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95012026 第3四半期プライムJGAAP

東京電力ホールディングス(9501) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は4兆6,122億円(前年同期比-7.1%)、営業利益は2,584億円(同-16.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電気・ガス/電気・ガス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥46121.8億¥49633.2億−7.1%
営業利益¥2584.1億¥3110.7億−16.9%
経常利益¥3475.9億¥3487.2億−0.3%
純利益−¥6628.6億¥2438.3億−371.9%
ROE−21.2%6.4%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計は、巨額の特別損失により最終赤字に転落したことが最大のポイントである。売上高は4兆6,121.8億円(前年比-7.1%)、営業利益は2,584.1億円(同-16.9%)、経常利益は3,475.9億円(同-0.3%)とほぼ横ばいを維持した一方、純利益は-6,628.6億円(前年2,438.3億円から371.9%の悪化)となった。特別損失9,762.3億円の計上が最終赤字の直接要因であり、営業・経常段階の収益力とは切り離して理解する必要がある。

業績変動要因

【売上高】売上高は4兆6,121.8億円で前年比-7.1%の減収となった。主因は主力のEnergyPartnerCompany(外部売上構成比77.1%)の売上高が-9.3%となったことで、電気・ガス料金負担軽減支援に係る補助金収益が1,371.4億円から589.9億円へ減少した制度要因も含まれる。一方、規制型ネットワーク事業のPowerGridCompanyは売上高+0.6%、セグメント利益+19.0%と相対的に堅調だった。

【損益】営業利益は2,584.1億円(前年比-16.9%)、営業利益率5.6%は前年6.3%から低下した。経常利益は3,475.9億円とほぼ横ばい(-0.3%)で、持分法投資利益が942.1億円から1,459.6億円へ54.9%増加し、経常利益の約42%を占める形で営業減益を補った。しかし9,762.3億円の特別損失により税引前損益は-6,288.9億円の赤字となり、純利益は-6,628.6億円に転落した。結論として、営業・経常段階は減収減益基調にとどまる一方、特別損失を主因とする大幅最終赤字であり、実質的には減収減益と一時的損失計上が重なった決算である。

セグメント別分析

セグメント利益は経常利益ベースで算出されており、連結営業利益とは定義が異なる点に留意が必要である。EnergyPartnerCompany(売上構成比77.1%)はセグメント利益1,386.2億円(同-10.3%)と減益し、利益率は3.9%にとどまる。PowerGridCompanyはセグメント利益1,241.1億円(同+19.0%)、利益率13.9%と規制型事業らしい安定的な収益性を示した。FuelAndPowerCompanyはセグメント利益899.9億円(同+77.4%)と大幅増益だが、外部売上高27.7億円に対し利益率3,245.3%となっており、セグメント間取引・内部構造の影響が大きく単純比較には注意を要する。Holdingsはセグメント利益1,194.8億円(同-8.9%)、受取配当金消去等の調整項目を含む点も踏まえる必要がある。全体として、規制事業(パワーグリッド)が減益を補完し、小売事業(エナジーパートナー)の収益性改善が今後の焦点となる。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は5.6%で前年6.3%から低下し、純利益率は前年+4.9%からマイナス14.4%へ大幅悪化した。経常利益率は7.5%で前年7.0%から上昇しており、持分法投資利益の増加が寄与した。【キャッシュ品質】特別損失9,762.3億円が純利益率悪化の主因であり、営業段階の収益力とは区別して評価すべきである。包括利益は-6,657.3億円と純利益とほぼ同水準の損失であり、退職給付に係る調整額-255.2億円等のOCI項目も損失を拡大させた。【投資効率】ROEはマイナス21.2%で、純利益率の赤字化と財務レバレッジの高さ(総資産/純資産倍率が高い水準)が重なった結果である。総資産回転率は0.308倍と低位で、固定資産が総資産の85.5%を占める重厚長大型の資産構成を反映する。【財務健全性】自己資本比率は20.8%で前年25.1%から低下、純資産は3兆1,215.3億円と前年比17.6%減少した。流動負債4兆4,079.5億円が流動資産2兆1,700.6億円を大幅に上回り、運転資本はマイナスとなっている。

キャッシュフロー分析

本決算データにキャッシュフロー計算書項目は含まれないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。現金及び預金は7,818.2億円で、前年同期の9,363.4億円から16.5%減少した。短期借入金は2兆8,933.8億円、社債は3兆3,610.0億円へ前年から増加しており、外部資金調達への依存度が高まっている。利益剰余金は6,074.8億円へ前年から大きく減少し、純資産の縮小と合わせて内部資金の蓄積余力が低下している状況がうかがえる。流動負債が流動資産を大幅に上回る構造は、短期的な資金繰りを継続的な借換えに依存する体質を示している。

収益の質

経常利益はほぼ前年並みを維持したが、その内実は営業利益の16.9%減を持分法投資利益の54.9%増(942.1億円→1,459.6億円)で補った構図であり、経常利益の約42%を投資先収益に依存する点は収益の質を考える上で重要である。持分法利益は連結営業活動とは異なる収益源であり、投資先の事業環境や市況、配当方針に左右されるため持続性の評価には留意が必要である。最終損益を決定づけたのは9,762.3億円の特別損失であり、経常利益とは切り離された一時的要因として扱うべきである。包括利益は-6,657.3億円と純利益とほぼ同水準の損失を計上しており、為替や退職給付の調整項目による追加的な純資産毀損は限定的だった一方、純利益の赤字がそのまま包括ベースでも反映されている。

業績予想・ガイダンス

通期売上高予想6兆4,620.0億円に対し、第3四半期累計の進捗率は71.4%で、季節性を考慮した標準的な75%を下回る。経常利益は通期予想2,770.0億円に対し進捗率125.5%に達しており、累計実績が通期予想を705.9億円上回っている。会社は業績予想を修正していないため、第4四半期には経常利益の減速要因、または特別損益の追加計上を織り込んでいる可能性がある。純利益はEPS予想-400.11円に基づく通期純損失想定に対し、累計損失がすでに近い水準に達しており、通期の最終赤字幅は特別損益の追加発生有無に左右される。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり0円、通期配当予想も0円であり、無配を継続している。親会社株主に帰属する四半期純損失6,626.5億円を計上しているため、配当性向は実質的に算出不能(無配)であり、利益・資本の保全を優先する方針と整合的である。自己株式は83.97億円で前年同期の85.38億円から減少しており、大規模な自社株買いは実施されていない。

リスク要因

  1. 流動性リスク: 流動負債4兆4,079.5億円が流動資産2兆1,700.6億円を大幅に上回り、運転資本はマイナス2兆2,378.9億円である。現金及び預金7,818.2億円に対し短期借入金2兆8,933.8億円と、短期資金繰りの借換え依存度が高い。

  2. 財務レバレッジ・資本毀損リスク: 純資産は前年同期比17.6%減の3兆1,215.3億円、自己資本比率は20.8%へ低下した。9,762.3億円の特別損失により利益剰余金が大きく減少し、追加損失発生時の資本吸収余力が低下している。

  3. 小売事業への売上集中リスク: 連結外部売上高の77.1%をEnergyPartnerCompanyが占め、セグメント利益は前年比-10.3%となった。電気・ガス料金負担軽減支援に係る補助金収益の減少(1,371.4億円→589.9億円)など政策支援規模の変動が業績に直接影響する。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(utilities)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率5.6%
純利益率−14.4%

自社は営業黒字を維持するが、純利益率は特別損失の影響で大幅なマイナスとなっている。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−7.1%

売上高は補助金縮小等の制度要因も含め前年を下回る水準にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益は2,584.1億円の黒字を維持したが前年比-16.9%となり、経常利益はほぼ横ばいながら持分法投資利益への依存度が高まっている点は、収益構造の質を評価するうえで注目される。

  2. 9,762.3億円の特別損失により最終赤字6,628.6億円を計上し、利益剰余金と純資産が大きく減少した。この一時的損失の内容と再発可能性は今後の資本蓄積を左右する。

  3. 流動比率の低さと短期借入金への依存度の高さは、公益企業に共通する資金調達力を前提としつつも、財務柔軟性のモニタリングポイントとして挙げられる。無配継続は資本保全の観点と整合的である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)641円
base(基準)721円
bull(強気)808円
算出前提
1株純資産(BPS)1,948円
調整後予想EPS−400.1円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.000(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)

感応度: 株主資本コスト±1%で 703円〜740円、ω±0.1で 693円〜739円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。