- 売上高: 21.93億円
- 営業利益: -41.62億円
- 当期純利益: -44.63億円
- 1株当たり当期純利益: -42.17円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 21.93億円 | 13.42億円 | +63.4% |
| 売上原価 | 18.11億円 | 11.37億円 | +59.2% |
| 売上総利益 | 3.83億円 | 2.05億円 | +86.9% |
| 販管費 | 45.45億円 | 39.39億円 | +15.4% |
| 営業利益 | -41.62億円 | -37.34億円 | -11.5% |
| 営業外収益 | 5.69億円 | 58百万円 | +876.9% |
| 営業外費用 | 8.66億円 | 21.15億円 | -59.0% |
| 経常利益 | -44.59億円 | -57.90億円 | +23.0% |
| 税引前利益 | -44.60億円 | -63.88億円 | +30.2% |
| 法人税等 | 4百万円 | 3百万円 | +12.3% |
| 当期純利益 | -44.63億円 | -63.92億円 | +30.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | -44.63億円 | -63.91億円 | +30.2% |
| 包括利益 | -59.30億円 | -43.87億円 | -35.2% |
| 減価償却費 | 88百万円 | 55百万円 | +60.0% |
| 支払利息 | 8.51億円 | 4.22億円 | +101.6% |
| 1株当たり当期純利益 | -42.17円 | -68.59円 | +38.5% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 249.53億円 | 190.68億円 | +58.85億円 |
| 現金預金 | 200.79億円 | 131.18億円 | +69.61億円 |
| 売掛金 | 2.91億円 | 15.45億円 | -12.53億円 |
| 固定資産 | 101.84億円 | 81.21億円 | +20.63億円 |
| 有形固定資産 | 51.03億円 | 48.59億円 | +2.44億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | -66.48億円 | -53.25億円 | -13.22億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 147.86億円 | 52.68億円 | +95.18億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | -203.5% |
| 粗利益率 | 17.5% |
| 流動比率 | 530.5% |
| 当座比率 | 530.5% |
| 負債資本倍率 | 30.86倍 |
| インタレストカバレッジ | -4.89倍 |
| EBITDAマージン | -185.8% |
| 実効税率 | -0.1% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 105.90百万株 |
| 自己株式数 | 55株 |
| 期中平均株式数 | 105.84百万株 |
| 1株当たり純資産 | 10.42円 |
| EBITDA | -40.74億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 0.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 62.00億円 |
| 営業利益予想 | -115.00億円 |
| 経常利益予想 | -83.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | -83.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | -78.42円 |
| 1株当たり配当金予想 | 0.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2のispaceは、売上の大幅増加にもかかわらず営業赤字が拡大し、資本効率とレバレッジの観点で厳しい局面が続く四半期となりました。売上高は21.93億円で前年比+63.5%と高成長を示し、粗利益は3.83億円で粗利率は17.5%でした。一方、販管費は45.45億円と売上高を大幅に上回り、営業損失は41.62億円、営業利益率は-189.8%(約-18,980bp)と極めて厳しい水準です。粗利率17.5%から営業損益率-189.8%へ約-2,073bpのスプレッドが生じており、固定費負担の重さが損益の主因です。営業外収支は収益5.69億円に対し費用8.66億円で純費用、支払利息8.51億円が重荷となり、経常損失は44.59億円に拡大しました。当期純損失は44.63億円でEPSは-42.17円、包括損失は-59.30億円と自己資本の毀損が進みました。総資産351.37億円に対して純資産11.03億円と資本が薄く、負債資本倍率は30.86倍と極めて高水準です。現金預金は200.79億円と潤沢で、流動比率は530.5%と短期流動性は高い一方、長期負債(長期借入金291.77億円)が大きく、資本構成の脆弱さが目立ちます。営業キャッシュフローは-66.48億円とキャッシュ消費が純損失(-44.63億円)を上回り、キャッシュバーンの速度が加速しています(営業CF/純利益=1.49倍だが、両者ともマイナスで質的には警戒)。設備投資は-7.65億円で、財務CFは147.86億円の資金調達に依存する構図です。ROICは-35.0%と大幅な資本効率の悪化を示し、ROEは-404.6%(デュポン分解上、純利益率-203.5%、総資産回転率0.062、レバレッジ31.86倍)と極端に低下しています。インタレストカバレッジは-4.89倍で、利払い負担を内部創出で賄えていません。利益率の対前年の変化は未記載のため厳密なbp比較はできませんが、売上のスケールに対して販管費の絶対水準が高止まりしていることが赤字拡大の中心要因と推察されます。今後は、受注の規模・品質向上と固定費の吸収(稼働率・プロジェクトミックスの改善)、ならびに利払い負担の圧縮(資本性調達や条件見直し)が重要な改善レバーとなります。短期の資金繰りは潤沢な現金でカバー可能ですが、長期的には事業の採算化とROICの正常化が持続可能性の前提条件です。データ開示は一部未記載(販管費内訳、投資CF、FCF等)で、これは利益の質や運転資本のドライバー評価に不確実性を残します。総じて、トップラインは伸長したものの、固定費負担と利払いが重く、資本効率の是正が喫緊の課題です。
ROEはデュポン分解で、ROE = 純利益率(-203.5%) × 総資産回転率(0.062) × 財務レバレッジ(31.86倍)= 約-404.6%です。現状で最も支配的な悪化要因は純利益率の大幅なマイナスと極端に高い財務レバレッジの掛け算効果です。ビジネス上の背景としては、売上総利益(3.83億円、粗利率17.5%)が販管費(45.45億円)を大きく下回る構造的な固定費過多と、支払利息(8.51億円)に象徴される資金調達コストの重さが挙げられます。総資産回転率0.062は、仕掛中の大型プロジェクトや先行投資に対して売上計上が追い付いていない初期成長局面の兆候で、短期での大幅改善は限定的とみます。純利益率の改善は、スケールメリット(稼働率上昇による販管費率低下)と価格・契約条件の見直しに依存し、半期~通期スパンで徐々に進む可能性がある一方、資本構成の是正(レバレッジ低下)は増資や資本性調達が必要で一時的な希薄化リスクを伴います。懸念されるトレンドとして、販管費の絶対額(45.45億円)が売上高(21.93億円)を大幅に上回り、売上成長率(+63.5%)より利益の悪化が進む「負の営業レバレッジ」が確認されます。
売上は+63.5%と高成長で、需要獲得やプロジェクト進捗を反映していますが、総資産回転率0.062が示すように投下資産に対する売上効率は低く、成長の持続性は供給能力・契約採算性の改善に依存します。粗利率17.5%はハードウェア・開発型ビジネスとしては標準~やや低めで、今後の継続的成長には高付加価値サービス(運用・データ・ミッションサービス)比率の上昇が必要です。営業利益率は-189.8%で、現状の成長は利益を伴っておらず、固定費の吸収が進むまで赤字は続く見通しです。営業外費用(特に利息8.51億円)が成長の果実を相殺しており、財務コストの軽減が利益転換の要件です。総じて、トップラインの勢いは評価できるが、利益ある成長への転換点は未到来です。
短期流動性は高い(流動比率530.5%)が、資本構成は極めて脆弱(D/E 30.86倍、長期借入金主導)。満期ミスマッチは短期は限定的だが、中長期の返済原資は事業CFまたは再資本化に依存。オフバランス債務の情報は未記載。
営業CFは-66.48億円で純損失-44.63億円より悪化、キャッシュバーンが強い。投資CF未記載のためFCFは算出不可。財務CF147.86億円の外部調達が資金基盤を支えるが持続性は要監視。運転資本の詳細未開示により操作の有無は判断不可。
無配継続が合理的。営業CFマイナスとROICの大幅マイナスにより配当余力はない。将来の配当は黒字化とFCF創出が前提。
ビジネスリスク:
- 固定費高止まりによる赤字の長期化(販管費45.45億円が売上を大幅に上回る)
- プロジェクト採算性およびマイルストン達成遅延リスク(総資産回転率0.062の低水準)
- 製品・サービスミックスの粗利率低下リスク(粗利率17.5%)
- スケールアップ過程での品質・納期・規制遵守リスク(宇宙関連の開発・運用特性)
財務リスク:
- 高レバレッジ(D/E 30.86倍)と利払い負担(支払利息8.51億円、インタレストカバレッジ-4.89倍)
- 再資本化・条件変更失敗時の資金繰り悪化リスク(長期借入金291.77億円)
- 希薄化リスク(資本性調達による既存株主価値の希薄化可能性)
- 為替変動リスク(輸入部材・国際契約のコスト・価格影響)
主な懸念事項:
- ROIC -35.0%と資本効率の著しい悪化
- 営業CFが純損失を上回るキャッシュアウトでバーン加速
- 純資産11.03億円と資本の薄さ(EPS -42.17円、包括損失-59.30億円)
- データ未記載(投資CF、販管費内訳等)により利益の質の精緻評価が困難
重要ポイント:
- 売上は+63.5%と高成長だが、営業利益率-189.8%で赤字が深い
- 高レバレッジ(D/E 30.86倍)と支払利息8.51億円が損益圧迫
- 現金200.79億円で短期流動性は厚いが、中長期は再資本化と採算化が必須
- ROIC -35.0%と資本効率が大幅に目標水準を下回る
- 営業CFが-66.48億円でキャッシュバーン継続、財務CF147.86億円に依存
注視すべき指標:
- 受注残高とマイルストン達成率(売上認識の確度)
- 粗利率と販管費率の推移(固定費吸収の進捗)
- 営業CFと契約資産/負債の変化(キャッシュ創出力)
- 利払い額と平均調達金利、レバレッジ指標(D/E、Net Debt)
- ROICとプロジェクト別採算(門番KPI)
セクター内ポジション:
同業スタートアップ群に比して現金残高は厚いが、レバレッジと利払い負担が相対的に重く、資本効率と損益転換の達成確度が評価の分水嶺となる。
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