| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1191.6億 | ¥1186.8億 | +0.4% |
| 営業利益 | ¥223.4億 | ¥229.8億 | -2.8% |
| 経常利益 | ¥217.8億 | ¥224.9億 | -3.1% |
| 純利益 | ¥51.1億 | ¥20.4億 | +150.3% |
| ROE | 6.0% | 2.7% | - |
2026年3月期通期決算は、売上高1,191.6億円(前年比+4.9億円 +0.4%)、営業利益223.4億円(同-6.5億円 -2.8%)、経常利益217.8億円(同-7.0億円 -3.1%)、純利益51.1億円(同+30.7億円 +150.3%)。売上は微増ながら、営業段階は販管費率上昇(12.1%、前年11.1%から+1.0pt)により減益。純利益は特別損失の正常化(8.5億円、前年34.0億円から-74.9%)により大幅増益。廃棄物処理・再資源化は高営業利益率35.2%を維持しつつ-5.2%減益、再生可能エネルギーは営業利益が前年1.1億円から7.9億円へ+593%と黒字化。ROEは6.0%、自己資本比率49.8%と財務健全性を堅持。営業CF285.4億円(前年比+43.9%)、FCF97.2億円で配当22.7億円と自社株買い30.2億円を十分に賄う。
【売上高】売上高は1,191.6億円(+0.4%)と微増。セグメント別では、廃棄物処理・再資源化が531.2億円(+1.9%)で全体の44.6%を占め、能登半島地震関連の災害廃棄物処理案件を含む。資源リサイクルは431.8億円(+1.9%)で36.2%、金属スクラップ売上が387.0億円(+2.1%)と堅調に推移。再生可能エネルギーは148.9億円(+7.8%)で12.5%、電力供給売上が130.1億円(+5.2%)。その他は118.5億円(+2.6%)。顧客別では、石川県産業資源循環協会向けが251.7億円(前年259.6億円、-3.0%)と微減。粗利率は30.9%(前年30.5%から+0.4pt)と改善したが、販管費率は12.1%(前年11.1%から+1.0pt)へ上昇し、営業利益率は18.7%(前年19.4%から-0.7pt)へ低下。
【損益】営業利益は223.4億円(-2.8%)。セグメント別では、廃棄物処理・再資源化が186.9億円(-5.2%)、資源リサイクルが34.0億円(-2.6%)と主力2事業が減益。再生可能エネルギーは7.9億円(前年1.1億円から+593%)と大幅回復し、前年の減損損失31.1億円(のれん17.8億円含む)の剥落が寄与。営業外では受取利息0.5億円、持分法投資利益1.3億円、支払利息5.3億円で、経常利益は217.8億円(-3.1%)。特別損益は、特別利益1.4億円(固定資産売却益)、特別損失8.5億円(固定資産除売却損2.5億円、減損損失1.8億円)で、税引前利益は210.8億円(前年191.9億円から+9.8%)。法人税等61.8億円(実効税率29.3%、前年35.0%)を計上し、当期純利益は51.1億円(+150.3%)。結論として、増収減益(営業段階)から増収増益(最終段階)へ転換。
廃棄物処理・再資源化は営業利益186.9億円(-5.2%)で利益率35.2%と高収益を維持。資源リサイクルは営業利益34.0億円(-2.6%)で利益率7.9%、金属スクラップ市況の安定が下支え。再生可能エネルギーは営業利益7.9億円(前年1.1億円から+593%)で利益率5.3%へ改善、前年の減損損失31.1億円の剥落と稼働率改善が寄与。その他は営業利益13.7億円(+66.9%)で利益率11.5%、環境エンジニアリング・地域貢献事業が好調。セグメント資産は廃棄物処理974.3億円、資源リサイクル508.4億円、再エネ202.0億円で、主力2事業で全体の86%を占める。
【収益性】営業利益率は18.7%(前年19.4%から-0.7pt)で高水準を維持するも販管費率上昇により縮小。ROEは6.0%で、純利益率4.3%、総資産回転率0.70回(売上1,191.6億円÷平均総資産1,666.6億円)、財務レバレッジ2.01倍(平均総資産1,666.6億円÷平均自己資本803.5億円)に分解される。EBITDAは312.6億円(営業利益223.4億円+減価償却費88.3億円+のれん償却2.5億円)でEBITDAマージン26.2%。【キャッシュ品質】営業CF285.4億円は純利益147.3億円(親会社帰属)の1.94倍で、アクルーアル比率は-8.1%((営業CF285.4億円-純利益147.3億円)÷総資産1,712.6億円×-1)と利益の質は高い。売上債権回転日数は39.1日(売掛金128.3億円÷売上1,191.6億円×365日)で前年58.6日から大幅改善。【投資効率】総資産回転率0.70回(前年0.73回から低下)は建設仮勘定93.3億円(前年72.7億円)の積み上がりが影響。ROA(経常利益ベース)は13.1%(前年14.8%)。【財務健全性】自己資本比率49.8%(前年45.1%から+4.7pt)、流動比率122.5%(流動資産532.6億円÷流動負債434.8億円)、Debt/Equity比率0.50倍(有利子負債428.1億円÷自己資本852.7億円)、Debt/EBITDA 1.37倍と投資適格域。インタレストカバレッジは41.8倍(営業利益223.4億円÷支払利息5.3億円)。
営業CFは285.4億円(前年198.4億円から+43.9%)で、税金等調整前利益210.8億円に対し非資金項目(減価償却費88.3億円、のれん償却2.5億円、減損損失1.8億円)を加算、売上債権の減少63.8億円が大きく寄与する一方、仕入債務の減少-2.0億円、法人税等の支払-93.6億円が控除される。運転資本は売掛金の大幅回収(前年190.7億円→128.3億円、-32.7%)により改善し、棚卸資産は微増(33.5億円→35.6億円)。投資CFは-188.2億円(前年-120.8億円)で、有形固定資産の取得-165.8億円、子会社株式取得-18.8億円が主因。財務CFは-64.3億円で、長期借入による調達91.2億円に対し返済-51.8億円、短期借入金の純減-39.7億円、配当-22.3億円、自社株買い-30.0億円を実施。FCFは97.2億円(営業CF285.4億円+投資CF-188.2億円)で、配当22.7億円の4.3倍、配当と自社株買い合計53.0億円の1.8倍を賄う。現金及び現金同等物は332.2億円(前年299.2億円から+11.0%)へ増加し、短期借入金95.2億円と1年内償還予定の社債・長期借入金合計151.6億円を十分にカバー。
経常利益217.8億円のうち営業利益223.4億円が主体で、営業外収益7.9億円(受取利息0.5億円、受取配当金0.1億円、賃貸収入2.7億円、その他1.8億円)、営業外費用13.4億円(支払利息5.3億円、その他3.4億円)は小規模。特別利益1.4億円(固定資産売却益)、特別損失8.5億円(減損損失1.8億円、固定資産除売却損2.5億円)は一時的要因。前年は特別損失34.0億円(減損損失31.4億円)が計上されており、今期の特損縮小が純利益を押し上げた。営業CFが純利益147.3億円の1.94倍で、アクルーアル比率-8.1%と現金裏付けは強固。包括利益合計は151.5億円(純利益147.3億円+その他包括利益2.5億円)で、有価証券評価差額金0.6億円、退職給付調整額1.1億円、持分法適用会社のその他包括利益持分0.8億円が加算され、経常的収益と一時的要因の区別は明確。
通期予想は売上高1,056.0億円(-11.4%)、営業利益74.0億円(-66.9%)、経常利益65.0億円(-70.2%)、親会社帰属純利益41.0億円(-72.2%)と大幅減益を見込む。営業利益率は7.0%(実績18.7%から-11.7pt)へ低下する想定で、災害関連案件の一巡、エネルギー・保守費用の平常化、案件ミックスの変化を保守的に織り込んだと推察される。配当予想は年25円(期末15円、中間10円の実績20円から年換算で+5円)で、予想配当性向は28.7%(配当総額12.0億円÷予想純利益41.0億円)。進捗率は売上で112.8%(実績1,191.6億円÷予想1,056.0億円)、営業利益で301.9%と大きく上振れており、予想の保守性が示唆される。
年間配当は50円(中間20円、期末30円)で、配当総額は22.7億円。配当性向は18.6%(配当50円÷EPS305.23円、または配当総額22.7億円÷連結純利益122.9億円)と保守的水準。自社株買いは30.2億円(財務CF計上額)を実施し、総還元性向は約35.8%(配当22.7億円+自社株買い30.2億円=52.9億円÷親会社帰属純利益147.3億円)。DOE(株主資本配当率)は約3.2%(配当22.7億円÷前期末自己資本754.3億円)で、FCF97.2億円に対する配当カバレッジは4.3倍、総還元カバレッジは1.8倍と持続可能性は高い。次期予想配当25円(配当性向28.7%)は減配となるが、FCF創出力とレバレッジ余地から安定配当と機動的自己株取得の余地は残る。
災害関連案件の反動減による収益変動リスク: 主要顧客である石川県産業資源循環協会向け売上が251.7億円(売上の21.1%)を占め、能登半島地震関連の災害廃棄物処理が含まれる。次期予想で売上-11.4%、営業利益-66.9%と大幅減益を見込む背景には、こうした一時的案件の反動が示唆される。主力の廃棄物処理・再資源化セグメントの営業利益が前年比-5.2%と既に減速しており、災害対応需要の一巡は短期的な収益圧迫要因。
金属スクラップ市況変動リスク: 資源リサイクル事業の金属スクラップ売上は387.0億円(資源リサイクルセグメントの89.6%)を占め、同セグメント営業利益率7.9%は価格・調達量の変動に敏感。金属スクラップは市況連動性が高く、資源価格下落局面では売上・利益率の同時縮小リスクがある。前年比+2.1%と堅調な推移だが、営業利益は-2.6%と伸び悩み、価格転嫁の限界が示唆される。
再生可能エネルギー事業の稼働率・燃料調達リスク: 再エネは営業利益7.9億円(+593%)と黒字化したが、利益率5.3%は他セグメント比で最低水準。前年は減損損失31.1億円を計上しており、木質バイオマス発電の燃料調達コスト・設備稼働率・メンテナンス費用の変動が収益を左右する。電力供給売上130.1億円(再エネ売上の87.4%)は電力市況や固定価格買取制度の動向にも影響される。建設仮勘定93.3億円(前年72.7億円)の積み上がりは、今後の稼働開始と収益寄与が焦点となり、計画遅延や想定外コストは投資回収を圧迫する。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 18.7% | 8.1% (3.6%–16.0%) | +10.6pt |
| 純利益率 | 4.3% | 5.8% (1.2%–11.6%) | -1.5pt |
営業利益率は業種中央値を10.6pt上回り、高収益体質を示す。純利益率は中央値を下回るが、特別損失の影響を除けば経常段階の収益力は強固。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 0.4% | 10.1% (1.7%–20.2%) | -9.7pt |
売上成長率は業種中央値を9.7pt下回り、災害案件の反動と主力事業の成熟化を反映。次期予想では-11.4%と更に減収を見込む。
※出所: 当社集計
営業利益率18.7%・EBITDAマージン26.2%の高収益体質とFCF創出力(97.2億円、配当+自社株買いの1.8倍)は、次期の大幅減益予想下でも配当と自己株取得を支える基盤となる。財務健全性(Debt/EBITDA 1.37倍、自己資本比率49.8%、インタレストカバレッジ41.8倍)は業種内で相対的に良好で、追加投資や選択的M&Aの余地を残す。
純利益の大幅増益(+150.3%)は特別損失の正常化(前年34.0億円→8.5億円)が主因であり、営業段階は-2.8%減益と慎重な推移。販管費率が+1.0pt上昇し営業レバレッジが低下する中、次期予想で営業利益率7.0%(実績18.7%から-11.7pt)への大幅縮小を見込む保守性は、災害関連案件の反動・再エネの費用平準化・案件ミックス変化を織り込んだもの。実績の進捗率(営業利益301.9%)が示す上振れ余地と、主力2事業(廃棄物処理・資源リサイクル)の既存減益トレンドをバランスよく注視する必要がある。
売上債権回転日数の大幅改善(58.6日→39.1日)と短期借入金の圧縮(-29.4%)は運転資本効率と流動性の向上を示す。建設仮勘定93.3億円(総資産の5.4%)の固定資産化と収益寄与タイミング、再エネの稼働率安定化、廃棄物処理の単価改定・公共案件の受注動向が、次期以降の営業利益率回復と総資産回転率改善の鍵となる。
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