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79422026 第3四半期プライムJGAAP

JSP(7942) 2026年度第3四半期決算 営業益6%増

2026年度第3四半期の売上高は1,086億円(前年同期比+0.3%)、営業利益は61.1億円(同+6.4%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社 JSP

素材・化学/化学


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1086.4億¥1082.9億+0.3%
営業利益¥61.1億¥57.4億+6.4%
経常利益¥65.3億¥64.5億+1.3%
純利益¥56.7億¥49.6億+14.3%
ROE5.2%4.7%-

Executive Summary

売上高が前年同期比0.3%増とほぼ横ばいの中、営業利益は同6.4%増となり、増収率を上回る増益を確保した点が今期決算の要点である。売上高1086.4億円(前年比+0.3%)、営業利益61.1億円(同+6.4%)、経常利益65.3億円(同+1.3%)、純利益56.7億円(前年49.6億円)となった。営業利益率は5.6%と前年から改善しており、原価・費用管理を通じた採算改善が売上停滞を補った形である。

業績変動要因

【売上高】売上高は1086.4億円で前年同期比+0.3%とほぼ横ばい。セグメント別ではビーズ事業が717.0億円(構成比66.0%)、押出事業が376.2億円(同34.6%)となり、押出事業の売上は前年374.5億円から微増、ビーズ事業も前年708.4億円からわずかに増加している。両セグメントとも大きな伸びはなく、全社的に数量・価格面での成長は限定的な状況がうかがえる。

【損益】営業利益は61.1億円(前年比+6.4%)、営業利益率は5.6%で前年から改善した。セグメント別営業利益はビーズ事業50.2億円(利益率7.0%)、押出事業17.7億円(同4.7%)で、押出事業は前年比+15.7%と伸長し全体の増益に寄与した。経常利益は65.3億円(同+1.3%)にとどまり、営業利益の伸びをやや下回るが、これは営業外費用の支払利息増加(2.5億円、前年1.5億円)が一部相殺したためである。純利益は56.7億円(前年比+14.8%)と営業・経常段階の伸び率を上回っており、退職給付制度改定益3.9億円、段階取得に係る差益1.2億円などの特別利益(合計6.8億円)が寄与した一時的要因が含まれる。結論として、今期は増収増益(売上微増・利益増)であるが、純利益の伸びには一時的要因の寄与が大きい。

セグメント別分析

ビーズ事業は売上717.0億円(構成比66.0%)、営業利益50.2億円(利益率7.0%)で引き続き収益の柱となっている。押出事業は売上376.2億円(同34.6%)、営業利益17.7億円(利益率4.7%)で、前年同期の15.3億円から+15.7%の増益となり、全社増益の主因の一つとなった。両事業とも売上の伸びは1%未満にとどまる一方、押出事業の利益率改善が相対的に目立つ。全社費用等の調整額は前年の△8.4億円から△6.8億円へ縮小し、これも営業利益の押し上げに寄与した。

主要財務指標

【収益性】営業利益率5.6%、純利益率5.2%はいずれも前年同期から改善しており、粗利率26.4%・販管費率20.8%という費用構造のもと、増収なき増益を実現した。年換算ROEは5.2%で、純利益率5.2%・総資産回転率0.68倍・財務レバレッジ1.48倍の組み合わせにより形成されている。【キャッシュ品質】営業CFは94.5億円で純利益56.7億円の約1.7倍にあたり、利益の現金裏付けは良好である。一方、EBITDA対比のOCF/EBITDAは0.78倍で、売掛金増加の影響により現金転換効率にはなお改善余地がある。【投資効率】総資産回転率0.68倍は資本集約的な製造業の水準を反映し、有形固定資産714.0億円が総資産の44.5%を占める。フリーキャッシュフローは32.2億円で、設備投資62.2億円を営業CFで賄える水準にある。【財務健全性】自己資本比率67.6%、有利子負債は借入合計約175.9億円にとどまり、現金及び預金143.8億円と合わせて財務基盤は安定している。ただし短期借入金95.3億円と1年内返済予定長期借入金56.5億円を含む短期負債比率は相対的に高く、借換動向のモニタリングが必要である。

キャッシュフロー分析

営業CFは94.5億円で前年の62.1億円から+52.2%増加し、純利益56.7億円を上回る水準で利益の現金裏付けは良好である。運転資本面では売掛金の増加68.0億円が営業CFの押下げ要因となった一方、棚卸資産の減少27.6億円と仕入債務の増加15.6億円がこれを補った。投資CFは62.2億円の支出で、主に有形固定資産取得75.7億円によるものであり、設備投資が継続していることを示す。この結果、フリーキャッシュフロー(営業CF+投資CF)は32.2億円のプラスとなり、設備投資を営業活動で賄える状態を維持している。財務CFは18.9億円の支出で、長期借入金の返済43.9億円などが配当支払20.9億円等とともに資金流出要因となった。現金及び現金同等物は期中に16.0億円増加し、投資・財務活動後も手元流動性は拡大した。

収益の質

税引前利益71.4億円には特別利益6.8億円(退職給付制度改定益3.9億円、段階取得に係る差益1.2億円、保険金収入1.0億円等)と特別損失0.7億円が含まれ、純額6.1億円の一時的な利益寄与がある。これは親会社株主帰属当期純利益56.3億円の約10.8%に相当し、純利益の前年比+14.8%という伸び率の一部は経常的な収益力の改善に加え、この一時的要因によって押し上げられている。営業外損益は収益7.4億円・費用3.2億円で差引4.2億円の黒字であり、受取利息3.4億円が支払利息2.5億円を上回る構成となっている。包括利益は48.3億円で純利益56.7億円を下回っており、為替換算調整額△7.1億円が主因である。この乖離は海外資産・在外子会社の円換算による評価差であり、営業活動の実態を直接反映するものではないが、包括利益ベースでは当期の資本増加ペースがやや抑制されていることを示す。営業CFが純利益を上回っている点はアクルーアルの観点から利益の質を支える一方、売掛金の増加が続けば今後の現金転換率に影響し得る。

業績予想・ガイダンス

通期予想(売上高1430.0億円、営業利益70.0億円、経常利益74.0億円、EPS221.31円)に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高76.0%、営業利益87.3%、経常利益88.2%となっている。売上高進捗は期間比例的な75%近辺で標準的だが、営業利益・経常利益は標準進捗を上回っており、通期予想達成に向けた土台は整っている。親会社株主帰属当期純利益は通期予想58.0億円に対し既に97.1%まで進捗しているが、これには退職給付制度改定益などの特別利益が寄与しており、この水準がそのまま経常的な収益力を示すものではない点に留意が必要である。

株主還元

第2四半期配当は1株40円で、通期配当予想は90円である。通期純利益予想58.0億円と期中平均株式数26.2百万株に基づく年間配当総額(概算23.6億円)から算出される予想配当性向は約40.7%となる。フリーキャッシュフロー32.2億円は期中の現金配当支払額20.9億円を上回っており、配当原資としての現金余力は確保されている。自己株式取得は当期計上されておらず、ここでの評価は配当のみに基づく配当性向である。利益剰余金760.3億円、現金及び預金143.8億円という財務基盤を踏まえると、現行配当水準の継続については相対的な安定性がうかがえる。

リスク要因

  1. 売上債権の回収長期化: 売掛金は356.2億円で前年比+16.2%増加し、営業CFの押下げ要因となった。回収サイクルの長期化が続けば、営業キャッシュフローの創出力に影響し得る。

  2. 原材料・エネルギー価格の変動と価格転嫁: 売上原価率は73.6%(前年73.7%)で概ね横ばいだが、石油化学原料由来のコスト変動を販売価格へ適時に転嫁できない場合、粗利率26.4%・営業利益率5.6%が圧迫される可能性がある。

  3. 短期負債の借換動向: 短期借入金95.3億円と1年内返済予定長期借入金56.5億円を合わせた短期負債の比重は相対的に高い。流動比率214.1%、自己資本比率67.6%という高い財務健全性が緩和材料となるが、金利環境の変化時には借換コストの動向を注視する必要がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率5.6%8.6% (4.3%–12.7%)−3.0pt
純利益率5.2%6.4% (2.8%–10.3%)−1.2pt

自社の収益性指標はいずれも業種中央値を下回り、業種内では相対的に低い水準に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)0.3%3.3% (-2.1%–8.9%)−3.0pt

売上高成長率も業種中央値を下回り、成長性の面では業種内で低成長グループに位置する。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高が前年比0.3%増とほぼ横ばいの中、営業利益は同6.4%増となり、営業利益率は前年から改善した。低成長環境下でのマージン改善の継続性が今後の焦点となる。

  2. 純利益の前年比+14.8%という伸びには、退職給付制度改定益など純額6.1億円の特別利益が寄与している。経常的な収益力と一時的要因を区別して業績を捉える必要がある。

  3. 営業CFは純利益の約1.7倍にあたる94.5億円を計上し、利益の現金裏付けは良好である一方、売掛金の増加(+68.0億円)が続いており、今後の運転資本効率と現金転換率の推移が注視点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,497円
base(基準)3,567円
bull(強気)3,597円
算出前提
1株純資産(BPS)3,961円
調整後予想EPS243.4円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向40.7%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.90倍 / 14.7倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,469円〜3,669円、ω±0.1で 3,554円〜3,575円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(97%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。