クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥17317.2億 | ¥17761.7億 | −2.5% |
| 営業利益 | ¥4192.9億 | ¥5135.2億 | −18.3% |
| 経常利益 | ¥4238.0億 | ¥5213.9億 | −18.7% |
| 純利益 | ¥3601.6億 | ¥4011.7億 | −10.2% |
| ROE(年換算) | 23.9% | 28.8% | - |
Executive Summary
当第3四半期累計は、売上減少を上回る利益縮小が生じた減収減益決算であり、コスト吸収力の低下が主因である。売上高は1兆7,317億円(前年比-2.5%)、営業利益は4,192.9億円(同-18.3%)、経常利益は4,238.0億円(同-18.7%)、純利益は3,601.6億円(同-10.2%)となった。営業利益率は24.2%で前年同期の28.9%から大幅に低下したが、純利益の減益幅が営業利益より小さいのは、投資有価証券売却益388.8億円を含む特別利益438.0億円が下支えしたためである。
業績変動要因
【売上高】売上高は1兆7,317.2億円で前年比2.5%減となった。半導体製造装置の単一セグメントであり、半導体メーカーの設備投資サイクル調整が需要面に影響したとみられる。通期会社予想(2兆4,100億円、前年比-0.9%)に対する進捗率は71.9%で、標準的な75%をやや下回る。
【損益】売上原価は9,570.2億円(前年比+1.8%)と増加し、粗利率は44.7%と前年同期の47.0%から低下した。販管費は3,554.0億円(同+10.3%)に増加し、うち研究開発費は2,010.7億円(同+13.4%、売上高比11.6%)が中心である。この結果、営業利益は4,192.9億円(同-18.3%)、営業利益率は24.2%と前年同期の28.9%から大きく低下した。経常利益も4,238.0億円(同-18.7%)と概ね同水準の減益率となった。純利益は3,601.6億円(同-10.2%)にとどまり、投資有価証券売却益389億円を含む特別利益が押し上げに寄与している。減収に伴うコスト吸収力低下と研究開発投資増加が重なった減収減益決算である。
セグメント別分析
半導体製造装置の単一セグメントであるため、セグメント別の開示は行われていない。
主要財務指標
【収益性】営業利益率24.2%は前年同期28.9%から4.7pt低下し、純利益率20.8%は前年同期22.6%から低下した。粗利率は44.7%(前年47.0%)で、原価上昇と販管費増(対売上比20.5%、前年18.1%)が利益率悪化の背景にある。【キャッシュ品質】営業CF等の開示はないが、DSO・DIO・CCCといった運転資本指標からは在庫・売掛金の滞留がうかがわれ、棚卸資産は前年同期比6.7%増の3,109.9億円と、売上減少の中で増加している。【投資効率】ROE(年換算)は23.9%で、純利益率20.8%・総資産回転率0.876倍・財務レバレッジ1.31倍に分解され、低レバレッジのもとで高い資本効率を確保している。【財務健全性】自己資本比率は76.1%(前年70.1%)まで上昇し、有形固定資産は前年同期比29.9%増の5,739.6億円と設備投資が進展した。総負債は前年同期比で減少し、財務基盤は保守的である。
キャッシュフロー分析
キャッシュフロー計算書の各区分の累計額は開示情報に含まれていないため、バランスシートの変動から資金動向を分析する。現金及び預金は3,984.8億円で前年同期の4,162.4億円からやや減少した一方、有形固定資産は前年同期比1,322.6億円増の5,739.6億円と、建物及び構築物を中心に設備投資が進んだことがうかがえる。棚卸資産は前年同期比6.7%増の3,109.9億円となり、売上高が減少する中での在庫増加は、資金の一部が製品・原材料に滞留していることを示唆する。買掛金は997.5億円で前年同期比7.7%減少しており、仕入債務の圧縮を通じた資金流出も生じている。純資産は1,500.4億円増の2兆52.5億円となり、利益の内部留保とその他包括利益の拡大が資本基盤を強化した。
収益の質
当期純利益3,601.6億円には、投資有価証券売却益388.8億円を中心とする特別利益438.0億円が含まれ、特別損失12.9億円を大幅に上回っている。特別損益の純額425億円は純利益の11.8%に相当し、営業利益・経常利益の減益率(それぞれ-18.3%、-18.7%)に比べ純利益の減益率(-10.2%)が小さくなった主因である。営業外損益は営業外収益85.4億円に対し営業外費用40.4億円(うち為替差損35.2億円)で、純額45億円のプラスにとどまり、経常利益への影響は限定的である。したがって、当期の最終利益は一時的な投資売却益による押し上げを含んでおり、経常的な収益力の実態は営業利益・経常利益の減益幅がより適切に反映していると考えられる。
業績予想・ガイダンス
通期会社予想は売上高2兆4,100億円(前年比-0.9%)、営業利益5,930億円(同-15.0%)、経常利益6,010億円(同-15.1%)である。第3四半期累計の進捗率は売上高71.9%、営業利益70.7%であり、標準的な75%をいずれも下回っている。通期予想の達成には第4四半期に売上高6,782.8億円、営業利益1,737.1億円が必要となり、前年同期の減益トレンドが継続する場合、進捗の遅れが拡大する可能性がある。EPS予想は1,200.05円、予想配当は601円である。
株主還元
第2四半期配当は1株当たり264円であり、通期予想配当は601円である。累計純利益3,601.6億円に対する配当性向は、通期予想配当をベースとすると概算約50.1%(予想EPS1,200.05円に対する配当601円の比率)となる。現金及び預金3,984.8億円、自己資本比率76.1%という保守的な財務基盤は配当支払いへの余力を示すが、自己株買いの実施額に関する開示はないため、総還元性向としての評価は行わない。
リスク要因
-
事業集中リスク: 半導体製造装置の単一セグメントであり、半導体メーカーの設備投資サイクルへの感応度が高い。売上高は前年比2.5%減となり、需要循環の変動が業績に直接影響する構造である。
-
運転資本滞留リスク: 棚卸資産が前年同期比6.7%増の3,109.9億円となる一方で売上高は減少しており、在庫消化の遅れや生産・検収サイクルの長期化による資金滞留が懸念される。
-
コスト吸収力低下リスク: 売上高販管費率が20.5%(前年18.1%)に上昇し、研究開発費も売上高比11.6%まで増加した。技術投資は競争力維持に資するが、需要回復が遅れる場合は営業利益率をさらに圧迫し得る。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
決算上の注目ポイント
-
営業利益率24.2%・年換算ROE23.9%は依然として高水準にあるが、前年同期からの営業利益率4.7pt低下は、粗利率悪化と販管費(研究開発費含む)増加が重なった結果であり、コスト構造の変化として注視される。
-
純利益の減益幅(-10.2%)が営業利益の減益幅(-18.3%)より小さいのは、投資有価証券売却益389億円という一時的要因によるものであり、経常的な収益力の実態を評価する際にはこの点を区別する必要がある。
-
有形固定資産が前年同期比29.9%増加し設備投資が進展している一方、通期予想に対する進捗率は売上高・営業利益ともに75%を下回っており、第4四半期の実現度が通期業績の姿を左右する。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 6,720円 |
| base(基準) | 7,160円 |
| bull(強気) | 7,614円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 4,374円 |
| 調整後予想EPS | 1,263.0円 |
| 株主資本コスト r | 8.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 50.1% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.052(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.64倍 / 5.7倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 6,958円〜7,372円、ω±0.1で 7,087円〜7,273円。
注記:
- 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
- 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。