- 売上高: 3,356.77億円
- 営業利益: 171.67億円
- 当期純利益: 96.51億円
- 1株当たり当期純利益: 57.44円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 3,356.77億円 | 3,345.18億円 | +0.3% |
| 販管費 | 307.41億円 | 306.88億円 | +0.2% |
| 営業利益 | 171.67億円 | 241.68億円 | -29.0% |
| 営業外収益 | 48.71億円 | 61.87億円 | -21.3% |
| 営業外費用 | 27.21億円 | 19.44億円 | +40.0% |
| 経常利益 | 193.17億円 | 284.11億円 | -32.0% |
| 税引前利益 | 230.24億円 | 303.71億円 | -24.2% |
| 法人税等 | 133.73億円 | 84.13億円 | +59.0% |
| 当期純利益 | 96.51億円 | 219.57億円 | -56.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 112.63億円 | 215.88億円 | -47.8% |
| 包括利益 | 128.48億円 | 189.86億円 | -32.3% |
| 減価償却費 | 226.59億円 | 203.04億円 | +11.6% |
| 支払利息 | 22.79億円 | 16.85億円 | +35.3% |
| 1株当たり当期純利益 | 57.44円 | 109.81円 | -47.7% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 51.04円 | 96.24円 | -47.0% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 2,469.89億円 | 2,564.17億円 | -94.28億円 |
| 現金預金 | 420.53億円 | 586.37億円 | -165.84億円 |
| 売掛金 | 652.03億円 | 715.59億円 | -63.56億円 |
| 棚卸資産 | 92.55億円 | 78.59億円 | +13.96億円 |
| 固定資産 | 12,763.81億円 | 11,924.91億円 | +838.90億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 165.38億円 | 297.97億円 | -132.59億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 581.53億円 | 363.45億円 | +218.08億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 3.4% |
| 流動比率 | 69.6% |
| 当座比率 | 67.0% |
| 負債資本倍率 | 2.03倍 |
| インタレストカバレッジ | 7.53倍 |
| EBITDAマージン | 11.9% |
| 実効税率 | 58.1% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 営業収益前年同期比 | +0.3% |
| 営業利益前年同期比 | -29.0% |
| 経常利益前年同期比 | -32.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -47.8% |
| 包括利益前年同期比 | -32.3% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 196.70百万株 |
| 自己株式数 | 567千株 |
| 期中平均株式数 | 196.09百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,566.97円 |
| EBITDA | 398.26億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 38.50円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Distribution | 22.72億円 | -15.79億円 |
| LeisureAndServices | 2.84億円 | 19.16億円 |
| RealEstate | 73.29億円 | 73.77億円 |
| Traffic | 14.29億円 | 124.43億円 |
| Transport | 2.16億円 | -48.37億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 6,950.00億円 |
| 営業利益予想 | 340.00億円 |
| 経常利益予想 | 340.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 210.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 107.10円 |
| 1株当たり配当金予想 | 40.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の名古屋鉄道は、売上は3,356.8億円、利益面は二桁減益で、特に純利益が大幅減となる厳しい決算でした。営業利益は171.7億円で前年同期比-29.0%、経常利益は193.2億円で-32.0%、純利益は112.6億円で-47.8%と減少幅が拡大しました。営業利益率は5.1%(=171.7/3,356.8)で、営業外収支の純寄与+21.5億円により経常利益率は5.8%(+64bp)へ改善、特別損益の純増+37.1億円で税引前利益率は6.9%(+110bp)へさらに上乗せされました。一方、実効税率は58.1%と異常に高く、税負担の増大が純利益率3.4%までの圧縮に大きく影響しています。営業外収入は48.7億円(受取配当15.4億円、受取利息2.0億円を含む)で、営業外収入比率は43.2%と利益構成の依存度が高めです。営業CFは165.4億円で純利益112.6億円の1.47倍と利益の現金化は良好ですが、鉄道・不動産中心の高設備投資モデルを勘案すると未開示の投資CF次第でFCFは不透明です。貸借対照表では総資産1.5兆円、純資産5,034.7億円、負債1.02兆円と資本集約度が高く、D/E(負債資本倍率)2.03倍、Debt/EBITDA 7.84倍とレバレッジは高めです。流動比率69.6%、当座比率67.0%で短期流動性は警戒域、運転資本は-1,077.2億円と短期負債超過構造です。インタレストカバレッジは7.53倍と支払利息に対する余力は現状十分ですが、金利上昇や利益変動には脆弱です。EBITDAは398.3億円、減価償却費226.6億円と非現金費用が厚く、会計利益よりキャッシュ創出力は相対的に安定しています。ROEは2.2%(純利益率3.4%×総資産回転率0.220×財務レバレッジ3.03)と低位で、ROICは1.1%と資本コストを大幅に下回っています。収益性低下の主因はマージン圧縮と異常に高い実効税率であり、営業外・特別要因の寄与で税引前段階は底上げされたものの、最終利益への結実は限定的でした。鉄道(旅客・運輸)を中心とする景気・観光需要の回復の鈍化、コスト高(賃金・エネルギー・保守)や不動産開発の原価上昇が逆風と推察されます。短期の最大の懸念は流動性(<1.0倍)とレバレッジ(>2.0倍)の二重警告で、借換え・短期負債管理の高度化が必要です。将来については、運賃・料金改定、混雑率の回復、ホテル・レジャー・流通の稼働改善、保有資産の入替(投資有価証券1,617億円の活用)による資本効率改善がカギになります。税率の正常化が起これば純利益率は機械的に回復し得る一方、基礎的な営業力の立て直し(コストコントロールと収益ミックス改善)が不可欠です。なお、本企業は総合商社ではないため、商社特有の持分法利益依存やROICベンチマークは参考値に留めます(当社開示で持分法利益は未記載)。総じて、キャッシュ創出は利益に対して健全だが、収益性低下と流動性・レバレッジ指標の悪化が投資行動の柔軟性を制約している決算です。
ステップ1(ROE分解): ROE 2.2% = 純利益率3.4% × 総資産回転率0.220 × 財務レバレッジ3.03。ステップ2(寄与度特定): 低ROEの主因は純利益率の低さにあり、次いで総資産回転率の低さ(資本集約業の構造)も影響、レバレッジはむしろROEを補助的に押し上げています。ステップ3(ビジネス背景): 純利益率低下は、(a) 営業利益の減少(-29%)による営業段階のマージン圧迫、(b) 実効税率58.1%の上振れ(税効果の剥落や一過性損益の税務影響)に起因。総資産回転率0.220は、鉄道・不動産等の固定資産厚いビジネスモデルの帰結で、短期に改善しにくい。ステップ4(持続性評価): 税率の異常値は一時的要因の可能性が高く正常化余地あり。一方、コスト上昇や運輸・観光需要の回復鈍化による営業マージン圧力は中期的に残存し得る。資産回転率は新線投資や再開発の立上り期間ではむしろ低下リスクもある。ステップ5(懸念トレンド): 売上高の前年伸びが未開示のため完全比較不可だが、営業利益の減収幅が大きいことから、販管費や固定費(人件費・電力・保守費)の伸びが売上の伸びを上回った公算が高い。また、営業外収入比率43.2%と非コア貢献への依存度上昇は、基礎収益の脆弱化を示唆する。
売上高は3,356.8億円で前年推移は未開示、営業利益は-29%と大幅減益。経常段階は営業外収支の純寄与+21.5億円、特別損益の純増+37.1億円で税引前は底上げされたが、純利益は高税率で大幅減。足元の営業利益率5.1%は電力・人件費・保守費の上昇の影響を受けやすく、運輸・観光関連の需要の伸び鈍化が重し。利益の質は、営業CF/純利益1.47倍と現金創出は良好で、EBITDA 398.3億円・償却226.6億円からみて基礎キャッシュフローは安定。先行きは、(1) 需要回復(訪日・観光・商業施設稼働)、(2) 運賃・料金改定の実施度、(3) 不動産・ホテル・流通の稼働改善、(4) エネルギーコストの落ち着き、(5) 税率の正常化、が回復ドライバー。逆に、原価高止まりと金利上昇は成長鈍化要因。売上持続可能性は地域経済・人口動態に依存し、資本効率改善には既存資産の収益化・入替(投資有価証券1,617億円の活用や低採算資産の売却)が有効とみられる。
流動性: 流動比率69.6%、当座比率67.0%と1.0を下回り明確な警告シグナル。短期借入金801.2億円を含む流動負債3,547.1億円に対し、現金預金420.5億円・売掛金652.0億円・棚卸92.6億円など流動資産2,469.9億円で満期ミスマッチリスクが顕在。支払能力・資本構成: D/E 2.03倍(警告域)、Debt/EBITDA 7.84倍と高レバレッジだが、インタレストカバレッジ7.53倍で現時点の利払い余力は確保。長期借入金2,319.5億円を含む固定負債6,651.9億円は、長期資産(固定資産1.28兆円)に概ね対応し、資産・負債のデュレーションは一定の整合。ただし、短期負債比率が高く借換え・金利上昇の影響を受けやすい。オフバランス債務は開示情報からは特定できず、リース・第三セクター関連の潜在負担は留意。
営業CF165.4億円は純利益112.6億円の1.47倍で品質は良好。EBITDA398.3億円・減価償却226.6億円と非現金費用の厚みがキャッシュ創出を下支え。FCFは投資CF未開示のため算定不可だが、鉄道・不動産の性質上、設備投資は償却費並み〜超過となる傾向が強く、通期でのFCFは弱含む可能性。運転資本は期末ベースで-1,077.2億円と短期負債依存が高く、営業CFの期中変動に注意(前受金・未払金の増減による操作的見え方のリスク)。営業CF/売上は約4.9%と中庸で、税・利払・運転資本の影響を受けやすい構造。
配当性向は67.2%と目安の60%を上回り、足元利益水準ではやや負担感。FCFカバレッジは投資CF未開示につき評価困難だが、設備投資負担と高レバレッジを考慮すると、増配余地は限定的で安定配当重視が現実的。財務CFが581.5億円の資金流入である点は、配当原資を間接的に支える一方でレバレッジ維持・増加の副作用もあり、今後は内部創出と投資配分のバランスが重要。方針見通しとしては、利益回復(税率正常化・マージン改善)を待ち、配当性向の逓減(または据え置き)で安定性を確保する公算。
ビジネスリスク:
- 旅客需要・観光需要の変動(景気・感染症・訪日動向)による運輸収入のブレ
- エネルギー・電力料金の上昇と保守費用の増加によるマージン圧迫
- 不動産開発・建設コストの高止まりによる投資採算の悪化・遅延
- 人件費の上昇(人手不足)による固定費増
- 規制・運賃改定の不確実性
財務リスク:
- 流動比率<1.0による短期資金繰り・借換えリスクの顕在化
- D/E 2.03倍、Debt/EBITDA 7.84倍の高レバレッジによる金利上昇感応度
- 高い実効税率の継続によるフリーキャッシュへの下押し
- 資産価値下落(投資有価証券1,617億円含む)による評価損リスク
主な懸念事項:
- 実効税率58.1%の異常値が純利益を大きく圧縮(要因の一過性/継続性の検証が必要)
- 営業外収入比率の上昇に伴うコア収益力の毀損懸念
- 短期負債依存が高い資本構成と満期ミスマッチ
- ROIC 1.1%と資本コストを大幅に下回る資本効率の低迷
重要ポイント:
- 減益幅は純利益で-47.8%と大きく、税負担増が下押しを拡大
- 営業利益率5.1%に対し、営業外・特別要因で税引前利益率は6.9%まで上昇(+174bp)
- 営業CF/純利益1.47倍と利益の現金化は良好
- 流動比率0.70、D/E 2.03倍、Debt/EBITDA 7.84倍と財務の柔軟性は限定的
- ROE 2.2%、ROIC 1.1%と資本効率は低位で、改善余地が大きい
注視すべき指標:
- 実効税率の正常化進捗とその一過性要因の開示
- 運賃・料金改定や混雑率/輸送人キロの回復度合い
- エネルギー・電力単価、保守費の動向と原価コントロール
- 投資CF・設備投資額とFCFのバランス、資産入替の実行
- 短期借入金のロールオーバー進捗と平均調達金利
セクター内ポジション:
大手私鉄同業(東急・阪急阪神・京急等)と比べ、今期は収益性指標(OPM、ROE/ROIC)が低位、レバレッジは高め、流動性は弱め。観光・不動産の回復度合いと税率正常化が相対的な巻き返しの鍵。
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