- 売上高: 291.46億円
- 営業利益: 5.16億円
- 当期純利益: 3.84億円
- 1株当たり当期純利益: 19.66円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 291.46億円 | 272.47億円 | +7.0% |
| 売上原価 | 241.13億円 | 225.61億円 | +6.9% |
| 売上総利益 | 50.32億円 | 46.86億円 | +7.4% |
| 販管費 | 45.16億円 | 41.05億円 | +10.0% |
| 営業利益 | 5.16億円 | 5.81億円 | -11.2% |
| 営業外収益 | 1.12億円 | 1.32億円 | -15.2% |
| 営業外費用 | 0円 | 7百万円 | -100.0% |
| 経常利益 | 6.27億円 | 7.06億円 | -11.2% |
| 税引前利益 | 6.27億円 | 7.06億円 | -11.2% |
| 法人税等 | 2.42億円 | 2.40億円 | +0.8% |
| 当期純利益 | 3.84億円 | 4.66億円 | -17.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3.84億円 | 4.66億円 | -17.6% |
| 包括利益 | 4.39億円 | 7.90億円 | -44.4% |
| 減価償却費 | 70百万円 | 62百万円 | +12.9% |
| 支払利息 | 0円 | 0円 | - |
| 1株当たり当期純利益 | 19.66円 | 23.85円 | -17.6% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 253.05億円 | 263.48億円 | -10.43億円 |
| 現金預金 | 90.35億円 | 90.78億円 | -43百万円 |
| 売掛金 | 92.21億円 | 99.79億円 | -7.58億円 |
| 棚卸資産 | 40.14億円 | 40.52億円 | -38百万円 |
| 固定資産 | 65.17億円 | 64.10億円 | +1.07億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 37百万円 | 13.96億円 | -13.59億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -1.23億円 | -2.68億円 | +1.45億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 1.3% |
| 粗利益率 | 17.3% |
| 流動比率 | 164.9% |
| 当座比率 | 138.7% |
| 負債資本倍率 | 1.17倍 |
| EBITDAマージン | 2.0% |
| 実効税率 | 38.6% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +7.0% |
| 営業利益前年同期比 | -11.2% |
| 経常利益前年同期比 | -11.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -17.6% |
| 包括利益前年同期比 | -44.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 20.10百万株 |
| 自己株式数 | 527千株 |
| 期中平均株式数 | 19.57百万株 |
| 1株当たり純資産 | 747.90円 |
| EBITDA | 5.86億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 18.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 560.00億円 |
| 営業利益予想 | 11.00億円 |
| 経常利益予想 | 13.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 8.80億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 44.96円 |
| 1株当たり配当金予想 | 18.00円 |
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2026年度Q2のゼット株式会社の業績は、売上は堅調に伸びた一方で収益性とキャッシュフローの質が悪化し、全体としてはミックスな内容です。売上高は291.46億円で前年同期比+7.0%と増収となりましたが、営業利益は5.16億円で同-11.2%、経常利益も6.27億円で同-11.2%、当期純利益は3.84億円で同-17.6%と減益でした。粗利益率は17.3%(粗利50.32億円)で、販管費は45.16億円(売上比15.5%)に達し、営業利益率は1.77%(=5.16/291.46)に低下しています。前年の営業利益率は約2.13%(推計:5.81/272.39)で、営業利益率は約36bp縮小したと試算されます。非営業収益は1.12億円で、営業外収入比率は29.2%と示され、経常段階の下支えに非営業項目の寄与が見られます。税負担は実効税率38.6%と高めで、純利益の圧迫要因となりました。ROEは2.6%(純利益率1.3%×総資産回転率0.916×財務レバレッジ2.17倍)と低水準で、利益率の低さが主因です。営業キャッシュフローは0.37億円にとどまり、純利益3.84億円に対する営業CF/純利益は0.10倍と品質面に重大な懸念が生じています。設備投資は0.35億円で、参考ベースのフリーCF(営業CF-設備投資)は約0.02億円とギリギリの水準です(投資CF詳細未記載のため暫定評価)。財務CFは-1.23億円で、配当や借入返済などの資本配分が純現金流出となりました。バランスシートは流動比率164.9%、当座比率138.7%と十分で、現金90.35億円に対し借入金は合計2.99億円と実質的にネットキャッシュの堅固な財政基盤です。運転資本は99.57億円で、売掛金92.21億円・棚卸40.14億円・買掛75.56億円の構成から、概算のキャッシュコンバージョンサイクルは約31日(売掛回収約58日+在庫約30日-買掛約57日)と許容範囲ですが、成長局面での運転資本増が短期のCFを圧迫した可能性があります。ROICは5.4%と、一般的な商社の目標水準(7-8%)に届かず改善余地が残ります。配当性向(計算値)は94.2%と高く、現在のCF創出力を踏まえると持続可能性に注意が必要です。総じて、売上成長は確認できる一方、マージンの悪化とキャッシュフローの弱さ、非営業収益への一定の依存が課題であり、下期に向けて粗利率改善と運転資本効率の回復が重要な示唆となります。特に営業CF/純利益の乖離解消、販管費のコントロール、税率の最適化が中核論点です。
デュポン分析(ROE=2.6%): 1) ROEを純利益率×総資産回転率×財務レバレッジに分解すると、ROE=1.3%×0.916×2.17=約2.6%となる。2) 3要素のうち、ROEの低さに最も寄与しているのは純利益率(1.3%)であり、総資産回転率(0.916)とレバレッジ(2.17倍)は極端に弱くはない。3) 純利益率低下のビジネス上の背景は、粗利率17.3%と低い商流(卸売中心)の構造に加え、販管費比率15.5%が利益をほぼ吸収していること、また実効税率38.6%の高さが純利益段階での目減りを強めている点にある。4) マージンの圧迫は、単価・ミックスやプロモーションコスト、物流費・賃借料(賃借料1.24億円)等の上昇が想定され、短期的には持続しやすい一方、価格改定・製品ミックス改善、購買条件の見直しにより中期的な回復余地は残る。5) 懸念されるトレンドとして、売上成長+7.0%に対し営業利益が-11.2%と伸び悩み、販管費ないし売上原価の伸びが売上を上回った可能性が高い(営業レバレッジが負に転じた)。また、非営業収益の比率が29.2%と高めで、経常段階の品質がやや希薄化している。
売上は+7.0%と堅調で、カテゴリー/チャネル拡大または価格改定の寄与が示唆される一方、営業利益は-11.2%でマイナス・オペレーティングレバレッジが発生。粗利率17.3%・営業利益率1.77%と薄利構造が継続し、当期は税率上昇も重石。非営業収益1.12億円の寄与が経常利益を下支えしており、持続的成長の観点では営業利益の回復が不可欠。短期見通しでは、下期の繁忙期需要や在庫適正化がマージン改善に寄与する可能性があるが、物流コストや販促費の上昇が続けば回復は限定的。中期では、商品ミックス(自社企画/高付加価値比率の引き上げ)と価格政策、サプライチェーン効率化によりROIC>7%を目指す余地。成長の持続可能性は運転資本の回転改善と営業CF創出力の回復が鍵。
流動比率164.9%、当座比率138.7%と流動性は良好で、短期支払能力に問題は見られない。負債資本倍率1.17倍、借入金は短期1.01億円・長期1.98億円の計2.99億円に対し、現金90.35億円で実質ネットキャッシュであり、レバレッジは極めて低い。満期ミスマッチリスクは、流動資産253.05億円が流動負債153.48億円を大きく上回り限定的。買掛金75.56億円に対し売掛金92.21億円・在庫40.14億円のバランスから、運転資本は健全だが、成長局面での運転資金需要増に注意。オフバランス債務は開示なしだが、賃借料1.24億円からリース・賃貸契約に伴う将来コミットメントの潜在を留意。インタレストカバレッジは支払利息未記載で算出不可だが、Debt/EBITDA約0.51倍相当とみられ、金利負担リスクは低い。警告すべき指標(流動比率<1.0、D/E>2.0)は該当なし。
営業CFは0.37億円にとどまり、純利益3.84億円に対する営業CF/純利益は0.10倍と品質問題の可能性が高い。売上成長に伴う売掛・在庫の積み上がりが主因と推測され、短期的にキャッシュが拘束された公算。設備投資は0.35億円と軽微で、参考ベースのFCF(営業CF-設備投資)は約0.02億円と実質的にブレイクイーブン(投資CFの詳細未記載のため暫定)。財務CFは-1.23億円で、配当または借入返済が現金流出に寄与した模様。運転資本操作の兆候として、売掛回収約58日、在庫約30日、買掛支払約57日と試算され、総じてCCCは約31日で許容範囲だが、期中の増加が営業CFを圧迫した可能性。今後は売掛回転・在庫回転の改善が営業CFの回復に直結する。
配当関連の定量開示は不足するが、配当性向(計算値)94.2%は高水準で安全域が小さい。営業CFが純利益を大幅に下回るため、当期水準の配当を現金収支で賄う余力は限定的(参考FCF≈0.02億円)。ネットキャッシュが厚いことから短期的な支払い能力はあるものの、持続性確保には営業CFの正常化とマージン改善が前提。方針面の見通しは不明だが、目安として配当性向<60%かつFCFベースでのカバレッジ改善が望ましい。
ビジネスリスク:
- 粗利率の低下・販促/物流費の上昇による営業利益率の圧迫
- 需要変動・季節性の高いスポーツ用品市場における在庫リスク
- 主要仕入先・小売チャネルへの依存度に伴う取引条件悪化リスク
- 輸入比率が高い場合の為替(円安)による原価上昇リスク
財務リスク:
- 営業CF/純利益0.10倍とキャッシュフロー品質の劣化
- 売上成長局面における運転資本増加による資金繰り圧迫
- 高い配当性向(94.2%)の継続による内部留保の毀損
- 実効税率の高止まり(38.6%)によるフリーCF圧迫
主な懸念事項:
- 営業利益率の低下(約36bp縮小)と非営業収益への依存(比率29.2%)
- ROIC 5.4%と資本コスト対比でのリターン不足の懸念
- 情報開示の不足(投資CF・支払利息・配当金額等)により持続可能性評価の不確実性
- 在庫・売掛の積み上がりが継続した場合のCF改善遅延
重要ポイント:
- 増収にもかかわらず営業減益で、営業レバレッジがマイナスに転化
- 営業CF/純利益0.10倍とキャッシュ創出力に大きな課題
- ネットキャッシュ豊富で流動性は強固、短期の財務リスクは限定的
- ROE 2.6%、ROIC 5.4%と資本効率が低位で改善余地が大きい
- 非営業収益の寄与が相対的に大きく、コア収益の底上げが必要
注視すべき指標:
- 粗利率および販管費率(四半期推移)
- 営業CF/純利益と運転資本回転(売掛・在庫・買掛の日数)
- ROIC(>7-8%への回帰)
- 非営業収益比率と税率の推移
- 在庫評価損・プロモーションコストの動向
セクター内ポジション:
卸売・商社系の同業と比較して財務安全性(ネットキャッシュ)は優位だが、収益性(営業利益率・ROIC)は劣後。短期の耐久力は高い一方、中期の価値創出にはマージン改善と運転資本効率化が不可欠。
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