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83812026 通期プライムJGAAP

山陰合同銀行(8381) 2026年度通期決算 増収・経常益21%増

2026年度通期の売上高は1,671億円(前年同期比+23.4%)、経常利益は323.4億円(同+21.0%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

銀行/銀行業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1670.8億¥1353.1億+23.4%
営業利益---
経常利益¥323.4億¥267.2億+21.0%
純利益¥227.1億¥187.5億+21.3%
ROE7.1%6.0%-

Executive Summary

銀行業の増収を主因に増収増益となったが、資金調達費用の急増により利鞘面には圧力がかかっている。経常収益は1,670.8億円(前年比+23.4%)、経常利益は323.4億円(同+21.0%)、純利益(親会社株主帰属)は227.0億円(同+21.1%)となった。貸出金の増加と資金運用収益の拡大が収益成長を牽引した一方、預金・市場調達コストの上昇が収益拡大の一部を相殺している。

業績変動要因

【売上高】経常収益は1,670.8億円で前年比+23.4%増収。連結収益の87.3%を占める銀行業が1,457.8億円(同+24.9%)と伸長し、貸出金利息の増加が牽引した。リース業は176.3億円(同+7.4%)、その他事業は36.6億円(同+64.3%)といずれも増収だが、連結収益への構成比は小さい。

【損益】経常利益は323.4億円(同+21.0%)、純利益は227.1億円(同+21.3%)と増益を確保した。銀行業のセグメント利益は314.0億円(同+20.8%)と増益だが、利益率は21.5%で前年から低下しており、資金調達費用の139.8%増が収益拡大を一部相殺している。リース業はセグメント利益が1.0億円と前年比-77.6%の大幅減益で、利益率は0.6%まで低下した。結論として増収増益。

セグメント別分析

銀行業が連結の収益・利益の中核であり、経常収益1,457.8億円(同+24.9%)、セグメント利益314.0億円(同+20.8%)と主力事業の伸長が全体を牽引した。ただし利益率は21.5%で前年の約22.3%から低下しており、資金調達コストの上昇が利益率を圧迫している。リース業は収益176.3億円(同+7.4%)と増収したものの、セグメント利益は1.0億円(同-77.6%)に急減し、利益率は0.6%と大きく低下した。その他事業(クレジットカード業等)は収益36.6億円(同+64.3%)、利益8.6億円(同+179.9%)と大幅増益で利益率23.5%と高水準だが、連結収益に占める構成比は2.2%にとどまり、連結利益への寄与は限定的である。

主要財務指標

【収益性】純利益率は13.6%で前年の13.8%からやや低下し、経常利益率も19.4%で前年の19.7%から低下した。銀行業の資金運用収益は27.6%増加した一方、資金調達費用が139.8%増と急拡大し、収益率の上昇を抑制している。【キャッシュ品質】営業CFは1,362.8億円で純利益227.1億円の6.00倍と現金裏付けは強いが、預金・貸出金・有価証券の変動を含む銀行特有の項目であり、一般企業のフリーCFのような解釈は適さない。包括利益は193.3億円と純利益を下回り、有価証券評価差額金の悪化がその差の主因である。【投資効率】ROEは7.1%で前年の5.8%から改善したが、一般事業会社比較の目安である8%にはなお届いていない。総資産回転率は極めて低く、これは銀行の業態特性を反映している。【財務健全性】自己資本比率は3.6%で前年の3.6%と概ね横ばい。預貸率は約84.5%で銀行業の目安である70〜90%の範囲内にあり、預金基盤は貸出を上回る安定調達構造を維持している。

キャッシュフロー分析

営業CFは1,362.8億円となり、純利益227.1億円の6.00倍と現金創出力は良好である。もっとも銀行の営業CFは預金・貸出金・有価証券等の資金運用・調達の変動を含むため、一般事業会社のキャッシュ創出力とは性質が異なる点に留意が必要である。投資CFは2,833.5億円のプラスとなり、有価証券の圧縮(前年比-13.6%)などの資金運用構成の変化を反映しているとみられる。設備投資は83.1億円で減価償却費28.6億円の約2.9倍に拡大しており、前年の27.9億円から大幅増加し、システムや店舗基盤への投資強化がうかがえる。財務CFは94.4億円のマイナスで、配当支払や自社株買い20.0億円が資金流出の主因である。結果として現金及び現金同等物は4,101.8億円増加し、期末残高は1兆6,302.1億円と流動性は拡大した。

収益の質

経常利益・純利益の増益は、銀行業における貸出金利息・資金運用収益の増加という経常的な要因が中心であり、特別損益の影響は限定的である。特別利益3.0億円、特別損失2.9億円(うち減損損失2.8億円)はいずれも小規模で、通期損益への影響は軽微である。一方、資金調達費用が前年比139.8%増と急増しており、収益の質という観点では利鞘(NIM)の圧迫が今後の持続性を左右する構造的な論点となる。包括利益193.3億円は純利益227.1億円を下回り、有価証券評価差額金がマイナス272.3億円と大きく悪化したことが主因である。この乖離は、保有有価証券の時価変動という市場要因によるものであり、経常収益力そのものの毀損を示すものではないが、金利・市場変動に対する感応度としてモニタリングが必要である。

業績予想・ガイダンス

会社予想に対する進捗率は、経常収益84.6%、経常利益86.2%、純利益89.0%といずれも4分の3経過時点の目安75%を上回っており、順調な進捗にある。通期予想達成には残り期間で経常利益51.7億円、純利益23.0億円程度の積み増しが必要となる。年間配当予想は68円で、当期実績配当60円から8円の増配が見込まれている。

株主還元

年間配当は中間28円・期末32円の合計60円で、前年の同水準から増配となった。純利益ベースの配当性向は39.9%であり、配当の持続性という観点では無理のない水準にある。自社株買いは20.0億円実施されており、配当と自社株買いを合算した総還元性向は約50%程度とみられる。会社予想では年間配当68円への増配が示されており、予想EPS169.67円に対する予想配当性向は約40.1%と、現状とほぼ同水準の還元方針が想定されている。

リスク要因

  1. 純金利マージンの低下: 資金運用収益は27.6%増加した一方、資金調達費用は139.8%増と急拡大した。預金・市場調達コストの上昇が貸出金利への転嫁を上回れば、今後の利鞘がさらに圧迫される可能性がある。

  2. 収益源の集中: 銀行業が連結経常収益の87.3%を占めており、地域経済や貸出需要の変動が連結業績に直接波及しやすい構造にある。

  3. 有価証券評価差額金の変動: その他包括利益はマイナスで、有価証券評価差額金が272.3億円悪化した。金利・債券価格・株式市場の変動に対する純資産の感応度が高い。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
純利益率13.6%11.9% (7.2%–35.4%)+1.7pt

純利益率は業種中央値をやや上回る水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)23.4%10.1% (7.3%–12.1%)+13.3pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、業種内でも高い伸び率にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 経常利益・純利益はともに前年比約21%の増益となったが、資金調達費用の139.8%増によりNIMは低下しており、量的拡大と利鞘のバランスが今後の焦点である。

  2. リース業のセグメント利益が前年比-77.6%と急減しており、一過性要因か採算構造の変化かの見極めが必要な項目である。

  3. 会社予想に対する進捗率は経常利益86.2%、純利益89.0%と順調で、年間配当も60円から68円への増配が予定されている。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。