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83882026 第3四半期プライムJGAAP

阿波銀行(8388) 2026年度第3四半期決算 増収・経常益25%増

2026年度第3四半期の売上高は702.9億円(前年同期比+20.6%)、経常利益は169.6億円(同+24.5%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社阿波銀行

銀行/銀行業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥702.9億¥582.7億+20.6%
営業利益---
経常利益¥169.6億¥136.2億+24.5%
純利益¥121.8億¥99.8億+22.0%
ROE3.2%3.0%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計は、金利収益の拡大と経費抑制による営業レバレッジの改善を主因に、増収増益となった。経常収益は702.9億円(前年同期比+20.6%)、経常利益は169.6億円(同+24.5%)、純利益は121.8億円(同+22.0%)となった。経常利益の伸びが経常収益の伸びを上回ったのは、一般管理費の増加率(+2.5%)が経常収益の増加率を大きく下回ったためである。EPSは310.91円(前年249.89円、+24.4%)となった。

業績変動要因

【売上高】経常収益は702.9億円(前年比+20.6%)。銀行業セグメントが569.0億円(同+23.7%)と全体の81.0%を占め、貸出金利息(237.96億円、+17.5%)と有価証券利息配当金(161.93億円、+21.1%)の増加が牽引した。リース業は133.9億円(同+9.0%)にとどまり、利益率も4.4%と銀行業の28.8%を大きく下回るため、連結業績への寄与は限定的である。

【損益】経常利益は169.6億円(同+24.5%)、純利益は121.8億円(同+22.0%)。資金運用収益が413.4億円(+20.8%)拡大した一方、預金金利上昇により資金調達費用は77.4億円(+47.8%)と急増したが、資金利益は336.0億円(+16.0%)とネットで増加した。一般管理費は240.9億円(+2.5%)に抑制され、収益拡大に対する費用吸収が進んだことが増益の主因である。特別損失は減損損失0.5億円を含む0.7億円で、純利益への影響は軽微。増収増益と結論づけられる。

セグメント別分析

銀行業は経常収益569.0億円(前年比+23.7%)、セグメント利益163.7億円(同+23.0%)、利益率28.8%と連結利益の96.6%を占める中核事業である。リース業は経常収益133.9億円(同+9.0%)、セグメント利益5.8億円(同+92.7%)と大幅増益だが、利益率は4.4%にとどまり、規模・収益性の両面で銀行業への依存構造が続いている。

主要財務指標

【収益性】経常利益率は24.1%と前年同期の23.4%から改善し、純利益率も17.3%と前年同期の17.1%から小幅上昇した。ROEは3.2%で、銀行業のバランスシート特性上、総資産回転率が低いことが制約要因となっている。【キャッシュ品質】包括利益は555.2億円と純利益121.8億円を大幅に上回るが、その差は有価証券評価差額金375.3億円などの市場評価変動によるものであり、経常的な収益力とは区別して評価する必要がある。【投資効率】NIM(推計)は1.35%と銀行収益性の警戒水準とされる1.5%を下回っており、預貸率は貸出金2兆4,936.1億円を預金3兆2,823.1億円で除した76.0%で標準的なレンジにある。【財務健全性】自己資本比率は9.2%と前年同期の8.3%から90bp改善し、規制上の最低目安8%を上回るが、健全性の目安とされる12%には届いていない。

キャッシュフロー分析

CF計算書データの開示がないため、貸借対照表の推移から資金動向を分析する。貸出金は2兆4,936.1億円(前年比+1.4%)、有価証券は1兆1,365.7億円(同+9.8%)と資産運用が拡大した一方、預金は3兆2,823.1億円(同+0.4%)と伸びが鈍く、譲渡性預金(+19.0%)と借入金(+9.9%)による調達補完が進んだ。現金預け金は3,967.0億円で前年の4,276.5億円から減少しており、運用資産への資金シフトがうかがえる。純資産は3,838.6億円と前年同期比+14.9%増加し、利益剰余金の積み上がりに加え有価証券評価差額金の増加が寄与した。

収益の質

当期増益の主因は経常的な資金利益の拡大と経費抑制であり、特別損益(純額0.5億円の損失)の影響は軽微なため、利益の質は総じて安定している。ただし、資金調達費用が前年比+47.8%と資金運用収益の伸び(+20.8%)を上回っており、今後は負債側のリプライシングが利益の持続性を左右する。包括利益555.2億円と純利益121.8億円との乖離は主に有価証券評価差額金(+375.3億円)と繰延ヘッジ損益(+58.2億円)によるもので、市場評価要因が中心である。これらは資本の厚みには寄与するものの、経常的な収益力の指標としては区別して捉える必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想に対する第3四半期進捗率は、経常利益79.6%(169.6億円/213.0億円)、純利益81.2%(121.8億円/150.0億円)と、標準的な進捗率75%をいずれも上回っている。経常収益の進捗率は74.6%(702.9億円/942.0億円)とほぼ標準的な水準にある。当四半期に業績予想の修正が行われており、通期経常利益は前年比+19.2%が見込まれている。金利上昇局面での運用利回り改善が継続すれば予想達成を支える一方、資金調達費用の増加ペースは今後の進捗の変動要因となり得る。

株主還元

第2四半期配当は1株60円で、通期配当予想は130円(普通配当60円、期末配当は創業130周年記念配当10円を含む70円)となっている。配当予想修正は行われていない。通期予想純利益150.0億円、発行済株式数から算出した予想配当総額(約50.8億円)に基づく配当性向は約33.8%である。自己株式の帳簿控除額は前年同期比14.99億円増加しており、配当に加えた資本還元の規模は継続的な確認が必要である。記念配当10円は一時的な要素であり、翌期以降の比較では普通配当部分と区別して評価する必要がある。

リスク要因

  1. 利ざや圧縮リスク: 資金調達費用が前年同期比+47.8%と資金運用収益の伸び(+20.8%)を上回っており、預金金利上昇が先行する局面では利ざやが圧縮される可能性がある。NIM(推計1.35%)は警戒水準とされる1.5%を下回る。

  2. 事業集中リスク: 銀行業が連結経常収益の81.0%、セグメント利益の96.6%を占める。リース業の利益貢献は限定的で、主力銀行事業の金利環境・地域貸出需要への感応度が高い構造である。

  3. 有価証券評価変動リスク: 有価証券残高は1兆1,365.7億円と総資産の27.4%を占める。純資産の33.9%を有価証券評価差額金等のその他包括利益累計額が占めており、金利・株式市場の変動が純資産の水準に影響し得る。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(bank)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
純利益率17.3%

自社の純利益率は業種比較データが限定的であり、絶対水準としては17.3%と高水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)20.6%

自社の経常収益成長率は+20.6%と高い伸びを示しているが、業種中央値との比較データは限定的である。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 経常利益は前年同期比+24.5%、純利益は同+22.0%増加し、一般管理費の低い伸び率(+2.5%)と資金運用収益の拡大が増益を支えた。通期予想への進捗率も経常利益79.6%、純利益81.2%と標準的な水準を上回っている。

  2. NIM(推計1.35%)は銀行の収益性における警戒水準を下回り、資金調達費用の伸び(+47.8%)が資金運用収益の伸び(+20.8%)を上回っている点は、増益基調と併存する構造的な制約として観察される。

  3. 自己資本比率は9.2%へ前年同期比90bp改善したが、その改善の一部は有価証券評価差額金の増加という市場評価要因に依存しており、純資産の33.9%をその他包括利益累計額が占める点は資本の質を評価するうえでの観察点となる。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。