- 売上高: 3,538.21億円
- 営業利益: 372.67億円
- 当期純利益: 306.22億円
- 1株当たり当期純利益: 99.00円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 3,538.21億円 | 3,617.29億円 | -2.2% |
| 売上原価 | 1,358.47億円 | 1,424.40億円 | -4.6% |
| 売上総利益 | 1,516.16億円 | 1,551.83億円 | -2.3% |
| 販管費 | 1,807.06億円 | 1,777.66億円 | +1.7% |
| 営業利益 | 372.67億円 | 415.23億円 | -10.2% |
| 営業外収益 | 66.96億円 | 68.98億円 | -2.9% |
| 営業外費用 | 80.13億円 | 65.72億円 | +21.9% |
| 経常利益 | 359.49億円 | 418.50億円 | -14.1% |
| 税引前利益 | 446.43億円 | 392.49億円 | +13.7% |
| 法人税等 | 140.21億円 | 125.47億円 | +11.7% |
| 当期純利益 | 306.22億円 | 267.01億円 | +14.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 297.22億円 | 260.75億円 | +14.0% |
| 包括利益 | 283.36億円 | 272.51億円 | +4.0% |
| 減価償却費 | 248.03億円 | 246.30億円 | +0.7% |
| 支払利息 | 57.99億円 | 58.95億円 | -1.6% |
| 1株当たり当期純利益 | 99.00円 | 82.75円 | +19.6% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 83.37円 | 70.32円 | +18.6% |
| 1株当たり配当金 | 23.00円 | 23.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 3,851.37億円 | 3,335.01億円 | +516.36億円 |
| 現金預金 | 816.74億円 | 905.38億円 | -88.64億円 |
| 売掛金 | 2,141.04億円 | 1,643.98億円 | +497.06億円 |
| 棚卸資産 | 404.97億円 | 353.66億円 | +51.31億円 |
| 固定資産 | 9,518.38億円 | 9,625.10億円 | -106.72億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 437.31億円 | 516.87億円 | -79.56億円 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -247.49億円 | -293.06億円 | +45.57億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -285.14億円 | -345.50億円 | +60.36億円 |
| フリーキャッシュフロー | 189.82億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 8.4% |
| 粗利益率 | 42.9% |
| 流動比率 | 88.5% |
| 当座比率 | 79.2% |
| 負債資本倍率 | 1.65倍 |
| インタレストカバレッジ | 6.43倍 |
| EBITDAマージン | 17.5% |
| 実効税率 | 31.4% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 営業収益前年同期比 | -2.2% |
| 営業利益前年同期比 | -10.3% |
| 経常利益前年同期比 | -14.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +14.0% |
| 包括利益前年同期比 | +4.0% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 315.57百万株 |
| 自己株式数 | 22.55百万株 |
| 期中平均株式数 | 300.21百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,721.72円 |
| EBITDA | 620.70億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 23.00円 |
| 期末配当 | 13.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| CommercialPropertyDevelopmentInJapan | 311.12億円 | 52.55億円 |
| ContractAndDesign | 240.76億円 | 19.53億円 |
| DepartmentStoresInJapan | 2,185.79億円 | 162.58億円 |
| Finance | 152.99億円 | 42.31億円 |
| OverseasCommercialPropertyDevelopment | 114.95億円 | 43.88億円 |
| OverseasDepartmentStores | 241.96億円 | 56.15億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 4,914.00億円 |
| 営業利益予想 | 525.00億円 |
| 経常利益予想 | 530.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 400.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 133.94円 |
| 1株当たり配当金予想 | 17.00円 |
2026年度Q3の高島屋は、売上微減の中で営業減益、純利益は増益とミックスが分かれる決算となった。売上高は3,538.21億円で前年同期比-2.2%(当社推計)、営業利益は372.67億円で-10.3%、経常利益は359.49億円で-14.1%と利益段階での鈍化が目立つ。一方、当期純利益は297.22億円で+14.0%と増益に転じ、特別損益のプラス寄与(税引前利益が経常を上回る)や税負担率の低下が下支えしたとみられる。営業利益率は10.5%で前年の約11.5%から約-100bp縮小、純利益率は8.4%で前年の約7.2%から+120bp拡大と、利益率の方向性が分かれた。粗利率は42.9%と高位を維持する一方、販管費率は51.1%まで上昇しコスト吸収に課題が残る。営業外では受取利息11.09億円、受取配当金4.87億円に対し、営業外費用80.13億円(支払利息57.99億円を含む)が負担となり、経常段階での減益幅を広げた。キャッシュフローは良好で、営業CF437.31億円が純利益の1.47倍、フリーCFは189.82億円とプラスを確保し、配当(推計)および150億円の自社株買いを実施しつつ、財務CFは-285.14億円と資本配分を進めた。流動性面では流動比率88.5%、当座比率79.2%と短期指標は弱く、運転資本は-501.55億円のマイナスだが、小売業特性(仕入債務主導の負債モデル)を勘案すれば一定程度は許容範囲。ただし、短期借入金を削減(-63.4%)し長期借入金を積み増し(+39.1%)た資本構成の変更は、満期ミスマッチの緩和と引き換えに利払い負担の固定化・長期化リスクを伴う。ROEは5.9%と業界基準(>8%)に届かず、ROICも4.6%(品質アラート)で目標水準(≥7-8%)に対し低位にとどまる。インタレストカバレッジは6.43倍、Debt/EBITDA 2.10倍、Debt/Capital 20.5%と信用プロファイルは投資適格レンジで安定。B/Sでは売掛金が+30.2%と大きく伸長しており、販売チャネルや決済条件の変化が運転資本に影響した可能性が高い。営業CF対EBITDAの現金転換率は0.70倍と下限に近く、在庫・債権の運転資本管理余地が残る。配当は年間36円想定(中間23円、期末13円)で配当性向約38.2%、FCFカバレッジ1.67倍と持続可能性は良好。総じて、利益水準は底堅いが、販管費の伸長と資本効率の低さ(ROIC 4.6%)がボトルネックで、今後はオペレーション効率化と運転資本の最適化が鍵になる。既存店売上・EC比率等の小売KPIが未開示のため、売上の質と店舗網の健全性評価には不確実性が残る。資源価格・為替感応度は商社ほど高くないが、消費マインドと賃料・人件費の上昇圧力が短中期のマージンに対する主要リスク。今後は販管費率の抑制、売掛金回収の改善、ROICの引き上げ(不採算店の整理、成長投資の選別)により、ROEの8%超回復が達成可能かが注目点となる。
ROE(5.9%)は純利益率8.4% × 総資産回転率0.265 × 財務レバレッジ2.65の積で説明できる。3要素のうち、前年からの変化が大きいのは純利益率の改善(+約120bp)と総資産回転率の低下(売上減少により)で、相殺関係となった。純利益率の改善は、経常段階の減益にもかかわらず、特別損益のプラス寄与と実効税率のコントロール(31.4%)が主因。一方、営業利益率は10.5%と前年11.5%から約-100bp低下し、販管費率上昇(51.1%)が圧迫要因。金利負担係数(EBT/EBIT)1.198は低負債環境を示唆するが、営業外費用の増加が経常利益率を押し下げた。これらの変化の持続性は、特別損益の性質次第で一時的要素が大きいとみるべきで、根源的な収益力は営業段階のマージンに表れる。懸念すべきトレンドは、売上が-2.2%減の一方で販管費が高止まりし、営業レバレッジが逆回転している点。改善には、既存店売上・EC伸長による売上総利益の積み上げに加え、賃料・人件費の効率化、デジタル投資の回収が必要となる。
売上高は当社推計で-2.2%減となり、既存店・新店寄与、ECの内訳は未開示で成長の質は判定困難。粗利率42.9%は商品ミックス・価格政策の維持を示すが、販管費率の上昇が成長の果実を相殺。純利益の増加は特殊要因寄与が大きい可能性があり、持続性には留意が必要。今後の成長ドライバーは、既存店売上の年+2%以上の安定成長、来店客数の回復、EC比率の高まりと単価向上、オムニチャネルによる売場効率改善。マクロでは実質賃金・消費者マインド、インバウンド需要の回復がポジティブ。一方、人件費・賃料上昇は中期的な逆風。足元の売掛金増(+30.2%)は売上計上のタイミングやBtoB比率/決済条件変化の影響を示唆し、短期的にキャッシュ回収が成長の制約となり得る。ガイダンス未記載のため、当面は販管費の抑制と在庫・債権回転の改善を通じて、営業利益率の再拡大(前年比+50-100bp)を目指す局面。
流動比率88.5%、当座比率79.2%と短期流動性は警戒水準だが、業態特性として運転資本はマイナス(-501.55億円)で、買掛金の活用が資金循環を支える。短期負債比率10.6%、現金/短期負債5.93倍と、直近の短期返済リスクは限定的。長短構成では短期借入金を大幅削減(-63.4%)し、長期借入金を積み増し(+39.1%)たため、満期ミスマッチは緩和された一方、利払いの固定化・長期化による金利コスト上振れに留意が必要。レバレッジはDebt/EBITDA 2.10倍、Debt/Capital 20.5%、インタレストカバレッジ6.43倍と投資適格レンジ。オフバランスの開示は本データでは確認できない。自己資本は5,044.90億円、自己株式の積み増し(-275.30億円)で資本効率の引き上げを志向する姿勢がうかがえる。
自己株式: -125.30億円 → -275.30億円(-119.7%)- 自社株買いの積極化。資本効率改善意図だが流動性指標が低いため過度な買付は避けるべき。短期借入金: 376.72億円 → 137.80億円(-63.4%)- 満期ミスマッチ縮小と金利変動リスク低減。手元資金と買掛金で短期資金需要を賄う構図。長期借入金: 838.18億円 → 1,166.28億円(+39.1%)- 長期資金へのリファイナンスで流動性リスクを緩和。ただし利払いの固定化・期間プレミアムによる費用増に留意。売掛金: 1,643.98億円 → 2,141.04億円(+30.2%)- 販売チャネル/決済条件の変化や与信拡大による増加。回収サイトの長期化がOCF圧迫リスク。
営業CF/純利益は1.47倍で高品質。フリーCFは189.82億円とプラスで、配当・自社株買いを賄いながらも手元資金を維持可能。現金転換率(OCF/EBITDA)0.70倍は下限近くで、売掛金の増加(+30.2%)がキャッシュ回収を圧迫した兆候。アクルーアル比率-1.1%は利益の現金裏付けが概ね良好であることを示唆。運転資本操作の明確な兆候は限定的だが、棚卸資産は総資産比3.0%と抑制的で在庫負担は軽い。一方、売掛金回転の改善余地が大きく、与信・決済条件の最適化(後払い比率の見直し、ファクタリング活用等)が現金転換の改善策となる。
年間配当は推計36円(中間23円、期末13円)で配当性向約38.2%と持続可能な水準。FCFカバレッジは1.67倍と十分な余力があり、配当維持・緩やかな増配余地がある。自社株買い150億円を同時に実施しており、総還元の継続性は営業CFの安定性次第。ROE 5.9%、ROIC 4.6%と資本効率は低位なため、増配よりも投資採算の厳格化と成長投資の選別・不採算店整理によるROIC引き上げが優先される可能性が高い。財務体質(Debt/Capital 20.5%)に照らせば、景気後退局面でも配当カット圧力は相対的に低いが、流動比率<1.0のため過度な総還元拡大は望ましくない。
ビジネスリスクとして、既存店売上の伸び悩み(-2.2%の売上減)により固定費レバレッジが逆回転するリスク、人件費・賃料・エネルギー費の上昇による販管費率の高止まり、EC競合強化による値下げ圧力と来店客数の減少(小売業特有リスク)、インバウンドや消費者マインドへの依存度上昇が挙げられます。
財務リスクとしては、流動比率88.5%、当座比率79.2%と短期流動性の脆弱性、長期借入金の増加による利払い負担の固定化と金利上昇局面での費用増加、売掛金の増加(+30.2%)による回収リスク・運転資金圧迫、ROIC 4.6%と資本効率の低位が長期的な価値創造を制約が挙げられます。
主な懸念事項としては、営業利益率が前年から約-100bp低下し、販管費吸収力が弱まっている、純利益増益は一過性要因(特別損益など)寄与の可能性があり持続性が不透明、流動性警告(流動比率<1.0)と小売特性を踏まえても短期資金繰りの監視が必要、現金転換率0.70倍と運転資本効率の改善余地が大きいが挙げられます。
重要ポイントとして、トップラインは鈍化、販管費率上昇で営業マージンが約-100bp悪化、純利益は増益だが一過性要因の可能性が高く、コア収益力の改善が課題、営業CFとFCFは堅調で総還元を賄えるが、流動性指標は警戒水準、レバレッジは投資適格レンジ、長短入替で満期ミスマッチを緩和、ROIC 4.6%と資本効率が低く、投下資本の選別と店舗ポートフォリオ最適化が必須が挙げられます。
注視すべき指標は、既存店売上高成長率(客数・客単価の分解)、販管費率(人件費率・賃料比率・値下げ率)、売掛金回転日数と不良債権比率、EC売上比率とROAS、オムニチャネルKPI(クリック&コレクト等)、営業利益率の四半期推移と特別損益の影響度、ROICと事業別投下資本効率、店舗閉鎖/改装の投資回収です。
セクター内ポジションについては、信用プロファイルは小売大手としては堅実だが、収益性・資本効率は同業上位(営業利益率12-13%、ROIC>7%)に劣後。総還元は健全ながら、オペレーション効率と成長KPIの開示・改善次第で評価が分かれる局面。