| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥10577.6億 | ¥10142.4億 | +4.3% |
| 営業利益 | ¥2991.6億 | ¥2715.2億 | +10.2% |
| 経常利益 | ¥2892.3億 | ¥2683.2億 | +7.8% |
| 純利益 | ¥2125.3億 | ¥1916.8億 | +10.9% |
| ROE | 8.6% | 8.8% | - |
2026年3月期決算は、売上高1兆577.6億円(前年比+435.3億円 +4.3%)、営業利益2,991.6億円(同+276.4億円 +10.2%)、経常利益2,892.3億円(同+209.1億円 +7.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益2,125.3億円(同+208.6億円 +10.9%)と増収増益を達成した。主力の不動産賃貸事業が営業利益2,101.8億円(+11.4%)と高収益を維持する中、不動産販売事業が売上3,240.3億円(+9.9%)、営業利益762.2億円(+18.7%)と二桁増益で回復し、収益構造を厚くした。営業利益率は28.3%(前年26.8%)へ+1.5pt改善、純利益率は20.1%(同18.9%)へ+1.2pt向上し、収益性の底上げが進展している。一方、営業キャッシュフローは1,272.9億円(前年比-49.7%)と純利益対比0.60倍に留まり、販売用不動産の積み増し(在庫増-1,291.5億円)と前受金減少(-145.4億円)が資金拘束を強めた。設備投資1,456.4億円を実施しフリーキャッシュフローは-271.0億円となったが、総資産7.19兆円、自己資本2.47兆円へ拡大し、投資有価証券は1.12兆円(+33.0%)へ積み上がった。通期配当は65円(中間42円、期末23円)で配当性向28.6%、総還元性向は約45%と株主還元も継続した。
【売上高】売上高は1兆577.6億円(前年比+4.3%)と増収を確保した。セグメント別では、不動産賃貸が4,606.4億円(+6.2%)と堅調に拡大し、オフィスビル・マンションの稼働率改善と賃料改定が寄与した。不動産販売は3,240.3億円(+9.9%)と大幅増収で、マンション・戸建の在庫消化が進展し採算も改善した。一方、ハウジングは1,889.0億円(-7.5%)と減収に転じ、住宅リフォーム・新築需要の調整局面が反映された。ステップ(仲介)は753.6億円(+3.0%)と微増で、不動産流通市場の底堅さを背景に取引件数が拡大した。その他は132.1億円と小規模ながら、フィットネス・飲食等の周辺事業が補完した。売上総利益は3,841.0億円で粗利率は36.3%(前年34.6%)へ+1.7pt改善し、賃貸の高マージン化と販売のミックス改善が効いた。
【損益】営業利益は2,991.6億円(+10.2%)と二桁増益を達成した。販管費は849.4億円(+6.5%)と売上成長率を上回る伸びだったが、粗利の大幅拡大で吸収し、営業利益率は28.3%へ+1.5pt改善した。経常利益は2,892.3億円(+7.8%)で、営業外では受取配当金196.5億円の安定収入を計上する一方、支払利息272.2億円で営業外収支は-99.2億円のネット費用となったが、営業増益が下支えした。特別損益は投資有価証券売却益331.7億円を主因に純額+143.3億円を計上し、減損損失83.1億円を相殺した。税引前利益は3,035.7億円、法人税等910.3億円(実効税率30.0%)を差し引き、当期純利益は2,125.3億円(+10.9%)となった。結論として、賃貸の収益力強化と販売の採算改善を背景に、増収増益を達成した決算である。
不動産賃貸は営業利益2,101.8億円(前年比+11.4%)で利益率45.6%と圧倒的な収益性を誇り、全社営業利益の70.3%を占める主力事業である。不動産販売は営業利益762.2億円(+18.7%)で利益率23.5%(前年21.8%)へ+1.7pt改善し、在庫回転と価格ミックスの最適化が奏功した。ハウジングは営業利益134.2億円(-37.8%)で利益率7.1%(前年10.6%)へ低下し、減収と採算悪化が重なった。ステップは営業利益236.0億円(+21.0%)で利益率31.3%(前年26.7%)へ+4.6pt改善し、仲介手数料率の向上と取引拡大が寄与した。賃貸と販売の二本柱が増益を牽引し、ステップも高マージンで存在感を高める一方、ハウジングの低迷が全体を部分的に相殺する構図である。
【収益性】営業利益率は28.3%(前年26.8%)へ+1.5pt改善し、純利益率は20.1%(同18.9%)へ+1.2pt向上した。ROEは8.6%(前年9.1%)とやや低下したが、これは純資産の大幅増加(+13.9%)を分母とする計算構造によるもので、純利益自体は+10.9%増益を達成している。粗利率は36.3%(前年34.6%)へ+1.7pt改善し、セグメント別では賃貸45.6%、販売23.5%、ステップ31.3%と高水準を維持した。【キャッシュ品質】営業CF/純利益は0.60倍と低位で、販売用不動産の積み増し(-1,291.5億円)と前受金減少(-145.4億円)が運転資本を逆回転させた。営業CF/EBITDAは0.34倍に留まり、キャッシュ転換の弱さが顕在化している。【投資効率】ROA(経常利益ベース)は4.2%(前年4.0%)へ微増し、設備投資1,456.4億円は減価償却費763.4億円の1.91倍で成長投資を継続した。【財務健全性】自己資本比率は34.4%(前年32.3%)へ+2.1pt改善し、流動比率は131.3%で短期流動性は許容範囲にある。有利子負債は3.02兆円(D/E比率1.91倍)と高水準だが、長期借入金が中心で満期構成は長く、インタレストカバレッジはEBITベース約11倍で金利耐性は確保されている。
営業キャッシュフローは1,272.9億円で、前年比-49.7%と大幅に減少した。営業利益の増加(+276.4億円)にもかかわらず、販売用不動産の増加-1,291.5億円と前受金の減少-145.4億円が運転資本を逆回転させ、純利益2,125.3億円に対するカバー率は0.60倍に留まった。小計(運転資本変動前)は2,360.1億円と底堅いが、在庫積み増しと売上債権増加-14.9億円、法人税等支払-1,023.4億円が資金を吸収した。投資キャッシュフローは-1,543.9億円で、設備投資-1,456.4億円(減価償却費の1.91倍)が主体となり、投資有価証券の売却益49.9億円で部分的に相殺した。フリーキャッシュフローは-271.0億円となり、営業CFでは設備投資を賄えない状況が続いた。財務キャッシュフローは-127.6億円で、長期借入の純増(借入3,408億円-返済2,538.6億円)+87.0億円を確保する一方、配当支払-361.0億円と自己株式取得-605.2億円で総還元約966億円を実施し、社債償還-400億円とCP純増+149.0億円で資金繰りを調整した。現金及び現金同等物は582.9億円(前年982.3億円)へ-399.4億円減少し、在庫投資と株主還元が手元流動性を圧迫する構図となった。
収益の質は、営業利益2,991.6億円が主軸で経常的な稼得力は高い。営業外では受取配当金196.5億円の安定収入があるが、支払利息272.2億円で営業外収支はネット-99.2億円となり、経常利益2,892.3億円は営業増益で下支えされた。特別損益は投資有価証券売却益331.7億円を主因に純額+143.3億円を計上し、減損損失83.1億円と固定資産除却損31.9億円を相殺した。当期純利益2,125.3億円のうち一時的要因は約6.7%相当で、営業利益ベースの収益性が本質的な実力を反映している。一方、営業CF/純利益0.60倍とアクルーアルは高く、包括利益3,987.4億円(純利益比+1,862.1億円)は有価証券評価差額金1,594.2億円と繰延ヘッジ損益272.0億円の評価益拡大が寄与し、純資産の質を厚くしたが、現金化は限定的である。営業利益と経常利益の乖離は-99.2億円で3.3%程度と小幅で、収益構造の歪みは少ない。
通期計画(2027年3月期)は売上高1兆700.0億円(前年比+1.2%)、営業利益3,200.0億円(+7.0%)、経常利益3,000.0億円(+3.7%)、当期純利益2,230.0億円(+4.9%)を見込む。今期実績に対して小幅増益の計画で、賃貸の継続増収と販売在庫の消化が前提となる。売上成長率+1.2%は控えめだが、営業利益率は29.9%へさらに+1.6pt改善する想定で、賃貸の稼働率・賃料改定と販売ミックスの最適化が鍵となる。経常利益の伸び+3.7%が営業利益+7.0%を下回るのは、支払利息の増加を織り込んだ結果と推察される。純利益の伸び+4.9%は特別利益の正常化を反映し、配当予想は26円で配当性向は約17.3%と堅実な水準を維持する。進捗率は、営業利益で今期実績2,991.6億円÷通期計画3,200.0億円=93.5%と高く、達成確度は比較的高いが、在庫回転の正常化と金利動向がボラティリティ要因となる。
2026年3月期の配当は中間42円(株式分割前ベース)、期末23円(分割後ベース)で通期65円相当、配当性向は28.6%(EPS228.42円に対して)と持続可能な水準にある。配当総額は361.0億円で、自己株式取得605.2億円(自己株式の簿価が-202.3億円→-458.1億円へ増加)と合わせた総還元は約966億円となり、純利益2,125.3億円に対する総還元性向は約45%である。一方、フリーキャッシュフローは-271.0億円で配当のFCFカバレッジは充足しておらず、還元は営業CFと借入の併用で実施している。2027年3月期の配当予想は26円(分割後ベース)で前期比+13.0%(分割後換算32.5円からの-20.0%)だが、1月に1:2の株式分割を実施しており実質的には増配基調を維持する方針である。株式交付信託への配当179百万円を含む配当総額と自己株買いを合わせた総還元の継続は、自己資本の効率化と株主価値向上を企図するが、今後は在庫回転の改善と投資有価証券の運用方針、借入コストの動向が配当余力に影響する。
在庫積み増しと販売速度リスク: 販売用不動産は5,446.8億円(前年比+35.5%)へ積み上がり、在庫増-1,291.5億円が営業CFを圧迫した。金利上昇や所得環境悪化により販売速度が鈍化した場合、資金拘束の長期化と減損リスクが顕在化し、収益性と流動性の両面で影響を受ける可能性がある。販売用不動産/年間売上高比率は51.5%と高く、回転日数の延長は資金効率を低下させる。
高レバレッジと金利上昇リスク: 有利子負債は3.02兆円(D/E比率1.91倍、Debt/EBITDA 8.05倍)と高水準にあり、支払利息は272.2億円を計上している。長期借入金が中心で満期構成は長いが、金利上昇局面では借り換えコストの増加と支払利息の拡大により経常利益が圧迫される。インタレストカバレッジは約11倍で耐性は確保されているが、EBITDA減少時には余裕が縮小し、資本構成の柔軟性が低下する。
営業CFの弱さとキャッシュ転換リスク: 営業CF/純利益0.60倍、営業CF/EBITDA 0.34倍とキャッシュ転換が低位で、営業CFでは設備投資1,456.4億円を賄えずフリーCFは-271.0億円となった。前受金の減少-145.4億円と在庫積み増しが主因だが、運転資本の正常化が遅れた場合、配当・投資の原資を借入に依存する構図が固定化し、財務柔軟性とクレジット評価に影響する可能性がある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 28.3% | 10.7% (6.8%–17.9%) | +17.6pt |
| 純利益率 | 20.1% | 5.8% (2.5%–11.9%) | +14.3pt |
自社の収益性は業種内で顕著に高く、主力不動産賃貸事業の高マージン(45.6%)が全体を押し上げている。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 4.3% | 12.8% (4.2%–29.2%) | -8.5pt |
売上高成長率は業種中央値を下回り、大型賃貸ストックの安定成長型ビジネスモデルを反映している。
※出所: 当社集計
不動産賃貸事業の高収益性と販売事業の回復が両輪となり、営業利益率28.3%(+1.5pt)、純利益率20.1%(+1.2pt)と収益性の底上げが進展している。主力の賃貸は営業利益2,101.8億円(利益率45.6%)と圧倒的な収益力を誇り、販売も利益率23.5%(+1.7pt改善)へ回復し、ステップも利益率31.3%(+4.6pt改善)と高マージン化が進む。業種内でも営業利益率は中央値10.7%を+17.6pt上回り、収益構造の優位性が際立つ。一方、売上高成長率+4.3%は業種中央値12.8%を下回り、安定成長型のビジネスモデルが反映されている。
キャッシュフローの質と在庫回転が主要な注視点である。営業CF/純利益0.60倍、営業CF/EBITDA 0.34倍と現金化の弱さが顕在化し、販売用不動産5,446.8億円(+35.5%)の積み増しと前受金減少-145.4億円が運転資本を逆回転させた。フリーCFは-271.0億円で配当・自己株買いの総還元約966億円は営業CFと借入で賄う構図となり、在庫回転の正常化が資金効率改善の鍵となる。有利子負債3.02兆円(D/E比率1.91倍)と高レバレッジだが、長期借入中心でインタレストカバレッジ約11倍を確保しており、金利上昇リスクへの耐性は一定水準にある。投資有価証券1.12兆円(+33.0%)への積み上げと評価差額の拡大(+1,862.1億円)が純資産を厚くし、財務クッションとして機能している。
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