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89282026 第2四半期スタンダードJGAAP

穴吹興産(8928) 2026年度第2四半期決算 増収・営業益45%増

2026年度第2四半期の売上高は902.1億円(前年同期比+22.9%)、営業利益は81.8億円(同+44.5%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

穴吹興産株式会社

不動産/不動産業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥902.1億¥733.8億+22.9%
営業利益¥81.8億¥56.6億+44.5%
経常利益¥85.4億¥58.8億+45.2%
純利益¥52.6億¥35.9億+46.5%
ROE(年換算)21.6%16.4%-

Executive Summary

増収増益に加え営業利益・純利益が期初の通期計画を上半期で既に上回っており、下期の水準感が今後の焦点となる。売上高は902.1億円(前年比+22.9%)、営業利益は81.8億円(同+44.5%)、経常利益は85.4億円(同+45.2%)、純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)は52.6億円(同+46.4%)となった。主因は主力の不動産関連事業の大幅増収と、販管費比率低下による収益性改善である。

業績変動要因

【売上高】売上高は902.1億円で前年比+22.9%。セグメント別では不動産関連事業が721.6億円(構成比80.0%、前年比+32.3%)と中核をなし、増収の主因となった。エネルギー関連(52.0億円、+29.3%)、施設運営(46.3億円、+22.2%)、介護医療(38.5億円、+10.8%)も増収に寄与した。なお2025年7月に小売流通関連事業(前年38.6億円)を連結除外しており、セグメント構成が一部変化している。

【損益】営業利益は81.8億円(同+44.5%)と増収率を上回る伸びとなり、売上原価の伸び(+25.3%)による粗利率低下(19.8%、前年21.3%から▲1.5pt)を、販管費率の低下(10.8%、前年13.6%から▲2.8pt)が上回って吸収した。営業外収益には為替差益5.4億円が含まれ、経常利益85.4億円を押し上げている。特別利益(固定資産売却益1.8億円)が特別損失(0.6億円)を上回り、税引前利益は86.6億円。法人税等負担率は39.3%とやや高く、純利益への転換を抑制した。増収増益であり、増益率が増収率を上回る増収増益局面にある。

セグメント別分析

不動産関連事業は売上721.6億円(構成比80.0%)、営業利益68.5億円(セグメント利益率9.5%)で、全社セグメント利益の大半を占める中核事業。エネルギー関連は売上52.0億円、利益率10.4%と全セグメント中で最も高い収益性を示した。施設運営(利益率6.8%)、介護医療(同6.1%)は増収に伴い利益も伸長。人材サービスは売上31.0億円で利益率5.2%とやや低水準。小売流通関連事業(利益率▲2.0%、前年も赤字)は事業譲渡により当期より連結対象から除外されている。観光事業は売上12.3億円(前年比+24.4%)と回復したが、利益率0.3%にとどまり、増収を利益に十分転換できていない。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は9.1%で前年7.7%から+1.4pt改善、純利益率は5.8%で前年4.9%から+0.9pt改善した。一方で売上総利益率は19.8%と前年21.3%から▲1.5pt低下しており、原価上昇が収益性のやや弱い部分となっている。【キャッシュ品質】経常利益には為替差益5.4億円(売上高比6.0%)が含まれ、税引前利益には固定資産売却益1.8億円を含む特別利益と特別損失の純額+1.2億円が計上されており、いずれも本業の反復的な収益力とは区別して捉える必要がある。【投資効率】ROE(年換算)は21.6%と高水準で、純利益率5.8%・総資産回転率1.21倍・財務レバレッジ3.06倍の組み合わせにより実現している。BPSは4,547.78円で前年4,084.11円から+11.4%増加した。【財務健全性】自己資本比率は32.7%で前年32.6%からほぼ横ばい。流動資産1181.5億円に対し流動負債493.5億円で流動比率は約239%と高い一方、有利子負債(長期借入金374.7億円、社債110.3億円等)が大きく、開発型不動産事業特有の負債依存度の高い財務構造となっている。

キャッシュフロー分析

キャッシュ・フロー計算書は開示されていないが、貸借対照表の変動から資金動向を読み取ることができる。現金及び預金は151.1億円と前年69.7億円から+81.3億円(+116.6%)増加し、短期借入金は前年123.1億円から95.7億円へ減少した。棚卸資産にあたる販売用不動産(411.99億円)と仕掛販売用不動産(532.78億円)はいずれも前年から減少しており、開発案件の販売進捗によるキャッシュ化が進んだことがうかがえる。一方で前受金(顧客からの手付金等)は前年91.1億円から55.6億円へ減少しており、今後の開発資金は自社資金や借入への依存度がやや高まる可能性がある。総じて、在庫圧縮と現金積み増しが同時に進んだ局面であり、資金繰りの改善方向を示している。

収益の質

利益の質を見ると、営業利益81.8億円が税引前利益86.6億円の大半を構成しており、収益の中心は経常的な事業利益にある。ただし営業外収益8.9億円のうち為替差益が5.4億円を占め、市場変動に左右されやすい性質を持つ点は留意点である。特別利益1.8億円(固定資産売却益)と特別損失0.6億円により、純額+1.2億円の一時的な押し上げ効果が税引前利益に含まれるが、この規模は営業利益に対して限定的であり、利益の中心は本業の営業損益にある。一方で売上原価が売上高の伸びを上回るペースで増加し粗利率が低下した点は、開発案件のミックスやコスト環境によって今後の収益性が変動しうることを示唆している。包括利益は53.3億円で純利益52.6億円とほぼ同水準であり、その他有価証券評価差額金や為替換算調整額といったOCI項目の影響は限定的で、純利益と包括利益の乖離は小さい。

業績予想・ガイダンス

上半期時点で営業利益・純利益は既に通期計画を上回っている。通期計画は売上高1440.0億円、営業利益70.0億円、経常利益66.0億円、純利益44.0億円(開示ベース)に対し、上半期実績は売上高902.1億円(進捗率62.6%)、営業利益81.8億円(進捗率116.9%)、経常利益85.4億円(進捗率129.4%)、純利益52.6億円(進捗率119.4%)となっている。売上高は年間の均等進捗(50%)を上回るペースだが、利益面では通期計画をすでに超過しており、下期に相応の減益を織り込んだ計画である可能性がある。業績予想・配当予想の修正は当四半期には行われていない。

株主還元

中間配当は1株32円で、上半期純利益に基づく暫定的な配当性向は約7.0%相当となる。通期配当予想は68円で、期末配当は差引36円が見込まれる。通期EPS予想412.49円に基づく通期配当性向は約16.5%となり、一般的な還元水準の目安と比べて低めである。利益剰余金は475.8億円と前年から+48.8億円積み上がっており、内部留保による開発資金確保を優先する開発型不動産事業の特性に整合的な配当政策といえる。

リスク要因

  1. 不動産在庫・市況リスク: 販売用不動産411.99億円と仕掛販売用不動産532.78億円を合わせた開発関連在庫は944.77億円に達し、総資産1487.4億円の約63.5%を占める。住宅・不動産市況の変動や販売ペースの鈍化は、キャッシュ化のタイミングに影響しうる。

  2. 財務レバレッジ・資金調達リスク: 総負債1001.3億円に対し純資産486.1億円で、負債資本比率は約2.06倍と高水準。長期借入金374.7億円、社債110.3億円(1年内償還分含む)を抱え、金利環境や借換え条件の変化が財務コストに影響する可能性がある。

  3. 収益性ミックスの変動リスク: 売上総利益率は19.8%と前年21.3%から低下し、原価上昇が確認される。また為替差益5.4億円が経常利益を押し上げており、この非経常的・変動的な項目への依存度がやや高い点も収益の反復性を評価する上での留意点である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率9.1%
純利益率5.8%

自社の営業利益率・純利益率は同業種内での比較データが未整備のため、水準の相対評価は現時点では示せない。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)22.9%

売上成長率についても業種中央値データが得られていないため、絶対水準としての把握にとどまる。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 上半期営業利益81.8億円・純利益52.6億円は、いずれも通期会社計画(営業利益70.0億円、純利益44.0億円)を既に上回っており、下期の利益進捗が計画対比でどう推移するかが決算上の注目点となる。

  2. 粗利率は19.8%と前年21.3%から低下する一方、販管費率は10.8%と前年13.6%から低下しており、営業利益の増加は主に販管費効率化によって支えられている。原価動向と販管費水準の今後のバランスが利益率トレンドを左右する。

  3. 開発関連在庫(販売用不動産+仕掛販売用不動産)は944.77億円で総資産の63.5%を占め、負債資本比率も約2.06倍と、開発型不動産事業特有の資産・負債構造となっている。現金及び預金は151.1億円まで積み上がっており、流動性面では前年から改善が確認できる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)4,329円
base(基準)4,445円
bull(強気)4,460円
算出前提
1株純資産(BPS)4,548円
調整後予想EPS453.7円
株主資本コスト r10.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向16.5%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.98倍 / 9.8倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 4,320円〜4,575円、ω±0.1で 4,441円〜4,447円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(119%)が標準(50%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。