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90392026 第3四半期プライムJGAAP

サカイ引越センター(9039) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は872.5億円(前年同期比+2.9%)、営業利益は76.6億円(同-4.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

運輸・物流/陸運業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥872.5億¥847.8億+2.9%
営業利益¥76.6億¥80.0億−4.3%
経常利益¥79.0億¥81.7億−3.2%
純利益¥51.2億¥54.3億−5.7%
ROE(年換算)7.1%7.5%-

Executive Summary

2026年度第3四半期累計は増収減益となり、原価上昇による採算悪化が業績の質を左右している。売上高は872.5億円(前年847.8億円、YoY+2.9%)、営業利益は76.6億円(前年80.0億円、YoY-4.3%)、経常利益は79.0億円(同-3.2%)、純利益は51.2億円(同-5.7%)となった。主力の引越事業が売上を伸ばした一方、売上原価の増加率(+4.0%)が売上成長率を上回り、粗利益率・営業利益率が前年同期から低下したことが減益の主因である。

業績変動要因

【売上高】売上高は872.5億円で前年同期比+2.9%増加し、全報告セグメントで外部売上高が前年を上回った。引越事業は730.2億円(+2.3%)で連結売上の83.7%を占め、電気工事事業37.9億円(+5.6%)、クリーンサービス事業43.6億円(+5.6%)、リユース事業54.8億円(+5.6%)が続く。主力の引越事業への高い依存度が、連結成長の持続性を左右する構造となっている。

【損益】営業利益は76.6億円(-4.3%)、経常利益は79.0億円(-3.2%)、純利益は51.2億円(-5.7%)といずれも減益した。売上原価は+4.0%増と売上成長率を上回り、粗利益率は37.1%(前年37.7%)へ64bp低下した。販管費率は28.3%でほぼ横ばいのため、収益性悪化の主因は原価側にある。特別損益は特別利益0.2億円に対し特別損失0.4億円と純額でわずかにマイナスであり、純利益を押し上げる一時的要因ではない。増収減益。

セグメント別分析

最大の利益貢献セグメントは引越事業で、外部売上高730.2億円(+2.3%)、セグメント利益65.0億円(-3.4%)、利益率は9.4%から8.9%へ低下した。電気工事事業は売上37.9億円(+5.6%)、利益5.9億円(-3.0%)、利益率は17.0%から15.6%へ低下し、報告セグメント中最も高い利益率を維持する。クリーンサービス事業は売上43.6億円(+5.6%)、利益3.6億円(-10.5%)、利益率9.7%から8.2%へ低下と最も大きな悪化を示した。リユース事業は売上54.8億円(+5.6%)、利益0.9億円(+1.1%)だが利益率は1.7%と低位にとどまる。全セグメントで増収ながら利益率が低下しており、周辺事業の規模拡大が収益性改善に直結していない点が課題である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は8.8%で前年同期の9.4%から66bp低下し、純利益率も5.9%(前年6.4%)へ54bp低下した。粗利率は37.1%(前年37.7%)で、原価上昇が収益性悪化の主因である。【キャッシュ品質】インタレストカバレッジは支払利息0.2億円に対し極めて高い水準で、金利負担は収益性の制約となっていない。実効税率は約35.0%である。【投資効率】ROE(年換算)は7.1%で、純利益率・総資産回転率・財務レバレッジの3要素のうち収益性の悪化がROE低下の主因となっている。【財務健全性】自己資本比率は84.0%と極めて高く、流動資産303.0億円は流動負債150.4億円を大きく上回る。現金及び預金225.7億円は有利子負債(短期借入金17.0億円、長期借入金12.0億円)を大幅に上回り、財務基盤は保守的である。

キャッシュフロー分析

CF計算書の個別データは開示範囲外だが、BS推移から資金動向を読み取ると、現金及び預金は225.7億円で前年同期の300.1億円から減少している。同時に売掛金が37.7億円(前年113.0億円から大幅減)、買掛金も35.3億円(前年75.7億円から大幅減)へ縮小しており、売上債権の回収進展と仕入債務の圧縮が並行して進んだ。有形固定資産は735.2億円(前年725.5億円)へ増加し、投資活動による資金投下が続いていることがうかがえる。有利子負債は29.0億円と小規模で、Debt/Capital比率は2.9%と低く、資金調達面での外部依存は限定的である。

収益の質

営業外収益は3.2億円で売上高の0.4%にとどまり、受取配当金0.5億円などから構成され、営業利益から経常利益への押し上げ効果は小さい。特別利益は固定資産売却益0.2億円、特別損失は0.4億円であり、税引前利益には純額でわずかにマイナスの影響を与えた。経常利益79.0億円に対し純利益は51.2億円で乖離率は35.2%であり、主因は法人税等27.6億円の負担である。一時的損益の寄与が小さいため、当期の利益は本業の実力に近い経常的な収益構造を反映している。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画は売上高1254.8億円(YoY+3.7%)、営業利益130.9億円(YoY+1.2%)、経常利益133.7億円(YoY+1.7%)で据え置かれている。第3四半期累計の進捗率は売上高69.5%、営業利益58.5%、経常利益59.1%であり、標準的な75%水準を下回る。特に営業利益進捗は16.5ポイントの遅れがあり、計画達成には第4四半期に約54.3億円、利益率換算で約14.2%の営業利益率が必要となる。これは累計の8.8%を大きく上回る水準であり、引越需要が集中する繁忙期の採算改善が計画達成の前提となる。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり30.00円で、配当金のみを分子とした累計配当性向は24.8%である。通期配当予想は1株当たり98.00円、通期EPS予想219.68円から算出される予想配当性向は約44.6%となり、一般的な持続可能性の目安である60%を下回る。利益剰余金は906.1億円、純資産962.3億円と厚く、配当継続のバランスシート上の余力は大きい。ただし通期利益計画の進捗が57.5%(純利益)にとどまるため、配当予想の前提となる第4四半期の利益積み上げが重要である。

リスク要因

  1. 主力事業への依存: 引越事業が外部売上高の83.7%を占め、住宅移転需要や年度末繁忙期の稼働状況が連結業績に大きく影響する構造である。

  2. コスト上昇と価格転嫁: 売上原価は+4.0%増と売上高成長率+2.9%を上回り、粗利益率は64bp低下した。人手不足や外注費・燃料費上昇の吸収力が今後の利益率を左右する。

  3. 通期計画達成に向けた第4四半期依存: 営業利益の進捗率は58.5%にとどまり、計画達成には第4四半期に約14.2%の営業利益率が必要となる。繁忙期の採算未達は利益・配当計画に下方圧力を及ぼし得る。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(transport)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率8.8%6.9% (4.4%–9.1%)+1.9pt
純利益率5.9%11.6% (2.9%–22.2%)−5.8pt

営業利益率は業種中央値を上回るが、純利益率は業種内で低位にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)2.9%9.2% (5.5%–10.3%)−6.3pt

売上高成長率は業種中央値を下回り、成長ペースは業種内で緩やかな位置づけにある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 増収を維持している一方、原価上昇により粗利益率・営業利益率が前年同期比で低下している点が、当期決算の構造的な特徴である。

  2. 自己資本比率84.0%、Debt/Capital比率2.9%、現金及び預金225.7億円という保守的な財務体質は、業績変動への耐久力を示している。

  3. 通期会社計画は据え置かれているが、営業利益の進捗率58.5%は第4四半期に高い収益性の実現を前提としており、繁忙期の採算動向が計画達成の分岐点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,346円
base(基準)2,383円
bull(強気)2,422円
算出前提
1株純資産(BPS)2,383円
調整後予想EPS232.8円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向44.6%
予想EPSの信頼度調整×1.060(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.00倍 / 10.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,318円〜2,451円、ω±0.1で 2,383円〜2,383円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。