| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥27097.5億 | ¥26253.6億 | +3.2% |
| 営業利益 | ¥3977.9億 | ¥3727.3億 | +6.7% |
| 経常利益 | ¥3133.2億 | ¥2902.6億 | +7.9% |
| 純利益 | ¥2718.5億 | ¥2460.7億 | +10.5% |
| ROE | 8.0% | 7.5% | - |
2026年3月期決算は、売上高2兆7,097億円(前年比+844億円 +3.2%)、営業利益3,978億円(同+251億円 +6.7%)、経常利益3,133億円(同+231億円 +7.9%)、純利益2,719億円(同+258億円 +10.5%)となった。賃貸事業(売上9,597億円 +7.0%、営業利益1,816億円 +2.9%)が安定収益基盤を強化し、マネジメント事業(売上6,100億円 +5.7%、営業利益809億円 +12.9%)と施設営業事業(売上2,450億円 +9.1%、営業利益463億円 +20.0%)が増収増益で底上げ。分譲事業は売上7,293億円(▲3.8%)と減収ながら営業利益1,435億円(+0.4%)と高マージン19.7%を維持。特別利益1,035億円(投資有価証券売却益517億円、固定資産売却益518億円)が純利益を押し上げた一方、営業CF1,453億円(前年比▲75.8%)と販売用不動産の増加で現金転換は鈍化。営業利益率は14.7%(前年14.2%から+0.5pt改善)、ROE8.0%(前年7.9%)で、増収増益かつ収益性改善の決算となった。
【売上高】売上高は2兆7,097億円(+3.2%)。セグメント別では賃貸事業が9,597億円(+7.0%)で最大、分譲事業7,293億円(▲3.8%)、マネジメント事業6,100億円(+5.7%)、施設営業事業2,450億円(+9.1%)、その他3,115億円(+1.9%)。賃貸は国内・海外ともにポートフォリオ拡充と稼働率維持により堅調な増収。分譲は個人向けマンション・投資家向け物件の引渡しタイミングの慎重化により減収となったが、マネジメント事業のプロパティマネジメント・仲介収益の増加と、施設営業事業のホテル・スポーツ施設の需要回復が全体の増収を支えた。地域別売上は国内2兆3,639億円(+2.5%)、その他(海外)3,459億円(+8.4%)で、海外売上比率は12.8%と前年12.1%から拡大。粗利率は24.9%(前年24.2%から+0.7pt改善)で、賃貸・施設営業の高稼働と分譲の高採算物件構成が寄与した。
【損益】営業利益は3,978億円(+6.7%)で増収率を上回る増益。販管費は2,770億円(+5.6%)と売上増を下回る伸びに抑え、販管費率10.2%(前年10.0%から+0.2pt)と微増にとどまった。営業利益率14.7%(前年14.2%から+0.5pt改善)で、営業レバレッジが機能。経常利益は3,133億円(+7.9%)となり、営業利益の改善が波及した一方、支払利息770億円(前年823億円から▲53億円減少)と金利負担は軽減傾向にあるものの依然大きい。持分法損益は▲43億円(前年▲25億円)と悪化し、非連結投資先の損失が拡大。特別利益1,035億円(投資有価証券売却益517億円、固定資産売却益518億円)、特別損失198億円(減損損失198億円)を計上し、税引前利益3,970億円(+9.4%)。法人税等1,252億円、非支配株主利益▲68億円を経て、親会社株主帰属純利益2,787億円(+12.0%)となった。純利益率10.3%(前年9.4%から+0.9pt改善)で、特別利益の寄与も含め増収増益を達成した。
賃貸事業(Leasing)は売上9,597億円(+7.0%)、営業利益1,816億円(+2.9%)、利益率18.9%。オフィスビル・商業施設の賃貸収入が堅調に推移し、国内外のポートフォリオ拡充が寄与。分譲事業(PropertySales)は売上7,293億円(▲3.8%)、営業利益1,435億円(+0.4%)、利益率19.7%。個人向けマンション・投資家向け物件の引渡しタイミングが後ずれし減収となったが、高採算物件の構成比維持により利益率は高水準を確保。マネジメント事業(Management)は売上6,100億円(+5.7%)、営業利益809億円(+12.9%)、利益率13.3%。プロパティマネジメント・仲介・アセットマネジメント等のノンアセットビジネスが好調で、営業利益率は前年12.4%から+0.9pt改善。施設営業事業(FacilityOperations)は売上2,450億円(+9.1%)、営業利益463億円(+20.0%)、利益率18.9%。ホテル・リゾート事業やスポーツ・エンターテインメント事業が需要回復を背景に増収増益。その他セグメント(新築請負事業等)は売上3,115億円(+1.9%)、営業利益80億円(+67.7%)、利益率2.6%で小幅増。全社費用▲625億円を調整後、連結営業利益3,978億円となり、賃貸・施設営業・マネジメントの増益が牽引した。
【収益性】営業利益率14.7%(前年14.2%から+0.5pt改善)、純利益率10.3%(前年9.4%から+0.9pt改善)で、粗利率24.9%(前年24.2%から+0.7pt改善)が収益性改善を主導。ROE8.0%(前年7.9%)、ROA経常利益ベース3.1%(前年3.0%)と資本効率はやや改善。【キャッシュ品質】営業CF/純利益は0.52倍(前年2.44倍)と大幅低下、販売用不動産の増加(営業CF調整▲1,510億円)が主因。営業CF/EBITDAは0.26倍(EBITDA5,488億円に対し営業CF1,453億円)と現金転換力は弱い。【投資効率】総資産回転率0.268回(前年0.266回)と微増、ROICは試算で約4.2%と低位にとどまる。【財務健全性】自己資本比率33.5%(前年33.2%)、Debt/EBITDA5.74倍、Debt/Capital48.2%とレバレッジは高めだが、EBITDAインタレストカバレッジ7.13倍(EBITDA5,488億円/支払利息770億円)、インタレストカバレッジ5.17倍(EBIT3,978億円/支払利息770億円)で金利耐性は十分。流動比率175.6%、当座比率175.6%で流動性は良好な一方、現金/短期負債0.10倍(現金823億円/短期借入7,923億円)とタイトで、短期借入の増加(+38.2%)に伴う満期ミスマッチ管理が重要。
営業CFは1,453億円(前年5,993億円から▲75.8%)と大幅減少。営業CF小計3,308億円に対し、販売用不動産の増加▲1,510億円(前年+403億円の減少)が主因で、在庫積み上げが資金を圧迫。法人税等支払▲1,267億円、利息支払▲754億円も控除され、CFは大幅縮小。投資CFは▲1,790億円(前年▲3,220億円)で、固定資産取得▲2,364億円を、有価証券・固定資産売却1,354億円(投資有価証券売却730億円、固定資産売却1,354億円)で部分オフセット。フリーCFは▲337億円(前年+2,773億円)と赤字転換し、在庫戦略とキャッシュ転換の弱さが表面化。財務CFは▲591億円(前年▲2,694億円)で、短期借入金+6,190億円増加、長期借入+4,875億円調達により借入サイドは積極的だが、短期借入返済▲6,137億円、長期返済▲4,851億円、社債償還▲1,048億円で実質増は限定的。配当支払▲915億円、自己株式取得▲999億円で総還元約1,914億円を実施し、FCF▲337億円に対し還元が大幅に上回るため、借入で補填した構図。現金期末残高823億円(前年1,641億円から▲49.8%)と手元流動性は減少し、短期負債依存度の高まりとあわせ資金繰りの余裕は縮小。
営業利益3,978億円のうち、経常的収益は賃貸・マネジメント・施設営業の増収増益が主体。一時的要因として特別利益1,035億円(投資有価証券売却益517億円、固定資産売却益518億円)が純利益を押し上げ、純利益2,787億円の約37.1%を一時項目が占める。特別損失は減損198億円で、経常利益3,133億円と純利益2,787億円の差分は特別損益と法人税等の調整によるもの。営業外収益は151億円(売上比0.6%)と小規模で、持分法損益▲43億円が営業外でマイナス寄与。営業CF1,453億円は純利益2,787億円の0.52倍にとどまり、販売用不動産の増加(▲1,510億円)が現金化を阻害。アクルーアル比率は(純利益2,787億円-営業CF1,453億円)/総資産10兆1,035億円≒1.3%と良好だが、OCFの絶対水準が低いため収益の質には要注意。包括利益3,184億円(純利益2,787億円+その他包括利益466億円)で、有価証券評価差額244億円、退職給付調整額112億円がプラス寄与し、包括利益は純利益を+14.2%上回る。利益の持続性は、賃貸収益の安定性と分譲在庫の計画的引渡し、ならびに資産売却益への依存度低減が鍵となる。
通期業績予想は売上高2兆8,000億円、営業利益4,100億円、経常利益3,150億円、純利益2,850億円、EPS105.50円、配当18.50円。実績との乖離は、売上高▲3.2%(2兆7,097億円/2兆8,000億円)、営業利益▲3.0%(3,978億円/4,100億円)、経常利益▲0.5%(3,133億円/3,150億円)、純利益▲2.2%(2,787億円/2兆8,500億円)と小幅未達。主因は分譲事業の引渡しタイミングの後ずれと在庫戦略の慎重化、ならびに特別利益の変動とみられる。配当は年35円実施(予想18.50円は来期ベースと想定)で、配当性向34.7%は持続可能な範囲。業績予想比の軽微な未達は、在庫の計画的消化と賃貸収益の安定性を前提とした保守的な運営の結果と評価でき、来期は分譲在庫の引渡し進捗が業績回復の鍵となる。
年間配当は35円(中間17円、期末18円)で前年配当15円から+20円増配。配当性向34.7%(純利益2,787億円に対し配当総額約965億円、ただし総配当支払915億円との差異は期中変動)は利益ベースで持続可能な水準。自己株式取得999億円を実施し、総還元は配当+自社株買いで約1,914億円。総還元性向は純利益2,787億円に対し約68.6%と高めだが、フリーCF▲337億円に対し還元総額は大幅に上回るため、還元は借入により補填された構図。自己株式残高は384億円(前年122億円から+214.8%)に増加し、発行済株式数27.6億株(自己株式38百万株)に対し1.4%の消却効果。EPS101.04円(前年89.26円から+13.2%)は増配と自社株買いの効果も含む。配当の持続性は、営業CFの回復(販売用不動産の引渡し進捗)と賃貸収益の安定性に依存。今後は総還元とFCFのバランス、ならびに借入依存度の抑制が株主還元の持続可能性の鍵となる。
分譲事業の引渡しタイミングリスク: 販売用不動産1兆3,787億円(総資産比13.6%)と在庫水準が高く、個人向けマンション・投資家向け物件の引渡しタイミングや販売市況の変動が業績に直結。当期は売上▲3.8%と減収となり、在庫増加が営業CF▲1,510億円を圧迫。在庫回転日数(販売用不動産/売上×365)は約186日で前年206日から改善したものの、市況軟化や金利上昇による需要減速が在庫滞留・評価損リスクとなる。分譲利益率19.7%と高採算だが、ボラティリティが大きく業績の変動要因となる。
高レバレッジと短期借入依存による流動性リスク: 総借入4兆8,699億円(短期7,923億円+長期2兆3,579億円+社債9,969億円+1年内償還社債300億円)でDebt/EBITDA5.74倍、Debt/Capital48.2%と高レバレッジ。短期借入金は前年5,732億円から+38.2%増加し7,923億円となり、現金823億円に対し現金/短期負債0.10倍とタイト。満期ミスマッチが拡大し、リファイナンス環境の変化(金利上昇、信用収縮)に敏感。EBITDAインタレストカバレッジ7.13倍で当面の金利耐性はあるが、支払利息770億円(売上比2.8%)と金利負担は大きく、金利上昇局面では利払い増加が収益を圧迫する。流動比率175.6%と良好だが、手元現金の減少(▲49.8%)と短期負債の増加で資金繰りの余裕は縮小。
資産売却益依存と収益の反復性リスク: 特別利益1,035億円(投資有価証券売却益517億円、固定資産売却益518億円)が純利益2,787億円の約37.1%を占め、一時的項目への依存度が高い。営業CF1,453億円は純利益の0.52倍にとどまり、資産売却益は現金化されず在庫増加で吸収される構図。営業CF/EBITDA0.26倍とキャッシュコンバージョンが低く、賃貸収益の安定性はあるものの、分譲在庫の引渡し遅延や資産売却益の剥落が収益の持続性を阻害する。持分法損益▲43億円と非連結投資先の損失も拡大し、投資収益の不確実性が増している。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 14.7% | 10.7% (6.8%–17.9%) | +4.0pt |
| 純利益率 | 10.0% | 5.8% (2.5%–11.9%) | +4.2pt |
収益性は業種中央値を営業利益率+4.0pt、純利益率+4.2pt上回り、賃貸ポートフォリオの高稼働と分譲の高採算物件構成が収益性の高さを支えている。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 3.2% | 12.8% (4.2%–29.2%) | -9.6pt |
売上高成長率は業種中央値を▲9.6pt下回り、分譲事業の引渡しタイミング後ずれと在庫戦略の慎重化が成長率を抑制したが、賃貸・マネジメント・施設営業の堅調な増収が下支えしている。
※出所: 当社集計
賃貸事業の安定収益基盤と収益性改善: 賃貸事業(売上9,597億円 +7.0%、営業利益1,816億円 +2.9%、利益率18.9%)が最大の収益源として堅調に推移し、営業利益率14.7%(前年14.2%から+0.5pt改善)と収益性改善が確認された。粗利率24.9%(前年24.2%から+0.7pt改善)で、賃貸ポートフォリオの高稼働と施設営業の需要回復が寄与。業種比較でも営業利益率+4.0pt、純利益率+4.2pt上回り、収益性は業種トップクラス。賃貸の稼働率と賃料改定の持続性、ならびにマネジメント事業の増益継続が中期的な収益安定性の鍵となる。
キャッシュ転換の弱さと在庫戦略の課題: 営業CF1,453億円(前年比▲75.8%)は純利益2,787億円の0.52倍にとどまり、販売用不動産の増加▲1,510億円が現金を圧迫。営業CF/EBITDA0.26倍と現金転換力は低く、フリーCF▲337億円は配当+自社株買い1,914億円を大幅に下回り、借入で補填する構図。在庫水準1兆3,787億円(総資産比13.6%)と高く、分譲事業の引渡しタイミングと在庫回転の改善が営業CF回復の必須条件。特別利益1,035億円(純利益比37.1%)への依存度も高く、資産売却益の剥落リスクと収益の反復性確保が課題。
レバレッジと流動性管理の重要性: Debt/EBITDA5.74倍、短期借入7,923億円(+38.2%)と短期化が進み、現金/短期負債0.10倍と手元流動性はタイト。EBITDAインタレストカバレッジ7.13倍で金利耐性は十分だが、支払利息770億円(売上比2.8%)と金利負担は大きく、金利上昇局面では利払い増加と開発採算の圧迫リスクあり。流動比率175.6%は良好だが、満期ミスマッチの拡大とリファイナンス環境の変化に要注意。配当性向34.7%は持続可能な水準も、総還元68.6%は借入依存で、FCF回復なくしては中長期の株主還元持続性に懸念が残る。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。