- 売上高: 2,889.59億円
- 営業利益: 130.49億円
- 当期純利益: 152.31億円
- 1株当たり当期純利益: 293.86円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 2,889.59億円 | 2,590.64億円 | +11.5% |
| 売上原価 | 2,494.14億円 | 2,249.31億円 | +10.9% |
| 売上総利益 | 395.44億円 | 341.33億円 | +15.9% |
| 販管費 | 264.95億円 | 226.31億円 | +17.1% |
| 営業利益 | 130.49億円 | 115.01億円 | +13.5% |
| 営業外収益 | 13.13億円 | 14.37億円 | -8.6% |
| 営業外費用 | 9.19億円 | 16.60億円 | -44.6% |
| 経常利益 | 134.43億円 | 112.78億円 | +19.2% |
| 税引前利益 | 197.19億円 | 112.44億円 | +75.4% |
| 法人税等 | 44.87億円 | 34.95億円 | +28.4% |
| 当期純利益 | 152.31億円 | 77.49億円 | +96.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 150.33億円 | 79.41億円 | +89.3% |
| 包括利益 | 153.11億円 | 107.09億円 | +43.0% |
| 減価償却費 | 24.85億円 | 20.94億円 | +18.7% |
| 支払利息 | 3.81億円 | 4.03億円 | -5.5% |
| 1株当たり当期純利益 | 293.86円 | 151.15円 | +94.4% |
| 1株当たり配当金 | 110.00円 | 110.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 2,699.39億円 | 2,571.64億円 | +127.75億円 |
| 現金預金 | 732.17億円 | 801.88億円 | -69.71億円 |
| 売掛金 | 1,081.16億円 | 1,060.91億円 | +20.25億円 |
| 棚卸資産 | 492.98億円 | 359.06億円 | +133.92億円 |
| 固定資産 | 570.97億円 | 485.07億円 | +85.90億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 96.76億円 | 149.29億円 | -52.53億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -138.38億円 | -38.24億円 | -100.14億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 5.2% |
| 粗利益率 | 13.7% |
| 流動比率 | 211.8% |
| 当座比率 | 173.1% |
| 負債資本倍率 | 0.89倍 |
| インタレストカバレッジ | 34.25倍 |
| EBITDAマージン | 5.4% |
| 実効税率 | 22.8% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +11.5% |
| 営業利益前年同期比 | +13.5% |
| 経常利益前年同期比 | +19.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +89.3% |
| 包括利益前年同期比 | +43.0% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 52.49百万株 |
| 自己株式数 | 4.83百万株 |
| 期中平均株式数 | 51.16百万株 |
| 1株当たり純資産 | 3,626.81円 |
| EBITDA | 155.34億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 110.00円 |
| 期末配当 | 55.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| ElectricComponents | 21.21億円 | 89.67億円 |
| InformationEquipment | 70.16億円 | 16.16億円 |
| Software | 4.35億円 | 1.65億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 5,950.00億円 |
| 営業利益予想 | 255.00億円 |
| 経常利益予想 | 255.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 260.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 524.78円 |
| 1株当たり配当金予想 | 60.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の加賀電子は、売上・利益ともに2桁伸長で堅調、純利益は大幅増で着地しました。売上高は2,889.59億円で前年比+11.5%、営業利益は130.49億円で+13.5%、経常利益は134.43億円で+19.2%、当期純利益は150.33億円で+89.3%と、特に最終利益が際立ちました。営業利益率は4.52%(=130.49/2,889.59)で、前年推計4.43%から約+9bp改善しました。経常利益率は4.65%で、前年推計4.35%から約+30bp拡大しました。純利益率は5.20%で、前年推計3.06%から約+214bpの大幅改善です。粗利率は13.7%と商社系エレクトロニクス卸として標準的な水準を維持しています。販管費は264.95億円で、販管費率は9.17%(=264.95/2,889.59)とコスト吸収が進んでいます。営業外収益は13.13億円(受取利息5.69億円、受取配当金2.44億円等)で、金利収入の増加が経常段階の押し上げに寄与しました。ROEは8.7%(純利益率5.2%×総資産回転率0.884×財務レバレッジ1.89倍)と資本コストを意識した水準に到達しています。ROICは7.4%と社内ベンチマーク帯(7–8%)に位置し、投下資本効率は概ね良好です。一方で営業キャッシュフローは96.76億円に留まり、営業CF/純利益は0.64倍と品質アラート(<0.8)となっています。運転資本(売掛金1,081.16億円、棚卸資産492.98億円、買掛金745.84億円)の積み上がりがキャッシュ創出を圧迫した可能性があります。財務基盤は流動比率211.8%、当座比率173.1%、インタレストカバレッジ34.25倍と極めて健全で、短期資金繰りの懸念は小さいです。自社株買い144.47億円を実行するなど株主還元は積極的ですが、キャッシュアウトは営業CF+設備投資を上回っています。総じて、収益力・資本効率は改善基調で先行きも堅調が見込まれる一方、運転資本負担に伴うキャッシュ創出の鈍化と、手元資金活用による株主還元の持続可能性を注視する局面です。なお、持分法投資利益の開示がなく、総合商社のような持分法依存は相対的に低いと推察されます。今後は需要環境の変動に伴う売掛・在庫のコントロールがFCFの回復鍵となります。金利動向は受取利息増を通じてプラスの側面もありますが、借入コスト上昇による相殺には留意が必要です。為替変動は売上・在庫評価・粗利率に影響し得るため、ヘッジ方針の徹底が重要です。
ROEの分解: 8.7% = 純利益率5.2% × 総資産回転率0.884 × 財務レバレッジ1.89倍。変化が最も大きい要素は純利益率で、前年推計3.06%→5.20%へ約+214bp改善したのに対し、総資産回転率は卸売モデルの範囲内で安定、レバレッジは0.89倍(負債資本倍率)と保守的です。純利益率改善の要因は、(1) 営業段階でのわずかなマージン拡大(営業利益率推計+9bp)とコスト吸収、(2) 金利環境の追い風による受取利息5.69億円の増加等で経常段階が伸長、(3) 実効税率22.8%と税負担の適正化の寄与が考えられます。こうした改善は、構造的な規模拡大(売上+11.5%)に伴う営業レバレッジと金融収支の好転が重なった結果で、短期的には持続可能性がある一方、金利や為替の反転、ミックス変動での粗利率圧力には注意が必要です。販管費率は9.17%で、売上成長(+11.5%)を下回る増加にとどまったとみられ、現時点で『販管費成長率 > 売上成長率』の懸念は顕在化していません。営業利益率4.52%は薄利多売の卸売モデルとして許容範囲で、スケール拡大に伴う効率改善の余地が残ります。持分法投資利益の寄与は未開示で、利益の主因は本業および金融収支とみなされます。
売上は+11.5%と2桁増、半導体・電子部品の需要回復や取扱い単価上昇、為替の円安寄与が想定されます。営業利益は+13.5%で売上を上回る伸び、限界利益の積み上がりと販管費の吸収が確認できます。経常利益+19.2%は、営業外での受取利息5.69億円など金融収支改善の寄与が大きい構図です。純利益+89.3%は、前年の一過性費用/評価損の剥落や税負担率の正常化が重なった可能性が高い点に留意が必要です。粗利率13.7%は在庫評価や為替、製品ミックスの影響を受けやすく、持続性は需給環境次第です。ROICは7.4%で社内目標帯、追加投資のハードルレートを上回るかは事業別に精査が必要です。今後の見通しは、(1) エレクトロニクス需要の循環回復、(2) 受注バックログの消化と在庫正常化、(3) 金利環境・為替の継続的な追い風があれば、緩やかな増益基調を維持できる公算です。一方、需要反転時には売掛・在庫の調整で成長率が鈍化し、キャッシュ創出の反転に時間差が生じ得ます。
流動比率211.8%、当座比率173.1%と流動性は厚く、短期支払余力は極めて良好です。負債資本倍率0.89倍、長短借入合計357.43億円に対し現金預金732.17億円でネットキャッシュ基調に近く、金利上昇耐性は高いです。インタレストカバレッジ34.25倍(EBITDA/支払利息)と利払い負担は軽微です。短期借入金272.35億円に対し、現金と受取債権(1,081.16億円)の厚みから満期ミスマッチリスクは低位です。固定負債267.29億円と長期債務は抑制的で、リファイナンス集中リスクも限定的とみられます。オフバランス債務の開示はなく、リース等の潜在債務は追加開示待ちです。
営業CFは96.76億円に留まり、営業CF/純利益は0.64倍と品質面で警戒サインです。売上成長に伴う売掛金・棚卸資産の増加が主因で、運転資本の取り崩しが進んでいない可能性があります。設備投資額は-20.34億円と抑制的で、営業CFから控除した簡便FCFは約76.4億円と推計されます(投資CF全体は未開示のため暫定)。財務CFは-138.38億円で、その主因は自社株買い-144.47億円とみられ、還元がFCFを上回るキャッシュアウトとなっています。運転資本の季節性・循環性(売掛金1,081.16億円、在庫492.98億円、買掛金745.84億円)の管理が改善すれば、営業CFの回復余地があります。短期的に手元流動性で還元を賄える余力はあるものの、FCFとの整合性回復が持続性の観点で重要です。
配当実額は未開示ですが、配当性向(計算値)57.6%は当社ベンチマーク<60%の範囲内で概ね許容的です。他方、営業CFベースの簡便FCF(約76.4億円)は自社株買い144.47億円を大きく下回っており、総還元(配当+買戻し)の水準は手元資金の取り崩しや借入に依存しています。今後の持続性は、(1) 運転資本の圧縮による営業CF改善、(2) 設備投資の規律、(3) 市況・為替の変動を踏まえた柔軟な還元方針(総還元性向の平準化)に依存します。FCFカバレッジは未算出(投資CF未開示)である点を前提に、配当継続自体は利益水準とバランスシートから可能性が高い一方、買戻し規模はCF創出力と連動させるのが望ましいです。
ビジネスリスク:
- 半導体・電子部品サイクル反転に伴う需要減退と在庫評価損のリスク
- 為替変動による売上・粗利率・在庫評価への影響
- 主要顧客・主要サプライヤーへの集中度に伴う価格交渉力低下リスク
- 物流逼迫やリードタイム長期化に伴う機会損失
財務リスク:
- 営業CF/純利益0.64倍に示されるキャッシュ・アーンの乖離(運転資本負担)
- 総還元(特に自社株買い)がFCFを上回ることによる手元流動性の目減り
- 金利上昇局面での借入コスト増(受取利息増による一部相殺)
- 為替ヘッジのミスマッチによる評価損リスク
主な懸念事項:
- 在庫・売掛金の増勢が続く場合の継続的な営業CF圧迫
- 純利益の大幅増の一部が一過性(前年特殊要因の剥落等)である可能性
- 投資CF未開示によるFCFの不確実性と還元持続性の評価困難
- 持分法投資利益未開示により、連結外の収益変動感応度を把握しにくい点(依存は小さそうだが確認必要)
重要ポイント:
- 売上+11.5%、営業利益+13.5%、純利益+89.3%で収益性は改善、営業・経常マージンもbpベースで拡大
- ROE8.7%、ROIC7.4%と資本効率は目標レンジに到達
- 営業CF/純利益0.64倍と収益の現金化は弱く、運転資本がボトルネック
- 強固な流動性(流動比率212%、現金732億円)で短期耐性は高い
- 自社株買い144億円は積極姿勢だが、FCFを上回るため持続性はCF回復次第
注視すべき指標:
- 売掛金回転日数と在庫回転日数(運転資本の正常化度合い)
- 粗利率と製品ミックス、為替感応度
- 営業CF/純利益の改善(目標≥1.0倍)
- ROICの推移(目標≥8%)
- 総還元額(配当+買戻し)のFCFカバレッジ
セクター内ポジション:
エレクトロニクス専門商社として、収益成長と資本効率は業界内で良好な部類。一方で運転資本の重さとキャッシュ創出のタイムラグは同業他社と同様の課題で、手元流動性の厚みが相対優位を支える。持分法依存が低い点は総合商社に比べて業績変動性を抑える一方、本業の需要循環への感応度は高い。
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