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93322026 第3四半期プライムJGAAP

NISSOホールディングス(9332) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は825.7億円(前年同期比+8.1%)、営業利益は22億円(同-17.5%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥825.7億¥763.5億+8.1%
営業利益¥22.0億¥26.6億−17.5%
経常利益¥21.9億¥26.6億−17.6%
純利益¥12.9億¥16.4億−21.4%
ROE7.2%9.8%-

Executive Summary

2025年度第3四半期累計決算は、売上高825.7億円(前年比+62.2億円 +8.1%)、営業利益22.0億円(同-4.6億円 -17.5%)、経常利益21.9億円(同-4.7億円 -17.6%)、当期純利益12.9億円(同-3.5億円 -21.4%)となった。売上高は順調に拡大したが、販管費の増加により営業利益は前年を下回り、税負担の高さも加わり純利益の減少幅が拡大した。総資産は372.4億円(前年比+59.6億円)、純資産は178.2億円(同+10.3億円)へ増加し、自己資本比率は47.1%を維持している。

業績変動要因

【売上高】総合人材サービスを主力とする事業構成で売上高は825.7億円と前年比+8.1%の増収を達成した。事業セグメントは総合人材サービスが大半を占め、開示上の重要性が乏しいとされているため単一セグメント体制である。売上総利益は137.9億円で粗利率は16.7%にとどまり、人材サービス業としては低位の粗利構造となっている。【損益】営業利益は22.0億円と前年比-17.5%の減益となった。販管費が115.97億円と高水準にあり、賞与引当金9.35億円等の人件費関連費用が増加している。営業利益率は2.7%と業種ベンチマーク(中央値8.2%)を大きく下回る。経常利益は21.9億円で営業外損益はほぼ相殺され、経常段階でも-17.6%の減益となった。税金費用は9.08億円で実効税率は約40.7%と高く、当期純利益は12.9億円(-21.4%)へ圧縮された。結果として、増収減益のパターンとなり、売上成長がコスト増と高税負担により利益に結びつかない構造が顕在化している。

主要財務指標

【収益性】ROE 7.1%(業種中央値8.3%を下回る)、営業利益率 2.7%(前年3.5%から-0.8pt悪化、業種中央値8.2%比で著しく低位)、純利益率 1.5%(業種中央値6.0%比で大幅に低い)。デュポン分解では純利益率の悪化が主因でROE低下を招いており、販管費増加と高税負担がボトルネックとなっている。【キャッシュ品質】現金預金96.1億円、短期負債に対する現金カバレッジ2.7倍で流動性は確保されているが、営業CFが未開示のため利益の現金化品質は未確認。売掛金が123.1億円と総資産の33.0%を占め回収サイクルが重要な管理項目となる。【投資効率】総資産回転率 2.22回(業種中央値0.68回を大幅に上回り効率的な資産活用)、総資産利益率 3.4%(業種中央値3.9%をやや下回る)。のれん24.0億円(前年比+169.0%)、無形固定資産35.2億円(同+149.2%)と大幅増加しており、M&Aによる投資拡大と減損リスクの監視が必要。【財務健全性】自己資本比率 47.1%(業種中央値59.2%を下回る)、流動比率 140.0%(業種中央値213.0%を下回る)、短期負債比率 83.9%(短期債務依存が高くリファイナンスリスクが存在)、負債資本倍率 1.09倍、財務レバレッジ 2.09倍(業種中央値1.66倍を上回る)。

キャッシュフロー分析

営業CF、投資CF、財務CFの詳細データが未開示のため、BSの推移から資金動向を推察する。現金預金は96.1億円で前年から増加しており、短期負債163.0億円に対する現金カバレッジは2.7倍と流動性は維持されている。運転資本は67.8億円とプラスであるが、売掛金が123.1億円と総資産の3割超を占め、回収サイクルが資金繰りの鍵となる。のれん及び無形固定資産が前年比で大幅増加(それぞれ+169%、+149%)しており、M&A等による大型投資が実施されたと推察される。長期借入金は6.7億円へ減少(前年比-35.5%)した一方で短期負債比率が高く、短期借入金35.0億円や買掛金等の短期債務が資金構成の中心となっている。配当実施と自己株式の変動(-8.4億円→-1.7億円、変動率+79.5%)から資本政策の動きも確認できる。

収益の質

経常利益21.9億円に対し営業利益22.0億円で、営業外損益は純額でほぼフラットである。営業外収益は受取利息・配当金等が中心と推察されるが明細は未開示である。営業利益と経常利益がほぼ一致しており、非営業部門の損益影響は限定的である。一方で、純利益12.9億円と経常利益の乖離が大きく、税負担が9.1億円(実効税率約40.7%)と高水準である点が収益の質を低下させている。営業CFの開示がないため利益とキャッシュの関係は未確認であるが、売掛金の増加傾向と運転資本の構成から、売上増加が即座にキャッシュ転換されているかは不透明である。粗利率16.7%、営業利益率2.7%と薄利構造であり、コスト構造の改善余地が大きい。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高1120.0億円、営業利益33.0億円、経常利益33.0億円、当期純利益19.0億円である。第3四半期累計の進捗率は売上高73.7%、営業利益66.7%、経常利益66.4%、当期純利益66.8%となっており、標準進捗率75%をやや下回る水準である。会社予想の前提となる前年比変化率は売上高+10.3%、営業利益-7.2%、経常利益-7.4%であり、通期ベースでも減益見通しとなっている。第3四半期までの実績が計画比でやや遅れ気味であることから、第4四半期の利益率改善が通期達成の鍵となる。販管費の抑制や粗利構成の改善が実現しなければ、利益予想の下振れリスクが残る。

株主還元

年間配当は期末22.0円を予定しており、第2四半期配当0円と合わせて年間配当22.0円となる。通期予想では年間配当25.0円を提示しているため、期末配当は実績22.0円と予想の差異がある点に留意が必要である。当期純利益12.9億円に対する配当金総額は約7.4億円(発行済株式数ベース)となり、配当性向は約59.0%と計算される。通期ベースの予想純利益19.0億円に対する配当25.0円の配当性向も同程度の水準であり、持続可能な範囲内にある。自社株買い実績は開示されておらず、総還元性向は算出不能である。現金預金残高96.1億円を踏まえると配当支払いの資金余力はあるが、営業CFの実態確認が配当持続性評価の前提となる。

リスク要因

第一に、粗利率16.7%・営業利益率2.7%という薄利構造が継続するリスクである。販管費が売上高の14.0%を占め、人件費関連費用(賞与引当金9.35億円等)が固定費化している中で、粗利改善策が奏功しなければ利益率の回復は困難である。第二に、短期負債比率83.9%と短期債務依存が高く、リファイナンスリスクが存在する。短期借入金35.0億円と買掛金等の短期債務が資金構成の中心であり、資金調達環境の悪化時に借換えコスト上昇や流動性制約が顕在化する可能性がある。第三に、のれん24.0億円・無形固定資産35.2億円が前年比で大幅増加しており、M&Aによる事業拡大に伴う減損リスクである。のれんの回収可能性評価と減損テストの結果が定期的に確認されなければ、将来的な特別損失計上の可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ)本決算の収益性指標は業種内で劣後している。営業利益率2.7%は業種中央値8.2%(IT・通信業、2025年Q3、N=102社)を大きく下回り、純利益率1.5%も業種中央値6.0%比で低位である。ROE 7.1%も業種中央値8.3%を下回る。一方で総資産回転率2.22回は業種中央値0.68回を大幅に上回り、資産効率は高い。財務健全性では自己資本比率47.1%が業種中央値59.2%を下回り、流動比率140.0%も業種中央値213.0%比で低く、短期負債依存の高さが特徴的である。売上高成長率+8.1%は業種中央値+10.0%と同水準であり、成長性は業種並みである。総じて、資産効率は優位だが収益性と財務健全性で業種平均を下回る構造となっている。(業種: IT・通信業、比較対象: 2025年第3四半期、出所: 当社集計)

決算上の注目ポイント

第一に、売上成長と利益率改善の乖離が決算上の最大注目ポイントである。売上高は前年比+8.1%と順調に拡大しているが、営業利益率は2.7%にとどまり業種ベンチマークの8.2%を大きく下回る。販管費の管理と粗利構成の改善が利益率向上の鍵となる。第二に、のれん・無形固定資産の大幅増加(前年比+169%、+149%)がM&A戦略の進展を示しており、シナジー実現と減損リスクのバランスが今後の業績を左右する。第三に、短期負債比率83.9%という資金構成の偏りが財務リスク管理の焦点である。現金預金は96.1億円あり流動性は確保されているが、短期債務の長期化や資本政策の見直しが中長期的な財務安定性の鍵となる。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度第3四半期累計は、売上高が前年同期比8.1%増の825.69億円となる一方、営業利益は同17.5%減の21.97億円となり、増収減益で着地した。売上総利益は137.94億円で、前年同期の130.99億円から6.95億円増加した。これに対し、販売費及び一般管理費は115.97億円と前年同期比11.8%増となり、売上成長率を3.7pt上回った。粗利益率は16.7%となり、前年同期の17.2%から約45bp低下した。営業利益率は2.7%で、前年同期の3.5%から約83bp縮小した。親会社株主に帰属する四半期純利益は12.68億円、純利益率は1.5%であり、前年同期の2.1%から約56bp低下した。営業外損益は差引き0.05億円の損失にとどまり、営業利益から経常利益への乖離は限定的である。支払利息は0.21億円で、インタレストカバレッジは104.62倍と金利負担は軽い。もっとも、実効税率は40.7%と高く、税引前利益21.73億円に対して法人税等は8.85億円を占め、税負担係数は0.584に低下している。特別損益は固定資産売却損等0.23億円に対し負ののれん発生益0.05億円であり、純額0.18億円の損失である。したがって、利益減少の主因は営業段階のマージン低下と販管費の相対的な増加であり、特別損益の影響は小さい。総資産は372.41億円、純資産は178.15億円となり、前年同期比では資産が59.65億円、純資産が10.20億円増加した。のれんは24.02億円へ前年同期比169.0%増加しており、M&Aを通じた事業基盤拡張が資産構成に反映されている。通期会社計画に対する売上進捗率は73.7%、営業利益進捗率は66.6%、親会社株主帰属利益進捗率は66.7%である。売上進捗は標準的な75%に近い一方、営業利益および純利益は標準を約8.3pt下回る。計画達成には第4四半期に売上高294.31億円、営業利益11.03億円、親会社株主帰属利益6.32億円が必要であり、累計平均を上回る利益創出が求められる。総じて、財務レバレッジと資産回転を活用して年換算ROE 9.5%を確保しているが、低い営業マージン、粗利率低下、高税負担および販管費の伸びが今後の収益性改善における主要論点となる。

収益性分析

年換算ROEは9.5%であり、デュポン3因子では純利益率1.5%×総資産回転率2.956倍×財務レバレッジ2.09倍に分解される。ROEを支える最大の要素は高い総資産回転率であり、人材サービス事業の相対的に軽い資産構成と売上規模が寄与している。一方、純利益率1.5%は収益性ベンチマーク上の要注意水準であり、ROEの質はマージンよりも回転率とレバレッジへの依存度が高い。5因子分解では、税負担係数0.584、金利負担係数0.989、EBITマージン2.7%となる。金利負担係数は高く、支払利息0.21億円は収益力に対して軽微であるため、負債コストは現在の利益率低下の主因ではない。最も大きな悪化は営業段階であり、営業利益率は前年同期比約83bp縮小した。粗利益率の約45bp低下に加え、販管費が前年同期比11.8%増と売上高の8.1%増を上回ったことが、営業レバレッジを悪化させた。売上原価は8.7%増と売上高をやや上回っており、売上成長の利益転換効率は低下している。営業利益率2.7%および粗利益率16.7%は品質アラートの対象であり、低マージンのため、賃金・採用費・顧客単価・稼働率などの小幅な変動でも利益が大きく振れやすい。人材サービスでは顧客企業の生産・採用需要と人件費上昇の影響を受けやすく、販管費増が成長投資である場合には中長期の回収可能性が重要となる。のれん24.02億円および無形固定資産35.23億円の増加は事業規模拡大を示す一方、JGAAPではのれん償却が将来の営業利益を継続的に圧迫し得る。のれん償却額は開示数値から特定できないため、その利益圧迫度合いは営業利益率とあわせて継続監視が必要である。

成長性評価

売上高は前年同期比8.1%増の825.69億円で、通期計画1,120.00億円に対する進捗率は73.7%となった。通期売上高計画は前年比10.3%増であり、計画達成には第4四半期に前年同期を上回る売上成長の維持が必要となる。総合人材サービスが主たる事業であり、セグメント別の売上・利益開示は省略されている。売上拡大にもかかわらず営業利益は17.5%減、親会社株主帰属利益は21.0%減であり、現時点の成長は利益成長を伴っていない。通期営業利益計画33.00億円に対する進捗率は66.6%で、標準進捗を8.4pt下回る。第4四半期に必要な営業利益11.03億円は、第3四半期累計の四半期平均7.32億円を約50.6%上回る。通期計画の営業利益率は2.9%であり、第3四半期累計の2.7%からの改善が前提となる。売上原価率の上昇と販管費の先行増加が継続する場合、計画達成の難易度は高まる。反対に、稼働率改善、単価改定の浸透、採用・管理コストの効率化が進めば、第4四半期の利益率改善余地がある。のれん・無形資産の増加は非有機的成長の寄与を示唆しており、買収後の顧客基盤統合および収益シナジーの顕在化が売上成長の持続性を左右する。

財務健全性

流動比率は140.0%、当座比率も140.0%であり、流動資産237.41億円が流動負債169.58億円を67.83億円上回る。流動比率は100%を上回り短期的な支払余力は維持されているが、一般的な健全目安の150%にはわずかに届かない。現金預金は96.07億円で、短期借入金35.00億円に対して2.74倍を確保している。有利子負債は41.70億円、Debt/Capital比率は19.0%であり、資本構成は過度にレバレッジ化していない。負債資本倍率は1.09倍で、D/Eが2.0倍を超える積極的な負債依存には該当しない。長期借入金は前年同期の10.38億円から6.70億円へ35.5%減少しており、長期債務の圧縮は支払能力にプラスである。一方、負債の83.9%が流動負債で構成されるため、品質アラートで示されたリファイナンス・満期ミスマッチリスクには注意を要する。流動負債は前年同期比47.25億円増加しており、短期の運転資本・未払費用・借入への依存度が高まっている。未払費用は78.56億円、賞与引当金は9.35億円、退職給付に係る負債は11.69億円であり、人材サービス事業に固有の人件費関連債務が負債構成で重要である。のれん24.02億円は純資産の13.5%、総資産の6.4%であり、ベンチマーク上は許容範囲にある。無形固定資産は総資産の9.5%であり、資産の無形化は進んだが、過度な集中とされる20%未満にとどまる。資本比率は47.0%で、前年同期の52.8%から低下しており、資産拡大が自己資本の増加を上回った。したがって、現金と低いDebt/Capital比率は防御力となる一方、短期負債構成の高さ、資本比率の低下および買収関連無形資産の増加が財務運営上の監視点である。

B/S変動のポイント

のれん: +15.09億円(+169.0%)- M&A等による事業取得・連結範囲拡大を示唆する増加。のれん/純資産は13.5%で警戒水準ではないが、統合シナジー、JGAAPの償却負担および減損兆候を監視。無形固定資産: +21.09億円(+149.2%)- のれん増加と並行した無形資産の積み上がり。無形資産/総資産は9.5%にとどまるが、買収後の収益貢献が資産価値の裏付けとなる。自己株式: +6.69億円(帳簿価額のマイナス残高が8.42億円から1.73億円へ縮小)- 自己株式の処分・消却等による資本構成の変化を示す。株主資本の変動要因として継続確認が必要。長期借入金: -3.68億円(-35.5%)- 長期債務の圧縮により長期の財務負担は軽減。ただし、流動負債比率83.9%と短期負債への集中は高く、短期資金管理が重要。流動負債: +47.25億円(+38.6%)- 総負債増加の主因。未払費用78.56億円、短期借入金35.00億円および人件費関連債務を含む短期債務の管理が流動性評価の焦点。総資産: +59.65億円(+19.1%)- のれん・無形資産・売掛金の増加を伴う事業規模拡大。純資産の増加10.20億円を上回る資産拡大により、資本比率は52.8%から47.0%へ低下。

キャッシュフロー品質

売掛金は123.08億円で前年同期比10.85億円、9.7%増加し、売上高の8.1%増をやや上回った。売掛金は総資産の33.0%を占め、現金預金96.07億円を上回る最大の流動資産である。人材サービスでは給与・外注費等の支払いが先行し、顧客からの回収条件が資金繰りとキャッシュ創出力を左右するため、売掛金の伸びが売上成長を継続して上回る場合は運転資本負担となる。現金預金は前年同期比17.5%増の96.07億円であり、短期借入金に対する現金カバーは2.74倍となっている。契約負債は1.92億円で前年同期の1.98億円から概ね横ばいであり、前受収益による運転資金支援は限定的である。利益率が低下する局面では、売掛金回収、賞与・未払費用の支払タイミング、買収後の統合支出がキャッシュ創出の変動要因となる。特に、営業利益率2.7%の低マージン構造では、売上債権の回収日数や人件費関連債務の変動が現金収支へ与える影響が相対的に大きい。

配当持続性

通期の1株当たり配当予想は25.00円であり、通期EPS予想56.34円に対する配当性向は約44.4%となる。これは配当金のみを分子とする配当性向であり、持続可能性の目安である60%未満に収まる。期中平均株式数33,706,688株を基準とした年間配当総額の概算は約8.43億円で、通期親会社株主帰属利益予想19.00億円の約44%に相当する。第2四半期配当は0円であり、年間25円の計画を前提とすれば期末配当に還元が集中する構成となる。第3四半期累計の親会社株主帰属利益12.68億円は、年間配当総額概算を上回っている。ただし、累計利益の通期計画進捗率は66.7%であり、年間配当計画の実現には第4四半期の利益回復が重要となる。自己株式は前年同期の8.42億円から1.73億円へ減少しているが、当期の追加的な株主還元額を示す数値ではないため、配当性向とは区別して評価する。配当の持続性は、営業利益率の回復、売掛金回収を含む運転資本管理、およびM&A関連投資後の資金配分に左右される。

リスク評価

ビジネスリスクとして、【高・高】総合人材サービス需要の変動:顧客企業の生産活動、採用計画、景気後退局面での人員調整は、売上高825.69億円の成長持続性と稼働率に直接影響する。、【高・高】低マージン・コスト上昇リスク:粗利益率16.7%、営業利益率2.7%と低いため、賃金上昇、採用競争、社会保険料、顧客単価への価格転嫁遅延が利益に与える影響が大きい。、【中・高】M&A統合リスク:のれんが24.02億円、無形固定資産が35.23億円へ増加しており、顧客基盤・人材・システムの統合遅延や想定シナジー未達は収益性および将来の減損リスクにつながる。、【中・中】人材サービス業界の規制・コンプライアンスリスク:派遣・請負に関する規制、人材確保、労務管理および個人情報保護の対応コストや事故は、事業継続性と信用力に影響し得る。が挙げられます。

財務リスクとしては、【高・中】短期負債集中リスク:流動負債比率83.9%は品質アラートの基準である40%を大きく上回る。現金預金96.07億円と流動比率140.0%は緩衝材だが、短期負債の借換え・支払管理の重要性は高い。、【中・中】高税負担リスク:実効税率40.7%、税負担係数0.584は品質アラートに該当する。税負担が継続すれば、営業利益の改善が純利益とROEへ転化する度合いを抑制する。、【中・中】運転資本リスク:売掛金は前年同期比9.7%増で、売上成長率8.1%を上回る。回収条件の悪化や顧客信用悪化が生じた場合、資金繰りと利益の現金化に影響する。、【中・中】無形資産価値リスク:のれん/純資産は13.5%で現時点では過大ではないが、M&A後の収益が期待を下回る場合、JGAAPののれん償却負担および減損が利益を圧迫し得る。が挙げられます。

主な懸念事項としては、売上高が8.1%増加する一方で営業利益が17.5%減少しており、販管費成長率11.8%が売上成長率を上回る営業レバレッジ悪化。、営業利益率が前年同期比約83bp低下し、通期営業利益計画に対する進捗率が66.6%にとどまる点。、第4四半期に営業利益11.03億円が必要であり、累計四半期平均を約50.6%上回る利益水準が求められる点。、品質アラートである低粗利率16.7%、EBITマージン2.7%、実効税率40.7%、短期負債比率83.9%は、それぞれ収益弾力性、税後収益性、資金繰り管理のリスクを示す。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、年換算ROE 9.5%は総資産回転率2.956倍と財務レバレッジ2.09倍により支えられるが、純利益率1.5%は低い。、売上高は成長を維持している一方、粗利益率低下と販管費の先行増により、営業利益率は2.7%へ縮小した。、通期売上高計画への進捗は73.7%と概ね標準的だが、営業利益・純利益の進捗は各66%台であり、第4四半期の利益率改善が焦点となる。、Debt/Capital比率19.0%、インタレストカバレッジ104.62倍、現金/短期借入金2.74倍は債務負担の抑制を示す。、のれんと無形資産の増加は成長投資の成果評価を重要にするが、のれん/純資産13.5%、無形資産/総資産9.5%は現時点で許容範囲にある。が挙げられます。

注視すべき指標は、営業利益率および粗利益率の四半期推移、販管費成長率と売上高成長率の乖離、通期営業利益33.00億円に対する第4四半期の実績、売掛金の増減と売上高に対する比率、流動負債比率、短期借入金および現金預金の推移、のれん・無形固定資産の増加後の収益性と減損兆候、実効税率および税負担係数の正常化状況です。

セクター内ポジションについては、同社は高い資産回転率、低いDebt/Capital比率、強い利息支払余力を有する一方、営業利益率2.7%、純利益率1.5%、粗利益率16.7%は収益性ベンチマーク上で弱い。人材サービス企業として売上規模の拡大は進むが、現局面では成長投資・人件費・管理費を利益率改善へ転換できるかが相対的な評価を左右する。