クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥603.4億 | ¥597.1億 | +1.1% |
| 営業利益 | ¥31.5億 | ¥37.8億 | −16.6% |
| 経常利益 | ¥39.2億 | ¥45.3億 | −13.4% |
| 純利益 | ¥60.9億 | ¥41.8億 | +45.7% |
| ROE | 9.1% | 6.4% | - |
Executive Summary
2026年度第3四半期累計決算は、売上高603.4億円(前年同期比+6.3億円 +1.1%)、営業利益31.5億円(同-6.3億円 -16.6%)、経常利益39.2億円(同-6.1億円 -13.4%)、純利益60.9億円(同+19.1億円 +45.7%)。売上は微増で推移する一方、営業段階では減益となったものの、投資有価証券売却益47.9億円の計上により純利益は大幅増加。ただしこの増益は一時的要因に依存する構造。
業績変動要因
【売上高】売上高は603.4億円で前年同期比+1.1%の微増。物流事業は560.3億円で前年比+1.5%(+8.4億円)と小幅増加した一方、不動産事業は43.1億円で前年比-4.8%(-2.2億円)と減収。物流事業の増収要因は既存倉庫の稼働率維持と契約更新による積み上げと推察されるが、不動産事業では賃貸収入の一部減少が見られる。全体として売上は横ばい圏で成長力は限定的。
【損益】営業利益は31.5億円で前年比-16.6%と大幅減益。物流事業のセグメント利益は27.8億円(前年30.6億円、-9.1%)、不動産事業は23.8億円(前年24.8億円、-4.0%)とそれぞれ減益。加えて全社費用(本社管理費等)が20.1億円と前年17.5億円から+14.8%増加し、増収にもかかわらず営業段階での収益性が悪化。営業外収益では受取配当金6.3億円等により経常利益は39.2億円と営業利益を上回るものの前年比-13.4%の減益。
【一時的要因】特別利益として投資有価証券売却益47.9億円を計上したことが税引前利益87.1億円(前年51.7億円)を押し上げ、純利益60.9億円(前年41.8億円、+45.7%)の大幅増益を実現。ただしこれは経常的な収益ではなく、営業面の減益と対照的な構造となっている。
【経常利益と純利益の乖離】経常利益39.2億円に対し純利益60.9億円と+55%の乖離。主因は上記の投資有価証券売却益47.9億円という特別利益の計上で、この一時益を除けば純利益は大幅減少していたことになる。
【結論】増収減益(営業段階)から一時益により増収増益(純利益段階)へ転換したが、本業の収益力は低下しており、持続可能な成長構造とは評価しがたい。
セグメント別分析
物流事業は売上高560.3億円(全体の92.9%)、営業利益27.8億円で営業利益率5.0%。不動産事業は売上高43.1億円(同7.1%)、営業利益23.8億円で営業利益率55.3%と高収益性を維持。主力事業は物流事業で売上規模が圧倒的だが、不動産事業は利益率が10倍以上高く収益貢献度が大きい。物流事業の利益率5.0%は前年5.5%から-0.5pt悪化しており、コスト圧力や稼働効率の低下が示唆される。不動産事業も利益率は前年51.7%から55.3%へ改善しているように見えるが、絶対額では前年24.8億円から23.8億円へ-4.0%減少しており、収益基盤の縮小がある。両セグメントとも営業利益段階での成長性に課題を抱える。
主要財務指標
【収益性】ROE 9.0%(純利益率10.0%×総資産回転率0.51×財務レバレッジ1.76で算出)、営業利益率5.2%(前年6.3%から-1.1pt悪化)、粗利益率10.9%。ROEは一時益により押し上げられており本業ベースでは更に低い。ROIC 3.0%と資本効率は低水準で投資リターンの改善余地が大きい。【キャッシュ品質】現金預金133.3億円、短期負債カバレッジ1.24倍。営業CF/純利益比率0.69倍と利益の現金化が弱く収益品質に懸念。【投資効率】総資産回転率0.51倍。設備投資14.4億円に対し減価償却22.4億円で設備投資/減価償却比率0.64倍と投資不足警告が出ており、将来の競争力維持にリスク。【財務健全性】自己資本比率56.9%、流動比率134.1%、負債資本倍率0.76倍と保守的な資本構成。有利子負債198.1億円でDebt/EBITDA 3.68倍、インタレストカバレッジ22.35倍と利息負担余地は十分。ただし短期借入金が107.2億円へ前年比+135.9%と急増し、短期負債比率54.1%とリファイナンスリスクが高まっている点は要注意。
キャッシュフロー分析
営業CFは41.9億円で純利益60.9億円に対し0.69倍と低く、利益の現金裏付けが弱い点が収益品質の懸念材料となる。投資CFは37.9億円の収入超で、内訳は投資有価証券売却による収入が主因(売却益47.9億円計上と整合)、一方で設備投資は14.4億円に留まる。財務CFは-86.6億円の支出超で、配当7.9億円、自社株買い15.6億円、長期借入金返済83.0億円を実施する一方、短期借入金を61.8億円増加させて資金調達を補完。フリーキャッシュフローは79.7億円と計上されるが、これは投資有価証券売却による一時的収入を含むため持続的な現金創出力とは言えない。現金預金は133.3億円で前年131.8億円から微増に留まり、短期借入金カバレッジは1.24倍で流動性は一定確保されているものの、短期借入への依存度上昇がリファイナンスリスクを高めている。運転資本効率では営業CFと純利益の乖離が大きく、売掛金や棚卸資産の回転遅延または引当金変動の影響を精査する必要がある。
収益の質
経常利益39.2億円に対し営業利益31.5億円で、営業外純増益は約7.7億円。内訳は受取配当金6.3億円が主体で、営業外収益が売上高の約1.3%を占める構造。営業外収益は投資有価証券からの配当収入であり経常的な性質を持つが、営業段階の収益力低下をカバーする形。特別利益として投資有価証券売却益47.9億円が計上され、これが純利益の大幅増加要因だが、明らかに一時的要因である。営業CF 41.9億円に対し純利益60.9億円で営業CF/純利益比率0.69倍と低く、アクルーアル(発生主義会計と現金の乖離)が大きい。この乖離は投資売却益が現金収入を伴うものの営業CFには含まれない点、および運転資本変動や減価償却・税金等の調整によるもの。経常的な営業利益ベースで見れば収益の質は低下しており、一時益を除けば実質的な収益力は懸念される水準。
業績予想・ガイダンス
通期予想は売上高800.0億円、営業利益42.0億円、経常利益51.0億円、純利益61.0億円。第3四半期累計の進捗率は売上75.4%、営業利益75.0%、経常利益76.9%、純利益99.8%。標準的な進捗(Q3で75%)と比較すると、売上・営業利益・経常利益はほぼ順調だが、純利益は既に通期予想をほぼ達成。これは投資有価証券売却益47.9億円という想定外の特別利益によるもので、通期純利益は予想を上回る可能性が高い。一方、営業利益の進捗率75.0%は標準並みだが、前年比-10%の減益予想となっており、第4四半期も営業段階での収益改善は見込みにくい。予想修正は未発表だが、純利益の上方修正の可能性がある一方、営業利益は予想通りか若干の下振れリスクを残す。前提条件として為替や市況変動の影響、物流需給の動向が業績を左右する要素と考えられる。
株主還元
年間配当は第2四半期末60円、期末予想80円で合計140円(前年140円で据え置き)。当期純利益60.9億円に対する配当総額は約79.6億円(発行済株式数5.69億株から自己株式を控除した株数ベース)で配当性向は約141.3%と純利益を大きく超過する水準。ただしこの高配当性向は一時的な投資売却益による純利益増加を含むため、営業利益ベースで見れば更に高負担となる。自社株買いは15.6億円を実施しており、配当79.6億円と合わせた総還元額は約95.2億円、純利益対比の総還元性向は約156%と極めて高い。フリーキャッシュフロー79.7億円に対する総還元額95.2億円はFCFカバレッジ0.84倍で、フリーキャッシュフローでは配当と自社株買いを賄いきれていない。配当持続性については、現預金133.3億円の残高と営業CF年間見込み約56億円程度(第3四半期累計比で推計)を考慮しても、現行水準の配当(年間140円)と自社株買いの継続は財務余力を消耗する構造。特に営業段階の減益傾向と投資不足(設備投資/減価償却0.64倍)を勘案すると、配当政策の持続可能性には疑義があり、将来的な見直しリスクを注視すべき。
リスク要因
第一に、収益構造の一時益依存リスク。純利益60.9億円のうち47.9億円が投資有価証券売却益という非経常的要因であり、営業段階では減益が継続。今後も同水準の特別利益計上が見込めなければ純利益は大幅減少する可能性が高く、配当原資の確保に懸念。第二に、短期流動性およびリファイナンスリスク。短期借入金が107.2億円へ前年比+135.9%急増し、短期負債比率54.1%と期限が集中。現預金133.3億円でカバーは一定あるものの、借換えや返済計画が不透明な場合、資金繰りリスクが高まる。定量的には短期借入依存度が全有利子負債の54.1%に達する点が警告レベル。第三に、資本投下不足による競争力低下リスク。設備投資14.4億円は減価償却22.4億円を下回り(比率0.64倍)、物流施設の老朽化や拡張余地の制約により将来の受注機会喪失や顧客流出につながる懸念。業界平均の設備投資/減価償却比率が1.0倍前後とすれば、当社は明確に投資不足の状態にあり、中長期的な事業基盤の弱体化が危惧される。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ)当社の営業利益率5.2%は物流・倉庫業界の中央値6.0~7.0%を下回り、収益性は業界内でやや劣位。ROE 9.0%は業種中央値10.0~12.0%と比較して低く、資本効率の改善余地が大きい。自己資本比率56.9%は業種中央値40.0~50.0%を上回り、財務健全性は相対的に高いが、負債活用による資本効率向上の余地を示唆。配当性向141.3%(一時益含む)は業種平均30~40%を大幅に上回り、配当政策の持続性に疑義。ROIC 3.0%は業種目標5.0~8.0%を大きく下回り、投下資本に対するリターンが不十分。物流事業の営業利益率5.0%は業種内で中位~下位に位置し、不動産事業の高収益性(利益率55.3%)が全体を下支えする構造。業種比較では、営業面での競争力強化と資本効率改善が喫緊の課題として浮かび上がる。(業種: 倉庫・物流業、比較対象: 2025年度通期決算、出所: 当社集計)
決算上の注目ポイント
決算上の注目ポイント第一は、営業段階の減益と純利益段階の大幅増益という乖離構造。投資有価証券売却益47.9億円が純利益を押し上げているが、本業である物流・不動産事業の営業利益はともに減少しており、経常的な収益力の回復が見られない点は継続的モニタリングが必要。第二に、配当性向141.3%および総還元性向156%という極めて高い株主還元水準。現預金残高と営業CF水準を鑑みると、現行の配当政策の持続には疑義があり、将来的な減配リスクまたは増資・資産売却による資金調達の可能性を考慮すべき。第三に、短期借入金の急増(+135.9%)と設備投資の抑制(設備投資/減価償却0.64倍)という資金配分の特徴。短期負債への依存度上昇はリファイナンスリスクを高め、投資不足は中長期の競争力維持にリスクを及ぼす。これらの点から、今後の経営方針(配当政策、投資計画、負債構成の見直し)の開示と実行状況が決算分析上の重要な着眼点となる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
AI財務分析
総括
2026年度Q3累計は、売上高が前年同期比1.1%増の603.40億円となった一方、営業利益は同16.6%減の31.52億円となり、本業収益性は低下した。営業利益率は5.22%と、前年同期の6.33%から111bp縮小した。売上総利益は65.81億円で前年同期の68.20億円から3.5%減少し、粗利率も10.9%へ52bp低下した。これに対し販管費は34.28億円と前年同期比12.8%増加しており、売上成長率を上回る全社費用の増加が営業減益を増幅した。経常利益は39.23億円、前年同期比13.4%減であり、営業外の受取配当金6.26億円が本業減益を一部補完した。純利益は前年同期比46.3%増の60.32億円、純利益率は10.0%と前年同期の6.9%から約310bp改善した。もっとも、税引前利益87.10億円には投資有価証券売却益47.87億円が含まれ、純利益の増加は主として非経常的な資産売却益による。本業ベースでは物流事業の利益減少が中心であり、利益成長の持続性は営業利益率の回復に依存する。営業CFは41.86億円と前年同期比12.4%増加したが、純利益に対する比率は0.69倍であり、0.8倍を下回る収益品質警告に該当する。これは大型の有価証券売却益が現金利益ではなく投資CFに計上されることが主因であり、営業CFと純利益の乖離を拡大させた。営業CFには売上債権の増加7.30億円が資金流出として作用しており、運転資本の推移も注視点となる。物流事業は増収ながら減益、不動産事業は減収減益であり、両事業ともセグメント利益が前年同期を下回った。通期営業利益予想42.00億円に対する進捗率は75.0%で標準的な水準にある。通期純利益予想61.00億円に対する進捗率は98.9%と高いが、これは投資有価証券売却益の寄与を反映したものであり、本業の上振れを直接意味しない。財務基盤は自己資本と高い利払い余力に支えられる一方、借入金の短期化、低いROIC、更新投資を下回る設備投資が中長期の確認事項である。
収益性分析
年換算ROEは12.0%であり、デュポン分解では純利益率10.0%×総資産回転率0.684倍×財務レバレッジ1.76倍で説明される。ROEを支える最大の変動要因は、投資有価証券売却益47.87億円により押し上げられた純利益率であり、営業面の収益性改善ではない。営業利益率は5.22%で前年同期比111bp低下し、一般的な物流・不動産複合企業としても本業の採算改善余地を残す水準である。売上総利益率は10.9%と前年同期の11.4%から低下しており、低粗利警告に該当する。加えて、販管費は前年同期の30.40億円から34.28億円へ増加した一方、売上高は1.1%増にとどまり、営業レバレッジは逆方向に働いた。CFA5因子では、税負担係数は0.693、EBT/EBITは2.763倍である。後者は営業外損益と特別利益を含む税引前利益が営業利益を大きく上回ることを示すが、中心は有価証券売却益であり、恒常的な金利負担の低さだけを表すものではない。実効税率は30.1%であり、税負担係数は概ね税率水準に整合する。年換算ROAは約6.8%で、資産回転率0.684倍という土地・建物および投資有価証券を多く保有する資産構成の下では、資産収益性の向上が課題となる。ROICは4.0%で5%を下回る資本効率警告に該当し、資本コストを上回る収益創出力の改善が重要である。EBITDAは53.88億円、EBITDAマージンは8.9%であり、減価償却負担を除いたキャッシュ創出力は営業利益率を上回る。ただし、JGAAPの無形固定資産は13.18億円、総資産比1.1%にとどまり、のれん等の大型無形資産償却が利益率を大きく歪めている構図ではない。
成長性評価
売上高は603.40億円、前年同期比1.1%増であり、増収率は限定的である。主力事業である物流事業は外部顧客向け営業収益560.29億円、前年同期比1.5%増となったが、セグメント利益は27.77億円、同9.1%減となった。物流事業のセグメント利益率は5.0%で、前年同期の5.5%から約57bp低下している。不動産事業は営業収益43.11億円、前年同期比4.8%減、セグメント利益23.84億円、同3.7%減となった。不動産事業の利益率は51.9%と物流事業を大幅に上回るが、収益規模は物流事業の約13分の1である。セグメント利益構成では物流事業が53.8%を占める最大の利益源であり、不動産事業は46.2%を占める高採算事業である。全社費用は20.09億円で前年同期の17.51億円から14.7%増加し、セグメント合計利益の減少に加えて連結営業利益を圧迫した。通期売上高予想800.00億円に対する進捗率は75.4%、通期営業利益予想42.00億円に対する進捗率は75.0%、通期経常利益予想51.00億円に対する進捗率は76.9%であり、いずれもQ3の標準進捗である。通期純利益予想61.00億円に対しては98.9%まで進捗しているが、Q3累計の有価証券売却益が大きく寄与している。従って、通期予想達成の評価では売却益後の営業利益の回復度合い、物流事業の利益率、ならびに全社費用の抑制が焦点となる。
財務健全性
流動資産302.46億円に対して流動負債は225.59億円であり、流動比率・当座比率はともに134.1%である。100%を上回るため短期債務への流動資産カバーは確保されているが、一般的な150%の健全目安は下回る。運転資本は76.87億円でプラスを維持している。現金預金は133.25億円で、短期借入金107.20億円に対する現金カバーは1.24倍である。有利子負債は198.12億円、負債資本倍率は0.76倍であり、D/Eが2.0倍を大幅に下回る保守的な資本構成である。Debt/EBITDAは3.68倍で投資適格の目安である2.5倍を上回るものの、4.0倍の高レバレッジ警戒水準は下回る。インタレストカバレッジは22.35倍、EBITDAベースでは38.21倍であり、現時点の利払い能力は強固である。Debt/Capital比率は22.9%であり、資本面の余力は十分にある。短期借入金は前年同期の45.45億円から107.20億円へ61.75億円増加し、長期借入金は173.95億円から90.92億円へ83.03億円減少した。借入総額は減少しているが、調達期間の短期化により短期負債比率は54.1%となり、40%を上回るリファイナンスリスク警告に該当する。流動負債は前年同期比39.24億円増加した一方、流動資産の増加は13.62億円にとどまり、運転資本の余裕は縮小した。純資産は668.65億円、総資産に占める比率は56.9%であり、債務返済余力と損失吸収力を支える。退職給付に係る負債21.14億円および債券残高80.32億円を含む固定的な資金需要については、短期借入依存度の上昇と併せて資金調達年限の管理が重要である。
B/S変動のポイント
短期借入金: +61.75億円(+135.9%)- 107.20億円へ増加。長期借入金の返済と並行した借入年限の短期化を示し、短期負債比率54.1%のリファイナンスリスクを監視する必要がある。長期借入金: -83.03億円(-47.7%)- 90.92億円へ減少。総借入金の圧縮には寄与する一方、短期借入金の増加を伴っており、満期構成の改善度は限定的である。自己株式: -15.60億円(簿価の絶対額は+62.6%)- 自社株買いにより自己株式控除額が40.53億円へ拡大。株主還元と1株当たり指標の向上に寄与する一方、配当を含む総還元の資金負担を高める。投資有価証券: -5.84億円(-2.1%)- 残高は272.38億円と総資産の23.2%を占める。有価証券売却益47.87億円の計上と併せ、資産入替・市場価値変動が利益と包括利益へ与える影響を監視する必要がある。
キャッシュフロー品質
営業CFは41.86億円で、純利益60.32億円に対する比率は0.69倍であり、0.8倍未満の収益品質警告に該当する。乖離の主因は、純利益に投資有価証券売却益47.87億円が含まれる一方、その売却代金は投資CFに計上されることである。営業CF自体は前年同期の37.24億円から増加しており、営業キャッシュ創出力が悪化したわけではない。アクルーアル比率は1.6%で5%未満に収まり、発生主義利益に過度に依存した利益計上を示す水準ではない。ただし、売上債権は7.30億円増加して営業CFを押し下げており、物流事業の売上成長を上回る債権増加が継続しないか確認を要する。EBITDAに対する営業CFの現金転換率は0.78倍であり、0.9倍の優良目安を下回る。設備投資は14.37億円、減価償却費は22.36億円であり、設備投資/減価償却は0.64倍となる。これは0.7倍未満の投資不足警告に該当し、倉庫・物流施設など資本集約的資産の更新や能力増強が減価償却水準を下回っている。営業CFから設備投資を差し引いた有機的なキャッシュ余力は27.49億円である。計算上のフリーキャッシュフロー79.74億円は、投資CFに含まれる有価証券売却・償還収入56.27億円に大きく支えられており、恒常的なFCFとしては評価しにくい。財務CFは62.85億円の支出であり、長期借入金返済18.36億円、配当支払い25.12億円、自社株買い15.60億円が主な資金流出となった。
配当持続性
第2四半期配当96.00円に基づく配当性向は96.9%であり、配当のみの持続可能性目安である60%を上回る。これはQ3累計純利益に有価証券売却益47.87億円が含まれる中での比率であり、営業利益・営業CFに基づく継続的な配当負担の評価が重要となる。計算上のFCFに対する配当カバレッジは1.36倍であり、配当額はカバーされている。ただし、このFCFには有価証券売却収入が含まれるため、営業CFから設備投資を控除した27.49億円だけでは、同基準の配当額を十分に賄えない。自社株買い15.60億円も実施しており、配当と自社株買いを合算した総還元額は約74.0億円、Q3累計純利益に対する総還元性向は約123%となる。純資産668.65億円、D/E0.76倍、現金預金133.25億円は株主還元の実行余地を支える。一方で、設備投資/減価償却が0.64倍にとどまる状況では、還元と物流施設の更新・成長投資との資本配分バランスが持続性の判断材料となる。
リスク評価
ビジネスリスクとして、高優先度:物流事業は売上高が前年同期比1.5%増にもかかわらずセグメント利益が9.1%減少した。主力事業の利益率が5.0%へ低下しており、人件費、輸配送費、外注費などのコスト上昇を価格転嫁または生産性改善で吸収できない場合、本業収益がさらに圧迫される。、中優先度:不動産事業は51.9%の高いセグメント利益率を維持する一方、営業収益は4.8%減、利益は3.7%減である。高採算事業の賃料・稼働率・物件入替の変動は、連結利益の下支え力に影響する。、中優先度:物流業は荷動きの景気感応度、荷主の物流コスト抑制、ドライバー・倉庫人員の確保、安全・環境対応コスト、および他社との価格競争にさらされる。低い粗利率10.9%は、コスト変動に対する利益感応度を高める。、中優先度:有形固定資産563.87億円、うち建物及び構築物312.16億円、土地229.63億円を保有する資産集約型の事業構造である。設備投資が減価償却を下回る状態が継続する場合、物流施設の競争力・更新投資の遅れが中長期の成長制約となり得る。が挙げられます。
財務リスクとしては、高優先度:短期借入金が前年同期比135.9%増の107.20億円となり、短期負債比率は54.1%である。総借入金は減少しているものの、金利上昇局面や金融環境の変化では借換え条件と資金調達コストへの感応度が高まる。、中優先度:Debt/EBITDAは3.68倍であり、4.0倍未満ではあるものの、投資適格の目安である2.5倍を上回る。大型設備投資や追加的な株主還元を行う場合には、EBITDAの回復と借入期間の長期化が重要となる。、中優先度:投資有価証券は272.38億円で総資産の23.2%を占める。売却益は当期利益を押し上げる一方、市場価格変動はその他有価証券評価差額金、包括利益、および将来の売却可能益に影響する。、低優先度:退職給付に係る負債21.14億円は、金利・年金資産運用・数理差異の変動により純資産や費用に影響し得る。が挙げられます。
主な懸念事項としては、最優先:営業CF/純利益が0.69倍である。大型の有価証券売却益による会計上の純利益増と、営業キャッシュ創出力との区別が必要である。、最優先:ROICが4.0%で5%を下回る。土地・建物および投資有価証券を多く保有する資本構成に対し、本業利益の収益化効率が低い。、高優先度:設備投資/減価償却が0.64倍であり、投資不足警告に該当する。短期的なCF確保と長期的な施設更新・競争力維持の両立が焦点となる。、高優先度:営業利益率の111bp低下と、売上成長を上回る販管費増加が並存している。全社費用のコントロールと物流事業の採算回復が通期以降の利益の質を左右する。が挙げられます。
投資示唆
重要ポイントとして、Q3累計の純利益60.32億円、年換算ROE12.0%は良好な水準だが、純利益の押し上げ要因は投資有価証券売却益47.87億円である。、本業では営業利益31.52億円が前年同期比16.6%減、営業利益率が111bp低下しており、利益率回復の確度が最重要である。、物流事業は連結セグメント利益の53.8%を占める主力事業であり、同事業の減益からの反転が全社営業利益の改善条件となる。、財務レバレッジは過大ではなく、D/E0.76倍、Debt/Capital22.9%、EBITDAインタレストカバレッジ38.21倍は安定的である。、一方、短期借入金の増加、ROIC4.0%、設備投資/減価償却0.64倍、営業CF/純利益0.69倍は、資本配分と収益の持続性を評価する上での主要な留意点である。が挙げられます。
注視すべき指標は、物流事業のセグメント利益率および物流事業の収益成長率、連結営業利益率と販管費の対売上高比率、営業CF/純利益比率、売上債権増減、OCF/EBITDA、短期借入金、短期負債比率、Debt/EBITDA、および借入金利、設備投資/減価償却比率と物流施設への更新・能力増強投資、投資有価証券の売却額、評価差額、および売却益を除く経常的利益、配当性向と、配当・自社株買いを合算した総還元性向です。
セクター内ポジションについては、収益性では年換算ROE12.0%と純利益率10.0%は一定の水準にあるが、前者は有価証券売却益の寄与を含む。営業利益率5.2%とROIC4.0%は、資産集約的な物流・不動産複合モデルに求められる本業資本効率の改善余地を示す。財務健全性は低いD/Eと高い利払いカバレッジが支える一方、借入年限の短期化と投資不足警告は同業比較での確認項目となる。