- 売上高: 195.14億円
- 営業利益: 7.19億円
- 当期純利益: 6.23億円
- 1株当たり当期純利益: 30.45円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 195.14億円 | 196.12億円 | -0.5% |
| 売上原価 | 135.97億円 | 138.58億円 | -1.9% |
| 売上総利益 | 59.17億円 | 57.53億円 | +2.9% |
| 販管費 | 51.97億円 | 51.18億円 | +1.5% |
| 営業利益 | 7.19億円 | 6.35億円 | +13.2% |
| 営業外収益 | 1.85億円 | 1.60億円 | +15.6% |
| 営業外費用 | 26百万円 | 95百万円 | -72.6% |
| 経常利益 | 8.79億円 | 7.00億円 | +25.6% |
| 税引前利益 | 8.86億円 | 6.84億円 | +29.5% |
| 法人税等 | 2.63億円 | 1.80億円 | +46.1% |
| 当期純利益 | 6.23億円 | 5.03億円 | +23.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 6.02億円 | 4.72億円 | +27.5% |
| 包括利益 | 11.76億円 | 4.67億円 | +151.8% |
| 減価償却費 | 6.58億円 | 6.48億円 | +1.5% |
| 支払利息 | 7百万円 | 2百万円 | +250.0% |
| 1株当たり当期純利益 | 30.45円 | 23.64円 | +28.8% |
| 1株当たり配当金 | 10.50円 | 10.50円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 345.58億円 | 354.54億円 | -8.96億円 |
| 現金預金 | 136.74億円 | 141.84億円 | -5.10億円 |
| 売掛金 | 77.51億円 | 85.36億円 | -7.85億円 |
| 棚卸資産 | 35.45億円 | 34.75億円 | +70百万円 |
| 固定資産 | 189.69億円 | 177.83億円 | +11.86億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 9.78億円 | 26.03億円 | -16.25億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -7.83億円 | -5.25億円 | -2.58億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 3.1% |
| 粗利益率 | 30.3% |
| 流動比率 | 271.9% |
| 当座比率 | 244.0% |
| 負債資本倍率 | 0.40倍 |
| インタレストカバレッジ | 102.71倍 |
| EBITDAマージン | 7.1% |
| 実効税率 | 29.7% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -0.5% |
| 営業利益前年同期比 | +13.3% |
| 経常利益前年同期比 | +25.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +27.6% |
| 包括利益前年同期比 | +151.7% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 20.69百万株 |
| 自己株式数 | 895千株 |
| 期中平均株式数 | 19.76百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,925.86円 |
| EBITDA | 13.77億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 10.50円 |
| 期末配当 | 15.50円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 414.60億円 |
| 営業利益予想 | 21.20億円 |
| 経常利益予想 | 22.30億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 15.60億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 79.70円 |
| 1株当たり配当金予想 | 13.50円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2のフクビ化学工業は、売上微減の中で利益が増加し、コスト効率改善が際立つ“減収増益”決算となりました。売上高は195.14億円で前年比-0.5%と横ばい圏ながら、営業利益は7.19億円(+13.3%)と2桁増を確保しました。営業利益率は3.68%(=7.19/195.14)で、前年推計の3.23%から約+45bpの改善が示唆されます。経常利益は8.79億円(+25.5%)で、経常利益率は4.50%と前年推計の3.57%から約+93bp拡大しました。当期純利益は6.02億円(+27.6%)で、純利益率は3.08%と前年推計の2.41%から約+67bp上昇しています。粗利益率は30.3%と十分な水準を維持し、販管費は51.97億円で売上比率26.6%に抑制、コストコントロールが利益押上げに寄与しました。営業外収益は1.85億円で、そのうち受取配当金が1.05億円を占め、営業外依存度(営業外収入比率)は30.7%とやや高めです。ROEは1.6%と低位で、ROICも2.1%と資本コストを下回る水準が続いており、資本効率に課題があります。一方、バランスシートは堅固で、総資産535.27億円に対し現金預金は136.74億円、有利子負債はごく小さいため実質的に強いネットキャッシュ体質です。営業キャッシュフローは9.78億円で純利益6.02億円の1.62倍と、利益の現金裏付けは良好です。設備投資は4.86億円にとどまり、簡易FCF(営業CF−設備投資)は約+4.92億円と前向きです。流動比率は271.9%、当座比率は244.0%と流動性は極めて良好で、短期負債への耐性は高いと評価できます。インタレストカバレッジは102.7倍と、金利負担は実質的に無視できる水準です。もっとも、配当性向は89.4%と高く、利益水準が低位な中での高配当は持続性に注意が必要です。営業増益の質は販管費抑制と若干の営業外収益に支えられており、非連続的な増益要因への依存度を意識する必要があります。今後は、販売価格見直しや製品ミックス改善による粗利率の継続的な引き上げ、固定費の適正化、ならびに余剰現金の効率的活用(成長投資・自己株式取得・構造改革投資)によるROIC改善が焦点です。
【デュポン分解】ROE 1.6% = 純利益率3.1% × 総資産回転率0.365 × 財務レバレッジ1.40倍。最も弱い構成要素は総資産回転率(0.365)と純利益率(3.1%)で、レバレッジは抑制的(1.40倍)。営業面では、売上微減(-0.5%)にもかかわらず営業利益が+13.3%増加したことから、販管費比率の改善や価格・ミックス改善が純利益率押上げに寄与したとみられます。一方、資産効率は総資産535.27億円に対する売上195.14億円で低位にとどまり、過大な現金・投資有価証券(合計約206億円規模)の保有が回転率を押し下げています。経常段階では営業外収益1.85億円(うち受取配当金1.05億円)が利益を補完しており、純利益率の改善に寄与していますが、事業の本源的収益力という観点では持続性に不確実性が残ります。営業利益率は3.68%で前年推計比+約45bp改善、経常利益率は+約93bp改善、純利益率は+約67bp改善と、収益性は段階的に底上げされています。これらの改善は販管費抑制などコスト面の努力による部分が大きく、外部環境(原材料価格の安定、電力料金の落ち着き)に影響される可能性があるため、完全に構造的と断言するのは早計です。懸念点として、営業外収入比率が30.7%と相対的に高く、営業利益の質がやや希薄化している点が挙げられます。さらに、ROICは2.1%と低く、資産過多(現金・投資有価証券)や稼働率/価格の課題が資本効率を抑制していると推察されます。売上成長の停滞に比して販管費の伸びは抑制されているものの、今後売上が再加速しない場合には営業レバレッジの逆回転(固定費負担の顕在化)に注意が必要です。
売上は195.14億円で前年比-0.5%と停滞し、数量または価格のいずれかに弱さが残りました。営業利益は+13.3%と増益で、販管費比率26.6%への抑制と粗利率30.3%の維持が寄与しました。経常利益+25.5%、純利益+27.6%と底上げは続きますが、営業外収益(配当金等)の寄与もあり、純粋な事業拡大による成長とは言い切れません。設備投資は4.86億円と抑制的で、短期的にはフリーCFを支えますが、中期的な成長投資の不足は競争力やROICの改善を遅らせる可能性があります。総資産に占める現金・投資有価証券が大きく、選択的M&Aや高付加価値製品への能力増強、効率化投資を通じた成長ドライバーの明確化が課題です。短期見通しはコスト安定と価格維持を前提に、利益率の漸進的改善を想定しますが、需要環境と原材料市況次第で変動しやすい局面が続きます。
流動比率271.9%、当座比率244.0%と流動性は極めて良好で、流動比率<1.0の警告には該当しません。負債資本倍率0.40倍と保守的で、D/E>2.0の警告にも該当しません。短期借入金0.34億円・長期借入金0.75億円に対して現金預金136.74億円と、実質ネットキャッシュの強固な財務体質です。運転資本は218.46億円(売掛金77.51億円、棚卸35.45億円、買掛金40.24億円)で、短期負債127.12億円に対し流動資産345.58億円が十分に上回っており、満期ミスマッチリスクは低いと評価します。オフバランスの債務については情報未記載のため確認困難ですが、現状の有利子負債が小さいため全体の支払能力は高いです。インタレストカバレッジ102.7倍と金利耐性も極めて強固です。
営業CFは9.78億円で純利益6.02億円の1.62倍(>1.0)と、利益の現金裏付けは高品質です。投資CFは未記載ですが、設備投資は4.86億円にとどまります。簡易フリーCF(営業CF−設備投資)は約+4.92億円とプラスで、内部資金で通常の投資と最低限の株主還元を賄える水準です。財務CFは-7.83億円で、配当・自己株取得・借入返済等による資金還元が示唆されます(配当金額は未記載)。運転資本の詳細な期中変動は不明ながら、売掛金・棚卸の水準は現金と合わせて潤沢で、資金繰りに無理な調整の兆候は見られません。営業CF/純利益が1.0を安定超過している点は利益の質を裏付けますが、営業外収益への依存度が高い構造が続く場合、将来のCF持続性には留意が必要です。
配当性向(計算値)は89.4%と高水準で、ベンチマーク(<60%)を上回り慎重姿勢が必要です。配当総額は未記載のため厳密なカバレッジ判定は困難ですが、簡易FCFは約+4.92億円で、現状利益水準での高配当継続は投資余力を圧迫する可能性があります。潤沢なネットキャッシュは短期的な配当耐性を高めますが、ROICが2.1%と低位であることを踏まえると、資本配分(成長投資 vs. 還元)の再設計が中期的な持続性の鍵となります。利益やFCFが変動しやすい外部環境下では、通期の業績着地と投資計画に応じた機動的な配当政策が望まれます。
ビジネスリスク:
- 需要減速リスク:住宅・建材関連需要の弱含みで売上が伸び悩む可能性(売上-0.5%)。
- 原材料・エネルギー価格変動:粗利率30.3%の維持が難化するリスク。
- 製品ミックスの悪化:高付加価値比率低下による利益率の下押し。
- 営業外収益依存:受取配当金等への依存増加で事業収益の純度低下。
財務リスク:
- 資本効率の低位:ROIC 2.1%、ROE 1.6%と資本コスト未達が継続。
- 資産回転率の低位:現金・投資有価証券の多額保有に伴う総資産回転率0.365の停滞。
- 高配当性向:配当性向89.4%で、利益変動時の還元持続性リスク。
主な懸念事項:
- 構造的な収益力強化(価格改定、ミックス、固定費最適化)の進捗度合い。
- 余剰資金の資本配分(成長投資・M&A・自社株取得)の方針と実行力。
- 営業外収入(配当等)への相対的依存度の是正。
- ROIC改善に向けた投下資本効率化(遊休資産の圧縮含む)。
- 外部環境(原材料・電力価格、為替)に対する耐性とヘッジ。
重要ポイント:
- 減収下でも販管費抑制で営業増益、利益率は段階的に改善。
- ROE 1.6%、ROIC 2.1%と資本効率は課題、資産回転率0.365がボトルネック。
- 営業CF/純利益1.62倍で利益の質は良好、簡易FCFもプラス。
- ネットキャッシュ厚く、流動性・金利耐性は極めて高い。
- 営業外収入比率30.7%と事業収益の純度には留意が必要。
- 配当性向89.4%は高水準で、FCFと成長投資のバランスが焦点。
注視すべき指標:
- 粗利益率と販管費率のトレンド(価格・ミックス・コストの継続性)
- 総資産回転率と非事業資産(現金・投資有価証券)の圧縮進捗
- ROICの改善度(>5%への回帰、最終的に>7-8%目標)
- 営業外収益依存度の低下(営業利益の拡大)
- 営業CFと設備投資、配当のカバレッジ(FCF安定性)
セクター内ポジション:
財務安全性は同業内でも上位だが、成長性・資本効率は業界平均を下回る。構造的収益力の底上げと資本配分の最適化が相対評価改善のカギ。
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