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79152026 第1四半期プライムIFRS

NISSHA(7915) 2026年度第1四半期決算 減収・営業益48%減

2026年度第1四半期の売上高は457.9億円(前年同期比-3.5%)、営業利益は7.5億円(同-47.6%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

NISSHA株式会社

情報通信・サービスその他/その他製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥457.9億¥474.4億−3.5%
営業利益¥7.5億¥14.3億−47.6%
税引前利益¥7.5億¥5.9億+26.8%
純利益¥4.5億¥1.0億+331.4%
ROE0.4%0.1%-

Executive Summary

当第1四半期は減収と大幅な営業減益が同時進行し、収益性の悪化が主要な特徴となった。売上高は457.9億円(前年比-3.5%)、営業利益は7.5億円(同-47.6%)にとどまった一方、純利益(親会社株主帰属)は4.2億円と前年同期の0.1億円から大幅に増加した。営業減益はディバイス事業の落ち込みと販管費率上昇が主因であり、純利益の増加は金融収支の改善と税引前利益の増加によるもので、営業損益とは別の要因による乖離である。

業績変動要因

【売上高】売上高は457.9億円で前年同期比3.5%減少した。セグメント別では、ディバイスが104.0億円(同-23.3%)と大きく減少し、産業資材195.3億円(同+4.0%)、メディカル141.3億円(同+3.7%)の増収を相殺した。全社減収の主因はディバイス事業の需要減退にある。

【損益】営業利益は7.5億円(前年同期14.3億円、同-47.6%)で、営業利益率は1.6%と前年同期の3.0%から約1.4pt低下した。粗利率は24.1%と前年同期24.4%からわずかに低下したが、より大きな要因は販管費の増加である。販管費は100.2億円(同+2.8%)と増加し、販管費率は21.9%と前年同期21.6%から上昇、売上減少局面での固定費負担増が営業減益を増幅した。セグメント利益ではメディカルが8.4億円(同+13.3%)と増益を確保した一方、産業資材7.1億円(同-30.0%)、ディバイス3.9億円(同-54.7%)が減益し、全社利益を押し下げた。営業利益が大幅減となる一方、金融収益4.6億円と金融費用4.6億円がほぼ相殺され、税引前利益は7.5億円と前年同期比+26.8%となった。法人税等3.0億円(実効税率40.3%)を控除した純利益は4.5億円(前年同期1.0億円)、親会社株主帰属純利益は4.2億円(前年同期0.1億円)となった。営業利益と純利益の方向性が異なる背景には、前年同期に金融費用が重かった反動がある。結論として、当期は減収減益(営業ベース)であり、純利益の改善は営業外要因によるものである。

セグメント別分析

報告セグメントは産業資材・ディバイス・メディカルの3区分。産業資材は売上195.3億円(+4.0%)ながら営業利益7.1億円(-30.0%)と減益、利益率は3.6%に低下した。ディバイスは売上104.0億円(-23.3%)、営業利益3.9億円(-54.7%)と最も落ち込みが大きく、利益率3.8%。メディカルのみ増収増益で、売上141.3億円(+3.7%)、営業利益8.4億円(+13.3%)、利益率6.0%と3セグメント中最高水準を維持し、全社利益の下支え役となった。全社調整額は-12.9億円で前年同期の-10.2億円から悪化しており、セグメント利益の改善が連結営業利益に反映されにくい構造となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率1.6%は前年同期3.0%から低下し、純利益率は1.0%にとどまる。ROEは0.4%と低水準で、資本効率面での課題を示す。【キャッシュ品質】営業CFは39.7億円で親会社株主帰属純利益4.2億円を大きく上回り、利益の現金化は良好である。ただし主因は売上債権の減少31.5億円であり、棚卸資産は33.2億円増加しているため、運転資本面での持続性には留意が必要である。【投資効率】設備投資13.8億円に対し営業CFは39.7億円確保しており、フリーキャッシュフローは24.1億円の黒字を維持した。【財務健全性】自己資本比率は46.5%で前年同期46.1%からほぼ横ばい。有利子負債(社債・借入金)は流動326.1億円、非流動288.6億円の計614.7億円で、現金及び現金同等物387.2億円を控除したネット有利子負債は227.5億円である。Q1中に短期借入金を返済する一方で社債を発行しており、資金調達の長期化が進んだ。

キャッシュフロー分析

営業CFは39.7億円のプラスで、前年同期の-10.9億円から大幅に改善した。改善の主因は売上債権の減少31.5億円によるもので、税引前利益7.5億円と減価償却費25.6億円を含む小計46.9億円をベースとしている一方、棚卸資産の増加33.2億円がキャッシュ創出を一部相殺した。投資CFは-15.6億円で、有形固定資産取得13.8億円、無形資産取得2.0億円が中心である。営業CFと投資CFを合わせたフリーキャッシュフローは24.1億円の黒字を確保した。財務CFは-35.4億円で、短期借入金の返済65.0億円と社債発行54.7億円が相殺し合う形となり、資金調達構造の長期化がみられる。このほか親会社配当支払11.8億円、リース料支払6.0億円も財務CFのマイナス要因である。現金及び現金同等物は期末387.2億円で、期首から4.9億円減少したが、為替換算差益6.4億円がこれを一部相殺した。

収益の質

営業利益7.5億円に対し、その他の収益2.2億円とその他の費用4.0億円、持分法投資損失1.0億円が含まれており、これらの営業外的な項目の純影響は限定的である。金融収益4.6億円と金融費用4.6億円はほぼ相殺されており、税引前利益7.5億円は営業利益とほぼ同水準にとどまる。固定資産除売却損益は0.01億円とごく小さく、開示範囲では純利益を大きく左右する一時的要因は確認されない。営業CFが親会社株主帰属純利益を大幅に上回る点は利益の現金化という観点で良好だが、その主因は売上債権回収であり、同時に棚卸資産が増加しているため、キャッシュ創出の持続性については在庫消化の動向を注視する必要がある。包括利益22.6億円には在外営業活動体の換算差額13.3億円、金融資産の公正価値変動4.4億円が含まれており、純利益4.2億円との乖離は主に為替・市場要因によるもので、事業収益そのものの改善とは区別して捉える必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対するQ1進捗率は、売上高23.1%(457.9億円/1,980.0億円)、営業利益10.7%(7.5億円/70.0億円)、親会社株主帰属純利益13.2%(4.2億円/32.0億円)である。売上高進捗は単純比例の25%をわずかに下回る水準にとどまるが、営業利益・純利益の進捗はこれを大きく下回っている。会社は通期で売上高+1.6%、営業利益+73.3%、純利益+219.4%という大幅な収益改善を見込んでおり、当四半期の進捗状況からは下期における大幅な採算改善が前提となっていることが読み取れる。当四半期には業績予想の修正が行われている。

株主還元

当第1四半期の配当支払額は11.8億円で、親会社株主帰属純利益4.2億円との比較では単純計算上高い水準となるが、四半期の配当支払時期と利益計上時期は一致しないため、この比率のみで評価することは適切ではない。通期予想では1株当たり配当50.00円、親会社株主帰属純利益予想32.0億円、期中平均株式数47,397,742株から算出すると、予想配当総額は約23.7億円、予想配当性向は約74%となる。当四半期の配当予想修正はない。自己株式の取得はほぼ実施されておらず、当四半期の還元は配当のみである。フリーキャッシュフロー24.1億円は当四半期の配当支払額をカバーする水準にあり、現金創出面での裏付けは確認できる。

リスク要因

  1. ディバイス事業の需要減退: 売上高は前年同期比-23.3%、営業利益は-54.7%と大幅に悪化しており、通期計画達成にはこの事業の回復が重要な要素となる。

  2. 運転資本の変動: 棚卸資産は前期末比+36.1億円(+11.3%)増加し、年換算ベースの棚卸資産回転日数は上昇傾向にある。需要見通しが下振れた場合、在庫評価や資金効率への影響が生じ得る。

  3. のれんの水準: のれんは339.3億円で純資産の28.6%を占める。IFRSでは定期償却の対象外であり、取得事業の収益性が計画を下回る場合には減損の可能性を継続的に確認する必要がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率1.6%7.2% (3.2%–12.5%)−5.5pt
純利益率1.0%5.9% (2.9%–12.5%)−4.9pt

自社の収益性指標はいずれも業種中央値を大きく下回り、業種内でも低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−3.5%5.6% (1.1%–13.9%)−9.1pt

売上高成長率も業種中央値を大きく下回り、増収基調にある同業他社と対照的な状況にある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. メディカル事業が増収増益(売上+3.7%、営業利益+13.3%)を維持し、報告セグメント中で最大の利益貢献事業として全社収益の下支え役となっている点は、事業ポートフォリオの構造を理解するうえで注目される。

  2. 営業利益率は1.6%まで低下し、販管費増加が売上減少局面での利益圧迫要因となった。通期営業利益計画に対するQ1進捗は10.7%にとどまり、下期における採算改善の実現度合いが今後の焦点となる。

  3. 営業CFは純利益を大幅に上回りフリーキャッシュフローも黒字を確保しているが、売上債権回収と棚卸資産増加が同時に生じており、運転資本の質的な内訳を注視する必要がある。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,007円
base(基準)2,020円
bull(強気)2,036円
算出前提値
1株純資産(BPS)2,468円
調整後予想EPS70.8円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向74.1%
予想EPSの信頼度調整×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.82倍 / 28.5倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,966円〜2,076円、ω±0.1で 2,006円〜2,029円。

注記:

  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 46%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。