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88442026 第3四半期スタンダードJGAAP

コスモスイニシア(8844) 2026年度第3四半期決算 営業益3%減

2026年度第3四半期の売上高は860.7億円(前年同期比+0.2%)、営業利益は68.4億円(同-2.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

不動産/不動産業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥860.7億¥859.1億+0.2%
営業利益¥68.4億¥70.4億−2.9%
経常利益¥59.4億¥60.4億−1.7%
純利益¥40.4億¥37.5億+7.6%
ROE7.6%7.5%-

Executive Summary

2026年度第3四半期累計決算は、売上高860.7億円(前年比+1.6億円 +0.2%)、営業利益68.4億円(同-2.0億円 -2.9%)、経常利益59.4億円(同-1.0億円 -1.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益40.4億円(同+2.9億円 +7.6%)となった。売上高はほぼ横ばい、営業減益ながら純利益は増益を確保する結果となった。総資産は1983.3億円(前年1768.5億円から+12.1%増)、純資産は532.5億円(前年503.2億円から+5.8%増)で、資産規模拡大が進行している。

業績変動要因

【売上高】顧客との契約から生じる収益は734.9億円、その他の収益(賃貸収入等)は125.8億円で合計860.7億円(前年比+0.2%)。セグメント別では宿泊事業が240.7億円(前年189.9億円から+26.7%)と大幅増収し、売上高構成比28.0%で主要な成長ドライバーとなった。ソリューション事業も329.2億円(前年319.8億円から+2.9%)と増収。一方、レジデンシャル事業は241.1億円(前年273.8億円から-11.9%減)、工事事業は49.7億円(前年75.6億円から-34.2%減)と減収が続き、全体の増収効果を相殺した。売上総利益は209.8億円で粗利益率24.4%を維持し、安定した粗利水準を確保している。【損益】販管費は141.4億円(前年129.3億円から+9.4%)へ増加し、営業利益は68.4億円(前年70.4億円から-2.9%)へ微減。販管費の増加要因として、主に全社費用が22.6億円(前年20.6億円から+9.7%増)と拡大したことが影響した。営業外収益は受取配当金5.2億円を含む計7.4億円、営業外費用は支払利息10.5億円を含む計16.4億円で、営業外純損益は-9.0億円となり、経常利益は59.4億円(-1.7%)と小幅減益。特別損益は記載なく、経常段階から税金等調整前利益への乖離は限定的。法人税等は19.0億円(実効税率31.8%)で、親会社株主に帰属する当期純利益は40.4億円(+7.6%)となり、営業段階の減益を吸収し最終増益を達成した。経常利益と純利益の変化率に差異がある背景として、前年の税引前・税引後の段階的な利益構造の違いと税負担の相対変化が考えられる。結論として、増収微増・営業減益・純利益増益のパターンを示している。

セグメント別分析

宿泊事業は売上高240.7億円(構成比28.0%)、セグメント利益83.5億円で営業利益率34.7%と高収益を維持し、全体の営業利益に最大の貢献をしている。前年セグメント利益60.0億円から+39.1%の大幅増益で、当社の主力事業として位置づけられる。ソリューション事業は売上高329.2億円(構成比38.2%)、セグメント利益15.1億円で営業利益率4.6%。前年セグメント利益26.5億円から-43.0%と大幅減益し、収益性が悪化している。レジデンシャル事業は売上高241.1億円(構成比28.0%)、セグメント損失3.9億円で営業赤字となった。前年セグメント利益4.5億円から黒字転落し、事業立て直しが課題となっている。工事事業は売上高49.7億円(構成比5.8%)、セグメント損失3.1億円で営業赤字。前年セグメント利益0.1億円からわずかながら赤字転落した。セグメント間の利益率格差は顕著で、宿泊事業の高収益性が全体を支える構造だが、ソリューション事業の減益とレジデンシャル事業・工事事業の赤字転落が全社営業利益を圧迫している。

主要財務指標

【収益性】ROE 7.8%(前年7.5%から改善)、営業利益率7.9%(前年8.2%から-0.3pt)、純利益率4.8%(前年4.4%から+0.4pt)。ROEは財務レバレッジ3.72倍による効果で維持されているが、営業利益率の低下は収益性改善の余地を示す。【キャッシュ品質】現金預金257.2億円、短期借入金265.4億円に対する現金カバレッジ0.97倍で短期流動性はほぼ均衡。流動資産1371.4億円、流動負債569.6億円で流動比率240.8%と短期支払能力は良好。【投資効率】総資産回転率0.434倍(年換算)で、不動産在庫への資産集中により回転効率は業種比で低め。インタレストカバレッジ6.51倍(営業利益+受取利息配当÷支払利息)で利払い余力は確保されている。【財務健全性】自己資本比率26.8%(前年28.5%から-1.7pt)、負債資本倍率2.72倍(前年2.51倍から悪化)で、有利子負債901.4億円と高レバレッジ状態が継続。Debt/Capital比率62.9%で財務依存度は高い。

キャッシュフロー分析

現金預金は257.2億円で前年246.4億円から+4.4%増加し、営業増益による資金蓄積と新規調達の複合効果が推測される。総資産は1983.3億円へ+214.8億円(+12.1%)増加し、うち販売用不動産は735.7億円、開発中不動産は769.1億円と合計1504.8億円で総資産の75.9%を占める高在庫構成が確認できる。在庫集中は不動産開発事業の特性だが、売却進捗の遅延リスクを内包する。短期借入金は265.4億円で前年237.1億円から+11.9%増、長期借入金(1年内返済予定含む)は636.0億円で前年406.8億円から+56.3%増と大幅増加しており、資金調達による投資活動拡大が読み取れる。有利子負債合計901.4億円は前年643.9億円から+40.0%増で、資産拡大をデットファイナンスで賄う構造が明確である。流動性指標では買掛金及び工事未払金が129.9億円で前年118.4億円から+9.7%増、支払サイト延長による運転資本効率改善の可能性がある。短期負債に対する現金カバレッジは0.97倍とほぼ均衡しており、短期流動性リスクは限定的だが、在庫売却の遅延時には資金繰りへの影響が懸念される。

収益の質

経常利益59.4億円に対し営業利益68.4億円で、営業外純損益-9.0億円の差異がある。営業外収益は受取配当金5.2億円、受取利息0.8億円、その他1.4億円の計7.4億円。営業外費用は支払利息10.5億円、その他5.9億円の計16.4億円で、金融費用負担が営業外段階で経常利益を圧迫している。営業外収益は売上高の0.9%と限定的で、本業外の収益貢献度は低い。受取配当金5.2億円は持分法投資や金融資産からの収入と推測され、一定の安定性がある。一方、支払利息10.5億円は有利子負債901.4億円に対する金利負担で、平均金利1.2%程度と推定される。金利上昇局面では支払利息の増加リスクが経常利益を圧迫する。特別損益の記載はなく、経常段階の利益が実態的な収益力を反映している。親会社株主に帰属する当期純利益40.4億円は経常利益59.4億円から法人税等19.0億円を控除した水準で、非支配株主持分への帰属は限定的(非支配株主持分は3.0億円)。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高1520億円、営業利益110億円、経常利益96億円、親会社株主に帰属する当期純利益65億円、通期配当27円。第3四半期累計(9カ月)実績に対する進捗率は、売上高56.6%(標準進捗75%比-18.4pt)、営業利益62.2%(同-12.8pt)、経常利益61.8%(同-13.2pt)、純利益62.2%(同-12.8pt)となり、全指標で標準進捗を下回る。不動産事業の特性上、第4四半期に売上・利益が集中する季節性があると推測され、通期目標達成には第4四半期に売上高659.3億円(前年Q4比+37.5%相当)、営業利益41.6億円の計上が必要となる。通期予想の前年比変化率は売上高+17.3%、営業利益+16.4%、経常利益+20.9%、純利益+10.2%と増収増益見通しが示されているが、現状進捗を踏まえると第4四半期の販売用不動産引渡し集中が前提となる。進捗遅延の背景として、開発中不動産769.1億円の完成・引渡し時期が下期に集中している可能性が高く、販売計画の進捗状況が通期達成の鍵を握る。

株主還元

通期配当予想は1株当たり27円(期末配当21円、中間配当実施済6円)で、前年通期配当23円から+4円(+17.4%)の増配方針。親会社株主に帰属する当期純利益予想65億円に対する配当総額は約9.2億円(発行済株式数33,870,200株ベース)で、配当性向14.1%と保守的な水準を維持している。第3四半期累計純利益40.4億円ベースでは配当性向22.8%となり、利益ベースでは持続可能な範囲内。自社株買い実績の記載はなく、株主還元は配当中心の政策と見られる。配当持続性については、現金預金257.2億円、営業増益基調、配当性向14.1%から判断すると、財務レバレッジが高い点に留意しつつも当面の配当維持は可能と評価できる。ただし、不動産販売の遅延や金利上昇による支払利息増加が利益を圧迫する場合、配当政策への影響を注視する必要がある。

リスク要因

不動産市況変動リスク: 販売用不動産735.7億円、開発中不動産769.1億円の合計1504.8億円(総資産比75.9%)の在庫集中により、不動産市況悪化時の販売遅延・評価減リスクが顕在化する。特にレジデンシャル事業がセグメント赤字に転落しており、住宅市場の需要減退や価格下落が業績を直撃する構造となっている。高レバレッジリスク: 有利子負債901.4億円(D/E比率2.72倍、Debt/Capital比率62.9%)と高水準の財務レバレッジにより、金利上昇局面では支払利息10.5億円がさらに増加し経常利益を圧迫する。また、資産評価悪化時には自己資本比率26.8%が低下し、財務制約が強まるリスクがある。セグメント収益偏在リスク: 宿泊事業セグメント利益83.5億円が全社営業利益68.4億円を上回る状況で、他セグメント(ソリューション事業15.1億円、レジデンシャル△3.9億円、工事△3.1億円)の収益性悪化が全社業績を下押しする。宿泊事業への依存度が高く、インバウンド需要減退や稼働率低下が業績を大きく左右する。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 不動産業種(2025年第3四半期、N=13社)との比較において、当社の財務指標は以下の相対位置にある。収益性: ROE 7.8%は業種中央値11.4%(IQR 3.5%~20.6%)を下回り、業種内では低位に位置する。純利益率4.8%は業種中央値4.4%(IQR 1.2%~7.2%)とほぼ同水準で中位。営業利益率7.9%は業種中央値8.0%(IQR 2.8%~11.2%)と近似し標準的。健全性: 自己資本比率26.8%は業種中央値31.0%(IQR 27.1%~45.8%)を下回り、レバレッジ依存度が高い。財務レバレッジ3.72倍は業種中央値3.07倍(IQR 2.18~3.63)を上回り、業種内でもレバレッジ活用度が高い。効率性: 総資産回転率0.434倍は業種中央値0.68倍(IQR 0.58~1.04)を大きく下回り、資産効率は低位。在庫集中(在庫比率75.9%)が回転率を抑制している。成長性: 売上高成長率+0.2%は業種中央値+18.5%(IQR 6.9%~54.7%)を大幅に下回り、業種内で成長が鈍化している。流動性: 流動比率240.8%(2.41倍)は業種中央値2.15倍(IQR 1.94x~3.34x)と同水準で標準的な流動性を確保。総合評価として、当社は業種内で標準的な営業利益率と流動性を持つが、ROE・資産回転率・成長率で劣後し、レバレッジ依存度の高い財務構造が特徴となっている。

決算上の注目ポイント

決算上の注目ポイントとして、第一に宿泊事業の高収益性(営業利益率34.7%、セグメント利益83.5億円)が全社業績を牽引する構造が明確であり、インバウンド需要や稼働率動向が業績に直結する点が挙げられる。第二に、不動産在庫1504.8億円(総資産比75.9%)の売却進捗と評価が業績・財務の鍵を握り、特にレジデンシャル事業の赤字転落(セグメント損失3.9億円)は事業立て直しの必要性を示唆している。第三に、有利子負債901.4億円(前年比+40.0%)と高レバレッジ構造(D/E 2.72倍)により、金利上昇リスクと資産評価リスクへのエクスポージャーが高まっており、財務健全性の継続的モニタリングが重要となる。第四に、通期予想達成には第4四半期に大幅な売上・利益計上が必要で、開発中不動産の引渡し集中が前提となるため、販売計画の進捗が通期業績達成の確度を左右する。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度第3四半期累計は、売上高が前年同期比0.2%増の860.68億円となる一方、営業利益は同2.9%減の68.39億円となり、増収ながら本業収益性は小幅に後退した。売上総利益は209.80億円と前年同期の199.77億円から10.03億円増加した。粗利益率は24.4%となり、前年同期の23.3%から約110bp改善している。一方で販管費は141.41億円と前年同期比9.3%増加し、売上成長率を大きく上回った。この結果、営業利益率は7.9%となり、前年同期の8.2%から約30bp低下した。経常利益は59.37億円で前年同期比1.7%減少した。支払利息は10.50億円と前年同期の7.13億円から47.3%増加しており、営業段階の減益に加えて金融費用の上昇が経常利益を圧迫した。当期純利益は税負担の軽減を主因に前年同期比4.6%増の41.26億円となった。実効税率は31.8%で、前年同期の税負担と比較して純利益を相対的に下支えした。純利益率は4.8%であり、前年同期の約4.6%から約20bp改善したが、これは営業利益率の改善ではなく主に税金費用の低下によるものである。宿泊事業は売上高240.72億円、セグメント利益83.48億円となり、全報告セグメント利益の91.1%を占める主力事業である。宿泊事業の利益率は34.7%と高水準で、前年同期の31.6%から改善している。一方、レジデンシャル事業は売上高241.07億円、セグメント損失3.87億円へ転じ、工事事業も3.11億円の損失となった。販売用不動産と開発中不動産の合計は1,504.78億円、総資産の75.9%を占め、資産構成は不動産在庫に大きく依存している。通期会社予想に対する第3四半期累計の営業利益進捗率は62.2%であり、標準的な75%を12.8ポイント下回る。第4四半期には通期営業利益予想110.00億円の達成に向けて41.61億円の営業利益が必要となるため、収益認識の期末偏重度合いとレジデンシャル・工事事業の採算回復が焦点となる。営業キャッシュフローおよび投資キャッシュフローの数値は提示されていないため、営業キャッシュフロー対純利益、フリーキャッシュフローおよび配当のキャッシュフローカバレッジは評価対象に含めていない。

収益性分析

年換算ROEは10.3%であり、純利益率4.8%×総資産回転率0.579回×財務レバレッジ3.72倍というデュポン3因子分解と整合する。ROEは「良好」とされる10%水準にあるが、純利益率および資産回転率よりも3.72倍の高い財務レバレッジへの依存度が大きい。営業利益率は7.9%で、前年同期の8.2%から約30bp低下した一方、粗利益率は約110bp改善した。したがって、利益率低下の主因は売上原価ではなく、販管費が前年同期比9.3%増と売上高の0.2%増を大幅に上回ったことにある。全社費用を中心とするセグメント利益調整額は23.22億円で、前年同期の20.64億円から12.5%増加しており、固定費負担の増加が連結営業利益の伸びを抑制した。CFA5因子ではEBITマージン8.0%、金利負担係数0.867、税負担係数0.696である。金利負担係数は0.90を下回っており、営業利益から税引前利益への変換過程で有利子負債の資金コストが一定の重荷となっている。支払利息の増加率47.3%は、営業利益の減少率2.9%を大幅に上回る。純利益の前年同期比4.6%増は、税金費用が前年同期の23.34億円から18.88億円へ19.1%減少した影響が大きく、営業面の改善を示すものではない。セグメント別には、宿泊事業の高収益化は持続性を確認すべき好材料である一方、レジデンシャル事業と工事事業の赤字化は、開発・引渡し案件の構成や原価管理の変動に対する感応度を示している。

成長性評価

売上高は860.68億円で前年同期比0.2%増にとどまり、成長の牽引役はセグメント間で明確に分かれた。宿泊事業は売上高が前年同期比26.8%増の240.72億円、セグメント利益が39.2%増の83.48億円となり、最も強い成長・収益ドライバーである。ソリューション事業は売上高が2.9%増の329.14億円となったが、セグメント利益は43.0%減の15.12億円となり、利益率は前年同期の8.3%から4.6%へ低下した。レジデンシャル事業は売上高が12.0%減の241.07億円、セグメント利益は前年同期の4.50億円の黒字から3.87億円の赤字へ悪化した。工事事業も売上高が34.2%減の49.73億円、セグメント損失3.11億円となった。連結売上高は横ばいであるものの、宿泊事業の増収がレジデンシャル事業および工事事業の減収を補う構図であり、成長の分散性は低下している。通期会社予想は売上高1,520.00億円、営業利益110.00億円、経常利益96.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益65.00億円である。第3四半期累計の進捗率は、売上高56.6%、営業利益62.2%、経常利益61.8%、親会社株主に帰属する当期純利益63.5%である。いずれも標準進捗率75%を11.5~18.4ポイント下回る。第4四半期には売上高659.32億円、営業利益41.61億円、経常利益36.63億円、親会社株主に帰属する当期純利益23.74億円が必要であり、特に不動産販売・引渡し案件の計上時期が通期達成の決定要因となる。

財務健全性

流動比率は240.8%、当座比率も240.8%であり、流動負債770.89億円に対して流動資産1,856.28億円、運転資本1,085.39億円を確保しているため、短期流動性は良好である。現金預金は257.22億円で、短期負債に対する現金比率は0.97倍であり、短期負債を現金だけでほぼカバーする水準にある。有利子負債は901.43億円、D/E比率は2.72倍であり、2.0倍を上回るレバレッジ警告に該当する。Debt/Capital比率も62.9%で、60%超の注意水準にある。総負債は1,450.80億円、総資産の73.1%を占め、純資産532.54億円に対する負債依存度は高い。短期負債比率は29.4%で、資金調達の主軸は長期負債に置かれているが、1年内返済予定の長期借入金は308.41億円と前年同期比41.1%増加した。流動資産が流動負債を大きく上回るため形式的な満期ミスマッチは限定的であるが、流動資産の大半は現金ではなく不動産在庫であるため、実質的な資金繰りは在庫売却、案件回収および借換えの円滑性に左右される。販売用不動産735.70億円と開発中不動産769.08億円の合計は総資産の75.9%を占め、不動産在庫リスク警告の対象である。これはデベロッパーとして開発パイプラインを反映する資産構成である一方、不動産市況、販売価格、建設コストおよび金利の変動が資産価値と資金回収に与える影響を増幅させる。無形固定資産は前年同期の7.94億円から5.06億円へ36.3%減少したが、総資産に占める比率は0.3%にとどまり、無形資産・のれんへの依存は低い。自己株式は0.10億円から0.07億円へ減少しているが、純資産への影響は軽微である。インタレストカバレッジは6.51倍で5倍を上回り、現時点の利払い余力は確保されている。ただし、支払利息の増加が継続する場合には、利益水準と借入条件の双方を通じてカバレッジが低下する可能性がある。

B/S変動のポイント

開発中不動産: +170.61億円(+28.5%)- 769.08億円へ増加。開発パイプラインの拡大を示す一方、完成・売却までの資金拘束、建設コスト上昇および市況変動への感応度を高める。1年内返済予定の長期借入金: +89.79億円(+41.1%)- 308.41億円へ増加。短期の返済・借換え管理の重要性が上昇している。無形固定資産: -2.88億円(-36.3%)- 5.06億円へ減少。総資産比0.3%と小さく、資産価値や収益力への直接的な影響は限定的である。自己株式: +0.03億円(+30.0%)- 控除額は0.07億円へ縮小。変動率は大きいが、純資産に対する金額的重要性は軽微である。

キャッシュフロー品質

配当持続性

第2四半期配当は1株当たり11.00円である。会社予想の年間配当は1株当たり38.00円であり、発行済株式数33,911,219株を基準とした年間配当総額は約12.89億円となる。通期の親会社株主に帰属する当期純利益予想65.00億円に対する予想配当性向は約19.8%であり、配当のみでみる還元負担は低い。第3四半期累計時点で支払済みの第2四半期配当11.00円に基づく計算配当性向は9.0%である。配当予想38.00円は前年同期の中間配当9.00円を上回る。利益予想の達成が前提となるが、予想配当性向は60%を大幅に下回り、会計利益ベースでの配当持続性は高い。もっとも、不動産在庫への資金投下と有利子負債901.43億円を踏まえると、配当余力は会計利益だけでなく、物件売却による資金回収、開発投資および借入金返済との資金配分に依存する。

リスク評価

ビジネスリスクとして、高優先度:不動産在庫リスク。販売用不動産735.70億円と開発中不動産769.08億円の合計1,504.78億円は総資産の75.9%を占める。デベロッパーとして一定の在庫保有は事業上通常であるが、警告基準の50%を大幅に上回り、販売鈍化、価格調整、評価損および資金回収遅延時の影響は大きい。、高優先度:宿泊事業への利益集中。宿泊事業はセグメント利益83.48億円で報告セグメント利益合計91.61億円の91.1%を占める。宿泊需要、訪日客動向、稼働率、客室単価および競争環境の変動が連結利益へ大きく波及する。、中優先度:レジデンシャル事業の採算悪化。売上高は前年同期比12.0%減、セグメント利益は4.50億円の黒字から3.87億円の赤字に転じた。引渡し案件構成、用地取得価格、建設費および販売条件の変動が収益性を左右する。、中優先度:工事事業の縮小・赤字化。売上高は34.2%減少し、3.11億円のセグメント損失となった。建設資材・労務費の上昇や案件採算悪化が継続する場合、損失拡大の可能性がある。、中優先度:金利上昇リスク。有利子負債が大きい不動産開発モデルであり、支払利息は前年同期比47.3%増の10.50億円となった。金利上昇や借換え条件の悪化は経常利益と開発案件の投資採算を圧迫する。が挙げられます。

財務リスクとしては、高優先度:レバレッジ警告。D/E比率2.72倍は2.0倍の警告基準を超え、Debt/Capital比率も62.9%である。積極的な開発資金調達を反映する一方、資産価格下落や収益変動時には自己資本に対する損失吸収余力が相対的に低下する。、中優先度:借換え・満期管理リスク。1年内返済予定の長期借入金は308.41億円と前年同期比41.1%増加した。流動比率240.8%は健全であるが、流動資産の多くを在庫が占めるため、金融市場環境と物件売却進捗が資金繰りの重要な前提となる。、中優先度:利払い余力の低下リスク。インタレストカバレッジは6.51倍と現状では強固な水準にあるが、営業利益は前年同期比2.9%減少し、支払利息は増加している。営業利益の回復が遅れればカバレッジ低下につながる。が挙げられます。

主な懸念事項としては、最重要監視項目は、総資産の75.9%を占める不動産在庫の回転、販売価格および評価損の有無である。、次に、通期営業利益予想110.00億円に対し、第4四半期に41.61億円の営業利益を必要とする期末依存度である。、宿泊事業の高収益成長が、レジデンシャル事業・ソリューション事業・工事事業の採算低下を継続的に補えるかが重要である。、品質アラートであるD/E比率2.72倍は、成長投資を支える一方で金利・借換え・市況下落局面に対する感応度を高める。、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフローおよび借入金の詳細な満期別構成は提示数値から把握できないため、在庫拡大が実際の資金創出力とどの程度整合しているかは継続的な確認を要する。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、粗利益率は約110bp改善したが、販管費の前年同期比9.3%増により営業利益率は約30bp低下した。、宿泊事業は売上高前年同期比26.8%増、セグメント利益同39.2%増、利益率34.7%であり、連結収益の主力である。、レジデンシャル事業と工事事業は赤字化しており、事業ポートフォリオ内の収益格差が拡大している。、D/E比率2.72倍、Debt/Capital比率62.9%は積極的な負債活用を示す。、不動産在庫は総資産の75.9%を占めるため、資産回転と価格維持が財務・利益の両面で重要である。、通期予想の達成には第4四半期の大幅な利益計上が必要であり、案件引渡しの実現性が焦点となる。が挙げられます。

注視すべき指標は、レジデンシャル事業の売上高、セグメント利益および黒字回復時期、宿泊事業の売上高、セグメント利益率、稼働率および客室単価、販売用不動産・開発中不動産の残高、回転、評価損および売却進捗、有利子負債、1年内返済予定の長期借入金、支払利息およびインタレストカバレッジ、通期営業利益110.00億円に対する第4四半期の利益計上状況、販管費と全社費用の増加率です。

セクター内ポジションについては、年換算ROE10.3%は良好水準にあるが、その形成は3.72倍の財務レバレッジに大きく依存する。流動比率240.8%とインタレストカバレッジ6.51倍は短期的な流動性・利払い能力を支える一方、不動産在庫比率75.9%とD/E比率2.72倍は、販売市況および金利環境に対する感応度が高いデベロッパー型の財務特性を示す。