クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥41.2億 | ¥42.0億 | −1.8% |
| 営業利益 | ¥4.0億 | ¥2.7億 | +48.1% |
| 経常利益 | ¥4.2億 | ¥2.8億 | +52.4% |
| 純利益 | ¥2.9億 | ¥1.8億 | +59.0% |
| ROE | 3.7% | 2.4% | - |
Executive Summary
2026年度第2四半期(中間期)連結決算は、売上高41.2億円(前年同期比-0.7億円 -1.8%)と微減収となったが、営業利益4.0億円(同+1.3億円 +48.1%)、経常利益4.2億円(同+1.4億円 +52.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益2.9億円(同+1.1億円 +59.0%)と大幅増益を実現した。EPS基本は31.66円で前年19.96円から58.6%上昇した。営業利益率は9.8%で前年6.5%から3.3ポイント改善し、収益性が顕著に向上した。
業績変動要因
【売上高】売上高は41.2億円で前年比1.8%減の微減収。セグメント別では社宅マネジメント事業が21.9億円(構成比53.0%)でセグメント間取引を除く外部売上ベースで前年比+6.1%増、マンションマネジメント事業は18.5億円(同44.9%)で前年比-9.4%減、インキュベーション事業は0.9億円(同2.1%)で前年比-8.2%減となった。社宅マネジメント事業の増収がマンションマネジメント事業の減収を一部相殺したが、全体では微減収となった。【損益】営業利益は4.0億円で前年比+48.1%の大幅増益。社宅マネジメント事業の営業利益は6.6億円(前年5.2億円から+26.9%増)、マンションマネジメント事業は1.5億円(前年1.6億円から-6.3%減)、インキュベーション事業は-0.2億円の赤字(前年-0.1億円から赤字幅拡大)、全社費用等の調整額は-4.0億円(前年-4.0億円とほぼ同水準)となった。社宅マネジメント事業の高利益率化と全社費用の抑制が全体の営業利益改善に寄与した。営業外損益は収益0.2億円・費用0.0億円で経常利益4.2億円となり、営業利益から経常利益への上乗せは0.2億円とほぼ営業ベースの利益水準を維持した。特別損失として減損損失0.1億円(インキュベーション事業における有形固定資産の減損)と固定資産除売却損0.0億円を計上し、税引前利益は4.2億円、法人税等1.3億円を控除後の当期純利益は2.9億円となった。経常利益と純利益の比率は約69%で、実効税率は約31%と標準的な水準である。減損損失は一時的要因であり、来期以降は非経常損失がなくなることで純利益水準がさらに改善する可能性がある。結論として、減収増益の決算であり、収益性改善(高利益率事業の伸長とコスト管理)が利益押し上げの主因となった。
セグメント別分析
社宅マネジメント事業は外部売上21.9億円、営業利益6.6億円で利益率30.3%と非常に高く、全体の主力事業である。前年比で売上+6.1%増、営業利益+26.9%増と増収増益を達成し、全社の利益成長を牽引した。マンションマネジメント事業は外部売上18.5億円、営業利益1.5億円で利益率8.1%と相対的に低い。前年比で売上-9.4%減、営業利益-6.3%減と減収減益となったが、利益率は前年7.9%から8.1%へ微増しており効率改善の兆しが見られる。インキュベーション事業は外部売上0.9億円、営業損失0.2億円で利益率-17.2%と赤字継続中。前年比で売上-8.2%減、損失幅は拡大している。減損損失0.1億円もこのセグメントで発生しており、事業の採算性改善が課題である。セグメント間の利益率差は社宅事業30.3%に対しマンション事業8.1%と約22ポイントの開きがあり、社宅マネジメント事業の収益性の高さが際立つ。
主要財務指標
【収益性】ROE 3.7%(四半期ベース年率換算で約7.4%)、営業利益率9.8%(前年6.5%から+3.3pt改善)、純利益率7.1%(前年4.3%から+2.8pt改善)と収益性は明確に向上した。【キャッシュ品質】現金及び預金70.6億円、流動負債20.1億円に対する現金カバレッジ3.5倍で流動性は極めて良好。営業CF/純利益は1.27倍で利益の現金裏付けは堅調。【投資効率】総資産回転率は年換算で約0.80倍(四半期売上41.2億円×2÷総資産103.6億円)。設備投資0.1億円、減価償却費0.4億円で設備投資/減価償却比率0.22と低く、設備更新投資が抑制されている。【財務健全性】自己資本比率76.7%(前年73.9%から+2.8pt改善)、流動比率463.3%、有利子負債2.1億円(長期借入金のみ)、負債資本倍率0.30倍と財務基盤は非常に安定している。
キャッシュフロー分析
営業CFは3.7億円で前年1.3億円の約2.9倍に増加し、純利益2.9億円に対する比率は1.27倍となり利益の現金裏付けが確認できる。営業CF小計(運転資本変動前)は0.6億円で、棚卸資産増加-2.0億円、売上債権増加-0.1億円、仕入債務減少-0.4億円の運転資本マイナス要因があったが、契約負債増加0.1億円や減価償却0.4億円等で営業CFを3.7億円まで押し上げた。投資CFは8.9億円のプラスで、有価証券の売却や定期預金の払戻等が投資支出を上回った模様。設備投資は0.1億円に留まり設備投資抑制が継続している。財務CFは-1.7億円で配当支払や自社株買いが主因と推定される。フリーCFは営業CF 3.7億円+投資CF 8.9億円=12.6億円と大きくプラスで現金創出力は強い。現金及び預金は前年同期70.6億円から当期70.6億円へほぼ横ばいで、フリーCFで創出した資金を配当等の株主還元や定期預金運用に振り向けた構造と推測される。短期負債に対する現金カバレッジは3.5倍と十分で流動性リスクは低い。
収益の質
経常利益4.2億円に対し営業利益4.0億円で、営業外純益は約0.2億円。営業外収益0.2億円の内訳は主に利息及び配当金の受取0.1億円等と推定され、営業外費用はほぼ発生していない。営業外収益は売上高41.2億円の約0.5%と僅少で、本業の営業利益が収益の中心である。特別損失として減損損失0.1億円と固定資産除売却損0.0億円の合計0.1億円が計上され、これは一時的要因であり経常収益力を損なうものではない。営業CF 3.7億円が純利益2.9億円を上回っており、会計上の利益が適切に現金化されている点で収益の質は良好と評価できる。ただし棚卸資産増加-2.0億円が営業CFを圧迫しており、仕掛品等の在庫積み上がりによる将来の売上化タイミングに依存するリスクがある。総じて、本業由来の営業利益が利益の大半を占め、減損等の一時的費用を除けば経常的な収益力は高く、営業CFの裏付けもあるため収益の質は高い。
業績予想・ガイダンス
通期予想は売上高89.0億円(前期比+2.3%)、営業利益7.0億円(同-5.8%)、経常利益7.2億円(同-5.8%)、当期純利益4.6億円、EPS 50.07円、配当21.00円。第2四半期累計実績の進捗率は売上高46.3%(標準50%に対し-3.7pt)、営業利益57.9%(標準50%に対し+7.9pt)、経常利益58.5%(同+8.5pt)と、売上進捗はやや遅れているが利益進捗は予想を上回るペースである。営業利益の進捗率が高い背景は、第2四半期における社宅マネジメント事業の利益率改善と費用管理の効果が想定以上に出た可能性がある。通期では営業利益7.0億円予想に対し上期4.0億円と57.9%の進捗であり、下期に3.0億円の営業利益を想定しているが、上期の高利益率が継続すれば上振れ余地がある。一方で売上高の進捗遅れは下期に挽回が必要であり、マンションマネジメント事業の減収トレンド反転やインキュベーション事業の回復が鍵となる。会社は予想修正を行っていないため、期初想定通りの進行と判断しているが、営業利益の上振れ可能性と売上の挽回度合いが今後の注目点である。
株主還元
中間配当は20.00円、期末配当予想21.00円で通期配当21.00円を見込む(会社予想)。前期実績は年間配当20.00円であるため、通期で+1.00円増配の方針である。第2四半期時点の親会社株主帰属当期純利益2.9億円を通期ベースで約5.8億円と仮定し、発行済株式数10,850千株から自己株式1,616千株を控除した9,234千株に通期配当21円を乗じると配当総額は約1.9億円となり、配当性向は約33%と推定される(ただし会社予想EPS 50.07円ベースでは配当性向約42%)。営業CF 3.7億円×2=7.4億円(通期想定)、設備投資0.1億円×2=0.2億円でフリーCF約7.2億円と仮定すると、配当1.9億円はフリーCFで十分カバーされる。自社株買いは当四半期で0.0億円と僅少であり、総還元性向は配当性向とほぼ同水準と推定される。配当性向は30~40%台で適正水準にあり、フリーCFが潤沢なことから配当の持続可能性は高い。ただし通期純利益が予想を下回った場合、配当維持により配当性向が上昇するリスクがある。増配方針は株主還元姿勢の表れであり、連続増配による株主価値向上が期待される。
リスク要因
マンションマネジメント事業の減収継続リスク。当四半期で前年比-9.4%減となっており、顧客減少や競合激化が背景にある場合、今後も減収トレンドが続き全社の売上成長を圧迫する。インキュベーション事業の採算性悪化リスク。営業赤字が継続し当期は減損損失0.1億円も計上されたことから、事業の見直しや追加損失計上の可能性がある。設備投資抑制による成長制約リスク。設備投資/減価償却比率0.22と低く、将来の生産能力や競争力維持に必要な投資が不足している場合、中長期の成長余力が限定される。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 当社が属する不動産管理・サービス業界では、売上高規模や事業多角化の程度により収益性指標に幅がある。当社の営業利益率9.8%は、高利益率の社宅マネジメント事業を主力とする事業構成により、業界内では高位に位置すると推定される。ROE 3.7%(四半期ベース)は年率換算で約7~8%程度と推定され、業界中央値10%前後と比較するとやや低めであるが、これは総資産に対する現預金比率68.2%と非常に高く資産効率が低いことに起因する。自己資本比率76.7%は業界内でも高水準の部類に入り、財務安定性は優位である。営業CF/純利益比率1.27倍は利益の現金裏付けが良好であることを示し、キャッシュ創出力も健全と評価される。ただし設備投資抑制により将来の成長投資が限定的である点は、業界内で積極投資を行う企業と比較すると成長余力で見劣りする可能性がある。総じて、高収益性・高財務安定性を持つ一方で、資産効率と成長投資のバランスに改善余地がある企業と位置づけられる。(業種: 不動産管理・サービス業、比較対象: 過去決算期および業界公開データ、出所: 当社集計)
決算上の注目ポイント
社宅マネジメント事業の高利益率化が全社の増益を牽引しており、この事業の継続的成長と利益率維持が今後の業績を左右する重要な注目ポイントである。営業利益率9.8%への大幅改善は、コスト管理と高利益率事業の構成比上昇によるものであり、下期以降もこの水準を維持できるかが通期予想達成の鍵となる。現預金70.6億円と流動性の高さ、および自己資本比率76.7%の財務基盤の強固さは、外部環境変化への耐性や追加投資余力を示すポジティブ要素である。一方で設備投資/減価償却比率0.22の低水準は、将来の成長投資不足を示唆しており、M&Aや新規事業投資等による成長戦略の具体化が期待される。配当性向30~40%台で増配を継続していることは株主還元姿勢を示すが、今後の利益成長と総還元性向のバランスが株主価値向上の持続性を決定する。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
AI財務分析
総括
2026年度Q2累計は、売上高が前年同期比1.8%減の41.21億円となる一方、営業利益は同48.1%増の4.05億円へ大幅増益となった。売上減少下での増益は、売上総利益率の改善と販管費抑制が主因である。売上総利益は10.56億円で、前年同期の9.46億円から11.7%増加した。粗利益率は25.6%となり、前年同期の22.5%から約309bp上昇した。販管費は6.51億円で前年同期比3.2%減少し、販管費率は15.8%と前年同期の16.0%から約24bp低下した。結果として営業利益率は9.8%となり、前年同期の6.5%から約332bp拡大した。経常利益は4.21億円で前年同期比52.4%増、親会社株主に帰属する中間純利益は2.90億円で同59.0%増となった。純利益率は7.0%であり、営業利益率の改善が最終利益段階まで概ね維持されている。営業外損益は小さく、営業外収益0.17億円に対して営業外費用は僅少であり、経常利益は営業利益に近い収益構造である。特別利益0.03億円は税引前利益の0.7%程度にとどまり、純利益の増益は主として本業の収益改善による。営業CFは3.69億円で純利益の1.27倍となり、会計利益を上回る現金創出を確保した。一方、営業CFには法人税等還付3.30億円が含まれ、当期の営業キャッシュ創出には税還付の寄与が大きい。投資CFは8.90億円の収入となり、定期預金の純払戻しが主因であるため、報告フリーCF12.60億円は恒常的な事業キャッシュ創出力としては割り引いて評価する必要がある。社宅マネジメント事業が増収増益かつ最高利益率で牽引する一方、マンションマネジメント事業とインキュベーション事業の減収が連結売上の減少につながった。通期会社予想に対する営業利益進捗率は57.9%、純利益進捗率は63.0%であり、標準的な上期進捗率50%を上回る。もっとも、通期営業利益予想は前期比5.8%減益を見込むため、下期には利益率の平準化またはコスト増を織り込んでいる可能性がある。豊富な現預金と低い有利子負債により財務余力は大きいが、年換算ROEは7.3%と資本効率には改善余地が残る。設備投資は減価償却費を大幅に下回っており、既存設備の維持更新・成長投資の両面で投資配分を継続監視したい。
収益性分析
デュポン分析では、年換算ROE 7.3%は純利益率7.0%×総資産回転率0.796倍×財務レバレッジ1.30倍で説明される。低レバレッジかつ現預金比率68.2%という資本構成のため、ROEは負債活用ではなく本業マージンと資産回転に依存する構造である。最も大きく改善した要素は利益率であり、営業利益率は前年同期比約332bp、粗利益率は約309bp上昇した。粗利増加額約1.10億円に対し販管費は約0.21億円減少しており、売上原価率の低下と本社費用を含む固定費管理の双方が営業レバレッジとして働いた。本社費用を中心とするセグメント調整額は3.93億円で前年同期の4.01億円から2.0%減少した。社宅マネジメント事業は売上高21.87億円、前年同期比6.1%増、セグメント利益6.63億円、同27.1%増であり、セグメント利益率は30.3%と前年同期の25.3%から上昇した。同事業はセグメント利益合計7.98億円の83.0%を占める主力事業であり、連結利益拡大の中心である。マンションマネジメント事業は売上高18.49億円、前年同期比9.4%減、セグメント利益1.51億円、同6.5%減となったが、利益率は8.1%で前年同期の7.9%から小幅に改善した。インキュベーション事業は売上高0.86億円、前年同期比8.2%減、セグメント損失0.15億円となり、前年同期の0.08億円の損失から赤字が拡大した。インキュベーション事業では固定資産減損損失0.13億円も計上されており、収益回復力と資産収益性が重点監視項目となる。EBITDAは4.44億円、EBITDAマージンは10.8%であり、減価償却負担が小さいサービス・管理型の収益構造を示す。年換算ROE 7.3%はベンチマーク上の8%をわずかに下回る一方、利益率改善が持続すれば資本効率上昇の余地がある。もっとも、売上高が減少しているため、今回のマージン上昇が価格・案件構成・原価低下による持続的な改善か、あるいは一時的なコスト抑制によるものかは、下期の売上回復と粗利率の維持で検証が必要である。
成長性評価
連結売上高は41.21億円、前年同期比1.8%減であり、成長の持続性は事業別に分かれている。社宅マネジメント事業の増収が全体を下支えした一方、マンションマネジメント事業の9.4%減収が連結売上の主な押し下げ要因となった。利益成長は売上成長ではなく、社宅マネジメント事業の利益率上昇、全社費用の削減、ならびに粗利率改善を基盤とする。インキュベーション事業は赤字拡大と減損計上を伴っており、成長オプションである一方で短期的には利益希薄化要因である。通期会社予想に対する進捗率は、売上高46.3%、営業利益57.9%、経常利益58.9%、純利益63.0%である。営業利益進捗率は標準的な50%を7.9pt、純利益進捗率は13.0pt上回る。純利益の進捗超過には上期の高い営業利益率に加え、特別利益0.03億円および営業外収支のプラス寄与が含まれる。通期予想は売上高89.00億円、前期比2.3%増、営業利益7.00億円、同5.8%減であり、下期売上高は47.79億円、下期営業利益は2.95億円が前提となる。したがって下期の営業利益率は6.2%程度となり、上期の9.8%から低下する会社計画である。上期のマージン改善が通期計画を上回って継続するか、マンションマネジメント事業の売上回復が進むかが、利益予想の達成度を左右する。
財務健全性
財務健全性は極めて高い。流動比率は463.3%、当座比率は463.2%であり、流動負債20.11億円に対して流動資産93.16億円、現預金70.59億円を保有する。運転資本は73.05億円と厚く、短期負債と流動資産の満期ミスマッチは限定的である。有利子負債は長期借入金2.09億円で、Debt/EBITDAは0.47倍、Debt/Capital比率は2.6%にとどまる。負債資本倍率は0.30倍であり、D/Eが2.0倍を超えるようなレバレッジ警戒水準にはない。純資産は79.40億円で前年同期比2.11億円、2.7%増加し、自己資本比率は74.9%である。長期借入金は前年同期の2.61億円から2.09億円へ0.52億円減少しており、返済を通じたバランスシートの保守性が一段と高まった。投資有価証券は前年同期比0.80億円、40.3%増の2.78億円となったが、総資産の2.7%にとどまり、評価変動が資本に与える直接的な影響は現時点では限定的である。無形固定資産は1.99億円、総資産比1.9%であり、無形資産への集中度は低い。販売用不動産は2.54億円で前年同期の0.54億円から増加しているが、総資産比は2.4%にとどまり、資産流動性を大きく損なう水準ではない。退職給付に係る負債は1.69億円であり、固定負債4.05億円の主要構成項目となる。現預金の潤沢さと低負債は景気変動、顧客基盤拡大投資、株主還元に対する耐性を支える一方、資本効率を高める資金活用が中長期的な論点となる。
B/S変動のポイント
投資有価証券: +0.80億円(+40.3%)- 総資産に占める比率は2.7%で限定的だが、保有有価証券の評価変動がその他の包括利益および純資産に及ぼす影響を監視。販売用不動産: +2.00億円(前年同期0.54億円→当期2.54億円)- 総資産比は2.4%と低位だが、保有期間、販売進捗、評価損失リスクを確認。長期借入金: -0.52億円(前年同期2.61億円→当期2.09億円)- 返済により有利子負債依存が低下し、低レバレッジの財務構成を強化。
キャッシュフロー品質
営業CFは3.69億円で、純利益2.90億円に対する比率は1.27倍となり、基準値である1.0倍を上回る。アクルーアル比率はマイナス0.8%であり、利益の現金裏付けは概ね良好である。EBITDA4.44億円に対する営業CFの現金転換率は0.83倍で、0.9倍の優良基準には届かないものの、0.7倍を下回る警戒水準は上回っている。当期営業CFには法人税等還付3.30億円が含まれるため、営業CF/純利益1.27倍をそのまま恒常的なキャッシュ創出力とみなすことは慎重である。運転資本面では棚卸資産の増加1.99億円および仕入債務の減少0.43億円がキャッシュ流出要因となった。売上債権は0.09億円減少しており、売上債権の膨張による回収悪化の兆候は限定的である。設備投資は0.09億円、減価償却費は0.39億円であり、設備投資/減価償却は0.22倍となった。これは品質アラートの投資不足警告および設備投資不足警告に該当し、更新投資・事業基盤強化投資が減価償却を継続的に下回る場合には、将来のサービス品質、業務効率、成長機会に影響する可能性がある。もっとも、管理・サービス主体の事業構造では大型有形投資を必ずしも必要としないため、投資不足の評価はIT投資、顧客基盤への投資、人材投資を含めて判断する必要がある。フリーCF12.60億円はプラスであるが、投資CF8.90億円の収入には定期預金の純払戻し10.00億円が含まれる。したがって、資金運用の満期構成変更を含む報告フリーCFと、設備投資控除後の営業キャッシュ創出約3.60億円は区別して評価すべきである。品質アラートの仕掛品過剰警告は、仕掛品が製造関連在庫の構成上大きな比率を占めることを示す。金額は0.11億円で総資産に対する影響は軽微であるが、案件の滞留、完成・引渡し時期、採算性を継続監視することが重要である。
配当持続性
第2四半期配当は1株当たり21.00円であり、算定ベースの配当性向は78.6%である。これは配当金のみを純利益で除した配当性向であり、自社株買いを含む総還元性向とは区別される。78.6%は一般的な60%未満の持続可能性目安を上回るが、100%未満であり、上期利益に対しては配当原資を確保している。開示されたFCFカバレッジは5.53倍であり、当期配当の現金支払い能力は高い。ただし、報告FCFには定期預金の純払戻しが寄与しているため、配当余力の評価では営業CFと設備投資を中心とした継続的キャッシュ創出力も併せて見る必要がある。通期配当予想は1株42.00円であり、発行済株式数10,850,100株を用いると配当総額は約4.56億円となる。通期純利益予想4.61億円に対する予想配当性向は約98.8%であり、上期算定値よりも高い。現預金70.59億円、低いDebt/EBITDA0.47倍、厚い運転資本を踏まえると短期的な配当支払い能力に懸念は小さい。一方、通期予想どおりに利益が着地した場合、利益留保の積み増し余地は限定的となる。配当の持続性は、社宅マネジメント事業の高収益維持、マンションマネジメント事業の減収底入れ、ならびに税還付を除く営業CFの安定性に依存する。
リスク評価
ビジネスリスクとして、マンションマネジメント事業の減収継続:発生可能性: 中、影響度: 高:同事業の売上高は前年同期比9.4%減の18.49億円であり、連結売上減少の主因である。利益率は改善したものの、売上回復が遅れる場合は固定費吸収と中期成長に影響する。、インキュベーション事業の赤字・資産収益性:発生可能性: 高、影響度: 中:セグメント損失は0.15億円に拡大し、固定資産減損損失0.13億円も発生した。事業仮説の検証、赤字縮小、追加減損の抑制が課題となる。、住宅・マンション管理業界固有の人件費および人材確保リスク:発生可能性: 高、影響度: 中:管理サービスでは人材確保、賃金上昇、外注費上昇が利益率に直結する。上期の大幅な粗利率改善を維持できるかは、労務費・委託費のコントロールにも左右される。、仕掛品の案件滞留・採算悪化:発生可能性: 中、影響度: 低:品質アラートでは仕掛品比率100.0%が示されている。仕掛品金額は0.11億円と小さいが、案件の進捗遅延や採算悪化が継続する場合には損失化する可能性がある。が挙げられます。
財務リスクとしては、営業CFの税還付依存:発生可能性: 中、影響度: 中:営業CF3.69億円には法人税等還付3.30億円が含まれる。還付を除く継続的な営業キャッシュ創出が弱い場合、配当・投資余力の評価は低下する。、低設備投資の継続:発生可能性: 中、影響度: 中:設備投資/減価償却0.22倍は0.7倍未満の警戒水準である。投資抑制が一時的でなく継続する場合、業務基盤の更新遅れや競争力低下につながり得る。、高い通期配当性向:発生可能性: 中、影響度: 中:通期予想配当42円は、発行済株式数ベースで予想純利益に対し約98.8%の配当性向となる。手元流動性は厚いが、利益下振れ時の配当柔軟性は限定される。が挙げられます。
主な懸念事項としては、社宅マネジメント事業への利益集中が高く、同事業の価格・契約・コスト環境の変化が連結利益に与える影響が大きい。、通期営業利益計画は上期実績に比べ低い下期利益率を前提としており、上期の利益率改善の持続性が重要である。、販売用不動産は前年同期比で増加しており、保有期間、販売進捗、評価損失の有無を監視する必要がある。、投資有価証券は前年同期比40.3%増加しており、市場価格変動がその他の包括利益および純資産に及ぼす影響を確認したい。が挙げられます。
投資示唆
重要ポイントとして、売上高前年同期比1.8%減にもかかわらず、営業利益は48.1%増、営業利益率は約332bp改善した。、社宅マネジメント事業はセグメント利益の83.0%を占め、増収増益・利益率30.3%で連結収益を牽引した。、営業CF/純利益は1.27倍、アクルーアル比率はマイナス0.8%である一方、営業CFには法人税等還付3.30億円が含まれる。、流動比率463.3%、Debt/EBITDA0.47倍、現預金70.59億円と、流動性・財務耐性は強い。、年換算ROEは7.3%であり、低レバレッジと過大な現金保有を踏まえると、資本効率の改善余地がある。が挙げられます。
注視すべき指標は、社宅マネジメント事業の売上成長率、セグメント利益率、および顧客基盤の継続拡大、マンションマネジメント事業の減収率と利益率改善の持続性、インキュベーション事業の赤字縮小、減損の追加発生、仕掛品の進捗・採算、法人税等還付を除く営業CF、運転資本の増減、営業CF/EBITDA、設備投資/減価償却比率およびIT・業務基盤への投資水準、通期営業利益7.00億円に対する進捗と下期営業利益率、通期42円配当に対する利益・営業CFカバレッジです。
セクター内ポジションについては、営業利益率9.8%および純利益率7.0%はそれぞれ良好なレンジにあるが、年換算ROE7.3%は8%の注意目安をわずかに下回る。財務レバレッジは1.30倍、Debt/EBITDAは0.47倍と保守的で、収益性の改善余地は主として事業ミックス、利益率維持、余剰資本の活用にある。