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94282026 第3四半期スタンダードJGAAP

クロップス(9428) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益57%増

2026年度第3四半期の売上高は486.4億円(前年同期比+7.5%)、営業利益は24.6億円(同+57.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥486.4億¥452.6億+7.5%
営業利益¥24.6億¥15.6億+57.2%
経常利益¥26.5億¥16.8億+57.5%
純利益¥11.3億¥7.2億+57.1%
ROE7.4%5.0%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計決算は、売上高486.4億円(前年同期比+33.8億円 +7.5%)、営業利益24.6億円(同+9.0億円 +57.2%)、経常利益26.5億円(同+9.7億円 +57.5%)、親会社株主に帰属する四半期純利益11.3億円(同+4.1億円 +57.1%)となった。増収増益を達成し、営業利益率は前年3.4%から5.0%へ1.6pt改善した。主力の移動体通信事業と店舗転貸借事業が増収を牽引し、営業利益段階での収益性が大きく向上した。ただし税引前利益20.9億円に対し純利益11.3億円と税負担が重く、特別損失として海外事業のれん減損5.44億円と移動体通信事業の固定資産減損0.12億円の計5.56億円が計上されたことで、純利益率は2.3%に抑制された。

業績変動要因

【売上高】売上高は前年同期452.6億円から486.4億円へ+33.8億円(+7.5%)増加した。セグメント別では、移動体通信事業が209.3億円(前年200.5億円から+8.8億円 +4.4%)、店舗転貸借事業が130.9億円(前年111.7億円から+19.2億円 +17.2%)と主力2事業が増収を牽引した。ビルメンテナンス事業は48.8億円(+3.1億円 +6.8%)、卸事業は54.6億円(-1.3億円 -2.3%)、人材派遣事業は23.1億円(+1.8億円 +8.6%)、不動産売買事業は15.2億円(+2.3億円 +17.5%)、海外事業は4.4億円(-0.2億円 -4.3%)となった。店舗転貸借事業の大幅増収が全体を押し上げた。【損益】売上総利益率は26.1%(売上総利益126.8億円)で、販管費は102.3億円(販管費率21.0%)に抑制された結果、営業利益は24.6億円と前年15.6億円から+9.0億円(+57.2%)の大幅増益となった。営業外収支は純額+1.9億円で、経常利益は26.5億円(前年16.8億円から+9.7億円 +57.5%)に達した。一時的要因として、海外事業セグメントでJOB LINKS CORPORATION関連ののれん減損5.44億円、移動体通信事業で閉店店舗の固定資産減損0.12億円の計5.56億円が特別損失に計上され、税引前利益は20.9億円となった。実効税率は約46.0%と高く、税負担が純利益を圧迫した。経常利益26.5億円に対し純利益11.3億円となり、経常利益と純利益の乖離率は57.4%に達した。この乖離要因は特別損失5.56億円と高い税負担の複合効果である。結論として増収増益を達成したが、純利益段階では一時的減損と税負担により利益率が抑制された。

セグメント別分析

移動体通信事業は売上高209.3億円でセグメント利益5.3億円(利益率2.5%)。店舗転貸借事業は売上高130.9億円でセグメント利益11.5億円(利益率8.8%)となり、利益率では店舗転貸借が最も高い。構成比では移動体通信事業が売上高の43.0%を占め主力事業であるが、利益貢献では店舗転貸借事業がセグメント利益の46.8%を占め収益の柱となっている。ビルメンテナンス事業は売上48.8億円で利益2.4億円(利益率4.8%)、卸事業は売上54.6億円で利益2.3億円(利益率4.3%)、不動産売買事業は売上15.2億円で利益3.0億円(利益率19.7%)と高収益だが規模は小さい。人材派遣事業は売上23.1億円で利益0.4億円(利益率1.9%)、海外事業は売上4.4億円で損失0.4億円と赤字が継続している。セグメント間では利益率に大きな差異があり、不動産売買事業と店舗転貸借事業が高収益セグメントとなっている一方、移動体通信事業は売上規模は大きいが利益率は低位にとどまる。

主要財務指標

【収益性】ROE 7.4%(前年5.8%から+1.6pt改善)、営業利益率5.0%(前年3.4%から+1.6pt改善)、純利益率2.3%(前年1.6%から+0.7pt改善)。デュポン分解ではROE 4.2%(四半期純利益ベース)は純利益率1.3%、総資産回転率1.278、財務レバレッジ2.50倍で構成され、営業利益率改善が収益性向上の主因である。【キャッシュ品質】現金及び預金98.0億円、短期借入金16.0億円に対する現金カバレッジは6.1倍と流動性は高い。【投資効率】総資産回転率1.28倍(売上高486.4億円÷総資産380.6億円の年率換算)。【財務健全性】自己資本比率39.9%(前年39.7%からほぼ横ばい)、流動比率185.1%、当座比率153.0%と短期支払能力は良好。有利子負債は24.0億円(短期16.0億円、長期8.0億円)で、負債資本倍率1.50倍、現金控除後ネット有利子負債は-74.0億円と実質無借金経営に近い。

キャッシュフロー分析

CF計算書の詳細開示はないが、BS推移から資金動向を分析すると、現金預金は前年96.2億円から98.0億円へ+1.8億円増加し、営業増益が資金積み上げに寄与した。流動資産は前年215.6億円から225.4億円へ+9.8億円増加し、売上増に伴う運転資本の増加が確認される。棚卸資産は前年34.4億円から39.1億円へ+4.7億円増加し、在庫投資が進んだ。固定資産は前年145.5億円から155.2億円へ+9.7億円増加し、のれんは前年9.0億円から1.6億円へ-7.4億円減少、無形固定資産は前年10.8億円から3.4億円へ-7.4億円減少と、減損計上により大幅に減少した。負債面では流動負債が前年112.0億円から121.8億円へ+9.8億円増加し、買掛金が前年49.0億円から52.5億円へ+3.5億円増加した。短期負債に対する現金カバレッジは6.1倍で流動性は十分である。

収益の質

経常利益26.5億円に対し営業利益24.6億円で、非営業純増は約1.9億円である。営業外収益から営業外費用を差し引いた営業外収支は純額+1.9億円となり、受取利息・配当金や為替差益などの金融収益が主体と推定される。営業外収益は売上高の微小割合にとどまり、本業中心の収益構造が確認できる。特別損失5.56億円の計上により経常利益26.5億円から税引前利益20.9億円へ減少したが、この特別損失は海外事業ののれん減損5.44億円と移動体通信事業の固定資産減損0.12億円で構成され、一時的性質が強い。税引前利益20.9億円に対し純利益11.3億円で実効税率は約46.0%と高く、税負担が利益を圧迫している。現金預金98.0億円と高水準を維持し、営業利益の増加が資金積み上げにつながっている点から、収益の質は一定水準にあると評価できる。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想は売上高671.2億円(前期比+9.0%)、営業利益32.0億円(同+32.5%)、経常利益34.1億円(同+29.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益11.8億円、1株当たり利益124.47円である。第3四半期累計実績の進捗率は、売上高72.5%、営業利益76.8%、経常利益77.7%、純利益95.8%となり、標準進捗率75%に対し営業利益と経常利益は順調、純利益は想定を上回るペースで進捗している。ただし純利益の進捗率が高いのは通期予想の純利益が控えめに設定されている可能性を示唆する。特別損失5.56億円の計上後で第3四半期累計純利益が11.3億円に達しており、通期予想11.8億円に対し第4四半期の純利益は0.5億円を想定していることになる。第4四半期に追加の特別損失や税負担増加がなければ、通期予想は達成される見通しである。

株主還元

年間配当予想は25.0円(期末配当20.0円を含む)で、前期配当20.0円から+5.0円(+25.0%)の増配となる。第2四半期末配当は実施されず期末一括配当である。通期予想EPS 124.47円に対する配当性向は20.1%で、配当余力は十分である。当期純利益予想11.8億円(発行済株式数9,597千株から自己株式141千株を控除した9,456千株ベース)に対し、年間配当総額は約2.4億円(25.0円×9,456千株)となり、配当性向は約20.3%である。現金預金98.0億円を考慮すると配当支払能力は高く、持続可能な配当水準と評価できる。自社株買いの開示はなく、総還元性向は配当性向と同義である。

リスク要因

(1)のれん・無形資産の追加減損リスク: 海外事業ののれんが第3四半期に5.44億円減損計上され、のれん残高は1.6億円に減少した。ただし海外事業は継続して営業損失を計上しており、今後も収益性が改善しない場合は追加の減損や事業撤退の可能性がある。(2)短期負債集中によるリファイナンスリスク: 短期負債比率が66.6%(短期負債121.8億円/総負債228.6億円)と高く、流動負債の大半が短期に集中している。現金預金は潤沢だが、短期負債の償還・借り換えが円滑に進まない場合の資金繰りリスクは監視が必要である。(3)高い税負担による純利益圧迫: 実効税率約46.0%と高く、税負担が純利益を抑制している。税負担の増加要因が一時的か恒久的かの見極めが今後の純利益予測に重要である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ)IT・通信業種(2025年第3四半期、N=104社)との比較では、当社の自己資本比率39.9%は業種中央値59.2%を19.3pt下回り、財務安全性は業種内で低位にある。営業利益率5.0%は業種中央値8.2%を3.2pt下回り、収益性も業種平均を下回る。ROE 7.4%は業種中央値8.3%をやや下回る。純利益率2.3%は業種中央値6.0%を3.7pt下回り、税負担と特別損失の影響で純利益率が業種内で劣位にある。一方、総資産回転率1.28倍は業種中央値0.67倍を大きく上回り、資産効率は業種内で高位である。売上高成長率+7.5%は業種中央値+10.4%をやや下回るが、営業利益の大幅増益により収益性改善トレンドは確認できる。流動比率185.1%は業種中央値215%をやや下回るが、現金カバレッジは十分である。当社は資産回転型のビジネスモデルで売上規模を確保する一方、利益率と財務安全性は業種平均を下回る位置づけにあり、今後の収益性向上と財務基盤強化が課題である(業種: IT・通信業、比較対象: 2025年第3四半期、出所: 当社集計)。

決算上の注目ポイント

決算上の注目ポイントとして以下が挙げられる。(1)営業利益率の大幅改善: 前年3.4%から5.0%へ+1.6ptの改善は、店舗転貸借事業の増収と販管費コントロールが寄与しており、事業構造の改善が確認できる。今後この改善トレンドが持続するかが注目点である。(2)海外事業の再構築: のれん減損5.44億円計上により海外事業の過去投資評価損が一巡したが、営業損失は継続しており、海外事業戦略の見直しや撤退判断の動向が重要である。(3)高い現金保有と低い有利子負債: ネット有利子負債-74.0億円と実質無借金経営に近く、財務余力は十分である。今後この資金を成長投資や株主還元にどう活用するかが注目される。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度第3四半期累計は、売上高が前年同期比7.5%増の486.45億円、営業利益が同57.2%増の24.56億円となり、営業段階では大幅な増益を達成した。売上高の増加額は33.83億円であり、特に店舗転貸借事業、不動産売買事業、移動体通信事業が増収を牽引した。売上総利益は前年同期の110.98億円から126.85億円へ14.3%増加し、売上高を上回る伸びとなった。粗利益率は前年同期の24.5%から26.1%へ160bp上昇しており、増収に加え売上原価率の改善が営業増益の主因である。販売費及び一般管理費は102.28億円で前年同期比7.8%増にとどまり、売上高の伸びとほぼ同水準で管理された。結果として営業利益率は前年同期の3.5%から5.0%へ150bp拡大した。経常利益は26.51億円、前年同期比57.5%増となり、営業増益が経常段階まで維持された。営業外損益は1.96億円の黒字であったが、為替差損0.58億円を含むため、営業外収益への依存度は限定的である。一方、特別損失5.66億円のうち5.56億円は減損損失であり、税引前利益は20.87億円に抑制された。親会社株主に帰属する四半期純利益は6.41億円、同68.2%増である。純利益率は1.3%と低く、営業利益率との差は特別損失、法人税等9.59億円および非支配株主への利益帰属の影響を反映する。実効税率は46.0%であり、一般的な法定実効税率を上回る水準である。品質アラートの税負担係数0.31は、親会社株主帰属利益6.41億円を税引前利益20.87億円で除した値であり、非支配株主帰属利益4.86億円も含む連結利益構造の影響を受ける。したがって、同係数は高い税・非支配株主帰属負担を示す警戒指標として有用である一方、連結ベースの実効税率46.0%とは区別して読む必要がある。海外事業におけるJOB LINKS CORPORATION関連ののれん減損5.44億円は、当初の収益想定の未達を示しており、今期の最大の収益品質上の論点である。通期営業利益予想32.01億円に対する進捗率は76.7%と、標準的な第3四半期進捗率75%を小幅に上回る。反面、親会社株主帰属利益の通期予想11.77億円に対する進捗率は54.5%であり、減損損失と高い税負担が通期純利益の達成余力を左右する。

収益性分析

デュポン分析の報告値では、ROEは5.6%であり、純利益率1.3%×総資産回転率1.704倍×財務レバレッジ2.50倍に分解される。最も収益性改善が明瞭な要素は営業利益率で、前年同期の3.5%から5.0%へ150bp上昇した。粗利益率も24.5%から26.1%へ160bp改善しており、営業利益率の拡大は主として粗利採算の改善による。販管費は前年同期比7.8%増と売上成長率7.5%と概ね均衡しており、販管費の急増による営業レバレッジ悪化はみられない。事業別には、店舗転貸借事業のセグメント利益が11.50億円で連結営業利益の46.8%を占める主力事業であり、同事業の利益率は8.8%と連結平均を上回る。不動産売買事業も利益率19.8%と高いが、売買案件の計上時期による変動を受けやすい。移動体通信事業は売上高209.34億円で最大規模である一方、利益率は2.5%にとどまり、収益性への寄与は店舗転貸借事業より小さい。海外事業は売上高4.43億円に対して0.36億円の営業損失であり、のれん減損の発生と合わせて収益基盤の立て直しが必要である。親会社株主帰属利益率1.3%は営業利益率5.0%を大きく下回るため、営業改善が株主利益へ十分に転化していない。これは減損損失5.56億円、実効税率46.0%、および非支配株主帰属利益4.86億円が重なったためである。インタレストカバレッジは204.67倍であり、金利負担自体は収益性の制約ではない。なお、報告ROE5.6%は要注意水準であり、今後は一過性減損の剥落だけでなく、移動体通信事業の低採算改善と海外事業の黒字化が持続的ROE改善の条件となる。

成長性評価

増収は7報告セグメント中5セグメントで実現した。移動体通信事業の売上高は209.34億円で前年同期比4.4%増、セグメント利益は5.27億円で同約6.3倍となり、全社営業増益への寄与が大きい。人材派遣事業は売上高23.10億円で同9.1%増である一方、セグメント利益は0.44億円で同38.0%減となり、増収と採算が乖離した。ビルメンテナンス事業は売上高48.82億円で同6.8%増、利益は2.35億円で同23.7%増となった。主力の店舗転貸借事業は売上高130.92億円で同17.2%増、利益は11.50億円で同25.1%増となった。ただし、同事業の当期利益には全社費用配賦方法の変更による0.28億円の押上げが含まれるため、前年同期との利益比較には留保が必要である。不動産売買事業は売上高15.16億円で同17.5%増、利益は3.00億円で同130.8%増と高成長である。卸事業は売上高54.64億円で同2.3%減ながら、利益は2.34億円で同13.0%増となり、採算改善を示した。海外事業は売上高4.43億円で同5.1%減、営業損失は0.36億円と前年同期の0.41億円から縮小したが、なお赤字である。通期売上高予想671.21億円に対する進捗率は72.5%で、標準進捗率75%を2.5ポイント下回る。営業利益予想に対する進捗率は76.7%、経常利益予想に対する進捗率は77.7%であり、利益面では通期予想に沿った推移である。第4四半期には売上高184.76億円、営業利益7.45億円、経常利益7.59億円、親会社株主帰属利益5.36億円の計上が通期予想達成の前提となる。

財務健全性

流動比率は185.1%、当座比率は153.0%であり、短期流動性は健全である。流動資産225.39億円は流動負債121.76億円を103.63億円上回り、運転資本は厚い。現金預金97.96億円は短期借入金16.00億円の6.12倍であり、短期借入金の借換えに対する即時の資金余力は高い。有利子負債は24.04億円、Debt/Capital比率は13.7%、負債資本倍率は1.50倍であり、D/Eが2.0倍を超えるような過度の借入依存ではない。支払利息は0.12億円にとどまり、インタレストカバレッジ204.67倍は利払い能力の強さを示す。品質アラートの短期負債比率66.6%は、有利子負債のうち短期借入金16.00億円が約3分の2を占めることを示す。借入構成だけをみればリファイナンス頻度が高くなるリスクがあるが、現金預金が短期借入金を大幅に上回るため、現時点の流動性ストレスは限定的である。負債合計228.57億円には保証金84.68億円、うち長期保証金82.06億円が含まれ、店舗転貸借事業の契約・預り保証金に関連する負債構造が大きい。これは一般的な有利子負債とは性質が異なるものの、契約継続、テナントの入退去および保証金返還の資金管理を継続的に注視する必要がある。のれんは前年同期の8.99億円から1.64億円へ7.35億円減少し、減少率は81.8%である。無形固定資産も10.76億円から3.35億円へ7.41億円、68.9%減少した。主因は海外事業のJOB LINKS CORPORATION関連のれん5.44億円の減損であり、買収時の収益仮説が未達であったことを意味する。一方、期末のれんは純資産の1.1%、総資産の0.4%に低下しており、残存のれんに起因する貸借対照表上の減損エクスポージャーは小さい。

B/S変動のポイント

のれん: -7.35億円(-81.8%)- 海外事業におけるJOB LINKS CORPORATION関連ののれん5.44億円の減損が主因。残存のれんは純資産の1.1%まで低下したが、買収時の収益計画未達を示す。無形固定資産: -7.41億円(-68.9%)- のれん減損を含む無形資産の大幅な圧縮。将来の償却負担は軽くなる一方、海外投資の収益性見直しを反映する。現金預金: +14.95億円(+18.0%)- 97.96億円へ増加し、短期借入金16.00億円に対するカバレッジは6.12倍。借換えリスクへの緩衝材となる。棚卸資産: +4.69億円(+13.6%)- 売上成長率7.5%を上回る増加。不動産売買を含む在庫の回転および評価リスクを監視する。買掛金: +7.22億円(+18.9%)- 棚卸資産・事業規模の拡大に伴う仕入債務の増加。運転資本の資金化との整合性が重要となる。

キャッシュフロー品質

営業キャッシュフロー、投資キャッシュフローおよび財務キャッシュフローの数値に基づく評価は行っていない。したがって、営業CF/純利益、フリーキャッシュフロー、配当・設備投資に対する現金カバレッジ、および運転資本のキャッシュ化については判定していない。利益の発生構造としては、売掛金は57.63億円で前年同期比8.4%減少した一方、棚卸資産は39.14億円で同13.6%増加した。棚卸資産の増加は売上高7.5%増を上回っており、商品在庫および販売用不動産を含む在庫の回転・評価を注視する必要がある。買掛金は45.43億円で前年同期比18.9%増となり、棚卸資産増加に対応した仕入債務の増加がみられる。特別損失5.66億円の大半を占める減損損失5.56億円は非現金費用であるため、純利益と営業キャッシュフローの比較ではこの影響を分離して解釈することが重要である。品質アラートの一時的項目比率86.9%は、減損損失5.56億円が親会社株主帰属利益6.41億円の約86.7%に相当することに対応する。この一時項目は利益を押し上げる要因ではなく、海外事業の投資価値の下方修正として親会社株主利益を押し下げた要因である。

配当持続性

第2四半期配当は1株当たり0円である。通期配当予想は1株当たり25.0円であり、期中平均株式数9,456,106株を用いた年間配当総額の概算は約2.36億円となる。通期の親会社株主帰属利益予想11.77億円に対する配当性向は約20.1%であり、配当のみでみれば60%を十分に下回る。したがって、会社予想利益が達成される前提では、利益水準からみた配当負担は抑制的である。第3四半期累計の親会社株主帰属利益6.41億円に対して年間配当予定額を比較した場合でも約36.9%である。自己株式は1.41億円相当であるが、当期の自己株式取得額に関する情報に基づく総還元性向は算定していない。配当の持続性は、海外事業での追加損失の有無、不動産売買事業の利益変動、および営業キャッシュフローの創出力に左右される。

リスク評価

ビジネスリスクとして、高優先度:海外事業は0.36億円の営業損失を計上し、JOB LINKS CORPORATION関連ののれん5.44億円を減損した。当初想定収益が見込めなくなったことが直接の原因であり、海外人材関連事業の再建・収益回復が遅れる場合、追加損失や成長投資の効率低下につながる。、高優先度:主力の店舗転貸借事業は営業利益の46.8%を占める。テナント需要、空室率、賃料改定、出退店および保証金返還は、同事業の収益と資金需要を左右する業界固有のリスクである。、中優先度:移動体通信事業は最大売上セグメントであるが利益率は2.5%にとどまる。通信キャリアの販売政策、端末販売条件、店舗運営コストおよび閉店判断の変化に対して収益感応度が高い。、中優先度:不動産売買事業は利益率19.8%と高い一方、案件の引渡し時期、市況、資金調達環境および物件在庫評価による四半期変動を受けやすい。、中優先度:人材派遣事業は増収にもかかわらずセグメント利益が38.0%減少した。賃金上昇、人材確保競争および稼働率低下が継続すれば、利益率の改善が遅れる可能性がある。が挙げられます。

財務リスクとしては、高優先度:実効税率46.0%は高水準であり、税引前利益の増加が親会社株主利益へ転化しにくい。品質アラートの税負担係数0.31も、税金と非支配株主帰属を控除した後の親会社利益の薄さを示す。、中優先度:短期借入金16.00億円は有利子負債24.04億円の66.6%を占め、借入期限の短期化は借換え条件の変動にさらされる。ただし、現金預金97.96億円と高い利払い能力が緩和要因である。、中優先度:保証金84.68億円が負債の大きな部分を占める。契約上の返還需要が特定時期に集中する場合、資金繰りへの影響を監視する必要がある。、中優先度:棚卸資産が前年同期比13.6%増と売上成長率を上回る。不動産在庫および商品在庫の回転鈍化や評価損は、将来の利益・キャッシュフローを圧迫しうる。が挙げられます。

主な懸念事項としては、最優先の論点は、海外事業ののれん減損5.44億円で顕在化した買収後の収益計画未達である。残存のれん負担は小さいが、事業価値回復の実行力を確認する必要がある。、一時的項目警告は、減損損失が親会社株主帰属利益の約86.7%に相当することに起因する。減損は非経常的費用である一方、投資判断の妥当性に関する重要なシグナルである。、セグメント利益の比較には、当期からの全社費用配賦方法変更の影響がある。店舗転貸借事業は0.28億円の増益、不動産売買事業は0.28億円の減益となるため、報告利益の前年同期比較には一定の非連続性がある。、連結子会社・非支配株主の存在により、連結純利益11.28億円に対して親会社株主帰属利益は6.41億円である。親会社株主に帰属する利益の成長性は、連結営業利益だけでは評価できない。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、営業利益率は150bp拡大し、通期営業利益予想に対する進捗率は76.7%である。、店舗転貸借事業が営業利益の46.8%を占める主力であり、同事業の増収増益が全社利益を牽引した。、海外事業ののれん減損5.44億円により、営業増益が親会社株主利益へ転化する度合いは低下した。、流動比率185.1%、現金預金97.96億円、インタレストカバレッジ204.67倍は、短期借入中心の借入構成に対する緩衝材となる。、通期予想配当25円に対する予想配当性向は約20.1%であり、利益ベースの配当余力は維持されている。が挙げられます。

注視すべき指標は、海外事業の営業損益、収益回復施策および追加の減損・再編費用、店舗転貸借事業の売上成長率、セグメント利益率、保証金残高およびテナント稼働状況、移動体通信事業の利益率、閉店関連費用および販売政策変化への対応、人材派遣事業の利益率、稼働率および人件費上昇、不動産売買事業の在庫39.14億円の回転、案件引渡しおよび利益計上の持続性、実効税率、親会社株主帰属利益の通期予想に対する進捗率、および営業キャッシュフローです。

セクター内ポジションについては、収益性は連結営業利益率5.0%で「要注意」基準を辛うじて上回る水準に改善したが、純利益率1.3%とROE5.6%はなお低位である。流動性と利払い能力は強い一方、利益成長の評価では、店舗転貸借・不動産売買の高採算性と、低採算の移動体通信事業、赤字の海外事業との事業ポートフォリオ差が重要となる。