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78602026 第3四半期プライムJGAAP

エイベックス(7860) 2026年度第3四半期決算

2026年度第3四半期の売上高は1,031億円(前年同期比+11.3%)、営業利益は30.1億円(黒字転換)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/情報・通信業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥1030.6億¥926.1億+11.3%
営業利益¥30.1億−¥12.6億+338.8%
経常利益¥35.2億−¥11.4億+408.2%
純利益¥34.1億¥23.5億+45.2%
ROE(年換算)8.7%6.1%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計は、増収と販管費抑制を背景に営業損益が黒字転換し、収益性が大きく改善した決算となった。売上高は1030.6億円(前年比+11.3%)、営業利益は30.1億円(前年同期は12.6億円の損失)、経常利益は35.2億円(前年同期は11.4億円の損失)、純利益は34.1億円(前年比+45.2%)となった。増収に対し販管費が3.3%減少したことで営業レバレッジが働き黒字化した一方、純利益には投資有価証券売却益10.5億円が含まれ、一部は非経常要因による押し上げである。

業績変動要因

【売上高】売上高は1030.6億円(前年比+11.3%)で、音楽事業(849.1億円、構成比82.4%、前年比+11.5%)、アニメ・映像事業(153.4億円、構成比14.9%、前年比+10.8%)、海外事業(27.8億円、前年比+7.4%)がいずれも増収となった。海外事業ではS10 Entertainment & Media LLCの連結化が寄与している。

【損益】売上総利益は297.4億円、粗利率28.9%(前年28.5%から+44bp)と改善し、販管費は267.2億円(前年比△3.3%)に抑制された結果、営業利益は前年同期の12.6億円の損失から30.1億円の利益へ転換した。音楽事業がセグメント利益23.3億円(前年同期9.0億円の損失)を稼ぎ全社改善の中心となり、アニメ・映像事業もセグメント利益率6.2%と最も高い収益性を示した。一方、海外事業はセグメント損失2.7億円で赤字が継続する。経常利益は持分法投資利益5.0億円等も加わり35.2億円となった。税引前利益42.9億円には投資有価証券売却益10.5億円が含まれ、特別損失(減損損失1.8億円等)2.8億円を差し引いたネット特別利益は7.7億円である。純利益は34.1億円(前年比+45.2%)で、増収増益に区分される。

セグメント別分析

音楽事業は売上849.1億円(構成比82.4%)、セグメント利益23.3億円(利益率2.7%)で、前年同期の9.0億円の損失から反転し全社利益改善の最大の牽引役となった。アニメ・映像事業は売上153.4億円(構成比14.9%)、セグメント利益9.5億円(利益率6.2%)と、主要事業で最も高い収益性を確保している。海外事業は売上27.8億円と増収したが、セグメント損失2.7億円(利益率△9.6%)で、S10 Entertainment & Media LLCの連結化後の収益化が課題である。全社の減損損失1.8億円はほぼ音楽事業で発生している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率2.9%(前年同期△1.4%)、純利益率3.3%(前年同期2.5%)へ改善したが、いずれも一般的な健全水準とされる5%を下回る。粗利率は28.9%で前年から44bp改善した。【キャッシュ品質】税引前利益42.9億円には投資有価証券売却益10.5億円が含まれ、経常的な事業収益とは区別して評価する必要がある。売掛金は236.9億円、棚卸資産(仕掛品42.7億円を含む)は21.4億円で前年から大きく増加しており、コンテンツ制作案件の回収状況の確認が必要である。【投資効率】ROE(年換算)は8.7%で、純資産521.1億円、純利益34.1億円から算出される。EPSは72.25円(前年48.97円から+47.5%)。【財務健全性】自己資本比率47.0%、流動資産819.8億円に対し流動負債571.9億円で運転資本は247.9億円のプラスであり、短期的な支払能力は確保されている。のれんは25.1億円(前年比+2489.1%)で、S10連結化に伴う増加24.9億円が主因だが、純資産比では4.8%と低位にとどまる。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の詳細開示はないが、BSの動きから資金動向をみると、現金及び預金は332.7億円で前年同期の356.9億円から24.2億円減少した。減少の背景には、無形固定資産の24.1億円増加、棚卸資産の12.3億円増加、およびS10 Entertainment & Media LLCの連結化に伴うのれん24.9億円の増加など、投資・成長関連の資金投下が影響したとみられる。一方で投資有価証券は72.7億円へ25.7億円減少しており、売却が資金の一部を補ったと考えられる。営業損益が黒字転換したことで、事業活動からの資金創出力は前年同期から改善している可能性が高い。

収益の質

当期の税引前利益42.9億円のうち、投資有価証券売却益10.5億円は特別利益として計上された非経常項目であり、特別損失2.8億円(減損損失1.8億円等)を差し引いたネットの特別利益は7.7億円にとどまる。営業外収益6.6億円には持分法投資利益5.0億円が含まれ、これは関連会社の実質的な事業成果を反映するため比較的経常性が高い一方、為替差損0.8億円が営業外費用として発生している。営業利益30.1億円は前年同期の損失から転換した本業由来の改善であり、収益の質としては相対的に高いが、純利益34.1億円全体でみると資産売却益への依存度は無視できない。包括利益は35.8億円で純利益34.1億円との乖離は限定的であり、為替換算調整額+2.4億円等のOCIが小幅なプラス要因となっている。

業績予想・ガイダンス

通期の営業利益予想30.0億円に対し、第3四半期累計で30.1億円を計上し、進捗率は100.4%に達した。標準的な進捗率75%を大きく上回っており、通期予想に対する上振れの可能性を示す進捗である。EPS予想65.94円に対し、第3四半期累計EPSは72.25円で予想を上回っているが、純利益には投資有価証券売却益10.5億円が含まれるため、通期予想超過分のすべてを経常的な事業収益力の向上とみなすことはできない。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり25.00円、通期予想配当は50.00円である。通期予想配当に基づく配当総額は期中平均株式数4,245.1万株から概算21.2億円となり、通期の親会社株主帰属利益予想28.0億円に対する配当性向は概算75.8%となる。第3四半期累計の親会社株主帰属利益30.7億円は通期予想を上回っており、利益進捗面では年間配当のカバーに余力がある。ただし当期利益には投資有価証券売却益が含まれるため、配当原資の持続性は事業収益の継続性を踏まえて評価する余地がある。

リスク要因

  1. 事業集中リスク: 音楽事業は外部売上高の82.4%を占め、同事業のライブ・配信・制作採算の変動が全社業績に大きく波及する構造である。

  2. 海外事業の収益化リスク: 海外事業は売上27.8億円に対しセグメント損失2.7億円であり、S10 Entertainment & Media LLC連結化に伴うのれん24.9億円の回収可能性および統合効果の実現が今後の検証事項となる。

  3. 収益の質・回収リスク: 税引前利益には投資有価証券売却益10.5億円が含まれ経常収益への依存度が相対的に低い。また棚卸資産(仕掛品42.7億円を含む)が前年から大きく増加しており、コンテンツ制作案件の評価・回収状況のモニタリングが必要である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率2.9%8.3% (3.6%–18.6%)−5.4pt
純利益率3.3%6.1% (2.3%–12.8%)−2.8pt

営業利益率・純利益率ともに業種中央値を下回り、黒字転換直後で収益性は業種内では相対的に低い水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)11.3%10.4% (-0.9%–19.9%)+0.9pt

売上高成長率は業種中央値をわずかに上回り、増収ペースは業種内で中位程度である。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 売上高11.3%増と販管費3.3%減により、前年同期の営業損失12.6億円から営業利益30.1億円への転換が実現した。増収と費用規律の両面での改善であり、営業レバレッジの効き方が確認できる。

  2. 主力の音楽事業がセグメント利益23.3億円を稼ぎ全社改善の中心となった一方、アニメ・映像事業はセグメント利益率6.2%と最も高い収益性を示し、事業ポートフォリオ内での収益性の差が明確になっている。

  3. 通期営業利益予想への進捗率は100.4%に達しているが、純利益には投資有価証券売却益10.5億円が含まれる。のれん25.1億円は純資産比4.8%と低位ながら、海外事業の赤字継続を踏まえた統合成果の検証が今後の観察点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,079円
base(基準)1,101円
bull(強気)1,107円
算出前提
1株純資産(BPS)1,226円
調整後予想EPS72.5円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向75.8%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.90倍 / 15.2倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,072円〜1,131円、ω±0.1で 1,097円〜1,103円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(110%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。