- 売上高: 28.44億円
- 営業利益: -64百万円
- 当期純利益: -52百万円
- 1株当たり当期純利益: -2.87円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 28.44億円 | 27.56億円 | +3.2% |
| 売上原価 | 18.25億円 | 17.50億円 | +4.3% |
| 売上総利益 | 10.20億円 | 10.06億円 | +1.3% |
| 販管費 | 10.84億円 | 11.18億円 | -3.1% |
| 営業利益 | -64百万円 | -1.12億円 | +42.9% |
| 営業外収益 | 66百万円 | 58百万円 | +14.0% |
| 営業外費用 | 6百万円 | 39百万円 | -84.4% |
| 経常利益 | -3百万円 | -92百万円 | +96.7% |
| 税引前利益 | -15百万円 | 3.13億円 | -104.8% |
| 法人税等 | 37百万円 | 51百万円 | -27.9% |
| 当期純利益 | -52百万円 | 2.62億円 | -119.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | -52百万円 | 2.62億円 | -119.8% |
| 包括利益 | 56百万円 | 2.56億円 | -78.1% |
| 支払利息 | 6百万円 | 6百万円 | +5.7% |
| 1株当たり当期純利益 | -2.87円 | 14.42円 | -119.9% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 100.85億円 | 102.27億円 | -1.42億円 |
| 現金預金 | 69.56億円 | 64.61億円 | +4.95億円 |
| 売掛金 | 16.63億円 | 19.56億円 | -2.93億円 |
| 棚卸資産 | 9.47億円 | 11.43億円 | -1.96億円 |
| 固定資産 | 84.10億円 | 81.90億円 | +2.20億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | -1.8% |
| 粗利益率 | 35.9% |
| 流動比率 | 236.6% |
| 当座比率 | 214.4% |
| 負債資本倍率 | 0.42倍 |
| インタレストカバレッジ | -10.64倍 |
| 実効税率 | -242.8% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +3.2% |
| 営業利益前年同期比 | +5.6% |
| 経常利益前年同期比 | -26.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -90.8% |
| 包括利益前年同期比 | -78.2% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 18.18百万株 |
| 自己株式数 | 1千株 |
| 期中平均株式数 | 18.18百万株 |
| 1株当たり純資産 | 714.42円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 5.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Media | 61百万円 | 3百万円 |
| PropertyAgent | 50百万円 | 35百万円 |
| RealEstate | 69百万円 | 30百万円 |
| Solution | 72百万円 | -1.28億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 66.50億円 |
| 営業利益予想 | 2.00億円 |
| 経常利益予想 | 2.20億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 50百万円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 2.75円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の昭文社ホールディングスは、売上が増加した一方で営業赤字が継続し、最終損益は大幅な赤字拡大となった四半期でした。売上高は28.44億円で前年同期比+3.2%と増収を確保しましたが、売上総利益は10.20億円、販管費10.84億円を吸収できず、営業損失は-0.64億円(前年同期比+5.6%改善)にとどまりました。営業外収益0.66億円(うち受取配当0.44億円、受取利息0.10億円)が下支えし、経常損失は-0.03億円まで縮小しましたが、税引前で-0.15億円、当期純損失は-0.52億円(前年同期比-90.8%)と悪化しています。粗利益率は35.9%と一定の水準ですが、販管費率38.1%が重く、構造的なコスト過剰が解消していません。営業利益率は-2.25%で、前年同期の推定-2.47%から約+22bp改善したものの、経常利益率は-0.11%(前年-0.07%程度)で約-4bp悪化、純利益率は-1.83%(前年-0.98%程度)で約-85bp悪化と、最終段階での損益は悪化しました。資金面では現金預金69.56億円、流動比率236.6%、当座比率214.4%と流動性は厚く、負債資本倍率0.42倍と保守的な資本構成を維持しています。一方でインタレストカバレッジは-10.64倍と、営業損失が続く限り金利負担耐性は数値上弱い状態です。包括利益は0.56億円の黒字で、投資有価証券30.23億円の評価益等が寄与した可能性が高く、損益計算書の赤字と株主資本の維持の乖離がみられます。ROEは-0.4%、ROICは-1.0%と資本効率は低迷し、総資産回転率0.154と資産効率も低水準です。営業外収益(配当・利息)への依存が続いており、コア事業の収益化が重要な課題です。営業CFデータが未記載のため、利益の質(営業CF対純利益)の評価は不可能で、短期的な収益改善の確からしさを判断しにくい点は留意が必要です。運転資本は58.22億円と潤沢で、短期負債42.63億円を十分に賄える流動資産構成ですが、構造赤字が続くと中期的にはキャッシュ消費の懸念が残ります。税費0.37億円計上により実効税率は-242.8%と逆進的に見え、繰延税金資産の取崩しや恒久的差異等の影響が示唆されます。総じて、売上の微増と営業損失の小幅縮小は収益構造改善の糸口ですが、販管費の重さと最終損益の悪化、営業外依存という課題が顕著です。先行きはコア事業の粗利拡大と固定費圧縮の進捗、ならびに投資有価証券関連のボラティリティ管理が業績安定化の鍵となります。
ROE分解では、ROE=-0.4%は「純利益率(-1.8%)×総資産回転率(0.154)×財務レバレッジ(1.42倍)」の積に整合します。変動の重心は純利益率の悪化で、営業赤字継続と税費計上(0.37億円)が最終赤字拡大に寄与しました。ビジネス上の背景として、粗利率35.9%に対し販管費率38.1%と固定費過剰が主因で、営業段階の赤字が継続しています。総資産回転率0.154は資産規模(現金・投資有価証券の多寡)に対し売上が小さく資産効率が低い構図で、短期での大幅改善は限定的と評価します。財務レバレッジ1.42倍は保守的で、レバレッジによるROE押上げはほぼ期待できません。持続性の観点では、販管費の削減やデジタル領域での高付加価値化が実現しない限り、純利益率の改善は一時的にとどまるリスクがあります。一方、営業外収益(配当・利息0.54億円)は変動性が低く一定の安定性はあるものの、コア利益の代替とはなりにくいです。懸念点として、売上成長率(+3.2%)に対し販管費の絶対額が粗利を上回る状態が続いており、営業レバレッジがマイナスに作用しています。
売上は+3.2%と小幅増収で、観光・出版需要の回復や価格政策の効果が示唆されますが、持続性の判断にはプロダクトミックス・チャネル別動向の開示が不足しています。利益の質は、営業段階が赤字で営業外収益(受取配当・利息0.54億円)への依存が見られるため、コア利益の厚みは不十分です。粗利率35.9%は安定的に見えるものの、販管費率38.1%が構造的重石で、増収だけでは黒字化が難しいコスト構造です。包括利益が0.56億円の黒字となった点は投資有価証券の評価益の寄与が推察され、総合的な資本増強に資する一方で、マーケット依存の不安定さも内包します。先行きは、固定費削減、デジタルサービスや法人向けデータ提供のマージン改善、在庫最適化による粗利確保が鍵です。短期は微増収・赤字縮小、年度後半の繁忙期次第で通期黒字転換の余地はあるものの、コストコントロールの実行度がボトルネックです。
流動比率236.6%、当座比率214.4%と短期支払能力は非常に健全です。総資産184.94億円に対し負債合計55.08億円、負債資本倍率0.42倍とレバレッジは低く、資本安全性は高いです。現金預金69.56億円、売掛金16.63億円、棚卸9.47億円に対し、流動負債42.63億円で、満期ミスマッチリスクは限定的です。短期借入金6.40億円は十分な現金でカバー可能です。インタレストカバレッジは-10.64倍と警戒水準を大きく下回りますが、これは営業損失に起因し、絶対的な金利負担能力は保有現金の厚みで補完可能です。オフバランス債務の開示はなく、不確実性は残るものの重大な表面化リスクは読み取りにくいです。
営業CF、投資CF、フリーCFが未記載のため、営業CF/純利益やFCFカバレッジの定量評価はできません。営業赤字(-0.64億円)が続く構造上、営業CFの質は慎重評価が妥当で、運転資本の取り崩しによる一時的なCF維持の可能性は否定できません。運転資本は58.22億円と厚く、売掛金16.63億円・棚卸9.47億円の規模から、回収・在庫回転の効率化余地があります。投資有価証券30.23億円の評価益が包括利益に寄与している公算が高く、キャッシュ創出とは非連動である点は留意が必要です。総じて、CFデータ欠落が大きな制約であり、営業CFが純損失を十分にカバーしているかの判断は不可能です。
配当情報が未記載で、EPSは-2.87円と赤字のため、実績配当・方針の確認が必要です。理論上は現金保有69.56億円と低レバレッジにより支払い能力はありますが、ROIC-1.0%、ROE-0.4%と資本効率が低迷する中で、高い配当は中長期の再投資余力を削ぐリスクがあります。利益剰余金は5.80億円と小さく、恒常赤字下での配当継続は持続性に乏しい可能性があります。FCFデータがないため配当のFCFカバレッジは評価不能で、原則として黒字化・CF安定化が確認されるまでは保守的な配当政策が適切と考えます。
ビジネスリスク:
- コア事業の収益性不足(販管費率38.1%が粗利率35.9%を上回る)
- 需要ボラティリティ(観光・出版関連需要の変動)
- デジタル化競争の激化による価格圧力・広告収入の不確実性
- 商品ミックスの変化に伴う粗利率変動
財務リスク:
- 営業赤字継続に伴うインタレストカバレッジ悪化(-10.64倍)
- 投資有価証券評価のボラティリティ(包括利益依存度の上昇)
- 税効果会計の見積り変動(実効税率-242.8%)
- 営業外収益依存(配当・利息0.54億円)の持続可能性
主な懸念事項:
- 営業黒字化の遅延と固定費削減の進捗不足
- 資産効率の低さ(総資産回転率0.154、ROIC-1.0%)
- CF開示の不足により利益の質を検証できない点
- 最終損益の悪化(純利益率-1.83%、YoY約-85bp)
重要ポイント:
- 増収(+3.2%)ながら営業赤字継続、営業損失は小幅改善(約+22bp)
- 販管費率が粗利率を上回る構造的課題が継続
- 営業外収益0.66億円が損益を下支えも、最終赤字は拡大
- 流動性は厚く(現金69.56億円、流動比率236.6%)、資本構成は保守的(D/E0.42倍)
- ROIC-1.0%、総資産回転率0.154と資本効率が低迷
- 包括利益は黒字(0.56億円)で投資評価益が寄与とみられるが、キャッシュ創出とは非連動
注視すべき指標:
- 販管費率と固定費削減進捗(四半期推移)
- コア事業の粗利率と売上総利益成長
- 営業CF/純利益比率(>1.0の回復)
- 在庫・売掛の回転日数(運転資本効率)
- 投資有価証券の含み損益・配当収入の安定性
- インタレストカバレッジの改善度(>2倍への回復)
セクター内ポジション:
同業の出版・地図コンテンツ企業と比較して、流動性・レバレッジは良好だが、コア収益力と資本効率は劣後。デジタル収益モデルの確立と固定費圧縮の実行度が相対的評価の分岐点。
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