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93642026 第3四半期プライムJGAAP

上組(9364) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益13%増

2026年度第3四半期の売上高は2,225億円(前年同期比+6.0%)、営業利益は287.9億円(同+12.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社 上組

運輸・物流/倉庫・運輸関連業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥2224.6億¥2099.7億+5.9%
営業利益¥287.9億¥255.5億+12.7%
経常利益¥321.9億¥283.4億+13.6%
純利益¥227.8億¥205.4億+10.9%
ROE(年換算)7.8%7.1%-

Executive Summary

物流事業を軸とする増収と利益率改善により、営業利益・経常利益・純利益がいずれも二桁増益となった。売上高は2,224.6億円(前年比+5.9%)、営業利益は287.9億円(同+12.7%)、経常利益は321.9億円(同+13.6%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は226.9億円(同+10.6%)となった。売上原価を含む営業コストの増加率が売上高成長率を下回り、営業利益率は12.9%と前年同期の12.2%から改善した。

業績変動要因

【売上高】売上高は2,224.6億円(前年比+5.9%)。主力の物流事業が外部顧客向け売上高1,970.9億円(同+8.0%)と全社の88.6%を占めて増収を牽引した一方、その他事業は253.8億円(同▲7.7%)と減収であった。

【損益】営業利益は287.9億円(同+12.7%)、経常利益は321.9億円(同+13.6%)、純利益は226.9億円(同+10.6%)。物流事業のセグメント利益は249.5億円(同+13.9%)、利益率12.6%と約60bp改善し、増益の主因となった。販管費は187.3億円(同+13.3%)と売上高成長率を上回って増加し、販管費率は8.4%へ上昇したが、営業外収益(受取配当金17.4億円、持分法投資利益14.6億円)が経常利益を押し上げた。特別損益の寄与は純額0.99億円と小さく、増収増益の結論を裏付ける構成である。

セグメント別分析

物流事業は外部顧客向け売上高1,970.9億円(前年比+8.0%)、セグメント利益249.5億円(同+13.9%)で、全社セグメント利益の86.7%を占める。セグメント利益率は12.6%と前年同期の12.0%から改善しており、規模拡大と収益性向上が同時に進んでいる。その他事業は売上高253.8億円(同▲7.7%)と減収したが、セグメント利益は38.2億円(同+5.4%)、利益率15.0%と物流事業を上回る水準を維持した。物流事業では第3四半期にインドのSaurashtra Freight Pvt.Ltdを子会社化し、のれん165.95億円が発生している(暫定算定)。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は12.9%(前年同期12.2%)、経常利益率は14.5%(前年同期13.5%)、純利益率は10.2%(前年同期9.8%)と、いずれも改善が続いている。【キャッシュ品質】営業外収益37.5億円は売上高の1.7%にとどまり、受取配当金と持分法投資利益が主体で、特別利益による純利益への寄与は0.99億円と限定的である。【投資効率】年換算ROEは7.8%、総資産回転率は約0.57倍であり、投資有価証券・のれん等の資産増加が利益成長を上回るペースで進んだ場合、資産効率の改善余地となる。【財務健全性】自己資本比率は74.5%、流動資産1,395.3億円に対し流動負債486.5億円と流動性は高く、長期借入金604.8億円を中心とした調達構成でレバレッジは低位に保たれている。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の個別データは開示されていないため、貸借対照表の変化から資金動向を分析する。現金及び預金は627.9億円と前年同期の750.9億円から減少しており、投資有価証券が1,274.3億円(前年同期974億円超)へ増加し、無形固定資産も235.5億円(前年同期66.8億円)へ拡大したことから、資金はSaurashtra Freight Pvt.Ltdの子会社化を含む投資活動へ配分されたとみられる。長期借入金は604.8億円と前年同期の400.0億円から増加しており、投資資金の一部を長期負債で調達した構図がうかがえる。利益剰余金は3,225.0億円へ積み上がり、内部留保による資本基盤の強化も継続している。

収益の質

営業利益287.9億円に対し営業外収支は34.0億円の黒字で、受取配当金17.4億円と持分法投資利益14.6億円が主な構成要素であり、事業本体の収益力に加えて投資・持分法先からの安定的な収益が経常利益を支えている。特別利益1.7億円(投資有価証券売却益0.8億円、固定資産売却益0.6億円等)と特別損失0.7億円の純額寄与は1億円未満と小さく、税引前利益322.9億円と経常利益321.9億円の差は限定的である。純利益226.9億円と経常利益の差は主に法人税等95.1億円によるもので、実効税率は約29.5%と通常の範囲にある。包括利益は306.3億円と純利益を上回り、その他有価証券評価差額金の増加が主因であるため、事業損益に加えて市場価格変動の影響も純資産変動に含まれている点は留意される。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想(売上高2,871.0億円、営業利益350.0億円、経常利益392.0億円)に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高77.5%、営業利益82.3%、経常利益82.1%、純利益77.2%(親会社株主帰属純利益ベース)であり、いずれも標準的な75%進捗を上回る。会社は業績予想を修正しておらず、第4四半期に必要な営業利益率は9.6%と、累計の12.9%を下回る水準が前提となっている。この差は季節性や費用増加を織り込んだものとみられ、進捗自体は順調である。

株主還元

中間配当は1株当たり90.00円であり、通期の配当予想は185.00円(前年配当は開示上50円のデータがあるが期数に留意)である。第3四半期累計の親会社株主帰属純利益226.9億円に対する中間配当ベースの配当性向は42.3%、通期予想の純利益294.0億円に対する予想配当性向は約63.5%となる。配当性向は現預金627.9億円、利益剰余金3,225.0億円という高い内部留保を背景に支払余力は大きいが、予想配当性向63.5%は一般的な60%目安をやや上回る水準であり、モニタリングの対象となる。自己株式は前年同期比で増加しており、配当と自己株式取得を合わせた総還元性向としての評価も別途必要である。

リスク要因

  1. 物流事業への集中リスク: 物流事業が外部顧客向け売上高の88.6%、セグメント利益の86.7%を占めるため、荷動きや貿易活動の減速が全社業績に与える影響が大きい。

  2. コスト増加と価格転嫁: 販管費は前年同期比+13.3%と売上高成長率+5.9%を上回って増加し、販管費率は8.4%へ上昇した。燃料・輸送費・人件費の上昇を価格転嫁できない場合、営業利益率12.9%の維持が課題となる。

  3. M&A統合リスク: Saurashtra Freight Pvt.Ltdの子会社化により暫定のれん165.95億円が発生した。取得原価配分は未確定であり、海外事業の統合進捗とシナジー実現が今後の検証点となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(transport)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率12.9%6.9% (4.4%–9.1%)+6.1pt
純利益率10.2%11.6% (2.9%–22.2%)−1.4pt

営業利益率は業種中央値を大きく上回るが、純利益率は業種中央値をやや下回る位置にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)5.9%9.2% (5.5%–10.3%)−3.3pt

売上高成長率は業種中央値を下回り、成長スピードでは業種内で中位以下に位置する。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 物流事業は増収に加えセグメント利益率が約60bp改善しており、規模拡大と収益性向上が同時に進行している点が今回の決算の特徴である。

  2. 自己資本比率74.5%、長期借入金中心の調達構成という低レバレッジの財務体質のもとで増益を実現しており、財務リスクを取らずに収益改善を進めている点が確認できる。

  3. 通期予想に対する進捗率は各指標で標準を上回るものの、第4四半期の必要営業利益率は累計を下回る前提であり、会社予想が保守的な費用・季節性を織り込んでいるかが今後の決算での確認点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,729円
base(基準)3,776円
bull(強気)3,827円
算出前提
1株純資産(BPS)3,921円
調整後予想EPS310.6円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向63.1%
予想EPSの信頼度調整×1.060(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.96倍 / 12.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,675円〜3,882円、ω±0.1で 3,771円〜3,779円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。