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93242026 第3四半期プライムJGAAP

安田倉庫(9324) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益32%増

2026年度第3四半期の売上高は603.6億円(前年同期比+9.3%)、営業利益は34億円(同+32.4%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

運輸・物流/倉庫・運輸関連業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥603.6億¥552.1億+9.3%
営業利益¥34.0億¥25.7億+32.4%
経常利益¥41.6億¥33.3億+25.1%
純利益¥30.8億¥20.9億+47.7%
ROE(年換算)4.0%3.0%-

Executive Summary

当第3四半期累計は増収増益で、本業の収益性改善が最終利益の伸びを主導した決算となった。売上高は603.6億円(前年552.1億円、+9.3%)、営業利益は34.0億円(前年25.7億円、+32.4%)、経常利益は41.6億円(前年33.3億円、+25.1%)、純利益は30.5億円(前年20.6億円、+48.3%)となった。営業利益率は5.6%と前年の4.6%から改善しており、増収に対する販管費の抑制が営業レバレッジとして働いた一方、純利益の伸びには固定資産売却益5.7億円が寄与しており、この部分は一時的要因として区別する必要がある。

業績変動要因

【売上高】売上高は603.6億円で前年比+9.3%増収。物流事業が560.2億円(構成比92.8%、前年比+9.8%)、不動産事業が43.5億円(構成比7.2%、前年比+2.7%)で、物流事業が増収を主導した。

【損益】営業利益は34.0億円(同+32.4%)で、営業利益率は5.6%と前年4.6%から改善した。販管費は45.4億円で前年45.8億円からわずかに減少し、増収下での費用抑制が寄与した。経常利益41.6億円は営業利益に加え、受取配当金14.5億円を含む営業外収益16.8億円が押し上げた。純利益30.5億円は経常利益に固定資産売却益5.7億円(特別利益、一時的要因)を加えた税引前利益46.4億円から法人税等15.6億円を控除した水準で、経常利益とのギャップは主にこの資産売却益による。全体として増収増益であり、本業改善と一時的な資産売却益の双方が最終増益率+48.3%を支えている。

セグメント別分析

物流事業は売上高560.2億円(構成比92.8%)、セグメント利益41.6億円で利益率7.4%。不動産事業は売上高43.5億円(構成比7.2%)、セグメント利益14.8億円で利益率34.1%と高収益性を維持している。全社費用等の調整額はマイナス22.5億円で、報告セグメント利益合計56.5億円から差し引かれ、連結営業利益34.0億円となっている。不動産事業は規模は小さいが高い利益率で連結収益に貢献し、物流事業は規模拡大による増収効果が主軸となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率5.6%は前年同期4.6%から改善し、純利益率は5.1%(前年3.7%)へ上昇した。ROE(年換算)は4.0%となっている。【キャッシュ品質】営業CFは57.3億円で純利益30.5億円を上回り、利益の現金裏付けは確保されているが、前年72.6億円からは減少しており、売上債権の増加41.9億円が主因である。【投資効率】設備投資は63.7億円で減価償却費36.4億円の1.75倍に達し、投資CFの拡大がフリーCFをマイナス4.0億円に押し下げている。総資産に対する投資有価証券比率は33.1%と資産集約的な構成となっている。【財務健全性】自己資本比率は45.6%で前年44.6%から改善した。有利子負債の中心は長期借入金519.5億円で、長期資金による調達構造となっている。

キャッシュフロー分析

営業CFは57.3億円で、純利益30.5億円を上回り利益の現金化は確保されているが、前年72.6億円からは21.0%減少した。減少の主因は売上債権の増加41.9億円と前受金の減少で、これらは仕入債務の増加39.3億円によって一部相殺されている。投資CFはマイナス61.4億円で、設備投資63.7億円が中心であり、減価償却費36.4億円を大きく上回る投資局面にある。この結果、営業CFと投資CFを合算したフリーキャッシュフローはマイナス4.0億円となり、当期の投資は内部創出キャッシュをわずかに上回った。財務CFはマイナス3.8億円で、配当支払等による資金流出が中心である。現金及び現金同等物は195.0億円を維持しており、短期的な資金余力は確保されている。

収益の質

経常利益と純利益の主な相違点は、営業外収益に含まれる受取配当金14.5億円と、特別損益における固定資産売却益5.7億円である。受取配当金は営業外収益16.8億円の86%超を占め、経常利益の一部は保有株式等からの配当収益に依存する構造となっている。特別利益5.7億円は固定資産売却益によるもので、一時的要因として区別すべきであり、純利益の増益率+48.3%をそのまま本業の成長率として捉えることは適切ではない。営業CFは純利益の1.88倍と会計利益の現金裏付けは良好な水準にあるが、売上債権の増加が運転資本を圧迫しており、アクルーアルの観点からは債権回収サイクルの動向を注視する必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期計画に対し、売上高進捗率は75.5%(累計603.6億円/計画800.0億円)、営業利益進捗率は80.9%(累計34.0億円/計画42.0億円)と標準的な75%を上回るペースにある。一方、経常利益進捗率は74.4%(累計41.6億円/計画56.0億円)と標準並みであり、純利益進捗率は50.9%(累計30.5億円/計画60.0億円)と大きく下回っている。純利益の進捗が遅れているのは、通期計画が下期における追加的な利益積み上げを前提としている可能性を示唆する。今回の業績予想および配当予想の修正は行われていない。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり29.00円である。会社予想の年間配当は68.00円、予想EPS207.13円に基づく予想配当性向は約32.8%で、利益計画上は配当負担は過大ではない。自己株式取得の実績はなく、還元は配当のみのため配当性向で評価する。当期累計のフリーキャッシュフローはマイナス4.0億円であり、設備投資拡大局面では配当原資を内部キャッシュのみで賄えていない状況にあるが、現金及び預金195.5億円の水準から、当面の配当支払い能力への影響は限定的とみられる。

リスク要因

  1. 資産効率・レバレッジ: 投資有価証券が総資産の33.1%を占め、時価変動が包括利益・純資産に大きく影響する構造にある。今期は評価差額の増加が包括利益99.0億円の主要因となった一方、長期借入金519.5億円を中心とする有利子負債水準は、設備投資の減価償却費比1.75倍という拡大ペースと合わせてモニタリングが必要である。

  2. 運転資本の変動: 売上債権が41.9億円増加し、前受金が減少したことで営業CFは前年比21.0%減少した。仕入債務の増加により一部相殺されているが、増収局面での債権回収サイクルの動向が営業CFの質に影響する。

  3. 収益構成の依存度: 経常利益への寄与のうち受取配当金が営業外収益の86%超を占め、純利益には一時的な固定資産売却益5.7億円が含まれる。本業の営業利益率5.6%は改善傾向にあるが、経常・純利益の変動には非経常的要因の影響が相対的に大きい。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(transport)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率5.6%6.9% (4.4%–9.1%)−1.3pt
純利益率5.1%11.6% (2.9%–22.2%)−6.5pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を下回り、純利益率の差は特に大きい。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)9.3%9.2% (5.5%–10.3%)+0.1pt

売上高成長率は業種中央値とほぼ同水準で、成長ペースは業界平均的である。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 本業の収益性改善: 売上高9.3%増に対し営業利益は32.4%増となり、営業利益率は5.6%へ前年比約1.0pt改善した。販管費の抑制が増収に対する固定費吸収を支えている。

  2. 最終利益における一時的要因の寄与: 純利益の増益率+48.3%には固定資産売却益5.7億円(特別利益)が含まれており、経常利益の伸び+25.1%と比較すると、純利益の伸びの一部は非経常的要因による。

  3. 投資拡大とキャッシュフローの構造変化: 設備投資は前年比で大幅増加し、減価償却費の1.75倍に達した。この結果、フリーキャッシュフローはマイナス4.0億円となり、営業CFの現金創出力に対して投資が先行する局面にある。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,160円
base(基準)3,193円
bull(強気)3,229円
算出前提
1株純資産(BPS)3,543円
調整後予想EPS219.5円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向32.8%
予想EPSの信頼度調整×1.060(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.90倍 / 14.5倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,105円〜3,285円、ω±0.1で 3,181円〜3,201円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。