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83922026 通期プライムJGAAP

大分銀行(8392) 2026年度通期決算 増収・経常益33%増

2026年度通期の売上高は994.3億円(前年同期比+27.6%)、経常利益は147.1億円(同+32.7%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社大分銀行

銀行/銀行業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥994.3億¥779.2億+27.6%
営業利益---
経常利益¥147.1億¥110.9億+32.7%
純利益¥105.8億¥75.5億+46.0%
ROE4.3%3.6%-

Executive Summary

金利収益の拡大を主因に増収増益となり、収益性は前年から改善した。経常収益は994.3億円(前年比+27.6%)、経常利益は147.1億円(同+32.7%)、純利益は105.8億円(同+46.0%)となった。銀行業セグメントが経常収益・利益を牽引し、資金運用収益の増加が資金調達費用の増加を上回ったことが利益成長の中心にある。一方、会社通期予想対比では経常収益が予想を上回るものの、経常利益・純利益の進捗率は8割台にとどまっている。

業績変動要因

【売上高】経常収益は994.3億円で前年比+27.6%増収となった。銀行業が863.5億円(同+31.6%)と全体の86.8%を占め増収を主導し、資金運用収益(貸出金利息+24.0%、有価証券利息配当金+32.9%)の拡大が寄与した。リース業は100.9億円(同+6.4%)、その他事業は30.1億円(同+3.8%)と、いずれも小幅な増収にとどまった。

【損益】経常利益は147.1億円(同+32.7%)、純利益は105.8億円(同+46.0%)と増益幅は増収率を上回った。資金運用収益+30.4%に対し資金調達費用は+122.0%と急増しており、調達コスト上昇が進んでいるものの、当期は運用収益拡大がこれを吸収した形である。販管費は275.3億円で前年比+2.6%にとどまり、収益拡大局面でのコスト効率は良好である。特別損益は差引1.6億円の損失(減損損失1.2億円含む)で、税引前利益への影響は軽微である。以上より、当期は増収増益と結論できる。

セグメント別分析

銀行業は経常収益863.5億円(前年比+31.6%)、セグメント利益133.4億円(同+37.2%)、利益率15.4%(前年14.8%から改善)と全体を牽引した。リース業は経常収益100.9億円(同+6.4%)、利益4.6億円(同+36.4%)、利益率4.5%と規模は小さいながら増益に寄与した。その他事業(クレジットカード業務等)は経常収益30.1億円(同+3.8%)に対し利益9.6億円(同-10.5%)と減益となった。利益率は32.1%と最も高いものの、当期は収益性が低下しており注視点となる。なお、セグメント利益は経常利益ベースであり、連結営業利益とは定義が異なる。

主要財務指標

【収益性】経常利益率は14.8%(前年14.2%から+56bp改善)、純利益率は10.6%(前年9.7%から改善)。銀行の資金利益は514.7億円で前年比+17.5%増加し、貸出・有価証券運用双方が寄与した。【キャッシュ品質】営業CFはマイナス2,178.4億円で純利益と大きく乖離するが、預金・貸出・市場性資金の増減を含む銀行特有のCF構造を反映しており、一般事業会社基準での利益の質評価には馴染まない。アクルーアル比率は5.1%で極端な水準ではない。【投資効率】ROEは4.3%で前年3.5%から改善したが、一般事業会社基準では低水準にとどまる。ROICは4.4%と5%を下回る。【財務健全性】自己資本比率は5.5%であり、預貸率は貸出金2兆4,606億円÷預金3兆5,322億円で算出すると69.7%となる。負債資本倍率は17.3倍だが、預金を主要負債とする銀行の業態特性を反映したものである。

キャッシュフロー分析

営業CFはマイナス2,178.4億円、投資CFはプラス587.3億円、財務CFはマイナス29.8億円となり、フリーCFはマイナス1,591.2億円、現金及び現金同等物は1,621.0億円減少して6,163.3億円となった。営業CFの大幅な流出は、貸出金が1,893.5億円増加し現金預け金が1,621.5億円減少したことに対応しており、預金・貸出・有価証券取引を含む銀行特有の資金配分を反映したものであり、一般事業会社の運転資本悪化と同列には解釈できない。投資CFのプラスは主に有価証券残高の減少(487.7億円)による資金回収を反映している。設備投資は22.2億円で減価償却費15.1億円を上回り、ソフトウェア投資を中心とした再投資が継続している。財務CFは自社株買い10.1億円と配当支払を主因とするマイナスであり、資本還元の継続がうかがえる。

収益の質

経常利益147.1億円に対し税引前利益は145.5億円で乖離は1.6億円(経常利益比1.1%)にとどまり、特別損益の影響は限定的である。特別損失1.8億円のうち減損損失は1.2億円で、税引前利益への影響は軽微である。純利益105.8億円と税引前利益との差は主に法人税等39.8億円によるもので、実効税率は27.3%と安定的な水準にある。包括利益は396.6億円と純利益を大きく上回っており、その他有価証券評価差額金204.9億円を中心とするその他包括利益290.8億円が純資産増加の大部分を占めた。この乖離は市場価格変動に伴う評価益の拡大を反映しており、実現収益とは区別して捉える必要がある。営業CFは純利益と大きく乖離するが、預金・貸出動向を反映した銀行特有の構造によるものであり、アクルーアル比率5.1%も極端な水準ではないことから、発生主義利益の質自体に大きな懸念は見られない。

業績予想・ガイダンス

会社通期予想に対し、経常収益は994.3億円で予想975.0億円を上回り進捗率102.0%となった一方、経常利益は147.1億円で予想178.0億円に対し進捗率82.6%、純利益は105.8億円で予想113.0億円に対し進捗率93.6%(親会社株主帰属利益ベースでは105.95億円/122.0億円で86.8%)にとどまる。収益が予想超過である一方、利益進捗が相対的に低い点は、資金調達費用の急増(前年比+122.0%)等のコスト要因が予想時点の想定を上回っている可能性を示唆する。

株主還元

配当は中間・期末とも各85円、年間170円が示されている。一方、XBRL上の配当性向は24.3%と報告されているが、年間配当170円と期中平均株式数から機械的に算出すると配当性向は100%を超える水準となり、開示された配当性向や配当総額(25.8億円)とは整合しない。この差異は配当の対象期間や基準日の相違による可能性があり、配当性向の評価には前提の確認が必要である。自社株買いは10.1億円実施されており、配当と合わせた総還元の観点でも評価する必要がある。

リスク要因

  1. 資金調達コストの上昇: 資金調達費用は前年比+122.0%と、資金運用収益の伸び+30.4%を大きく上回るペースで増加している。金利上昇局面が続けば、資金利益の伸び鈍化につながり得る。

  2. 自己資本比率の水準: 自己資本比率は5.5%であり、一般的な健全性の目安である8%を下回る。資本バッファーの水準は、今後の株主還元余力を評価するうえで重要な監視項目である。

  3. 銀行業への収益集中: 経常収益の86.8%、セグメント利益の90.4%を銀行業が占めており、地域経済や地元企業の資金需要動向が連結業績に直接影響する構造にある。その他事業(クレジットカード業務等)の利益は前年比-10.5%と鈍化している。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(bank)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
純利益率10.6%11.9% (7.2%–35.4%)−1.3pt

純利益率は業種中央値をやや下回る水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)27.6%10.1% (7.3%–12.1%)+17.6pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、業種内でも高い伸びを示している。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 経常収益+27.6%、経常利益+32.7%、純利益+46.0%と、当期の増収増益モメンタムは業種内でも高水準にある。銀行業における資金利益の+17.5%増加が業績改善の中核である。

  2. 資金調達費用の+122.0%増は、資金運用収益の伸びを上回るペースであり、今後の金利環境次第でマージン圧迫要因となり得る。自己資本比率5.5%の水準も合わせて、資本基盤の推移が注目点となる。

  3. ROEは4.3%へ改善したものの、業種内の資本効率は引き続き低水準にとどまる。純資産の増加はその他有価証券評価差額金の拡大に大きく依存しており、市場変動に対する資本の感応度にも留意が必要である。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。