- 売上高: 74.43億円
- 営業利益: 5.47億円
- 当期純利益: 3.10億円
- 1株当たり当期純利益: 74.00円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 74.43億円 | 70.22億円 | +6.0% |
| 売上原価 | 37.63億円 | - | - |
| 売上総利益 | 32.59億円 | - | - |
| 販管費 | 27.99億円 | - | - |
| 営業利益 | 5.47億円 | 4.60億円 | +18.9% |
| 営業外収益 | 55百万円 | - | - |
| 営業外費用 | 43百万円 | - | - |
| 経常利益 | 5.14億円 | 4.73億円 | +8.7% |
| 税引前利益 | 4.73億円 | - | - |
| 法人税等 | 1.64億円 | - | - |
| 当期純利益 | 3.10億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3.64億円 | 3.09億円 | +17.8% |
| 包括利益 | 4.04億円 | 4.05億円 | -0.2% |
| 支払利息 | 35百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 74.00円 | 62.64円 | +18.1% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 101.98億円 | 100.18億円 | +1.80億円 |
| 現金預金 | 27.81億円 | 25.31億円 | +2.50億円 |
| 売掛金 | 16.04億円 | 31.00億円 | -14.96億円 |
| 棚卸資産 | 11.00億円 | 8.11億円 | +2.89億円 |
| 固定資産 | 108.01億円 | 108.48億円 | -48百万円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 2,688.03円 |
| 純利益率 | 4.9% |
| 粗利益率 | 43.8% |
| 流動比率 | 254.6% |
| 当座比率 | 227.1% |
| 負債資本倍率 | 0.59倍 |
| インタレストカバレッジ | 15.41倍 |
| 実効税率 | 34.6% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +6.0% |
| 営業利益前年同期比 | +18.8% |
| 経常利益前年同期比 | +8.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +17.7% |
| 包括利益前年同期比 | -0.2% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 5.10百万株 |
| 自己株式数 | 187千株 |
| 期中平均株式数 | 4.93百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,687.85円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 35.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Environmental | 11.03億円 | 5.53億円 |
| MaskRespirator | 61.38億円 | 27.56億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 120.00億円 |
| 営業利益予想 | 12.00億円 |
| 経常利益予想 | 11.50億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 8.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 161.76円 |
| 1株当たり配当金予想 | 35.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3の興研は、売上・利益ともに増収増益で、営業段階の改善が純利益の伸長につながった堅調な四半期でした。売上高は74.43億円で前年同期比+6.0%、営業利益は5.47億円で+18.8%、経常利益は5.14億円で+8.8%、当期純利益は3.64億円で+17.7%といずれもプラスでした。営業利益率は7.35%(=5.47/74.43)で、前年の約6.58%から約+77bp改善し、収益性の底上げが確認できます。経常利益率は6.91%(=5.14/74.43)で、前年の約6.73%から約+18bp改善しました。純利益率は4.89%(=3.64/74.43)と、前年の約4.41%から約+48bpの改善です。粗利率は43.8%と高水準を維持しつつ、販管費率は推計上、前年より低下した可能性が高く、正の営業レバレッジが示唆されます。資本効率面では、ROEが2.8%、ROICが2.5%と依然低位で、成長投資やアセットの使い方に改善余地があります。財務安全性は高く、流動比率254.6%、当座比率227.1%、負債資本倍率0.59倍、インタレストカバレッジ15.41倍と健全です。一方、営業外収入比率が15.2%と一定の寄与があり、営業外要因への依存度動向は注視が必要です。営業CFやFCFの開示がなく、利益の現金裏付け(営業CF/純利益)や配当のFCFカバレッジは検証不能で、利益の質評価に不確実性が残ります。短期借入12.0億円・長期借入27.68億円に対し、現金27.81億円でネットデットはごく小さいとみられ、流動性は十分です。実効税率は34.6%と標準的で、税負担の平準性も確認できます。EPSは74円で、配当性向は計算値で49.1%と許容範囲内ですが、キャッシュフロー不開示のため持続可能性判断は限定的です。総じて、収益性は改善基調ながら資本効率は課題で、今後は営業キャッシュ創出の可視化とROICの引き上げ(価格・ミックス改善、在庫効率化、アセットライト化)が中期テーマとなります。
ステップ1(DuPont分解): ROE 2.8% = 純利益率4.9% × 総資産回転率0.354 × 財務レバレッジ1.59倍。ステップ2: 今期の伸びから判断すると、売上+6.0%に対して営業利益+18.8%、純利益+17.7%と利益が先行して増加しており、最も変化が大きい要素は純利益率(コスト・価格ミックス)です。ステップ3: 粗利率43.8%の維持と販管費の伸び抑制(営業レバレッジ)により営業利益率が7.35%へ改善、金融費用は0.35億円で抑制され、営業外費用の負担も軽微だったことが純利益率改善の主因です。ステップ4: 現時点の改善は、価格改定・製品ミックスや固定費吸収の寄与が示唆され、一定の持続可能性はある一方、営業外収入比率15.2%の寄与や市況・為替の影響は変動要因で一過性リスクも残ります。ステップ5: 懸念として、ROICが2.5%と低位で、資産効率(総資産回転率0.354)の改善余地が大きい点、さらに販管費の絶対額は27.99億円と大きく、売上成長が鈍化すると営業レバレッジが逆回転するリスクがある点を指摘します。
売上は+6.0%増で、需要は底堅い一方、利益は営業+18.8%、純利+17.7%と伸びが上回り、価格・ミックスや固定費効率化の進展が示唆されます。営業利益率は7.35%と前年から約+77bp改善、純利益率も約+48bp改善し、収益性トレンドは良好です。営業外収入比率が15.2%と一定の寄与を持つため、持続的成長の観点では本業の稼ぐ力(営業利益・EBITマージン)の更なる積み上げが重要です。期中の販管費27.99億円は規模感として重く、トップライン成長の持続が減益リスク緩和の鍵となります。来期以降は、価格改定の継続性、主要製品(防じん・防毒マスク等)の更新需要、公共・産業向け需要、海外展開・為替の影響が成長ドライバーです。中期的には在庫回転や売掛金の回収期間短縮により総資産回転率を高め、ROIC改善と成長の両立を図ることが望まれます。
流動性は流動比率254.6%、当座比率227.1%と非常に厚く、短期支払能力に懸念はありません。D/E(負債資本倍率)は0.59倍と保守的で、レバレッジは低位に管理されています。満期ミスマッチについては、短期借入金12.0億円・流動負債40.06億円に対して、現金預金27.81億円、売掛金16.04億円、棚卸11.00億円と流動資産101.98億円で十分に賄えており、リファイナンス・流動性リスクは低いと評価します。インタレストカバレッジは15.41倍と強固で、金利上昇耐性も一定程度あります。オフバランス債務の情報開示はなく、評価は不能です。自己資本は132.17億円と厚く、財務基盤は堅固です。
営業CF、投資CF、フリーCFの開示がないため、利益の現金裏付け評価(営業CF/純利益)やFCFの水準・安定性は評価不能です。このため、営業CF/純利益<0.8等の品質判定は行えず、利益の質には不確実性が残ります。運転資本(売掛金16.04億円、棚卸11.00億円)は適正水準に見えるものの、前期比較データがないため、在庫積み上がりや売掛金の延伸等の運転資本操作の兆候は判断できません。設備投資額・減価償却費の未開示により、維持投資と成長投資のバランスや将来の減価償却負担の見通しも限定的です。
配当性向(計算値)は49.1%と一般的な許容レンジ(<60%)に収まり、利益ベースでは持続可能性は概ね良好と評価します。ただし、営業CF・FCF・配当金総額の未開示により、FCFカバレッジ(配当+設備投資)を検証できません。財務体質は健全で、必要に応じ短期的にはバランスシートで補完可能ですが、中期的な持続性は本業のキャッシュ創出力次第です。資本効率(ROIC 2.5%)が低いため、過度な累進配当よりも、ROIC改善に資する投資と配当の最適配分が望まれます。
ビジネスリスク:
- 主力製品(防じん・防毒マスク等)の需要循環・更新需要の変動
- 価格競争および原材料コスト上昇によるマージン圧迫
- 公共・産業分野の案件時期の偏在による四半期変動
- 海外調達・販売に関わる為替影響とサプライチェーン混乱
- 製品規格・安全規制の変更に伴う開発・在庫リスク
財務リスク:
- キャッシュフロー未開示による配当・投資の資金裏付け不確実性
- 金利上昇局面における借入金(計約39.7億円)の金利費用増加リスク
- 在庫・売掛金の増加による運転資本の資金拘束リスク
主な懸念事項:
- ROIC 2.5%と資本効率の低さ(資産回転率0.354の改善余地)
- 営業外収入比率15.2%への一定依存
- 営業CF/純利益やFCFのデータ欠如による利益の質の不確実性
重要ポイント:
- 増収・増益で営業・純利益率がそれぞれ約+77bp、約+48bp改善
- 財務安全性は高水準(流動比率255%、D/E 0.59x、IC 15.4x)
- ROE 2.8%、ROIC 2.5%と資本効率は依然低位で改善がテーマ
- 営業外収入比率15.2%の寄与は注視、本業収益力の強化が重要
- キャッシュフロー未開示で配当のFCFカバレッジ判断は限定的
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益とフリーCF(利益の現金裏付け)
- 営業利益率・粗利率の持続性(価格改定・ミックス効果)
- 販管費率とその伸び率(営業レバレッジの方向性)
- 在庫回転日数・売掛金回転日数(総資産回転率改善)
- ROICと投下資本の推移(維持投資 vs 成長投資)
- 受取利息・雑収入など営業外項目のボラティリティ
セクター内ポジション:
財務安全性は同業内でも堅牢だが、資本効率(ROE・ROIC)は業界平均を下回る可能性があり、今後は運転資本効率化と本業マージンの積み上げによりバリュー創出余地がある一方、営業外寄与への依存とCFデータ欠如が評価のディスカウント要因となり得る。
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