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91932026 第3四半期スタンダードJGAAP

東京汽船(9193) 2026年度第3四半期決算 増収9%

2026年度第3四半期の売上高は99.7億円(前年同期比+9.1%)、営業損失は2,400万円。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

東京汽船株式会社

運輸・物流/倉庫・運輸関連業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥99.7億¥91.4億+9.1%
営業利益−¥0.2億−¥1.8億+86.5%
経常利益¥2.1億¥0.6億+275.6%
純利益¥5.6億¥22.3億−74.9%
ROE(年換算)3.1%12.0%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計は、営業損益が大幅に改善しつつも本業黒字化には至らず、純利益は前年の特別益反動で減益となった。売上高は99.7億円(前年比+9.1%)、営業利益は▲0.2億円(前年▲1.8億円から改善)、経常利益は2.1億円(同+275.6%)、親会社株主に帰属する純利益は5.6億円(同▲74.9%)となった。純利益の減少は、前年同期に投資有価証券売却益20.8億円という大型の特別利益があった反動によるもので、当期も固定資産売却益4.0億円を中心とした特別利益4.1億円を計上している。

業績変動要因

【売上高】売上高は99.7億円で前年比+9.1%増収。セグメント別では主力の曳船事業が70.7億円(構成比70.9%)で前年比+8.9%、海事関連事業が16.1億円(同16.2%)で+119.5%と大幅拡大した一方、旅客船事業は12.9億円(同12.9%)で▲32.6%の減収となった。CTV(洋上風力発電交通船)関連需要の取り込みが海事関連事業の急拡大を牽引している。

【損益】売上総利益は15.4億円(粗利率15.4%、前年14.3%から+1.1pt改善)、販管費は15.6億円で伸び率+5.3%と売上成長率を下回り、営業損益は▲0.2億円(前年▲1.8億円)まで縮小した。セグメント利益では曳船事業が1.1億円の黒字転換、旅客船事業は▲0.4億円に悪化、海事関連事業は増収下でも▲1.3億円の赤字が続く。経常利益は受取配当金0.9億円・持分法投資利益1.1億円等の営業外収益2.9億円を得て2.1億円となったが、純利益は特別利益4.1億円(固定資産売却益4.0億円)を含みつつも前年の巨額特別益の反動で5.6億円にとどまった。増収かつ営業損益改善であるものの、経常段階までの改善が純利益に反映されず、実質的には増収・営業損益改善型の減益決算と評価できる。

セグメント別分析

曳船事業は売上70.7億円(前年比+8.9%)、営業利益1.1億円(利益率1.6%)で赤字から黒字に転換し、連結の唯一の黒字セグメントとなった。海事関連事業は売上16.1億円(同+119.5%)と大幅増収したが、営業損失1.3億円(利益率▲7.8%)で赤字幅は前年よりむしろ拡大しており、規模拡大が利益化に結びついていない。旅客船事業は売上12.9億円(同▲32.6%)と減収し、前年同期の黒字(0.3億円)から営業損失0.4億円(利益率▲3.2%)に転落した。なお、第1四半期に事業移管を伴うセグメント区分変更があり、前年数値は変更後の区分で再作成されている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は▲0.2%(前年▲1.9%から+1.7pt改善)、純利益率は5.6%だが、これは特別利益や税効果の影響を含み、本業の収益力を示す水準ではない。粗利率は15.4%で前年比+1.1pt改善、販管費率は15.7%で前年比▲0.6pt低下し、増収下での費用効率化が進んだ。【キャッシュ品質】現金及び預金は56.4億円で前年末比▲22.5億円減少しており、投資その他資産(関係会社株式・投資有価証券を中心に95.0億円)の積み増しとの関連が示唆される。【投資効率】ROE(年換算)は3.1%で、営業損益が赤字であることを踏まえると、この水準は特別利益等の非経常項目に依存している。【財務健全性】自己資本比率は78.2%と高く、有形固定資産128.4億円を中心とする資本集約型の事業構造下でも損失吸収力は厚い。総資産は310.9億円、純資産は243.2億円でいずれも前年から小幅減少している。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の個別数値は開示範囲に含まれないが、貸借対照表の推移からは資金動向を読み取れる。現金及び預金は56.4億円で前年同期の78.9億円から22.5億円(28.5%)減少した一方、投資その他の資産は95.0億円に増加し、うち関係会社株式は54.1億円と前年から18.4億円積み増された。この動きは、手元資金を関係会社株式や投資有価証券への投資に振り向けたことを示唆する。有形固定資産は128.4億円で前年から3.7億円減少しており、船舶を含む資産の売却・除却が進んだ可能性がある。短期借入金は15.0億円とほぼ横ばいで、現金預金は依然としてその3.7倍相当を確保しており、当面の資金繰りには余裕がある。

収益の質

当期の利益構造は経常的な収益力と一時的要因が混在しており、純利益の再現性は営業・経常利益に比べて低い。営業外収益2.9億円は受取配当金0.9億円と持分法投資利益1.1億円が中心で、比較的継続性のある項目である。一方、特別利益4.1億円の大半は固定資産売却益4.0億円が占め、特別損失3.1億円と合わせて差引1.0億円の一時的な利益寄与となっている。前年同期は投資有価証券売却益20.8億円という一時的要因が純利益を押し上げていたため、当期の純利益5.6億円との単純比較では大幅減益に見えるが、実態としては一時益の規模差によるものである。法人税等が2.5億円の利益(税金費用のマイナス)となっている点も税効果の影響であり、純利益率5.6%を経常的な収益力の指標として用いることは適切でない。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画に対する進捗は指標により差がある。売上高進捗率は76.2%(通期計画130.9億円)で、四半期の標準進捗75%を上回る。経常利益進捗率は77.1%(通期計画2.8億円)と同様に順調である一方、営業利益は通期計画0.1億円に対し累計で▲0.2億円の赤字であり、第4四半期での黒字転換が必要となる。純利益進捗率は9.1%(通期計画5.5億円)にとどまり、通期計画達成には第4四半期における相応の特別損益等の実現が前提となる。業績予想・配当予想はいずれも当四半期時点で修正されていない。

株主還元

期末配当予想は普通配当20円、特別配当30円の合計50円で、前期実績と同水準を計画している。期中平均株式数9,952千株を用いると年間配当総額は概算約49.8億円となり、通期純利益計画5.5億円に対する配当性向は約89.8%と高水準である。特別配当30円が年間配当の6割を占めるため、配当水準は経常的な事業利益よりも資産売却益等を含む通期利益計画の達成に依存する構造となっている。第3四半期累計の純利益5.0億円のみでは年間配当総額を賄えず、第4四半期の利益計画達成が配当維持の前提となる。自己資本比率78.2%、現金及び預金56.4億円という財務基盤は支払能力を支えるが、配当の持続性を高めるには営業黒字の定着が課題である。

リスク要因

  1. 本業収益性の低迷: 営業利益率は▲0.2%と改善傾向にあるものの、なお赤字圏にある。粗利率15.4%の低水準は燃料費や人件費、船舶整備費の変動に対する感応度を高め、運賃・稼働率の小幅な変化でも損益が振れやすい構造にある。

  2. 旅客船事業の収益悪化: 旅客船事業は売上高が前年比▲32.6%の12.9億円に減少し、前年同期の黒字から営業損失0.4億円に転落した。需要動向や天候・海象条件が業績変動要因となり得る。

  3. 現金及び預金の減少と投資資産の増加: 現金及び預金は前年同期比▲22.5億円(▲28.5%)減少する一方、関係会社株式・投資有価証券を中心とする投資その他資産は+24.4億円増加した。株式市場価格や持分法適用先の業績変動が純資産・利益に波及しうる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(transport)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率−0.2%6.9% (4.4%–9.1%)−7.1pt
純利益率5.6%11.6% (2.9%–22.2%)−6.0pt

自社の収益性は業種中央値を大きく下回り、特に営業利益率は業種下位水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)9.1%9.2% (5.5%–10.3%)−0.2pt

売上高成長率は業種中央値とほぼ同水準で、成長ペースは業種平均並みである。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 曳船事業の黒字転換(営業利益1.1億円、利益率1.6%)が連結営業損益改善の中核であり、増収を続ける海事関連事業(+119.5%増収)の利益化が今後の焦点となる。

  2. 純利益は固定資産売却益4.0億円を中心とした特別利益や税効果の影響を受けており、営業利益率▲0.2%という本業の実態と乖離がある。経常的な収益力の評価には営業・経常利益の推移がより適している。

  3. 通期純利益計画に対する進捗率は9.1%にとどまり、計画達成には第4四半期の特別損益等の実現が前提となる。一方、自己資本比率78.2%という財務基盤の厚さは、業績変動に対する耐性を支えている。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,801円
base(基準)1,804円
bull(強気)1,807円
算出前提
1株純資産(BPS)2,444円
調整後予想EPS20.5円
株主資本コスト r10.87%(10年国債 2.87% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向9.0%
予想EPSの信頼度調整×1.060(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.74倍 / 88.0倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,755円〜1,855円、ω±0.1で 1,784円〜1,817円。

注記:

  • 一時的な損益の影響を除くため、経常利益等から算出した正規化EPSを使用しています(会社予想EPSは557.1円)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-08 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。