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79362026 第1四半期プライムJGAAP

アシックス(7936) 2026年度第1四半期決算 増収・営業益37%増

2026年度第1四半期の売上高は2,703億円(前年同期比+29.7%)、営業利益は607.6億円(同+36.5%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

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クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥2702.7億¥2083.1億+29.7%
営業利益¥607.6億¥445.1億+36.5%
経常利益¥587.8億¥433.8億+35.5%
純利益¥466.7億¥317.3億+47.1%
ROE14.7%11.6%-

Executive Summary

全地域での増収を背景に、増収増益かつ利益率改善を伴う好決算となった。売上高は2,702.7億円(前年比+29.7%)、営業利益は607.6億円(同+36.5%)、経常利益は587.8億円(同+35.5%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は466.7億円(同+47.1%)となった。営業利益率は22.5%で前年同期比約1.1pt改善しており、増収を上回る増益は販管費効率化と欧州・中華圏を中心とした高採算地域の成長による。

業績変動要因

【売上高】売上高は2,702.7億円と前年同期比+29.7%増加し、全報告セグメントが増収となった。欧州が845.7億円(同+43.8%)で最大の売上規模となり、中華圏も371.9億円(同+28.2%)、東南・南アジアが168.7億円(同+34.6%)と高い伸びを示した。日本592.7億円(同+17.2%)、北米481.5億円(同+23.0%)は相対的に伸び率が低い。

【損益】営業利益は607.6億円(同+36.5%)で、売上増加率を上回る増益となった。地域別では中華圏の利益率29.7%が最も高く、前年から62.9%増益と収益貢献が大きい。北米は売上+23.0%に対し利益+10.6%にとどまり、利益率13.3%は主要地域で最低水準である。経常利益は営業外費用(支払利息13.5億円、為替差損4.8億円)により営業利益を下回るが同+35.5%増、純利益は固定資産売却益31.1億円という一時的要因も寄与し同+47.1%増となった。全体としては増収増益であり、利益成長が売上成長を上回る構造である。

セグメント別分析

欧州が売上845.7億円・営業利益182.1億円(利益率21.5%)で最大の利益貢献地域となり、前年比利益+53.5%と高成長を維持している。中華圏は売上371.9億円ながら利益率29.7%と全地域で最も高く、利益は同+62.9%増加した。日本は売上592.7億円・利益率24.5%で安定的な収益基盤を示す。一方、北米は売上481.5億円・利益率13.3%と主要地域で最も低く、増収に対して利益の伸びが鈍い(売上+23.0%に対し利益+10.6%)。オセアニアも売上+27.5%に対し利益+7.0%と、増収の割に利益伸長が限定的であり、地域間の収益性格差が拡大している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率22.5%(前年21.4%)、純利益率17.2%(前年15.2%)はいずれも前年から改善し、粗利率54.6%の高水準が収益性の基盤となっている。ROEは14.7%であり、純利益率の高さが主導し、総資産回転率0.42倍、財務レバレッジ2.01倍と分解される。【キャッシュ品質】営業CFは111.3億円のマイナスで、純利益466.7億円に対する営業CF比率はマイナスとなっており、当四半期は利益がキャッシュに転化していない。売掛金+448.9億円、棚卸資産+97.8億円の増加、買掛金の減少68.4億円、法人税等の支払236.2億円が主因である。【投資効率】設備投資36.0億円は減価償却費76.3億円を下回っており、投資水準は抑制的である。EPS(基本)は65.71円(前年44.26円、同+48.5%)。【財務健全性】自己資本比率49.7%、流動資産4,622.2億円に対し流動負債2,556.2億円と流動性は厚く、現金及び預金1,193.9億円は短期有利子負債を上回る水準にある。

キャッシュフロー分析

営業CFは111.3億円のマイナスで、前年同期の34.5億円のプラスから大きく悪化した。運転資本の小計は129.5億円のプラスであったが、売上債権の増加448.9億円と仕入債務の減少68.4億円が資金を圧迫し、法人税等の支払236.2億円も加わり最終的にマイナスに転じた。投資CFは31.2億円のマイナスで、設備投資36.0億円が主因である。この結果フリーキャッシュフローは142.5億円のマイナスとなり、営業活動のみでは投資・配当を賄えていない。財務CFは218.8億円のプラスで、短期借入金の純増375.0億円により資金不足を補っている。増収増益にもかかわらず運転資本の拡大が現金創出を上回っており、今後は売上債権・在庫の回収・管理が資金繰り上の焦点となる。

収益の質

経常利益と純利益の差異は主に特別利益31.1億円(固定資産売却益)によるもので、税引前利益618.7億円は経常利益587.8億円を上回った。この固定資産売却益は純利益466.7億円の約6.7%に相当し、純利益の増益率(+47.1%)が営業利益の増益率(+36.5%)を上回った一因である。営業外損益は費用超過(営業外収益10.2億円に対し営業外費用30.1億円)で、支払利息13.5億円と為替差損4.8億円が主な項目である。包括利益は548.4億円で純利益466.7億円を上回り、繰延ヘッジ損益61.0億円がプラス要因となっている。営業CFが111.3億円のマイナスである一方で会計上の利益が大幅増となっており、売上債権・棚卸資産の増加を伴う利益であることから、当四半期の利益の現金化については留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高9,500億円(前年比+17.2%)、営業利益1,710億円(同+20.0%)、経常利益1,650億円(同+18.5%)であり、業績予想・配当予想ともに修正はない。Q1実績の進捗率は売上高28.4%、営業利益35.5%、経常利益35.6%となり、いずれも単純進捗の25%を上回る。通期営業利益率予想は18.0%相当であり、Q1実績の22.5%からは下期にかけて平準化を織り込んだ予想となっている。Q1の高い利益率が通期を通じて維持されるか、または季節性・費用計上のタイミングにより平準化するかが今後の焦点となる。

株主還元

通期の配当予想は1株当たり38.00円であり、通期EPS予想153.91円に基づく配当性向は約24.7%となる。自己株式取得はQ1で0.01億円と僅少であり、総還元性向への影響は軽微である。Q1の配当支払額は113.5億円で、当四半期のフリーキャッシュフロー(マイナス142.5億円)では賄えていないが、現金及び預金1,193.9億円と低い有利子負債水準が配当の下支えとなっている。

リスク要因

  1. 在庫・回収サイクルの拡大: 製品在庫は1,660.5億円に達し、売上債権は前年同期比で大幅に増加した(売上債権の増減がマイナス448.9億円)。増収に伴う在庫積み増しが評価損や値引き販売のリスクにつながる可能性がある。

  2. 営業キャッシュフローの悪化: 営業CFは111.3億円のマイナスとなり、純利益466.7億円との乖離が大きい。運転資本の拡大が続く場合、短期借入金への依存度が高まる可能性がある。

  3. 地域別収益性のばらつき: 北米は売上+23.0%に対し利益+10.6%、利益率13.3%と主要地域で最も低い。オセアニアも増収に対し利益の伸びが鈍く、地域間の収益性格差が損益全体に影響を与える可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率22.5%7.2% (3.2%–12.5%)+15.3pt
純利益率17.3%5.9% (2.9%–12.5%)+11.4pt

収益性は製造業中央値を大きく上回り、業種内で上位水準に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)29.7%5.6% (1.1%–13.9%)+24.1pt

売上成長率も業種中央値を大幅に上回り、業種内で高成長企業に位置づけられる。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高+29.7%、営業利益+36.5%は地域分散された需要拡大と利益率改善を伴っており、欧州・中華圏の高採算成長が牽引役となっている。

  2. 通期予想に対する営業利益進捗率35.5%は標準を上回るが、純利益進捗率42.3%には固定資産売却益31.1億円が含まれるため、営業実力とは区別して捉える必要がある。

  3. 営業CF・フリーキャッシュフローがともにマイナスとなっており、売上債権・棚卸資産の増加を伴う利益成長であることから、今後の運転資本の推移とキャッシュ転換の状況が業績の質を評価する上での注目点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)853円
base(基準)941円
bull(強気)968円
算出前提値
1株純資産(BPS)448円
調整後予想EPS170.4円
株主資本コスト r8.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向24.7%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER2.10倍 / 5.5倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 912円〜971円、ω±0.1で 925円〜965円。

注記:

  • のれん償却 1.1円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
  • 通期予想に対する純利益の進捗(42%)が標準(25%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。