がある。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,074円
base(基準)3,154円
bull(強気)3,236円
算出前提
1株純資産(BPS)3,101円
調整後予想EPS305.7円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向28.7%
予想EPSの信頼度調整×1.099(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.02倍 / 10.3倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,065円〜3,247円、ω±0.1で 3,153円〜3,156円。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。