- 売上高: 1,423.73億円
- 営業利益: 32.29億円
- 当期純利益: 29.31億円
- 1株当たり当期純利益: 139.38円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 1,423.73億円 | 1,397.94億円 | +1.8% |
| 売上原価 | 1,310.49億円 | 1,291.92億円 | +1.4% |
| 売上総利益 | 113.24億円 | 106.01億円 | +6.8% |
| 販管費 | 80.95億円 | 78.26億円 | +3.4% |
| 営業利益 | 32.29億円 | 27.75億円 | +16.4% |
| 営業外収益 | 5.16億円 | 5.29億円 | -2.5% |
| 営業外費用 | 2.24億円 | 2.59億円 | -13.5% |
| 経常利益 | 35.20億円 | 30.45億円 | +15.6% |
| 税引前利益 | 40.83億円 | 39.65億円 | +3.0% |
| 法人税等 | 11.51億円 | 11.37億円 | +1.2% |
| 当期純利益 | 29.31億円 | 28.27億円 | +3.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 29.30億円 | 28.26億円 | +3.7% |
| 包括利益 | 43.22億円 | 14.24億円 | +203.5% |
| 減価償却費 | 6.47億円 | 5.14億円 | +25.9% |
| 支払利息 | 1.62億円 | 1.57億円 | +3.2% |
| 1株当たり当期純利益 | 139.38円 | 134.18円 | +3.9% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 137.48円 | 131.69円 | +4.4% |
| 1株当たり配当金 | 34.00円 | 34.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 1,231.25億円 | 1,255.96億円 | -24.71億円 |
| 現金預金 | 48.48億円 | 39.12億円 | +9.36億円 |
| 売掛金 | 537.09億円 | 549.52億円 | -12.43億円 |
| 棚卸資産 | 306.12億円 | 294.53億円 | +11.59億円 |
| 固定資産 | 486.73億円 | 455.47億円 | +31.26億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 38.88億円 | -15.03億円 | +53.91億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -17.33億円 | 46.36億円 | -63.69億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 2.1% |
| 粗利益率 | 8.0% |
| 流動比率 | 135.9% |
| 当座比率 | 102.1% |
| 負債資本倍率 | 1.39倍 |
| インタレストカバレッジ | 19.93倍 |
| EBITDAマージン | 2.7% |
| 実効税率 | 28.2% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +1.8% |
| 営業利益前年同期比 | +16.3% |
| 経常利益前年同期比 | +15.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +3.7% |
| 包括利益前年同期比 | +203.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 21.80百万株 |
| 自己株式数 | 739千株 |
| 期中平均株式数 | 21.03百万株 |
| 1株当たり純資産 | 3,415.93円 |
| EBITDA | 38.76億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 34.00円 |
| 期末配当 | 42.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Eigyoukaihatsujigyou | 25.75億円 | 1.01億円 |
| ElectronicMaterials | 229.49億円 | 12.61億円 |
| IronAndSteel | 889.60億円 | 13.48億円 |
| LIFESales | 54.23億円 | 2.93億円 |
| MachineryAndMechatronics | 33.78億円 | -27百万円 |
| NonFerrousMetals | 190.85億円 | 2.51億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 2,900.00億円 |
| 営業利益予想 | 68.00億円 |
| 経常利益予想 | 72.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 56.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 266.14円 |
| 1株当たり配当金予想 | 38.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の佐藤商事は小幅な増収と営業利益の2桁増を達成し、収益性が着実に改善した四半期でした。売上高は1,423.73億円で前年同期比+1.8%、営業利益は32.29億円で+16.3%と、限られた売上成長の中で利益成長が加速しました。粗利益は113.24億円、粗利率は8.0%と安定的で、販管費80.95億円を吸収して営業利益率は2.27%まで改善しました。前年同期の営業利益は約27.75億円と推計され、営業利益率は約1.99%から約2.27%へ約+29bpの拡大です。経常利益は35.20億円(+15.6%)で、営業外収益5.16億円と営業外費用2.24億円の差引+2.92億円が寄与しました。当期純利益は29.30億円(+3.7%)で、純利益率は2.06%と前年の約2.02%から約+4bpの小幅改善に留まりました。営業外収入比率は17.6%と非営業要素の寄与が無視できず、受取配当金3.61億円や受取利息0.22億円が底上げ要因です。一方でROEは4.1%と低位で、総合商社ベンチマークに照らすと資本効率は課題が残ります。加えてROICは2.4%と目標レンジ(7-8%以上)を大きく下回り、投下資本に対する収益性は警戒水準です。財務面では流動比率135.9%、当座比率102.1%、負債資本倍率1.39倍と、短期の流動性とレバレッジは概ね許容範囲です。営業CFは38.88億円で純利益29.30億円の1.33倍と利益の現金裏付けは良好です。設備投資は20.56億円と抑制的で、営業キャッシュ創出力に見合った投資規模です。短期借入金は267.85億円と運転資金依存が大きく、金利上昇局面でのコスト増は留意点です。総じて、営業レベルの改善とキャッシュ創出は評価できる一方、非営業依存と低ROICが中期の価値創造を制約しており、資産圧縮・高回転化と高収益案件への再配分が今後の焦点です。
ROEは4.1%で、純利益率2.1% × 総資産回転率0.829 × 財務レバレッジ2.39倍の積で説明できます。期中の変化で最も寄与が大きいのは純利益率の改善(営業利益率の拡大約+29bp)で、低成長下でも販管費の伸びを抑えた結果、営業レバレッジが効きました。非営業収益(受取配当金等)の寄与も経常段階での下支え要因となり、営業外収入比率17.6%がROEの目減りを一定程度防ぎました。これらの改善要因のうち、販管費効率化と粗利の維持は継続可能性がある一方、配当金など営業外収益は相場環境や投資資産の構成に左右されやすく持続性に不確実性があります。売上成長(+1.8%)に対し営業利益成長(+16.3%)が上回っており、短期的には正の営業レバレッジが確認できますが、低ROIC(2.4%)は資本の回りの弱さを示し、中長期のROE押し上げには投下資本のスリム化かマージン構造の再設計が必要です。懸念点として、営業外要素への依存度上昇や、構造的に低いEBITDAマージン(2.7%)が継続する場合、費用上振れや金利上昇に対する耐性が弱まる可能性があります。
売上は+1.8%と伸びは控えめで、数量よりも価格/ミックスの改善とみられる粗利維持が収益を支えました。営業利益は+16.3%と高い伸びで、販管費の伸び抑制によるマージン改善が主因です。経常段階では受取配当金等の非営業収益が寄与し、成長の質は営業と非営業の複合です。純利益成長は+3.7%に留まり、税負担(実効税率28.2%)や営業外費用がボトルネックでした。ROICが2.4%と低位であるため、持続的な成長には資産回転の向上(運転資本効率化、低収益資産の圧縮)と、粗利率改善(高付加価値商材比率の拡大)が不可欠です。短期的見通しは、運転資本の安定化とコスト抑制が続けば、営業利益率2%台前半の定着は可能とみますが、非営業収益の変動がボラティリティ要因です。
流動比率は135.9%(ベンチマーク>150%)でやや控えめながら、当座比率102.1%が100%超を維持しており即応流動性は確保されています。短期借入金267.85億円が流動負債905.69億円の中で大きな構成を占め、運転資金の短期調達依存が見られますが、売掛金537.09億円と棚卸資産306.12億円がバッファとして機能します。固定負債は92.91億円、長期借入金44.02億円で満期ミスマッチは中程度のリスクに留まります。負債資本倍率1.39倍、総資産/自己資本=2.39倍と、資本構成は業態水準の範囲内です。インタレストカバレッジは19.93倍と強固で、現在の利払い負担は十分に賄えます。オフバランスのリースや保証等の情報は未記載であり、潜在債務の把握には開示の追加確認が必要です。
営業CFは38.88億円で純利益29.30億円の1.33倍と品質は良好(>1.0倍)。運転資本の改善寄与の詳細は未記載ながら、利益のキャッシュ裏付けは確認できます。設備投資は20.56億円で、営業CFから十分にファンドできる水準です。投資CF全体は未記載のため、M&Aや投資有価証券の売買によるFCFへの影響は不明確です。設備投資ベースの簡便FCF試算は約+18.32億円(営業CF−設備投資)とプラスで、財務CFは−17.33億円と主に借入返済や配当支払い(未記載)に充当されたと推察されます。営業CF/純利益比率が高いため短期的な利益の質は高く、運転資本操作の過度な兆候は現時点で認めにくいものの、売掛金・棚卸資産の回転に関する詳細指標が不足している点は留意事項です。
配当性向は計算値で56.5%と概ね許容レンジ(<60%)内に収まり、利益水準から見た配当の持続可能性は一定程度担保されています。営業CFが純利益を上回り、設備投資を控除した簡便FCFはプラスと試算されるため、FCFベースでも配当原資の確保は可能性が高いです。もっとも、投資CF(戦略投資や有価証券の取得・売却)が未記載であるため、実際のFCF余力は振れ得ます。借入依存の運転資金構造と低ROIC(2.4%)は中期的な増配余地を制約し得るため、増配の持続性は資産回転改善と高採算事業の拡大に左右されます。
ビジネスリスク:
- 粗利率の低い商社モデルに起因する利益率の脆弱性(EBITDAマージン2.7%)
- 資源・金属価格変動による在庫評価損や粗利変動リスク
- 顧客需要減速時の売上ボリューム減少と営業レバレッジ逆回転
- 取引先与信リスク(売掛金537.09億円の規模)
- 為替変動による仕入・販売マージンの変動
財務リスク:
- 短期借入金267.85億円に伴うリファイナンス・金利上昇リスク
- 低ROIC(2.4%)継続による資本効率低下と価値創造の遅れ
- Debt/EBITDA約8.0倍とキャッシュフロー対比のレバレッジが高い点
- 非営業収益(配当金等)への依存が強まる場合の収益ボラティリティ
主な懸念事項:
- ROE4.1%・ROIC2.4%と資本コストを下回る資本効率
- 営業外収入比率17.6%と、非営業要素への依存度
- 流動比率135.9%と短期資金依存のバランス(満期ミスマッチの潜在)
- 投資CF未開示によりFCFの全体像が不透明
重要ポイント:
- 増収率+1.8%に対し営業利益+16.3%でマージン改善(営業利益率約+29bp)
- 営業CF/純利益1.33倍で利益の現金裏付けは良好
- ROE4.1%・ROIC2.4%と資本効率は課題、資産回転とミックス改善が必要
- 短期借入依存と金利感応度に留意、インタレストカバレッジは19.9倍で当面の耐性は高い
- 非営業収益(配当金等)への依存が業績変動要因
注視すべき指標:
- ROIC(目標≥7-8%):運転資本回転日数、低収益資産の圧縮進捗
- 営業利益率と粗利率:高付加価値商材比率の推移
- 営業CFと在庫・売掛金の回転(回収日数、在庫日数)
- 非営業収益の内訳(持分法投資利益・受取配当金の継続性)
- 金利感応度(短期借入金の変動金利比率)
セクター内ポジション:
同業中堅商社の中では流動性と利払い耐性は堅調だが、資本効率(ROE/ROIC)とDebt/EBITDAのバランスは相対的に見劣りし、運転資本効率化と収益ミックス高度化が差別化の鍵となる。
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