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79742026 第3四半期プライムJGAAP

任天堂(7974) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益21%増

2026年度第3四半期の売上高は1兆9,059億円(前年同期比+99.3%)、営業利益は3,004億円(同+21.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

任天堂株式会社

情報通信・サービスその他/その他製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥19058.8億¥9562.2億+99.3%
営業利益¥3003.9億¥2476.0億+21.3%
経常利益¥4558.4億¥3271.2億+39.4%
純利益¥3588.8億¥2372.2億+51.3%
ROE12.1%8.7%-

Executive Summary

当第3四半期累計は、売上高が前年同期比99.3%増と倍増した一方、営業利益は同21.3%増にとどまり、急拡大する売上に対して利益成長が追いつかない構造となった。売上高は1兆9,058.8億円(前年9,562.2億円)、営業利益は3,003.9億円、経常利益は4,558.4億円(同+39.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,588.8億円(同+51.3%)。営業利益率は15.8%で、前年同期の実績値から算出される水準(約25.9%)から大きく低下しており、増収の中身(製品構成や販管費負担の増加)が利益率に影響したとみられる。経常利益・純利益の伸びが営業利益を上回ったのは、為替差益や持分法投資利益、投資有価証券売却益など営業外・特別損益の押し上げによるものである。

業績変動要因

【売上高】売上高は1兆9,058.8億円と前年同期比99.3%増加し、増収額は約9,495億円に達した。セグメント別の内訳データは開示されていないが、これほどの規模の増収は主力製品・サービスの需要拡大が主因とみられる。

【損益】営業利益は3,003.9億円(同+21.3%)で、増収規模に対して営業利益の伸びは限定的であり、営業利益率は15.8%と前年同期推計の約25.9%から大幅に低下した。粗利率は37.4%、販管費率は21.6%であり、粗利益の伸び以上に販管費が拡大した可能性がある。経常利益は4,558.4億円(同+39.4%)となり、営業外収益1,561.7億円(うち為替差益478.9億円、持分法投資利益648.1億円)が押し上げ要因となった。税引前利益には投資有価証券売却益326.6億円(特別利益)が含まれ、一時的要因として利益を押し上げている。親会社株主に帰属する当期純利益は3,588.8億円(同+51.3%)で、純利益率は18.8%と、営業利益率の低下とは対照的に高水準を維持した。増収増益と総括できるが、営業段階での利益率低下と、営業外・特別損益への依存度上昇が特徴である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率15.8%、粗利率37.4%、純利益率18.8%であり、営業利益率は前年同期推計値(約25.9%)から大きく低下している一方、純利益率は同51.3%増の純利益に支えられ高水準を維持している。【キャッシュ品質】棚卸資産は4,101.9億円と総資産の10.6%を占め、在庫回転日数は年換算で約94日となり、売上急増に対して在庫の消化速度がやや遅れている可能性がある。【投資効率】ROEは12.1%であり、純利益率の高さに支えられている一方、財務レバレッジの寄与は限定的である。【財務健全性】自己資本比率は77.0%(前年80.2%)、現金及び預金は1兆8,740.5億円で総資産の48.5%を占め、負債総額8,869.6億円に対し純資産2兆9,763.9億円と、極めて厚い財務基盤を有する。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の詳細は開示データに含まれないが、貸借対照表の推移からは資金余力の高さがうかがえる。現金及び預金は1兆8,740.5億円で前年の1兆5,862.8億円から増加し、総資産の48.5%を占める。棚卸資産は4,101.9億円まで積み上がり、在庫回転日数は年換算で約94日と、売上高が倍増する中で在庫消化ペースがやや遅れている可能性がある。売掛金は3,125.8億円、買掛金は3,085.2億円とほぼ拮抗しており、運転資本の急激な悪化は見られない。潤沢な現預金と投資有価証券(3,986.2億円)を背景に、短期的な資金繰りの懸念は低いと考えられる。

収益の質

当期の利益成長は、営業利益の伸び(+21.3%)を上回る経常利益・純利益の伸び(それぞれ+39.4%、+51.3%)によって特徴づけられ、その主因は営業外収益と特別利益にある。営業外収益1,561.7億円のうち、為替差益478.9億円は営業利益の約15.9%に相当し、持分法投資利益648.1億円と合わせて経常利益を大きく押し上げた。特別利益に含まれる投資有価証券売却益326.6億円は一時的要因であり、親会社株主に帰属する当期純利益3,588.8億円の約9.1%を占める。包括利益は3,986.6億円と純利益(3,588.8億円)を上回り、その差異は主に為替換算調整額564.6億円によるもので、海外資産・在外子会社の円換算差が反映されている。以上より、当期利益の一部は為替市況や有価証券売却など非経常的要因に依存しており、営業本来の収益力を評価する上では営業利益率の動向がより重要な指標となる。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高84.7%(計画2兆2,500億円)、営業利益81.2%(計画3,700億円)、経常利益99.1%(計画4,600億円)、純利益は計画3,500億円に対し102.5%に達し、経常利益・純利益はほぼ達成または超過している。売上高・営業利益の進捗率は9カ月経過時点の目安である75%を上回っており、順調な進捗といえる。一方、経常利益・純利益の進捗が営業利益を大きく上回っている点は、為替差益や有価証券売却益など第4四半期には再現性が不確かな要因への依存を示唆する。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり42.00円であり、通期の年間配当予想は181.00円である。差し引きから期末配当は139.00円が想定される。通期予想EPS300.62円に対する配当性向は約60.2%となり、配当のみを対象とした水準としてはやや高めだが、現金及び預金1兆8,740.5億円という厚い手元資金を踏まえると、支払い余力への懸念は限定的である。なお、本データからは自社株買いの実施状況は確認できないため、総還元性向ではなく配当性向としての評価にとどまる。

リスク要因

  1. 在庫滞留リスク: 棚卸資産は4,101.9億円で総資産の10.6%を占め、年換算の在庫回転日数は約94日となる。売上高が前年同期比99.3%増となる中で在庫の積み上がりが確認され、需要見通しと在庫水準の乖離が生じた場合、評価損や値引き販売による粗利率悪化の可能性がある。

  2. 営業利益率低下リスク: 営業利益率は15.8%で、前年同期実績から算出される水準(約25.9%)から大きく低下した。売上構成の変化や販管費負担の増加が要因とみられ、営業段階の収益力の持続性はモニタリングを要する。

  3. 営業外・特別損益への依存: 経常利益・純利益の伸びは、為替差益478.9億円、持分法投資利益648.1億円、投資有価証券売却益326.6億円など、営業外・特別要因に大きく支えられている。これらは市況や取引タイミングに左右されるため、営業実態との乖離が拡大している点に留意が必要である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率15.8%8.6% (4.3%–12.7%)+7.2pt
純利益率18.8%6.4% (2.8%–10.3%)+12.4pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を大きく上回り、収益性は業種内で上位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)99.3%3.3% (-2.1%–8.9%)+96.0pt

売上高成長率は業種中央値を大幅に上回り、当期の成長ペースは業種内で突出している。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高が前年同期比99.3%増と倍増する一方、営業利益率は前年同期推計の約25.9%から15.8%へ低下しており、増収の質と利益率の関係が今後の焦点となる。

  2. 経常利益・純利益の伸びは、為替差益・持分法投資利益・投資有価証券売却益など営業外・特別要因への依存度が高く、営業本来の収益力とは区別して評価する必要がある。

  3. 在庫回転日数は年換算で約94日となり、売上急拡大の中での在庫水準の推移は、今後の粗利率動向を占う指標として注目される。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,772円
base(基準)2,902円
bull(強気)2,946円
算出前提
1株純資産(BPS)2,556円
調整後予想EPS345.7円
株主資本コスト r8.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向60.2%
予想EPSの信頼度調整×1.150(当社の過去のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.14倍 / 8.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,823円〜2,985円、ω±0.1で 2,894円〜2,914円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。