- 売上高: 112.61億円
- 営業利益: 4.37億円
- 当期純利益: 3.41億円
- 1株当たり当期純利益: 34.71円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 112.61億円 | 93.01億円 | +21.1% |
| 売上原価 | 82.83億円 | 67.40億円 | +22.9% |
| 売上総利益 | 29.78億円 | 25.62億円 | +16.2% |
| 販管費 | 25.41億円 | 18.02億円 | +41.0% |
| 営業利益 | 4.37億円 | 7.60億円 | -42.5% |
| 営業外収益 | 75百万円 | 72百万円 | +4.7% |
| 営業外費用 | 44百万円 | 29百万円 | +51.2% |
| 経常利益 | 4.68億円 | 8.02億円 | -41.6% |
| 税引前利益 | 7.62億円 | 8.36億円 | -8.8% |
| 法人税等 | 4.42億円 | 1.96億円 | +125.5% |
| 当期純利益 | 3.41億円 | 2.19億円 | +55.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3.01億円 | 6.20億円 | -51.5% |
| 包括利益 | 3.44億円 | 6.24億円 | -44.9% |
| 減価償却費 | 5.48億円 | 3.31億円 | +65.4% |
| 支払利息 | 33百万円 | 11百万円 | +201.5% |
| 1株当たり当期純利益 | 34.71円 | 73.79円 | -53.0% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 34.30円 | 72.20円 | -52.5% |
| 1株当たり配当金 | 26.00円 | 26.00円 | +0.0% |
| 年間配当総額 | 1.49億円 | 1.49億円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 42.18億円 | 32.56億円 | +9.63億円 |
| 現金預金 | 5.97億円 | 9.66億円 | -3.69億円 |
| 棚卸資産 | 10.50億円 | 3.37億円 | +7.13億円 |
| 固定資産 | 97.03億円 | 60.03億円 | +37.01億円 |
| 有形固定資産 | 84.84億円 | 51.22億円 | +33.62億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 6.40億円 | 5.09億円 | +1.31億円 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -44.92億円 | -16.63億円 | -28.29億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 34.74億円 | 1.01億円 | +33.73億円 |
| フリーキャッシュフロー | -38.52億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 営業利益率 | 3.9% |
| 総資産経常利益率 | 4.0% |
| 配当性向 | 23.5% |
| 純資産配当率(DOE) | 3.0% |
| 1株当たり純資産 | 640.33円 |
| 純利益率 | 2.7% |
| 粗利益率 | 26.4% |
| 流動比率 | 159.5% |
| 当座比率 | 119.8% |
| 負債資本倍率 | 1.45倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +21.1% |
| 営業利益前年同期比 | -42.5% |
| 経常利益前年同期比 | -41.7% |
| 当期純利益前年同期比 | +56.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -51.3% |
| 包括利益前年同期比 | -44.8% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 8.71百万株 |
| 自己株式数 | 363株 |
| 期中平均株式数 | 8.70百万株 |
| 1株当たり純資産 | 651.45円 |
| EBITDA | 9.85億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 26.00円 |
| 期末配当 | 26.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 142.00億円 |
| 営業利益予想 | 10.00億円 |
| 経常利益予想 | 10.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 5.75億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 65.99円 |
| 1株当たり配当金予想 | 9.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q4(通期)の日本エコシステムは、売上が2桁増収にもかかわらず大幅な減益となり、収益性の悪化と投下資本効率の低下が際立つ決算でした。売上高は112.61億円で前年比+21.1%と拡大しましたが、営業利益は4.37億円(前年比-42.5%)、経常利益は4.68億円(同-41.7%)、当期純利益は3.01億円(同-51.3%)と大幅減益です。粗利益率は26.4%(29.78/112.61)で一定の水準を保った一方、販管費25.41億円の増勢が重く、コスト吸収力が低下しました。営業利益率は3.9%(4.37/112.61)と低下し、前年の推定8.2%から約429bp悪化しました。純利益率も2.7%(3.01/112.61)に低下し、前年の推定6.6%から約397bp縮小しました。EBITDAは9.85億円、EBITDAマージンは8.7%で、減価償却費(5.48億円)の増加分が営業利益を圧迫した可能性があります。実効税率は58.0%と高水準で、税負担の増加(繰延税金資産の評価替えや一時差異の影響を示唆)が最終利益を一段と押し下げました。営業外収入は0.75億円(受取配当0.04億円、受取利息0.02億円等)で、営業外収入比率は25.0%と利益構成の中で無視できない比重を占めました。営業キャッシュフローは6.40億円と純利益(3.01億円)を上回り、営業CF/純利益は2.13倍と利益の現金化は良好です。一方で投資CFは-44.92億円(設備投資-33.46億円が中心)と大幅なキャッシュアウトで、フリーキャッシュフローは-38.52億円と大きく赤字です。財務CFは34.74億円の資金調達超過でFCFの不足を補っており、成長投資フェーズに入っていることがうかがえます。貸借対照表では総資産139.21億円、純資産56.76億円、負債合計82.45億円で、負債資本倍率1.45倍・流動比率159.5%・当座比率119.8%と流動性は概ね良好ながら、長期借入金48.69億円とDebt/EBITDA約5.25倍はやや高めです。ROEは5.3%と自己資本コスト水準を下回る可能性があり、特にROICは2.1%とベンチマーク(7-8%)に対して低位で資本効率面の警戒シグナルです。総じて、増収にもかかわらず販管費・減価償却・税負担の増加で収益性が悪化し、同時に大型投資に伴うFCF赤字と有利子負債の積み上がりが進みました。営業CFは純利益を十分にカバーしており利益の質は相対的に良好ですが、投資回収の可視化とROICの改善が重要な課題です。来期は増収効果の取り込みと費用効率の改善、ならびに投資案件の立ち上がりによる稼ぐ力(EBITDA・営業利益)の回復が焦点になります。実効税率の平常化と営業外収入依存の低減が純利益率改善のカギとなるでしょう。配当データは未記載で評価に限界がありますが、FCFが大幅マイナスのため、短期的には内部留保と負債調達で成長投資を優先している局面とみられます。なお本件は総合商社ではないため持分法投資利益の寄与は確認できず、商社型KPIの適用には限界がありますが、ROICの低さは共通の重要論点です。
ROEは5.3%で、デュポン分解はROE(5.3%)= 純利益率(2.7%)× 総資産回転率(0.809)× 財務レバレッジ(2.45倍)です。3要素のうち最も毀損の影響が大きいのは純利益率で、営業利益率の悪化(約429bp低下)と実効税率の上振れ(58%)が複合的に作用したと推定します。営業段階では、販管費の絶対額増加(25.41億円)と減価償却費(5.48億円)の増加が営業レバレッジを相殺し、売上+21.1%に対して営業利益が-42.5%と大幅に下落しました。総資産回転率は0.809と1倍を下回り、投資拡大に伴う資産の先行積み増し(固定資産97.03億円、投資CF -44.92億円)が効率を押し下げています。財務レバレッジは2.45倍で自己資本効率を一部補いましたが、Debt/EBITDA約5.25倍という観点では負債依存に伴う金利感応度の上昇に注意が必要です。ビジネス上の背景としては、成長投資の立ち上がりコスト(人員・販促・据付・保守体制強化)や減価償却の増加、サプライチェーンコストや案件ミックスの変化による限界利益率の低下が想定されます。実効税率の上振れは一過性(繰延税金の評価性引当、非課税・不課税項目の構成)である可能性がある一方、販管費や償却費の増加は投資回収が進むまで一定程度継続しうるため、利益率の回復は立ち上がり速度次第と評価します。警戒すべきトレンドとして、売上成長率(+21.1%)に対し販管費の明細は未開示ながら営業利益が-42.5%である点から、実質的に費用増・償却増が売上成長を上回ったサインが出ています。営業外収入比率が25.0%と高めで、コア収益(営業利益)に対する非コア要素の影響が相対的に大きい構造にも留意が必要です。持続性の観点では、案件の稼働進展とスケール効果が乗れば中期的に総資産回転率と営業利益率は改善余地がありますが、短期的には投資先行による低ROIC(2.1%)が続くリスクが高いと見ます。
売上は112.61億円(+21.1%)と強い伸長を示し、需要取り込みや案件積み上がりが進行したとみられます。一方、営業利益は4.37億円(-42.5%)と減益で、成長局面における費用先行・償却負担増・案件ミックスの変化(低マージン案件の比率上昇)が示唆されます。営業外収入0.75億円が経常段階の下支えになったものの、実効税率58%が純利益の伸びを大きく阻害しました。投資CF-44.92億円(設備投資-33.46億円)は積極投資フェーズを示し、来期以降のキャッシュ創出力改善(EBITDA拡大)の前提となります。短期見通しでは、売上の積み増しに対し販管費・償却の伸びを鈍化させること、価格条件や調達コストの見直しによる粗利率の回復が必要です。中期では、投資案件の稼働寄与と稼働率上昇がROICの改善ドライバーとなり、純利益率の正常化(税率の平常化)と営業外への依存低下が望まれます。成長の持続可能性は、受注残・案件パイプライン、価格転嫁力、サプライヤーとの条件改善、O&Mなどストック収益の拡大度合いに依存すると評価します。
流動比率159.5%、当座比率119.8%と短期流動性は健全域にあります。短期借入金は3.00億円、現金預金が5.97億円で、短期の満期ミスマッチリスクは限定的です。固定負債56.00億円(長期借入金48.69億円)が厚く、投資回収期間にわたる返済負担が続く構造です。負債資本倍率は1.45倍で当社の業態としては許容範囲の上限付近ですが、Interest Coverage 13.42倍と利払い耐性は現時点で強固です。総資産139.21億円に対し固定資産97.03億円と資産構成は固定化が進んでおり、景気後退や案件遅延時の柔軟性は限定的となりえます。オフバランス債務は開示資料上不明で、リース・保証・PV系のEPCに伴う性能保証などの潜在的債務は確認が必要です。自己資本比率は未算出ですが、純資産56.76億円と総資産の関係から約40.8%程度と推計でき、資本余力は一定水準を維持しています(厳密値はXBRL未記載のため参考)。
営業CFは6.40億円で純利益3.01億円を上回り、営業CF/純利益は2.13倍と利益の現金化は高品質です。減価償却費5.48億円が営業CFを下支えしつつ、運転資本の大幅な悪化は示唆されません(詳細内訳は未記載)。一方で投資CFは-44.92億円(うち設備投資-33.46億円)と大幅なキャッシュアウトで、フリーキャッシュフローは-38.52億円と赤字です。FCFの不足は財務CF34.74億円(借入等)で賄っており、投資の前倒し・成長加速を反映した資金循環です。短期的なFCFは配当や追加投資を自力で賄いにくい水準で、投資回収の可視化(稼働・稼働率・単価・O&M収益の増加)とともに、今後のCAPEXの平準化が課題です。運転資本操作の兆候は数値からは限定的ですが、売上高成長に伴う棚卸資産10.50億円の水準や売掛金の未記載により、売上債権回収の実態は確認が必要です。
配当情報は未記載で、実績や方針の精査に制約があります。計算値の配当性向150.5%と報告値0.2%には不整合があり、当該期の一時要因(記載方法や特別項目、単体・連結の差異等)も含めてデータの信頼性に注意が必要です。FCFは-38.52億円で、FCFカバレッジは-8.50倍と自己創出キャッシュによる配当原資確保は困難です。現状は成長投資が優先されており、持続可能な配当には営業CFの増加・CAPEXの平準化・ROICの改善が前提となります。近い将来の配当余力評価には、期末の現金水準・借入枠・財務制限条項・将来CAPEX計画の更新が不可欠です。
ビジネスリスク:
- 案件ミックス変化・価格競争による粗利率低下リスク(営業利益率の大幅縮小)
- 投資回収遅延・立ち上がりコスト長期化によるROIC低迷(現状2.1%)
- サプライチェーンコスト上振れ(資材・物流)と価格転嫁の遅れ
- 実効税率の高止まり・税務一時要因による純利益の不安定化(58%)
- 営業外収入への相対的依存(営業外収入比率25%)でコア収益のボラティリティ増加
財務リスク:
- 高水準のCAPEX継続によるFCF赤字の拡大(-38.52億円)
- Debt/EBITDA約5.25倍によるレバレッジ上昇と金利上振れ感応度
- 固定資産偏重(97.03億円)に伴う資産流動性・減損リスク
- 長期借入金48.69億円の返済スケジュール集中リスク(満期ミスマッチの潜在化)
主な懸念事項:
- ROIC 2.1%と自己資本コストの逆鞘リスク(価値毀損の懸念)
- 営業利益率3.9%までの低下と費用増の持続性
- 税率の一過性評価が未確定で、来期の純利益見通し不透明
- 配当実績未記載および配当性向データの不整合に伴う株主還元の不確実性
重要ポイント:
- 増収(+21.1%)にもかかわらず営業利益-42.5%、営業利益率は約429bp悪化で収益性が急低下
- 営業CF/純利益2.13倍と利益の現金化は良好だが、FCFは-38.52億円で外部調達依存
- Debt/EBITDA約5.25倍とやや高レバレッジ、金利上昇耐性のモニタリングが必要
- ROIC 2.1%は警戒水準、投資案件の早期稼働と粗利改善が最重要課題
- 実効税率58%は一過性の可能性も、来期の税率正常化が純利益回復の鍵
注視すべき指標:
- 受注残・案件稼働件数・平均販売単価(粗利率の先行指標)
- 販管費率と減価償却費の推移(営業レバレッジの回復度)
- ROICと投下資本回転率(稼働開始後の資本効率改善)
- 営業CFとFCF、CAPEX計画の平準化進捗
- 実効税率の推移と税効果会計の開示(評価性引当の動向)
- 金利感応度(固定・変動の構成)とDebt/EBITDAの低下速度
セクター内ポジション:
同業の再エネ・EPC/O&M企業と比べ、成長投資の先行で売上成長は高い一方、利益率・ROICは低位で、レバレッジはやや高め。短中期での稼働寄与によるマージン・資本効率の巻き返しが実現できるかが競合比の分水嶺となる。
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