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88482026 通期プライムJGAAP

株式会社レオパレス21 2026年度 通期 決算

株式会社レオパレス21の2026年度通期決算レポート

不動産/不動産業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥4448.2億¥4318.3億+3.0%
営業利益¥359.7億¥292.3億+23.0%
経常利益¥348.4億¥269.4億+29.4%
純利益¥151.1億¥212.6億-28.9%
ROE32.6%24.1%-

Executive Summary

2026年3月期決算は、売上高4448.2億円(前年比+129.9億円 +3.0%)、営業利益359.7億円(同+67.4億円 +23.0%)、経常利益348.4億円(同+79.0億円 +29.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益151.1億円(同-61.5億円 -28.9%)となった。賃貸事業の稼働率改善と賃料ミックス向上により売上総利益率が20.1%(前年比+2.2pt)へ上昇し、営業利益率は8.1%(同+1.3pt)と改善した。販管費は532.4億円(+10.8%)増加したものの、粗利の伸び(+15.4%)が上回り営業レバレッジが発現した。経常利益段階では支払利息が9.0億円(前年14.9億円)へ縮小し金融費用負担が軽減された一方、特別損失101.7億円の計上により当期純利益は前年比28.9%減となった。ROEは32.6%と高水準だが、期中の大規模自社株買い(722.1億円)による資本圧縮の寄与が大きく、純資産は463.9億円(前年比-47.5%)へ減少し財務レバレッジは3.81倍へ上昇した。営業CFは384.7億円(前年比+48.5%)と堅調で、フリーCFは376.5億円と配当支払32.5億円を十分カバーする。

業績変動要因

【売上高】売上高は4448.2億円(前年比+3.0%)と安定成長した。主力の賃貸事業が4296.4億円(構成比96.5%、+3.0%)を占め、賃料収入3325.1億円に付帯サービス等474.8億円を加えた収益構造となっている。賃料収入は前年比+3.0%増加し、管理戸数の純増と既存物件の稼働率改善が寄与した。付帯サービス等は295.1億円(+1.7%)、メンテナンス等375.5億円(+2.4%)、屋根借り太陽光発電27.7億円(+4.9%)、請負工事20.1億円(+45.6%)と、各領域で増収を確保した。シルバー事業は136.5億円(-0.5%)と微減、その他事業は19.2億円(+25.9%)と増加したが全体への影響は限定的である。売上総利益は892.1億円(+15.4%)で粗利率が20.1%(前年17.9%)へ2.2pt改善しており、原価コントロールと収益性の高い付帯サービス比率の上昇が寄与した。

【損益】販管費は532.4億円(前年比+10.8%)と増加したが、粗利の伸びが上回り営業利益は359.7億円(+23.0%)と二桁成長を達成した。営業利益率は8.1%(前年6.8%)へ1.3pt改善し、収益性向上のトレンドが確認できる。販管費の主な内訳は、広告宣伝費19.9億円、租税公課46.4億円、退職給付費用11.3億円、賃借料16.8億円、委託手数料74.7億円で、役員報酬7.5億円を含む人件費関連と外注費の増加が販管費増の主因である。営業外収益は12.6億円(受取配当金1.0億円、為替差益4.9億円等)、営業外費用は23.8億円(支払利息9.0億円、支払手数料6.6億円等)で、経常利益は348.4億円(+29.4%)となった。支払利息は前年14.9億円から9.0億円へ縮小し、金融費用負担の軽減が経常利益の伸びを後押しした。特別損失101.7億円(減損損失0.9億円、固定資産除却損0.1億円含む)の計上により税引前利益は249.2億円(前年比-11.2%)へ減少し、法人税等90.3億円(実効税負担率36.2%)控除後の当期純利益は151.1億円(-28.9%)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は149.3億円で非支配株主分9.6億円を差し引いた形となり、結果として増収増益(営業段階)ながら特別損失により最終減益となった。

セグメント別分析

賃貸事業は売上高4296.4億円(前年比+3.0%)、営業利益442.9億円(+16.4%)、利益率10.3%(前年9.1%)で主力として収益を牽引した。賃料収入の増加と付帯サービスの増収に加え、粗利率改善により利益率が1.2pt向上した。シルバー事業は売上高136.5億円(-0.5%)、営業損失10.6億円(前年8.0億円の損失から悪化)で利益率-7.8%と赤字が拡大し、全社利益を希薄化する要因となっている。その他事業は売上高19.2億円(+25.9%)と増収したものの、営業損失26.8億円(前年26.1億円の損失から横ばい)で利益率-139.3%と大幅赤字が継続している。調整額は-45.9億円(全社費用-48.8億円含む)で、管理部門に係る一般管理費が主体である。主力の賃貸事業が安定的に利益を生み出す一方、シルバー事業と その他事業の赤字継続が全社収益性を抑制する構図となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は8.1%(前年6.8%)へ1.3pt改善し、賃貸事業の収益性向上が牽引した。売上総利益率は20.1%(同17.9%)と2.2pt上昇し、原価コントロールと高収益サービスの拡大が寄与した。ROEは32.6%と高水準だが、自己株買いによる資本圧縮の影響が大きく、純利益率3.4%、総資産回転率2.52倍、財務レバレッジ3.81倍の積として計算される。純利益率は特別損失の影響で前年4.9%から低下した。【キャッシュ品質】営業CFは384.7億円(前年比+48.5%)で純利益151.1億円の2.55倍と高品質である。営業CF/売上高比率は8.6%で、安定的な現金創出力を示す。減価償却費32.5億円を加算したEBITDA換算では約392億円となり、OCF/EBITDAは0.98倍と良好である。【投資効率】設備投資は8.1億円で減価償却費32.5億円に対し0.25倍と抑制的であり、短期的にはFCF創出に寄与するが中長期の資産維持・更新には留意が必要である。【財務健全性】流動比率は110.4%(前年108.2%)、当座比率は110.4%で最低限の安全水準を確保している。現金及び預金579.1億円は短期負債676.6億円の85.6%をカバーし、流動性は一定程度維持されている。D/Eレシオは2.81倍(前年0.37倍)へ大幅に上昇し、有利子負債600億円(短期借入金300億円、長期借入金300億円)に対し純資産406.6億円(親会社所有者持分)と資本緩衝が薄くなった。自己資本比率は26.3%(前年40.7%)へ低下し、財務レバレッジは高まった。Debt/EBITDA比率は約1.53倍、EBITDAインタレストカバレッジは約43.6倍と支払能力は強固である。

キャッシュフロー分析

営業CFは384.7億円(前年259.0億円、+48.5%)と大幅に増加した。税引前利益249.2億円に減価償却費32.5億円、持分法投資損益3.3億円、減損損失0.9億円などの非資金項目を加算し、運転資本の変動として売上債権の増加-5.0億円、前受金の増加15.0億円、棚卸資産の増加-3.5億円、仕入債務の増加5.9億円などが寄与した。法人税等の支払5.8億円を控除後、営業CF小計は396.5億円となった。投資CFは-8.2億円で、設備投資-8.1億円が主体であり有形固定資産の売却2.0億円、長期貸付金の回収0.2億円などでネットの支出は抑制された。フリーCFは376.5億円(前年253.9億円)と潤沢で、通年配当32.5億円を十分カバーしている。財務CFは-687.9億円で、自社株買い-722.1億円が最大の支出項目であり、短期借入金の純増300億円、長期借入金の純増0.2億円(借入300億円、返済-298.5億円)、配当支払-32.5億円、非支配株主への配当-7.3億円、リース債務の返済-2.9億円が含まれる。結果として現金及び現金同等物は559.2億円(前年870.8億円)へ311.5億円減少した。大規模な自己株買いにより現預金は減少したが、営業CFの堅調な創出により短期的な流動性リスクは限定的である。

収益の質

経常利益348.4億円に対し当期純利益151.1億円と乖離が大きく、特別損失101.7億円の計上が主因である。営業外収益は12.6億円で受取配当金1.0億円、為替差益4.9億円が含まれ、営業外費用は23.8億円で支払利息9.0億円、支払手数料6.6億円が主体であり、営業外損益は概ね経常的な項目で構成される。特別損益については特別利益2.5億円(固定資産売却益1.0億円等)に対し特別損失101.7億円(減損損失0.9億円、固定資産除却損0.1億円等)と、特別損失が税引前利益を大きく圧縮した。包括利益は159.2億円(親会社分149.6億円)で当期純利益151.1億円との差は8.1億円であり、その他包括利益として退職給付に係る調整額8.9億円がプラスに寄与した一方、為替換算調整額-7.9億円、有価証券評価差額金-0.8億円がマイナスに作用した。営業CFが純利益の2.55倍と高く、アクルーアル(純利益-営業CF)は大幅にマイナスであり、利益の裏付けとして現金が十分に生成されている点で収益の質は高い。一方、特別損失の発生頻度と内容については今後の推移を注視する必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想は、売上高4650.0億円(前年比+4.5%)、営業利益385.0億円(同+7.0%)、経常利益381.0億円(同+9.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益222.0億円(同+48.7%、当期実績149.3億円比)、EPS69.88円を見込んでいる。当期実績に対する進捗率は、売上高95.7%、営業利益93.4%、経常利益91.5%、純利益68.1%(当期純利益151.1億円ベース)であり、特別損失の一過性を前提に最終利益の大幅増益を計画している。賃貸事業の稼働率維持と付帯サービスの拡大、販管費コントロールの継続が前提となる。配当予想は年間5円(当期実績10円)と記載されているが、実績ベースで年間配当10円が支払われており、予想の5円は中間配当を指す可能性がある。EPS予想69.88円に対し配当5円は表面上配当性向約7%だが、実質的には年間10円配当の継続を想定すると配当性向約14%となる。予想達成には、特別損失の再発回避、賃貸事業の収益性維持、シルバー事業・その他事業の赤字縮小が鍵となる。

株主還元

年間配当は1株当たり10円(中間5円、期末5円)で、配当総額は32.5億円(前年32.4億円)である。親会社株主に帰属する当期純利益149.3億円に対する配当性向は21.8%で、配当余力は十分にある。期中に実施された自社株買いは722.1億円(取得株式数の詳細は未記載だが、自己株式が43.6億円から87.5億円へ43.9億円増加)で、配当と自社株買いを合わせた総還元額は754.6億円となる。総還元性向は当期純利益151.1億円に対し約499%と極めて高く、一過性の大規模還元策と位置づけられる。配当性向21.8%は営業CF384.7億円の8.4%、フリーCF376.5億円の8.6%に相当し、通常配当は営業CF・FCFで十分にカバーされる。自社株買いにより発行済株式数は334.4百万株、自己株式16.7百万株で、期中平均株式数は330.8百万株となった。BPSは127.98円(前年255.81円)へ半減し、自己株買いと資本構成の変化が顕著である。次期配当予想は年間5円と記載されているが、実績ベースの10円水準維持が期待される。

リスク要因

  1. セグメント集中リスク: 賃貸事業が売上の96.5%、営業利益の大半を占め、単一事業への依存度が極めて高い。不動産市場のサイクル変動、稼働率低下、賃料下落が全社収益に直結するリスクがある。シルバー事業は営業損失10.6億円(利益率-7.8%)、その他事業は営業損失26.8億円(利益率-139.3%)と赤字が継続しており、賃貸事業の収益力が低下した場合に全社業績が急速に悪化する構造となっている。

  2. 高レバレッジと資本緩衝の低下: 大規模自社株買い(722.1億円)により自己資本は463.9億円(前年882.7億円)へ47.5%減少し、D/Eレシオは2.81倍(前年0.37倍)へ上昇した。有利子負債600億円(短期300億円、長期300億円)に対し純資産406.6億円(親会社所有者持分)と資本緩衝が薄く、追加的な外部ショックや業績悪化時の耐性は低下している。短期負債比率は50.0%と満期ミスマッチも存在し、リファイナンスリスクへの目配りが必要である。

  3. 投資抑制による中長期競争力低下: 設備投資8.1億円は減価償却費32.5億円の0.25倍と極めて抑制的であり、短期的にはFCF創出に寄与するが、物件の老朽化、デジタル投資の遅れ、競合他社との設備格差拡大が懸念される。賃貸事業の競争力維持には継続的な資産更新・メンテナンスが不可欠であり、投資水準の低さが中長期的な収益基盤を損なうリスクがある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率8.1%10.7% (6.8%–17.9%)-2.6pt
純利益率3.4%5.8% (2.5%–11.9%)-2.4pt

営業利益率は業種中央値を2.6pt下回り、純利益率も中央値を2.4pt下回る。賃貸事業単体の利益率10.3%は健全だが、シルバー・その他事業の赤字と全社費用負担が全社利益率を圧縮している。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)3.0%12.8% (4.2%–29.2%)-9.8pt

売上高成長率は業種中央値を9.8pt下回り、成長ペースは業種内で保守的な水準にある。主力賃貸事業の安定成長が特徴だが、新規事業の伸びや大規模M&Aによる成長加速は見られない。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 賃貸事業の収益性改善と高いキャッシュ創出力: 主力の賃貸事業は営業利益率10.3%(前年9.1%)へ1.2pt改善し、営業CFは384.7億円と純利益の2.55倍を創出する堅固な収益基盤を持つ。粗利率20.1%への上昇と支払利息の縮小(14.9億円→9.0億円)により収益構造が改善している。フリーCF376.5億円は配当支払32.5億円を11.6倍カバーし、通常配当の持続性は極めて高い。稼働率の維持と賃料ミックスの改善が継続すれば、コア事業の収益安定性は高い水準を保つと見込まれる。

  2. 大規模自社株買いによる資本政策の変化とレバレッジ上昇: 期中の自社株買い722.1億円により自己資本は463.9億円(前年比-47.5%)へ減少し、D/Eレシオは2.81倍、自己資本比率は26.3%へ低下した。ROE32.6%は高水準だが財務レバレッジ3.81倍の寄与が大きく、資本緩衝の低下と総還元性向約499%の一過性還元は短期的株主利益を優先した施策と評価される。有利子負債600億円(短期・長期各300億円)に対し現金579.1億円で短期流動性は確保されているが、短期負債比率50%とリファイナンスリスクには留意が必要である。今後の還元政策が通常配当水準(配当性向20%前後)へ回帰するか、追加の大規模還元が継続するかが資本戦略の持続性を左右する。

  3. 設備投資抑制と非中核事業の赤字による中長期課題: 設備投資8.1億円は減価償却費32.5億円の0.25倍と極めて低水準であり、短期的にはFCF創出を押し上げるが資産の老朽化・競争力低下リスクがある。シルバー事業と その他事業は営業損失計37.4億円と全社利益を希薄化しており、事業ポートフォリオの見直しが課題となる。次期予想は営業利益385億円(+7.0%)と増益継続を見込むが、特別損失の再発回避と赤字事業の収益改善が前提であり、実現可否を注視する必要がある。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。