クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥34.8億 | ¥31.3億 | +11.4% |
| 営業利益 | ¥4.4億 | ¥4.1億 | +9.0% |
| 経常利益 | ¥4.6億 | ¥4.0億 | +12.5% |
| 純利益 | ¥3.1億 | ¥2.8億 | +13.2% |
| ROE | 10.3% | 9.4% | - |
Executive Summary
2026年度第2四半期決算は、売上高34.8億円(前年比+3.5億円 +11.4%)、営業利益4.4億円(同+0.4億円 +9.0%)、経常利益4.6億円(同+0.5億円 +12.5%)、純利益3.1億円(同+0.4億円 +13.2%)で増収増益を達成。売上成長は二桁増収を維持し、営業利益率12.7%、純利益率9.0%と収益性を確保しながらの成長を実現した。営業CFは4.1億円(前年比-6.0%)と純利益比1.3倍で利益の現金裏付けは良好、フリーCFは3.3億円を創出し配当と自社株買いを実施。総資産40.7億円、純資産30.2億円、自己資本比率74.2%と財務基盤は強固で、現金預金18.2億円と流動性も十分。
業績変動要因
売上高は34.8億円で前年比+11.4%の増収を達成した。売上増の主因は既存事業の拡大と推察されるが、セグメント別内訳の開示がないため具体的な牽引分野は不明である。売上原価は24.7億円で売上原価率は70.8%、粗利率29.2%を確保しコスト管理は適切に機能している。販管費は5.7億円で販管費率16.5%となり、売上増に対し販管費の増加は抑制されている。営業利益は4.4億円で+9.0%増、営業利益率は12.7%(前年13.1%から-0.4pt)とやや低下したが二桁台を維持。経常利益は4.6億円で+12.5%増となり、営業外収益0.1億円と営業外費用0.0億円の差分約0.1億円が営業利益に上乗せされ経常利益の伸びが営業利益を上回った。税引前利益4.6億円に対し法人税等1.4億円(実効税率30.4%)を控除し、純利益3.1億円で+13.2%の増益となった。特別損益の記載はなく一時的要因の影響は認められない。経常利益と純利益の乖離は小さく(純利益は経常利益の67.4%)、営業外・特別損益が利益構造に大きな歪みをもたらしていない。結論として、売上高の二桁成長を背景に粗利率と販管費率を適切にコントロールし、増収増益を達成した。
主要財務指標
【収益性】ROE 10.3%(前年比+0.4pt)で業種中央値5.6%を大きく上回り良好。営業利益率12.7%(前年13.1%から-0.4pt)は業種中央値14.0%とほぼ同水準で安定した収益構造を維持。純利益率9.0%は業種中央値9.2%と同等であり標準的な利益効率を確保。EPS 84.39円は前年75.97円から+11.1%増加し、一株あたり利益は着実に成長。【キャッシュ品質】現金同等物18.2億円は短期負債7.9億円の2.3倍に相当し流動性カバレッジは十分。営業CF/純利益比率1.3倍で利益の現金裏付けは良好、フリーCF 3.3億円の創出により配当と成長投資を両立可能。売掛金回転日数は120日と業種中央値117日並みだが長期化傾向にあり、運転資本効率の改善余地がある。【投資効率】総資産回転率0.86倍は業種中央値0.35倍を大幅に上回り、資産効率は高水準。設備投資0.5億円は減価償却0.4億円の1.1倍で適度な成長投資を継続、投資姿勢は保守的ながら事業維持に必要な水準を確保。【財務健全性】自己資本比率74.2%(前年75.8%から-1.6pt)は業種中央値60.2%を上回り安全圏にある。流動比率395.5%は業種中央値774%を下回るが絶対水準では極めて高く、短期支払能力に懸念はない。負債資本倍率0.35倍と財務レバレッジは低く、借入依存度は極めて低い健全な資本構成。
キャッシュフロー分析
営業CFは4.1億円で純利益3.1億円の1.3倍となり、利益の現金裏付けが確認できる。営業CF小計(運転資本変動前)は5.3億円で純利益を大きく上回り、減価償却0.4億円等の非現金費用加算により営業段階での現金創出力は高い。運転資本では売掛金増減が+0.1億円の現金流入となり一定の回収が進んだが、売掛金回転日数120日と長期化傾向があり今後の改善が課題。棚卸資産は-0.1億円の現金流出で在庫増加が小幅に進行。法人税等の支払1.4億円を実施し、利息支払は0.0億円と借入負担は皆無。投資CFは-0.8億円で設備投資0.5億円が主因であり、成長投資は控えめで資本配分は保守的。財務CFは-2.3億円で配当支払と自社株買い0.7億円を実施し株主還元を積極化。フリーCFは3.3億円(営業CF 4.1億円 - 投資CF 0.8億円)で、配当と自社株買いを合算した総還元額を上回る現金創出力を維持。現金預金は18.2億円で前年比+3.4%増加し、営業増益とフリーCF創出が資金積み上げに寄与。短期負債7.9億円に対する現金カバレッジは2.3倍で流動性は十分。
収益の質
経常利益4.6億円に対し営業利益4.4億円で、非営業純増は約0.1億円。内訳は営業外収益0.1億円と営業外費用0.0億円の差分であり、主に受取利息等の金融収益が寄与。営業外収益は売上高34.8億円の0.4%と小規模で、収益構造は営業利益中心の堅実な構成。営業外費用は支払利息0.0億円、支払手数料0.0億円と負担はほぼ皆無で、有利子負債依存度の低さを反映。経常利益と営業利益の乖離は小さく、営業外損益が利益構造に歪みをもたらしていない。純利益3.1億円は経常利益の67.4%で、税引前利益4.6億円に対する実効税率30.4%は標準的。営業CFが純利益を1.3倍上回っており、会計上の利益が現金ベースでも裏付けられ収益の質は良好。売掛金回転日数120日と長期化傾向があるが、営業CF/純利益比率は健全圏にあり、現時点でアクルーアルの悪化は顕著ではない。ただし売掛金増加が継続すると将来のキャッシュフロー品質に悪影響を及ぼす可能性があり、回収管理の改善が重要。
業績予想・ガイダンス
通期予想は売上高73.1億円(前年比+14.6%)、営業利益8.2億円(+6.3%)、経常利益8.2億円(+3.2%)、純利益5.8億円(+2.4%)。第2四半期累計の進捗率は売上高47.6%、営業利益54.1%、経常利益55.6%、純利益54.2%で、いずれも標準進捗率50%を上回り上期偏重の収益構造が確認できる。営業利益進捗率が売上高進捗率を上回る点は、上期に高採算案件が集中した可能性を示唆。通期予想に対する下期の必要達成額は売上高38.3億円、営業利益3.8億円、経常利益3.6億円、純利益2.7億円となり、上期実績(売上34.8億円、営業利益4.4億円)と比較すると下期は増収・減益の見込み。下期の利益率低下が前提となっている点は、季節要因や案件ポートフォリオの変化を反映していると推察される。予想修正は実施されておらず、会社は当初計画の達成を見込んでいる。EPS予想154.93円に対し第2四半期累計EPS 84.39円(進捗率54.5%)で、下期は約70円の積み上げが必要。配当予想61.00円に対する配当性向は予想ベースで39.4%となり、持続可能な水準。通期で増収基調を維持する見通しだが、下期の利益進捗と売掛金回収状況が計画達成の鍵を握る。
株主還元
年間配当予想は61.00円(内訳不明だが期末配当47.00円を含む)で、前年実績からの比較データは開示されていないが、第2四半期時点の配当予想修正はなく会社は予想通りの還元を見込む。通期純利益予想5.8億円に対する配当総額約2.2億円(発行済株式3,678千株×61円)で配当性向は約39.4%となり、利益の約4割を株主還元に充当する方針。配当性向は40%を下回り保守的な水準で、利益変動時の配当維持余地は十分。第2四半期累計で自社株買い0.7億円を実施しており、配当と合わせた総還元姿勢は積極的。フリーCF 3.3億円に対し配当と自社株買いの合計は約1.7億円(推定)でFCFカバレッジは約1.9倍となり、現金創出力で株主還元を十分に賄える状況。現金預金18.2億円と潤沢な流動性を背景に、配当の持続性は高い。総還元性向(配当+自社株買い)は約29%(自社株買い0.7億円を通期純利益予想5.8億円で除算し加算)と推定され、資本配分は成長投資と株主還元のバランスを重視した保守的姿勢。自社株買いは財務CF -2.3億円の一部を構成し、機動的な資本政策を実施している点は評価できる。
リスク要因
- 売掛金回転日数120日と長期化しており、回収遅延による貸倒リスクおよび運転資本の悪化が懸念される。業種中央値117日と同水準だが絶対額11.5億円は売上高の33%に相当し、回収管理の改善が急務。
- セグメント開示がなく顧客構成や事業ポートフォリオが不透明なため、特定顧客への集中や需要変動による収益ボラティリティのリスクが評価困難。
- 下期は上期比で減益見込みであり(上期営業利益4.4億円に対し下期必要額3.8億円)、季節要因や案件の集中度合いにより通期計画未達のリスクが存在。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 収益性: ROE 10.3%は業種中央値5.6%(IQR 0.7-6.2%)を大きく上回り、業種内で上位の資本効率を実現。営業利益率12.7%は業種中央値14.0%(IQR 3.8-18.5%)とほぼ同水準で標準的な収益構造、純利益率9.0%も業種中央値9.2%(IQR 1.1-14.0%)と同等で安定した利益効率を確保。効率性: 総資産回転率0.86倍は業種中央値0.35倍(IQR 0.29-0.37)を大幅に上回り、資産効率は業種内で突出して高い。売掛金回転日数120日は業種中央値117日(IQR 82-168)と同水準だが長期化傾向にあり、運転資本効率の改善余地がある。成長性: 売上高成長率+11.4%は業種中央値+21.0%(IQR 15.5-26.8%)を下回り、業種内では相対的に成長ペースは緩やか。ただし二桁成長を維持しており絶対水準では堅調。EPS成長率+11.1%は業種中央値+35.0%(IQR 12-47%)を下回るが、安定した利益成長を実現。健全性: 自己資本比率74.2%は業種中央値60.2%(IQR 50.8-88.4%)を上回り、財務基盤は業種内で良好。流動比率395.5%は業種中央値774%(IQR 316-809%)を下回るが絶対水準では十分高く、短期支払能力に懸念はない。ネットデット/EBITDA倍率はマイナス(実質無借金)で業種中央値-1.37倍と同様に無借金経営が主流。キャッシュ創出: キャッシュコンバージョン率0.83倍は業種中央値1.22倍(IQR 0.86-1.75)を下回り、営業CFの純利益比での効率は業種平均よりやや低い。FCF利回りは推定で業種中央値0.03(IQR 0.01-0.08)の範囲内と推察される。投資姿勢: 設備投資/減価償却比率1.1倍は業種中央値0.34倍(IQR 0.24-1.70)を上回り、成長投資を継続する姿勢が確認できる。バリュエーション: ルール・オブ・40(売上成長率+FCFマージン)は推定で約20%台前半と推察され、業種中央値31%(IQR 20-51%)をやや下回る可能性。総合評価として、収益性と資産効率は業種内で優位にあるが、成長ペースと営業CFの効率性は業種平均を下回る。財務健全性は高く、無借金経営と豊富な現金を背景に安定した事業運営を実現している。(業種: IT・通信 7社、比較対象: 2025年Q2、出所: 当社集計)
決算上の注目ポイント
決算上の注目ポイントは3点。第一に、売上高+11.4%、営業利益+9.0%と増収増益を達成し、ROE 10.3%と営業利益率12.7%で業種内上位の収益性を維持している点。第2四半期の進捗率は売上47.6%、営業利益54.1%と標準進捗を上回り、上期偏重の収益構造が確認できる。第二に、営業CF 4.1億円で純利益比1.3倍、フリーCF 3.3億円を創出し、配当予想61円(配当性向約39%)と自社株買い0.7億円を実施する積極的な株主還元姿勢が確認できる。現金預金18.2億円と自己資本比率74.2%で財務基盤は強固であり、配当の持続性は高い。第三に、売掛金回転日数120日と長期化傾向にあり、運転資本効率の改善が課題。業種中央値117日と同水準だが絶対額11.5億円は売上高の33%に相当し、回収管理の強化が求められる。下期は上期比で減益見込み(上期営業利益4.4億円に対し下期必要額3.8億円)であり、季節要因や案件ポートフォリオの変化が通期計画達成の鍵を握る。総じて、収益性と財務健全性は良好だが、成長ペースは業種平均を下回り、運転資本効率の改善と下期進捗が今後の注視点となる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
AI財務分析
総括
2026年度第2四半期累計は、売上高の二桁成長を維持しつつ、営業利益・純利益も増益となった堅調な内容である。売上高は前年同期比11.4%増の34.83億円、営業利益は同9.0%増の4.44億円、経常利益は同12.5%増の4.56億円となった。当期純利益は同13.2%増の3.12億円で、EPSは84.39円である。売上原価は24.65億円、売上総利益は10.18億円となり、粗利益率は29.2%である。粗利益率は前年同期の29.8%から約56bp低下しており、売上成長に対して原価率がやや上昇した。営業利益率は12.8%で、前年同期の13.0%から約27bp縮小した。一方、純利益率は9.0%と前年同期の8.8%から約15bp改善し、営業外損益の改善が最終利益の伸びを支えた。販管費は5.74億円で前年同期比約9.6%増となったが、売上成長率11.4%を下回っており、販管費の増勢は売上拡大の範囲内にとどまっている。営業CFは4.05億円で純利益の1.30倍となり、利益の現金化は良好である。もっとも、営業CFは前年同期の4.31億円から約6.0%減少しており、純利益の増益率との差は運転資本や税金支払いを継続的に確認する必要を示す。アクルーアル比率はマイナス2.3%であり、利益が過度な未実現収益に依存している兆候は限定的である。フリーキャッシュフローは3.26億円を確保し、設備投資0.48億円を営業キャッシュフローで十分に吸収している。財政面では流動比率395.5%、負債資本倍率0.35倍、純資産30.16億円と、流動性・資本余力は強い。通期会社計画に対する進捗率は売上高47.7%と標準的な上期進捗を小幅に下回る一方、営業利益54.1%、純利益54.3%と利益進捗は標準を上回る。下期は売上成長の加速と、粗利益率・営業利益率の下げ止まりが通期計画達成の焦点となる。なお、売掛金の回収日数に関する品質警告と、資産除去債務が負債に占める比率の高さは、堅固な短期流動性とは別に監視を要する論点である。
収益性分析
年換算ROEは20.7%であり、純利益率9.0%×総資産回転率1.713倍×財務レバレッジ1.35倍に分解される。収益性の主要な源泉は、低レバレッジではなく、高い資産回転率と9%台の純利益率である。年換算ROAは約15.4%(純利益率9.0%×総資産回転率1.713倍)と高水準で、資産効率の高さを示す。営業利益率は12.8%で業界ベンチマーク上「良好」なレンジに位置するが、前年同期比では約27bp低下した。粗利益率の約56bp低下が営業利益率低下の主因であり、原価上昇または提供サービス構成の変化を示唆する。一方、販管費の増加率は約9.6%と売上高成長率11.4%を下回り、販管費面では一定の営業レバレッジが働いている。経常利益率は13.1%で営業利益率を約30bp上回り、営業外収益0.13億円が寄与した。ただし、営業外収益の中心には補助金収入0.10億円が含まれ、売上高比では約0.3%と小さいものの、営業外損益の改善を恒常収益と同一視することは適切ではない。金利負担係数は1.028、インタレストカバレッジは18,500倍であり、金利費用は収益性を実質的に制約していない。税負担係数は0.683、実効税率は31.6%であり、税率は最終利益率を一定程度抑制している。EBITDAは4.86億円、EBITDAマージンは14.0%で、減価償却費0.42億円を加味しても本業のキャッシュ創出力は安定的である。
成長性評価
上期売上高は前年同期比11.4%増であり、増収基調を維持した。営業利益の増益率は9.0%と売上成長率を下回り、売上拡大が利益率の上昇には直結していない。純利益は13.2%増と営業利益より高い伸びであり、営業外収支の改善が寄与した。通期計画に対する進捗率は、売上高47.7%、営業利益54.1%、経常利益55.4%、純利益54.3%である。売上高進捗は標準的な上期進捗率50%を2.3pt下回るが、10pt以上の大幅な乖離ではない。営業利益進捗は標準を4.1pt、純利益進捗は4.3pt上回っており、上期時点の利益達成ペースは計画比で良好である。通期計画達成には下期売上高38.23億円、営業利益3.76億円、純利益2.63億円が必要となる。会社計画の通期前年比は売上高14.6%増に対し営業利益6.3%増、純利益2.4%増であり、通期では利益率の伸長を前提としていない。したがって、成長の持続性は売上規模の拡大に加え、粗利益率29.2%の回復または安定化に左右される。設備投資は減価償却費の1.14倍であり、投資水準は維持・更新だけでなく将来の成長を一定程度意識した水準にある。
財務健全性
流動資産31.44億円に対して流動負債は7.95億円であり、運転資本は23.49億円、流動比率・当座比率はいずれも395.5%である。現金預金は18.20億円で総資産の44.8%を占め、売掛金11.49億円を含む流動資産が短期債務を大幅に上回るため、満期ミスマッチのリスクは低い。負債合計は10.50億円、純資産は30.16億円で、負債資本倍率は0.35倍にとどまる。D/Eが2.0倍を超えるようなレバレッジ警告には該当せず、財務構成は保守的である。支払利息は累計0.00億円、EBITDAインタレストカバレッジは20,255倍であり、金利上昇に対する短期的な耐性は高い。固定負債2.55億円のほぼ全額は資産除去債務であり、一般的な有利子負債とは性格が異なる一方、将来の原状回復支出に対応する負債である。資産除去債務は2.55億円で負債総額の25.4%を占める品質警告の対象であり、拠点関連資産の将来除去・原状回復コストが負債構成上重要である。現時点では潤沢な現預金と高い流動比率がこの負担をカバーするが、拠点の増減や契約条件の変化に伴う債務再測定を注視したい。
B/S変動のポイント
無形固定資産: +0.02億円(前年同期比+22.6%)- 増加率は20%を超えるが、残高は0.11億円、総資産比0.3%と小さく、現時点で財務構成への影響は限定的。
キャッシュフロー品質
営業CFは4.05億円で、当期純利益3.12億円に対する比率は1.30倍であり、0.8倍未満の利益品質警告には該当しない。営業CFが純利益を0.93億円上回っており、累計利益は概ね現金収入・支出に裏付けられている。アクルーアル比率はマイナス2.3%で、発生主義利益の過大計上を示す水準ではない。EBITDA4.86億円に対するOCF/EBITDAは0.83倍であり、優良目安の0.9倍には届かないものの、要注意目安の0.7倍は上回る。税金支払いは1.40億円であり、営業CFの前年差減少に影響した。売掛金は11.49億円で、営業CF上の売上債権増加は0.09億円にとどまり、上期の債権増加が営業CFを大きく圧迫した状況ではない。一方、品質アラートでは年換算DSOが60日超とされており、売掛金回収遅延警告に該当する。売掛金は総資産の28.3%を占めるため、売上拡大局面で回収条件の悪化や滞留債権の増加が起これば、営業CFの転換率を低下させうる。投資CFはマイナス0.79億円、設備投資はマイナス0.48億円であり、営業CFから設備投資を控除したフリーキャッシュフローは3.26億円である。設備投資を営業CFで賄った後も十分な現金創出を確保しており、通常の投資負担に対する資金余力は高い。財務CFはマイナス2.34億円で、配当支払い1.73億円および自己株式取得0.67億円が主な資金流出となった。
配当持続性
第2四半期配当は1株当たり0円である一方、通期配当予想は1株当たり61円である。通期予想純利益5.75億円と予想EPS154.93円に基づく予想配当性向は約39.4%であり、配当のみでみれば60%未満の持続可能な水準である。予想配当総額は、発行済株式数3,677,657株を基準に概算2.24億円となる。上期フリーキャッシュフロー3.26億円は、この通期予想配当額を上回っており、現時点のキャッシュ創出力は配当支払いを支える。累計の現金配当支払いは1.73億円、自己株式取得は0.67億円であり、両者合計2.40億円は当期純利益3.12億円の約77.0%に相当する。これは配当性向ではなく、配当と自社株買いを含む累計総還元性向である。総還元性向は80%未満に収まるが、自己株式取得を継続・拡大する場合は、将来の成長投資および現金残高とのバランスを確認する必要がある。現金預金18.20億円、負債資本倍率0.35倍、営業CFの純利益カバー1.30倍を踏まえると、現行の通期配当予想に対する短期的な資金余力は十分である。
リスク評価
ビジネスリスクとして、売掛金回収遅延:発生可能性: 中、影響度: 中:品質アラートの年換算DSOは60日超であり、売掛金11.49億円は総資産の28.3%を占める。サービス提供後の回収期間がさらに延びれば、営業CFの悪化と貸倒リスクの上昇につながる。、利益率の低下:発生可能性: 中、影響度: 中:粗利益率は前年同期比約56bp、営業利益率は約27bp低下した。売上高成長が続いても、原価率の上昇が継続すれば通期の営業利益成長率が売上成長率を下回る構図が定着する可能性がある。、福祉・就労支援サービス固有の制度・人材リスク:発生可能性: 中、影響度: 高:障害福祉サービスに関わる報酬改定、指定・監査基準の変更、人材の採用・定着コストの上昇は、サービス単価、稼働率および人件費を通じて収益性に影響しうる。が挙げられます。
財務リスクとしては、資産除去債務の集中:発生可能性: 中、影響度: 中:資産除去債務2.55億円は負債合計10.50億円の25.4%を占め、品質アラートの閾値5%を大きく上回る。将来の原状回復費用、見積り前提や割引率の変化による債務増額を監視する必要がある。、株主還元によるキャッシュ流出:発生可能性: 低、影響度: 低:累計の配当支払いと自己株式取得は合計2.40億円である。現時点では営業CF4.05億円と現金預金18.20億円で十分に吸収可能だが、還元規模が拡大する場合には設備投資との資金配分が論点となる。が挙げられます。
主な懸念事項としては、年換算DSOの品質警告を踏まえ、売掛金の増加率、回収日数および営業CF/純利益の推移を四半期ごとに確認する必要がある。、上期の営業利益進捗は通期計画を上回る一方、売上進捗は標準を小幅に下回るため、下期の売上成長と利益率の両立が重要である。、資産除去債務は固定負債の中心であり、拠点ポートフォリオに関連する将来キャッシュアウトの規模と時期が財務リスクの重要項目となる。が挙げられます。
投資示唆
重要ポイントとして、売上高34.83億円、営業利益4.44億円、純利益3.12億円と、上期は二桁の増収増益を達成した。、年換算ROE20.7%、年換算ROA約15.4%は、高い資産効率と低レバレッジを両立した収益構造を示す。、営業CF/純利益1.30倍、フリーキャッシュフロー3.26億円であり、利益の現金化と通常投資の自己資金賄いは良好である。、通期予想に対する営業利益・純利益進捗は各54%台で、上期時点の利益達成ペースは堅調である。、粗利益率と営業利益率は前年同期比で低下しており、売上成長の質を判断するうえでマージンの回復が重要である。が挙げられます。
注視すべき指標は、年換算DSOおよび売掛金残高、粗利益率、営業利益率、販管費の対売上高比率、営業CF/純利益比率およびOCF/EBITDA、資産除去債務の残高・再測定額、通期売上高計画7,306百万円および営業利益計画820百万円に対する下期進捗、配当および自己株式取得を合算した総還元額です。
セクター内ポジションについては、営業利益率12.8%と純利益率9.0%はそれぞれ良好レンジにあり、年換算ROE20.7%は優良ベンチマークの15%を上回る。流動比率395.5%、負債資本倍率0.35倍、極めて高い利息カバレッジは財務安全性で強みとなる。一方、利益率は前年同期から小幅に低下し、売掛金回収と資産除去債務に関する品質警告を抱えるため、成長性だけでなく運転資本・拠点コストの管理状況を併せて評価する必要がある。