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79512026 第3四半期プライムIFRS

ヤマハ(7951) 2026年度第3四半期決算 減収・営業益20%増

2026年度第3四半期の売上高は3,410億円(前年同期比-2.8%)、営業利益は244億円(同+20.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

ヤマハ株式会社

情報通信・サービスその他/その他製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥3410.1億¥3506.9億−2.8%
営業利益¥244.0億¥203.2億+20.1%
税引前利益¥290.4億¥241.2億+20.4%
純利益¥203.0億¥143.9億+41.1%
ROE4.3%3.2%-

Executive Summary

減収の一方で本業以外の増益効果と原価・費用改善が寄与し、増益・増収益質ともに改善した決算である。売上高は3,410.1億円(前年比-2.8%)、営業利益は244.0億円(同+20.1%)、経常段階に相当する税引前利益は290.4億円(同+20.4%)、純利益は203.0億円(同+41.1%)となった。減収の主因は中国市況の低迷と欧米プロフェッショナル音響機器の需要一巡であり、増益は原価・販管費の改善に加え金融収益の押し上げ効果による。

業績変動要因

【売上高】売上高は3,410.1億円で前年比-2.8%の減収となった。主因は中国市況の低迷(ピアノ需要弱含み、車載オーディオ減)と、欧米プロフェッショナル音響機器における高需要の一巡である。楽器事業は電子楽器・管弦打楽器・ギターが堅調に推移した一方、音響機器事業のコンシューマー・プロ音響が減収し、全社売上を押し下げた。

【損益】売上原価は2,122.6億円で前年比ほぼ横ばいとなり、粗利率は37.8%(前年36.9%相当)に改善した。販管費は1,036.2億円と前年から減少し、営業利益は244.0億円(同+20.1%)、営業利益率は7.2%(前年5.8%)に拡大した。税引前利益は290.4億円で、金融収益52.8億円が金融費用6.5億円を上回ったことが押し上げ要因となった。純利益は203.0億円(同+41.1%)で、税引前利益の伸び(+20.4%)を上回る増益率となっており、法人税等の負担軽減が一因である。減収増益に該当する。

セグメント別分析

売上構成比では楽器事業が約65%を占め、主力事業と位置づけられる。楽器事業の営業利益(事業利益ベース)は164億円(前年比-20億円)で、中国以外の市場軟調とピアノの減収が主因となった一方、電子楽器・管弦打楽器・ギターは堅調を維持した。音響機器事業は事業利益85億円(同-51億円)と減益幅が大きく、欧米プロ音響の高需要一巡とコンシューマー音響縮小が業績変動への主要因となった。その他事業は事業利益2億円(同+2億円)と小幅ながら自動車用内装部品が堅調に推移した。全社の減益は音響機器事業の落ち込みが主導しており、楽器事業内でも収益性の高いピアノ・電子楽器の減収が利益率に影響した。

主要財務指標

収益性: ROE 4.3%、営業利益率7.2%(前年5.8%相当) キャッシュ品質: 営業CF/純利益 1.72倍、FCF 239.1億円 投資効率: 設備投資/減価償却の直接比較データはないが、設備投資105.2億円は売上高の3.1%水準 財務健全性: 自己資本比率75.6%、流動比率約2.49倍

キャッシュフロー分析

営業CFは346.4億円で、純利益203.0億円に対し1.72倍と利益の現金裏付けは強い。投資CFは-107.3億円で、うち設備投資105.2億円が主因である。財務CFは-116.5億円で、配当支払117.8億円、自社株買い63.4億円が主な流出要因である。FCFは239.1億円で配当支払を上回り、現金創出は強いと評価できる。ただし在庫・売掛金の水準を踏まえると、運転資本サイクルの動向が今後の現金創出力を左右する。

収益の質

税引前利益290.4億円は営業利益244.0億円を46.3億円(+19.0%)上回り、乖離の主因は金融収益52.8億円(売上高の1.5%)である。金融収益は売上高の5%を超えておらず、営業外収益への過度な依存とは言えないが、純利益の伸び率(+41.1%)が営業利益の伸び率(+20.1%)を上回る背景には金融損益と税負担軽減が寄与しており、本業以外の要因の影響を含む点は留意される。営業CFが純利益を上回っており、アクルーアルの観点からは収益の質は良好である。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対する進捗率は売上高73.8%、営業利益81.3%、純利益84.6%であり、標準的なQ3進捗75%と比較して利益進捗が上回っている。通期予想は為替円安を反映し売上高を上方修正した一方、事業利益は据え置かれており、Q4は関税影響や減収・減産影響により前年よりも厳しい環境が見込まれている。米国追加関税の影響は3Q累計で69億円、通期で91億円想定と資料に明記されており、Q4の利益進捗を押し下げる要因となる。

株主還元

第2四半期配当は1株13.00円、通期予想配当は26.00円である。予想純利益240.0億円に対する年間配当総額(発行済株式数ベース概算)を用いた配当性向は概ね50%台の水準にある。自社株買い63.4億円を加えた総還元性向は、資料上135.1%(総還元性向、目標50%以上)とされ高水準である。配当のみで見た持続性は営業CF・FCFの水準から支えられているが、自社株買いを含む総還元は利益変動に対する感応度が相対的に高い。

カタリスト

【短期】Q4の為替前提(US$155円、EUR180円)の実現状況、米国追加関税の影響緩和策の進捗、中国市況の底打ち動向。

【長期】新興国での音楽教育普及施策、技術×感性を掲げた新商品投入、ROE・ROICの中期目標(各10%前後)に向けた資本効率改善の進捗。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率7.2%8.6% (4.3%–12.7%)−1.4pt
純利益率6.0%6.4% (2.8%–10.3%)−0.5pt

自社の収益性は業種中央値をやや下回る水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−2.8%3.3% (-2.1%–8.9%)−6.1pt

売上高成長率は業種中央値を大きく下回り、減収局面にあることが確認される。

※出所: 当社集計

リスク要因

  1. 在庫水準の高さ: 棚卸資産は1,583.7億円で総資産の約25.2%を占める。中国市況の低迷が長期化した場合、在庫評価損や値引き販売につながる可能性がある。

  2. 米国関税影響: 資料によれば3Q累計で69億円、通期で91億円の追加関税影響が想定されている。関税環境の変化がQ4以降の利益進捗に影響し得る。

  3. 為替変動リスク: 通期予想はUS$155円、EUR180円を前提としており、実際の為替水準がこれと乖離した場合、売上高・利益予想に影響する。

決算上の注目ポイント

  1. 減収下でも営業利益率が7.2%(前年5.8%相当)に改善しており、費用構造の効率化が進んでいる点が確認できる。

  2. 純利益の伸び率(+41.1%)が営業利益の伸び率(+20.1%)を上回っており、金融収益や税負担の変動が当期利益に寄与している点は、経常的な収益力との区別が必要である。

  3. 通期予想の利益進捗率が標準的なQ3水準を上回る一方、事業利益予想は据え置かれており、Q4に関税影響や減収要因の顕在化が見込まれている。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)936円
base(基準)946円
bull(強気)959円
算出前提
1株純資産(BPS)1,063円
調整後予想EPS55.9円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向48.8%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.89倍 / 16.9倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 920円〜973円、ω±0.1で 942円〜949円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。