| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1247.4億 | ¥1210.2億 | +3.1% |
| 営業利益 | ¥125.7億 | ¥129.2億 | -2.7% |
| 経常利益 | ¥132.3億 | ¥131.4億 | +0.7% |
| 純利益 | ¥76.7億 | ¥78.8億 | -2.6% |
| ROE | 7.7% | 8.2% | - |
2026年3月期通期決算は、売上高1,247.4億円(前年比+37.2億円 +3.1%)、営業利益125.7億円(同-3.5億円 -2.7%)、経常利益132.3億円(同+0.9億円 +0.7%)、純利益76.7億円(同-2.1億円 -2.6%)と、増収ながら営業段階で減益、最終利益も前年を下回った。売上は主力の引越事業が堅調に推移したほか、電気工事、クリーン、リユースの非コア領域が高い伸長率を示し全体を下支えした。営業利益率は10.1%と前年比0.6pt縮小し、粗利率が37.7%(前年38.4%)と0.7pt低下したことが主因で、人件費・燃料費・外注単価の上昇を価格転嫁で完全には吸収しきれなかった。経常段階では営業外収益(受取利息・配当金等)が前年比2.3倍に増加し、営業減益を一部カバーした。純利益の減少は営業段階の減益に加え、実効税率34.5%の負担が影響した。
【売上高】 売上高1,247.4億円(+3.1%)の内訳は、引越事業1,053.6億円(+2.0%)が売上構成の84.4%を占め、電気工事90.5億円(+8.7%)、クリーン59.0億円(+5.2%)、リユース78.6億円(+14.2%)の付帯サービス3事業が二桁近い成長を示した。引越事業は繁忙期需要の取り込みと平準化施策の継続により安定的に拡大し、電気工事は新規顧客層の開拓、クリーンは高齢者向けサービスの拡充、リユースは不用品買取需要の増加がそれぞれ寄与した。地域別では国内売上が連結売上高の90%超を占め、海外展開は限定的。セグメント間取引消去後の連結ベースで、主力の引越が増収基調を維持し、非コア領域が全体成長率を牽引する構図が鮮明となった。
【損益】 売上総利益470.8億円、粗利率37.7%(前年38.4%、-0.7pt)と粗利率が低下した。背景には、燃料費上昇(軽油価格の高止まり)、協力会社への外注単価上昇、人件費増加(ベア・昇給の継続)があり、価格転嫁は進めたものの完全吸収には至らなかった。販管費は345.1億円(前年335.6億円、+2.8%)と売上成長率+3.1%を若干下回るペースで増加し、販管費率は27.7%と前年比0.0pt横ばいを維持した。この結果、営業利益125.7億円(-2.7%)、営業利益率10.1%(前年10.7%、-0.6pt)と減益となった。経常利益は132.3億円(+0.7%)で、営業外収益7.7億円(前年3.4億円)の増加が補完した。内訳は受取利息・配当金1.4億円(前年0.7億円)の倍増や、その他営業外収益2.1億円の寄与が大きい。営業外費用は1.1億円と小幅で、支払利息0.3億円を含め負担は軽微だった。特別損益は利益0.3億円(固定資産売却益)、損失0.5億円(減損損失0.04億円含む)とほぼ中立で、税引前利益132.1億円に対し法人税等45.5億円(実効税率34.5%)を計上し、最終利益76.7億円(-2.6%)と減益着地。結論として、増収ながら粗利率低下による営業減益、経常は営業外収益増で微増益、最終は税負担重く微減益となった。
引越事業は売上1,053.6億円(+2.0%)、セグメント利益114.4億円(-0.3%)で、利益率10.8%と高水準を維持したが前年比微減。電気工事事業は売上90.5億円(+8.7%)、利益6.4億円(-3.3%)で、売上増にもかかわらず材料費・外注費上昇で利益率が12.8%から低下。クリーンサービス事業は売上59.0億円(+5.2%)、利益4.4億円(-5.6%)で、人件費増と稼働率のばらつきが利益率7.4%への圧迫要因となった。リユース事業は売上78.6億円(+14.2%)、利益2.3億円(+152.2%)と大幅増益で、取扱品目拡大と買取単価改善により利益率は3.0%へ急改善した。その他(不動産賃貸等)は売上9.7億円(+16.9%)、利益5.9億円(+2.4%)。全社ベースでは引越事業が利益の大半を稼ぐ一方、リユース事業の収益寄与が拡大し、ポートフォリオの多様化が進展している。
【収益性】営業利益率10.1%(前年10.7%、-0.6pt)、純利益率6.2%(前年6.5%、-0.4pt)と前年比で縮小。ROEは7.7%と自社過去実績を下回り、デュポン分解では純利益率6.2%×総資産回転率0.966×財務レバレッジ1.30倍の積となる。純利益率低下が主因で、粗利率の縮小と実効税率34.5%の負担が影響した。【キャッシュ品質】営業CF93.0億円は純利益76.7億円の1.21倍で、利益の現金転換は概ね良好。OCF/EBITDA比率は0.64倍(EBITDA=営業利益125.7億円+減価償却18.9億円=144.6億円)とやや低く、法人税支払49.1億円の増加と運転資本変動(棚卸-2.4億円、売掛-0.4億円)が圧迫要因。アクルーアル比率は-0.5%と低く、会計利益の質は高い。【投資効率】総資産回転率0.966回/年、有形固定資産回転率1.70回/年で資産効率は良好。設備投資23.6億円は減価償却18.9億円の1.25倍で、維持更新+成長投資のバランスを保つ。ROICは営業利益125.7億円÷投下資本(有利子負債27.7億円+純資産993.5億円)=12.3%と高水準。【財務健全性】自己資本比率76.9%(前年75.4%、+1.5pt)、流動比率167.2%、当座比率161.9%と流動性は厚い。有利子負債27.7億円、Debt/EBITDA0.19倍、インタレストカバレッジ392.9倍と極めて保守的な財務構成。現金及び預金295.3億円は短期有利子負債17.0億円の17.4倍に達し、リファイナンスリスクは極小。
営業CFは93.0億円(前年比-4.4%)で、営業CF小計140.8億円から法人税支払49.1億円、棚卸資産増-2.4億円、その他運転資本変動等を調整した結果。前年比では、営業CF小計が140.8億円(前年137.8億円)と微増したが、法人税支払が49.1億円(前年41.1億円)へ+8.0億円増加し、運転資本も純資金化が若干遅れたことで全体が前年割れとなった。投資CFは-30.5億円で、設備投資-23.6億円、無形資産取得-6.1億円、投資有価証券取得-17.4億円が主な支出。一方で投資有価証券売却5.5億円、定期預金純増13.7億円等が資金流入となった。フリーCF(営業CF+投資CF)は62.5億円で、前年82.3億円から減少したが、配当支払45.5億円と自社株買い11.6億円の合計57.1億円を十分にカバーする水準を維持した。財務CFは-67.5億円で、長期借入金返済-6.0億円、短期借入金純増2.9億円、自社株買い-11.6億円、配当支払-45.5億円が主要項目。現金及び現金同等物は期末257.1億円(前年262.1億円)と小幅減少したが、手元流動性は依然として厚く、外部調達に依存しない自律的な資金循環が確立している。
当期の収益は本業中心で、特別損益は軽微(特別利益0.3億円、特別損失0.5億円)だった。営業外収益7.7億円(売上高比0.6%)は受取利息・配当金1.4億円、保険収入0.3億円等で構成され、金額は前年比倍増したが売上の1%未満に収まり一時的要因への依存度は低い。経常利益132.3億円と純利益76.7億円の乖離は主に税負担(法人税等45.5億円、実効税率34.5%)によるもので、構造的な異常項目は見られない。包括利益89.9億円は純利益76.7億円に対し13.2億円上回り、その他有価証券評価差額金3.4億円の増加が寄与した。アクルーアル品質は良好で、営業CF93.0億円が純利益76.7億円を上回り、アクルーアル比率-0.5%と低水準。一方でOCF/EBITDA0.64倍はやや低く、税金支払増と運転資本の微増が現金転換効率を抑制した一時的要因と評価する。
通期業績予想は売上高1,300.1億円(前年比+4.2%)、営業利益130.5億円(+3.8%)、経常利益133.7億円(+1.0%)、純利益76.4億円(-0.5%)、EPS215.80円を計画している。当期実績(売上1,247.4億円、営業125.7億円、経常132.3億円、純利益76.7億円)に対し、売上・営業とも増収増益を見込むが、経常・純利益は横ばい圏内の計画となっている。進捗率は売上95.9%、営業96.3%、経常99.0%、純利益100.4%と概ね計画線上で推移している。来期見通しでは、引越事業の安定成長に加え、付帯サービス3事業の二桁成長継続を前提に増収を想定し、価格最適化と効率投資によるマージン横ばい~微改善を織り込んでいる。
年間配当は98円(中間30円、期末68円で記念配当10円含む)で、配当性向は45.0%。前年配当15円(年間換算)からの大幅増配だが、記念配当除くベース配当は88円で実質増配基調を継続している。配当総額45.5億円に対しFCF62.5億円で、FCFカバレッジは1.37倍と持続可能性は高い。自社株買いは11.6億円を実施し、配当と合わせた総還元額57.1億円、総還元性向は74.4%となった。配当と自社株買いの合計に対するFCFカバレッジは1.09倍で、株主還元は自己資金の範囲内に収まっている。強固な財務基盤(現金295.3億円、有利子負債27.7億円)を背景に、安定配当を基軸とした株主還元方針の継続が可能な水準にある。
収益集中リスク: 引越事業が売上の84.4%、セグメント利益の大半を占め、景気変動・競争激化・人手不足の影響を受けやすい。繁忙期(3-4月)への売上偏重度が高く、天候不順や災害による需給変動が業績を左右する。売上構成比の高さから、引越単価や受注件数の変動が全社利益に直結するため、非コア領域の拡大による収益源多様化が課題となる。
コスト上昇圧力: 粗利率が前年比0.7pt低下し37.7%となり、人件費・燃料費・外注単価の上昇を価格転嫁で完全吸収できなかった。人手不足環境の継続により人件費上昇圧力は構造的で、燃料価格の高止まりも運送コストを押し上げている。協力会社への外注単価も上昇傾向にあり、今後の価格政策とコスト効率化の両立が利益率維持の鍵となる。
短期負債・流動性管理: 短期負債比率61.3%と高めで、短期借入金17.0億円、買掛金76.3億円、前受金40.8億円等が流動負債の大半を占める。現金295.3億円と厚い手元資金で当面のリファイナンスリスクは低いが、運転資本管理の巧拙が利益・CFの変動要因となる。また、投資有価証券71.5億円の市場変動によるAOCIのブレ(当期+3.4億円)が包括利益に影響する可能性がある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 10.1% | 6.3% (3.7%–8.5%) | +3.8pt |
| 純利益率 | 6.2% | 2.7% (1.6%–4.7%) | +3.4pt |
収益性は運輸業種内で上位に位置し、営業利益率は中央値を3.8pt、純利益率は3.4pt上回る。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 3.1% | 5.0% (-0.4%–9.4%) | -1.9pt |
売上成長率は業種中央値を下回り、成長ペースはやや慎重な水準にある。
※出所: 当社集計
営業利益率10.1%は運輸業種内で上位水準にあるが、前年比0.6pt縮小し、粗利率も0.7pt低下した。人件費・燃料費・外注単価の上昇を価格転嫁で完全吸収できず、今後の価格政策とコスト効率化の実行力がマージン反転の鍵となる。付帯サービス3事業の高成長(電気工事+8.7%、クリーン+5.2%、リユース+14.2%)が収益源の多様化に寄与しており、引越以外の利益貢献拡大が注目される。
財務体質は極めて強固で、自己資本比率76.9%、Debt/EBITDA0.19倍、インタレストカバレッジ392.9倍、現金295.3億円と保守的な資本構成を維持している。FCF62.5億円は配当・自社株買い合計57.1億円を上回り、外部調達に依存しない自律的な資金循環が確立されている。OCF/EBITDA0.64倍とやや低めだが、これは税金支払増と運転資本の一時要因によるもので、現金転換効率の回復が期待される。
配当性向45.0%、総還元性向74.4%と株主還元は積極的で、記念配当を除くベース配当88円も実質増配基調を継続している。強固な手元資金と低レバレッジを背景に、安定配当と機動的な自社株買いの両立が可能な水準にあり、中長期的な株主還元の持続可能性は高い。
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