記事一覧に戻る
83682026 第3四半期プライムJGAAP

百五銀行(8368) 2026年度第3四半期決算 増収・経常益9%増

2026年度第3四半期の売上高は1,101億円(前年同期比+22.9%)、経常利益は223億円(同+9.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

銀行/銀行業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1101.3億¥896.4億+22.9%
営業利益---
経常利益¥223.0億¥204.4億+9.1%
純利益¥161.4億¥146.2億+10.4%
ROE3.2%3.4%-

Executive Summary

当第3四半期累計は増収増益となったが、収益成長に対して利益成長が鈍化しており利益率の低下が最重要ポイントである。経常収益は1101.3億円(前年比+22.9%)、経常利益は223.0億円(同+9.1%)、純利益は161.4億円(同+10.4%)となった。主因は銀行業における貸出金利息・有価証券利息配当金の増加が資金運用収益を押し上げた一方、預金金利上昇に伴う資金調達費用の増加がそれを一部相殺したことにある。結果として経常利益率は前年同期の22.8%から20.2%へ約260bp低下した。

業績変動要因

【売上高】経常収益は1101.3億円(前年比+22.9%)と大幅増収。セグメント別では銀行業が931.0億円(同+26.4%、構成比84.5%)と主力を占め、リース業128.6億円(同+4.5%)、その他事業41.7億円(同+13.5%)が続く。銀行業の伸長は貸出金利息46.7億円(同+22.3%)、有価証券利息配当金23.7億円(同+30.7%)の増加が主因で、資産運用サイドの利回り改善が確認できる。

【損益】経常利益は223.0億円(同+9.1%)、純利益は161.4億円(同+10.4%)で増収増益。ただし経常利益の増加額18.6億円は経常収益の増加額204.9億円に対して小幅にとどまる。要因は資金調達費用が169.4億円と同+55.1%増加し、うち預金利息が23.6億円から90.5億円へ急増したことで、資産側の利回り改善効果を圧迫した。経費は335.3億円(同+8.7%増)と収益成長率を下回り、コスト面の営業レバレッジは維持されている。特別損失は1.2億円(うち減損損失0.2億円)と軽微で、経常利益から純利益への転換に大きな乖離要因はない。結論として増収増益だが、利益率面では改善余地があるモニタリング対象局面にある。

セグメント別分析

銀行業は経常収益931.0億円(前年比+26.4%、構成比84.5%)、セグメント利益214.3億円(同+7.5%)、利益率23.0%で連結利益の中核を担う。リース業は経常収益128.6億円(同+4.5%)、セグメント利益5.0億円(同+9.6%)、利益率3.9%と銀行業に比べ低水準。その他事業(クレジットカード業務・金融商品取引業務等)は経常収益41.7億円(同+13.5%)、セグメント利益10.4億円(同+58.0%)、利益率25.0%と高い伸びを示した。銀行業への収益集中度が高く、地域経済動向や金利環境の変化が連結業績に大きく波及する構造である。

主要財務指標

【収益性】経常利益率は20.2%で前年同期22.8%から約260bp低下、純利益率は14.7%で前年同期16.3%から約165bp低下している。ROEは3.2%、ROICは4.3%であり、収益成長に対して資本効率の伸びが追いついていない状況がうかがえる。【キャッシュ品質】特別損失は1.2億円と軽微で、税引前利益221.7億円から純利益161.4億円への転換は実効税率27.2%程度に収まり、一時的要因による純利益の押し上げ・押し下げは限定的である。【投資効率】貸出金は5129.4億円(前年比+1.5%)、有価証券は1581.4億円(同+6.3%)と資産運用規模が拡大し、資産利回りの改善に寄与している。【財務健全性】自己資本比率は6.6%であり、前年同期の5.9%から改善したものの、一般に目安とされる水準を下回る。純資産は5044.0億円(前年比+15.8%)と増加しており、その主因はその他有価証券評価差額金の増加である。

キャッシュフロー分析

CF計算書の個別データは開示情報に含まれないため、バランスシートの変動から資金動向を分析する。預金は6兆1026.1億円(前年同期比増加)となり、貸出金5兆1293.9億円を上回る規模を維持しており、預金を基礎とした資金運用構造が続いている。現金預け金は7536.8億円、有価証券は1兆5814.2億円で、合計2兆3350.9億円の高流動性資産を有する。一方、譲渡性預金は2424.4億円(前年同期比+45.9%)、債券貸借取引受入担保金は1950.5億円(同+27.0%)と市場性資金への依存度が拡大しており、金利環境の変化が調達コストに与える影響を今後注視する必要がある。

収益の質

当期の純利益161.4億円は、税引前利益221.7億円から法人税等60.3億円を控除したもので、実効税率は27.2%と正常な範囲にある。特別損失は1.2億円(うち減損損失0.2億円)と規模が小さく、一時的要因による純利益への影響は限定的であり、経常的な事業活動から生じた収益が純利益の主体を成している。一方、包括利益775.4億円は純利益161.4億円を大きく上回り、その差の主因はその他有価証券評価差額金599.7億円の増加である。この評価益は金利や市場価格の変動によって逆回転する可能性があり、純利益に比べて包括利益の変動性は高い。資金調達費用の増加が経常利益の伸びを抑制している点も踏まえると、収益の質としては資産運用収益の拡大が続く一方、調達コスト上昇圧力による利益率の圧縮が構造的な課題として観察される。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想は経常利益288.0億円(前年比+12.0%)、純利益206.0億円、EPS予想84.88円、配当予想26.00円で、当四半期の業績予想および配当予想の修正はない。第3四半期累計の進捗率は経常利益77.4%、純利益78.4%であり、標準進捗率75%をそれぞれ2.4pt、3.4pt上回る。第4四半期に必要な経常利益は65.0億円、純利益は44.2億円であり、現時点の進捗は通期計画を支える水準にあるが、預金金利上昇や有価証券関連損益の変動が第4四半期の利益率を左右する要因となる。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり13.00円で、通期配当予想は26.00円である。通期純利益予想206.0億円と期中平均株式数2億4354万株を前提とした配当性向は約30.7%であり、これは配当金のみを分子とする配当性向である。利益剰余金は3088.2億円と積み上がっており、配当負担は利益剰余金に対して小さい。一方、自己株式は71.8億円(前年同期47.9億円から+49.9%)と増加しており、株主還元の総額を評価する際には自己株式の取得・消却方針を併せて確認する必要がある。

リスク要因

  1. 銀行業への収益集中リスク: 銀行業が連結経常収益の84.5%を占める。地域経済動向、貸出競争、預金流出入の変化が連結業績に大きく波及する構造である。

  2. 利ざや圧縮リスク: 預金利息は前年同期23.6億円から90.5億円へ大幅増加し、資金調達費用は同+55.1%増の169.4億円となった。貸出金利息・有価証券利息配当金の増加を一部相殺しており、経常利益率は約260bp低下している。

  3. 資本充実度に関するモニタリング: 自己資本比率は6.6%であり、前年同期5.9%から改善したものの、一般的な資本基準を下回る水準にある。純資産増加の主因はその他有価証券評価差額金の拡大であり、市場変動時には評価益の縮小により資本余力が変化しうる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(bank)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
純利益率14.7%

純利益率は比較データが限定的であり、業種内での相対位置づけは判断材料が不足する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)22.9%

売上高成長率についても業種中央値データが限定的であり、明確な相対比較は困難である。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 経常収益は+22.9%増と大幅な伸びを示す一方、経常利益は+9.1%増にとどまり、経常利益率が約260bp低下した。銀行業における資金調達費用の増加が収益成長を利益成長に転換する効率を抑制している点が決算データから読み取れる構造的特徴である。

  2. 通期予想に対する進捗率は経常利益77.4%、純利益78.4%と標準進捗率75%を上回っており、通期計画に対する順調な進捗が確認できる。

  3. 包括利益775.4億円は純利益161.4億円を大きく上回り、その他有価証券評価差額金の増加が純資産を押し上げている。この評価益は市場環境の変化により変動する性質を持つため、純資産の構成内容としてモニタリングに値する項目である。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。